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怨霊とは何か 菅原道真・平将門・崇徳院
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 怨霊とは死後に落ち着くところのない霊魂である。古来、日本では怨霊が憑依することによって、個人的な祟りにとどまらず、疫病や天変地異など社会に甚大な被害がもたらされると信じられてきた。三大怨霊と称される菅原道真、平将門、崇徳院は死後、いかに人々を恐怖に陥れたのか。そして、どのように鎮魂がなされたのか。霊魂の存在から説き起こし、怨霊の誕生とその終焉、さらに近代の霊魂文化まで概観する。 -
毒と薬の世界史 ソクラテス、錬金術、ドーピング
毒にしても薬にしても、人類との関わりは、きわめて長く深い。古くから人類は毒を避け、効能のある物質は活用してきた。そして、それらを合成することが可能になってからは、良きにつけ悪しきにつけ、その使用法は無限に拡大している。しかし、実は、同じものが毒にもなれば薬にもなる。本書は、ソクラテスの飲まされた毒から、錬金術、ドーピングにいたるまで、古今東西の毒や薬をめぐる秘話・逸話を紹介するものである。 -
戦国日本の資源戦略 秀吉・家康が求めた鉛、硫黄、硝石
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 鉄砲伝来後、日本ではほとんど採れない黒色火薬の原料である硝石の確保が戦国大名たちの死活問題となった。戦略物資である鉛や大砲、戦艦、水銀についてもイエズス会などと交渉が繰り広げられる。一方で国内で豊富に産する硫黄や銀をめぐって利権確保の駆け引きが続く。大名どうし、さらにはポルトガルやスペイン、中国などとの間で資源争奪戦はどう展開したのか。そして家康はいかに「平和なアジアの海」を実現したのか。 ■□■目次■□■ はじめに 序章 ポルトガル船の東アジアへの出現 明との国交回復ならず/福建貿易の活気/ポルトガル船の跋扈 第一章 ポルトガルの大砲と硝石、硫黄 必須の軍需物質、鉛 大友宗麟の大砲/長篠の合戦での鉛銃弾/銀精錬、灰吹法は鉛を 用いる 黒色火薬の主成分、硝石 国産では足りない硝石/キリシタン大名と硝石/大友宗麟の受洗/有馬晴信の受洗/イエズス会による硝石提供/信長と硝石/家康と鉛、硝石/睦平鉱山をめぐる信玄との攻防/小牧・長久手合戦の補給線/伊勢の安濃津は日本三津の一つ 硫黄は輸出品 大友氏の硫黄輸出/土木の変/伊勢神宮と水銀 東海道と伊勢湾 東海道の繁栄と金/伊勢湾ルートの重要性/倭寇の密貿易と『日本一鑑』/『日本一鑑』の示す日本貿易路/「中道」ルート/「右道」ルート/日本海ルートの可能性 小牧・長久手と富士金山 家康には硝石を輸入できる港がなかった/家康の金山/家康の関東経営/秀吉の能力主義/関ヶ原へ――硫黄戦争としての関ヶ原 第二章 九州の硫黄をめぐる攻防 御蔵入地と石田三成 秀吉の蔵入地/石田三成の辣腕/島津領内の取り仕切り 豊後の硫黄問題 大友義統の改易/臼杵城と杵築城の城主/三成による硝石、鉛、硫黄の統制 薩摩の硫黄輸出港 硫黄生産地・鬼界ヶ島/藤原惺窩の鬼界ヶ島行き/硫黄を求める南蛮船 加藤清正弾薬飢饉 弾薬は自弁/加藤清正のルソン貿易/豊後の分割/太田一吉の豊後領と阿蘇火山 第三章 文禄・慶長の役と三成、長政、そして家康 石田三成と浅野長政の争い 太閤渡海と浅野長政/姜沆『看羊録』/福原長尭の「讒言」/なぜ戦線縮小か?/関白秀次厭戦気分/再び硫黄、そして家康 鉄装甲船、太閤御渡海 秀吉御座船の「威容」/一時停戦/御座船は危うい/家康の兵船建造/兵船用の木材調達/秀次弁護/細川忠興の借金/「なんの働きもない」三成/石垣原の戦い 第四章 御座船と「ふすた船」――海軍力の問題 「ノアの箱舟」――鉄製浮かぶ砲台 巨大艦とその武装/慶長の役の日本艦隊の海軍力/山田長政の「がれうた船」 名護屋に来航した明使節と密偵 和平か継戦か/関白秀次の「謀反」/密偵が見た秀次/秀次処刑 博多の「ふすた船」 秀吉の来訪目的/ポルトガル沈没船、フッガー商会の銅/フスタ船の購入交渉/伴天連追放令/名護屋への各国船の到来/名護屋来航のカンボジア船 第五章 大戦争で、硫黄が最大の利権に 川中島の硫黄 森忠政を川中島に封じる/上杉から川中島を奪った三成/なぜ森忠政は川中島を得たのか 上杉謙信と川中島の硫黄 謙信、秘伝書を授けられる/川中島の硫黄はどこに運ばれたか/リーフデ号漂着と関ヶ原の合戦 改易、領地召し上げ、小早川秀秋の場合 漢城進撃と稷山の戦い/明軍の唐津到着/蔚山の戦いと秀吉の激怒/小早川秀秋の減封事件/博多町衆の進物/戦績報告の再吟味 水銀入手の問題 銀精錬法の革新/水銀は誰が運んできたか/戦争は終わったが 第六章 平和の海の構築へ 家康の全方位貿易戦略 朝鮮との和議/御朱印貿易の精神 スペインとの国交 家康の平和/サン・フェリペ号漂着 家康のスペイン外交模索とウィリアム・アダムズ イギリスによるマニラ・ガレオン襲撃/カルヴァリン砲の入手 第七章 家康のフィリピン外交 関東寄港の要求 ジェズスの書簡/造船技術者の招聘依頼/メキシコとの交易/カンボジアの硝石 水銀、鉱山技術者、メキシコ 大久保長安と水銀輸入/浦賀―アカプルコ貿易路 三浦按針の活躍 エスピリット・サント号の漂着/小サンティアゴ号の来航/アダムズが案内/アダムズ、マニラへ 水銀は、運ばれたか? イエズス会への補償/オランダvs.ポルトガル/総督の来日/水銀輸入の合意/貿易で繁栄を/バラストとして積載?/サン・ブエナ・ベントゥーラ号の建造/鉱山技術の問題 終章 家康の平和 本書関連年表 -
日本史の宝箱 史料をめぐる52の秘話
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。 奈良時代から明治維新期までの古文書や記録などを収集し、史料集を編纂・刊行する東京大学史料編纂所。近年はデジタル技術を駆使した史料の撮影・公開等の新たな試みも続く。 本書は、史料読みのプロたちに加え、史料修理・複製ほかに携わる専門スタッフも寄稿。「名執権・北条泰時の横顔」「織田信長自筆書状の復元影写」「江戸時代の米の先物取引」などなど、多彩な逸話を綴る。奥深い歴史の世界へ読者をいざなう一冊。 ■目次 はじめに Ⅰ あの人物の意外な一面 藤原頼通と古代・中世(黒須友里江) 北条泰時の二日酔い(西田友広) 名執権・北条泰時の横顔(木下竜馬) 嘉吉の乱後の朝廷を支えた公家たち(林遼) 若き北条早雲の改称(岡本真) 寿桂尼の嫁入り(末柄豊) 細川忠興、石田三成の陰謀を語る(林晃弘) 徳川家康の伏見城修築(及川亘) 幕府海軍の藩士と蔵書(水上たかね) Ⅱ おしゃべりなモノたち 黄金の漆をさがして(稲田奈津子) 中世の「おみやげ」(小瀬玄士) 円覚寺の自鳴する鐘(川本慎自) 能登名産ナマコの小桶(藤原重雄) 醍醐の松茸は誰が採る?(高橋慎一朗) 近江妙蓮と柳原紀光の古典籍受容(芝﨑有里子) 江戸時代の米の先物取引(山本一夫) 爆発する江戸(菊地智博) Ⅲ 世情の風景さまざま 奈良時代の付き人(古田一史) 長谷寺と川原寺(村上孟謙) 最後の遣明船(須田牧子) 分国法にみる盗品の取戻し(前川祐一郎) 摂関家当主の一喜一憂(松澤克行) 門跡の相続事情(石津裕之) 老中へ賄賂を贈る(荒木裕行) それぞれの密貿易(大東敬典) 幕末の情報探索にみる「奇兵隊」(小野将) 維新期朝廷の奥と表(箱石大) Ⅳ 文字に秘められた謎 天皇に秘薬をすすめたのは誰?(小塩慶) 記録と説話とのあいだ(海上貴彦) この手紙はいつのもの?(堀川康史) 『兼見卿記』が二つある?(遠藤珠紀) 近代写本の中に隠れた中世史料(畑山周平) 天正少年遣欧使節とエヴォラ版書簡集(岡美穂子) 元和九年の将軍上洛行程と『徳川実紀』(小宮木代良) 絵文字入りの手紙を読む(尾上陽介) 「東大寺開田図」と模写・写真(新井重行) Ⅴ 史料に向き合う 複製史料を見つめ直す(井上聡) 帝銀事件と史料編纂所(金子拓) 金石文調査が拓く地域の歴史(菊地大樹) 「攪乱」された東大寺文書を編む工夫(遠藤基郎) 織田信長自筆書状の復元影写(宮﨑肇) 歴史史料を創る(村岡ゆかり) 下張り文書の魅力(山口悟史) プラチナプリントと複製(桑田恵里) Ⅵ 未来に広がる日本史学 コンピュータが開く史料の扉(中村覚) 日本史からのグローカル化(小風綾乃) 研究データ基盤とベイズ統計学(山田太造) 歴史に伴走する写真(谷昭佳) 史料写真を撮る(高山さやか) 古文書の紙を科学で読み解く(渋谷綾子) 紙の漉き方からわかること(髙島晶彦) 海に出来た山、海を渡った津波(杉森玲子) 編集後記 執筆者一覧 -
大大阪という神話 東京への対抗とローカリティの喪失
一九二〇年代から三〇年代、大阪市は「大大阪」と呼ばれ、人口で東京を抜き、日本最大の都市として存在感を際立たせていた。しかし、大大阪は、中央の東京に対抗することで、むしろ独自性を喪失していく――。本書は、大衆社会におけるラジオ、吉本興業、職業野球、宝塚歌劇など多様な切り口を通じて、その軌跡を追う。「大阪らしさ」の源流を描き出しながら、現在まで続く日本社会の均質性の問題を照らす試み。 目次 まえがき 序 章 大大阪が隔てる二つの世界 第1章 大阪放送局始末記――「既得権益打破」が生んだもの 1 放送の主導権を奪え!――新旧実業家たちの攻防 2 大電買収事件――大阪放送局の前哨戦 3 日本放送協会へ――そして官僚支配だけが残った 第2章 ラジオが夢見た国民文化――均質な言語空間の創造 1 声の中央集権化 2 BKが夢見た「完璧なコミュニケーション」 第3章 吉本は「大阪的」か?――「大衆」の発見と「大阪」の没落 1 吉本と「大衆」の出会い 2 漫才は「大阪人」のためにあらず 3 漫才のメディア論 第4章 職業野球とタカラヅカ――見世物としての近代 1 阪急文化圏とはいかなる場所か? 2 職業野球の源流――西洋文化と武士道のキメラ 3 見世物か? 教育か?――職業野球と宝塚歌劇の共通性 終 章 文化的であること、放置すること あとがき 主要参考文 -
ローマ帝国とアフリカ カルタゴ滅亡からイスラーム台頭までの800年史
電子版は本文中の写真をすべてカラー写真に差し替えて掲載。 北アフリカを本拠とした強国カルタゴは、イタリア半島を統一した新興国ローマと争い、敗れて滅亡した。 アフリカは属州とされたが、拡大する帝国の片隅で埋没したわけではない。穀倉地帯として経済的繁栄を遂げ、政治的影響力を強めて元老院議員を輩出した。二世紀末には初のアフリカ出身皇帝セプティミウス・セウェルスが登場する。 「辺境」はローマ本国をどう変えたのか。地中海を挟む対岸から見た、新しいローマ帝国像。 ■本書の目次 はしがき 序章 カルタゴの滅亡と北アフリカの人々 ポエニ戦争とカルタゴの滅亡/カルタゴ滅亡とその伝説化/現在のカルタゴ/北アフリカの人々/歴史は勝者によって書かれる、のか? 第一章 共和政期の属州アフリカ ローマ支配の始まり/共和政期の「ローマ帝国」/ガイウス・グラックスとカルタゴ再建の試み/前一一一年の農地法/「ローマではすべてが金で買える」/ユグルタ戦争とマリウスの軍制改革/サルスティウスの歴史の書き方/ヌミディア王とローマ/ユグルタ戦争後のヌミディアとマウレタニア/ヌミディア王ユバ一世とカエサル/「ウティカのカトー」/カエサルによる戦後処理 第二章 カルタゴ再建とマウレタニア王国の興亡 オクタウィアヌスの登場/元首政の成立と退役兵問題/カルタゴ再建/帝室解放奴隷の活躍/ビュルサの丘の祭壇/カルタゴ植民市の周辺領域/入植者と先住民との土地分割/トゥッガにおける先住民と入植者/タクファリナスの反乱/戦争か、盗賊か?/『年代記』の史料的特色/マウレタニア王国のヘレニズム文化/プトレマイオス朝の末裔として/後継者プトレマイオス王とその死/マウレタニアの属州化 第三章 属州民の見たローマ帝国 ローマ支配の拡大/穀倉としての北アフリカ/大土地所有の拡大とネロの蛮行/転換期としてのフラウィウス朝?/「ローマ化」とは何か/トラヤヌス帝の都市建設/アフリカ属州総督の不正/「人類が最も幸福だった時代」の属州社会/シミットゥスの橋/ハドリアヌス帝のアフリカ巡幸/ハドリアヌス帝の演説にみる兵士たち/皇帝領の運営規定/皇帝領の小作人たち/ウティナのモザイクにみる人々の暮らし/マルクス・アウレリウス帝とローマ市民権 第四章 アフリカ系皇帝の時代 セプティミウス・セウェルス帝の登場/北アフリカのローマ化と元老院の変容/パルティア遠征と凱旋門/カルタゴ都市領域の再編/カルタゴのローマ人たち/レプティス・マグナへの帰郷/支配の南方への拡大/皇帝の死とエチオピア人/「記憶の断罪」/アントニヌス勅法/騎士身分皇帝マクリヌス/二三八年のアフリカ反乱/ローマへの愛/テュスドゥルス・モザイクにみるローマとアフリカ/三世紀は危機だったのか? 第五章 アフリカ教会とラテン語のキリスト教 キリスト教のアフリカ伝来/キリスト教とラテン語/テルトゥリアヌスからキュプリアヌスへ/デキウス帝とウァレリアヌス帝の迫害/アルノビウスとサトゥルヌス信仰/ディオクレティアヌス治世の迫害とラクタンティウス/ドナトゥス派問題/キルクムケリオーネスと四世紀の農村社会/アウグスティヌスの『告白』/アウグスティヌスとアフリカ教会/アフリカ人の誕生とローマ帝国 第六章 古代末期のローマ人たち ヴァンダル人の侵入と古代の終わり?/宮廷の権力争いと北アフリカ/ギルドの反乱と食糧供給/北アフリカにおけるローマ支配の自壊/ヴァンダル王国の成立と「西ローマ帝国」の滅亡/ヴァンダル王国支配下のアフリカ農村/アリウス派とカトリック教会/東から来たローマ人/マウリ人とローマ人/ビザンツ支配下のアフリカ諸都市/カルタゴとコンスタンティノープル/イスラーム支配の拡大 終章 アフリカから見たローマ帝国 あとがき 邦語参考文献 写真出典 -
カラー版 遺跡が語るアジア
アジアは遺跡の宝庫だ。 そこに立つと何かが見えてくる。 謎のインダス都市、新発掘の274体の仏像で注目されるアンコール、土砂の下から出てきたシルクロードの仏教壁画、そして植民地支配の痕跡……。 それらはことごとく盗難や破壊の危機にさらされている。 長い時間をかけて撮りつづけてきたフィルムのなかから18ケ所の遺産・遺跡を選び出し、カラー写真とエッセイで紹介する。 ■□■目次■□■ 第1章 眠りから覚めたインダス文明都市遺跡:インド・ドーラヴィーラ 第2章 大地が聖堂だった:トルコ・カッパドキア 第3章 かつてヒッピーを惹きつけた町:ネパール・カトマンズ 第4章 最古の仏教壁画:インド・アジャンタ 第5章 絶滅収容所アウシュヴィッツ:ポーランド・オシフィエンチム 第6章 アンコール遺跡群:カンボジア 第7章 不毛の地に残る千仏洞:中国・キジル 第8章 天への階段イフガオ:フィリピン・ルソン島 第9章 旧朝鮮総督府:韓国・ソウル 第10章 ワット・プー(山の寺):ラオス 第11章 千年の都イスタンブル:トルコ 第12章 砂漠の宮殿ペルセポリス:イラン 第13章 人類初めて鉄を手にした人たちの都ハットゥシャ:トルコ 第14章 東西文化融合遺跡タキシラ:パキスタン・ガンダーラ 第15章 文明の十字路サマルカンド:ウズベキスタン 第16章 ブッダガヤ:インド 第17章 エローラ石窟:インド 第18章 メソポタミアの悲劇:イラク -
地図と愉しむ東京歴史散歩
丸ノ内線はなぜあちこちで地上に顔を出すのか。都営三田線の終点はなぜ他線と接続しない西高島平になったのか。霞が関・市ヶ谷・麻布・上野など、あちこちにあった巨大な地下壕はだれがつくったか? 日本最大の祟り神である崇徳院をまつった東京の神社はどこにある? 地下鉄、軍施設、怨霊、火葬場など、ふだん目にすることの少ない東京の姿を地図と模式図とカラー写真で紹介する、好評シリーズの第5弾。地下にドラマあり。 -
カラー版 新大陸が生んだ食物―トウモロコシ・ジャガイモ・トウガラシ
カレーや肉じゃがなど、日々の献立に欠かせないジャガイモ、季節を感じさせるトウモロコシやカボチャ、激辛のトウガラシや魅惑のチョコレート……。これらはすべて中南米を原産とし、15世紀末以降、世界中に広まった新しい食物である。その「ふるさと」を訪ねると、味も形も色もユニークでバラエティーに富む原産種が栽培され、加工や調理にも工夫が凝らされていた。多彩な食物と人間の関係をカラー写真と文章でたどる。 -
弔いの文化史 日本人の鎮魂の形
日本人は天災や戦争によって非業の死を遂げた者をどのように弔ってきたのか。『古事記』『日本書紀』を起点に仏教説話集『日本霊異記』の世界に分け入り、念仏結社を作った源信、女人救済を説いた蓮如らによる弔いの作法を歴史的に辿る。さらに死者の霊を呼び寄せる巫女の口寄せ、ムカサリ絵馬や花嫁・花婿人形の奉納など現在も続く風習を紹介し、遺影のあり方をも考察。古代から東日本大震災後まで連なる鎮魂の形を探る。 -
バルチック艦隊 日本海海戦までの航跡
内陸の帝国ロシアはバルト海のムルマンスク以外軍港に恵まれなかった。しかも極北の不凍港へは長い鉄道が必要だった。帝国はバルチック艦隊創設とともにシベリア政略を推進、極東への展開を目論むが新興海軍国日本との争いになる。日露戦争である。要衝旅順を確保すべくバルチック艦隊は長い遠征の末、待ち構えていた日本海軍と激突し潰滅する。だがこの日本海海戦は、その後の日本海軍に虚構に満ちた海戦伝説を生むことになる。 -
クレムリン秘密文書は語る 闇の日ソ関係史
一九九一年末のソ連邦解体後、新生ロシアは鉄の扉に覆われた秘密文書を積極的に公開した。日本関連の文書も明らかになり、秘められた真相公表が日ソ関係史の書き替えを迫っている。本書は、戦前の社会に衝撃を与えた女優・岡田嘉子の越境亡命事件、日本共産党と日本社会党のソ連資金疑惑、北方領土など日ソ交渉の舞台裏をソ連公文書を基に解明し、理想と幻想の国家・ソ連に憑かれた日本人の悲喜劇を描くノンフィクションである。 -
ヴィクトリア朝の性と結婚 性をめぐる26の神話
ヴィクトリア文化は性を抑圧する文化であり、性に対するとりすました淑女ぶり、お上品主義である――このような考え方は、今世紀のみならず、当時からすでにあった。「中流階級の女たちは不感症に育てられる」「娼婦に落ちたら死ぬまで娼婦」「避妊を知らない」「未婚の母は召使に多い」など、本書は現在まで多くの人が受け入れている「神話」を26とりあげ、その虚構性を当時の日記や書簡、新聞の投書や漫画などの資料を通して検証する。 -
民衆宗教―帝国日本の信仰とナショナリズム
天理教、大本、如来教、黒住教、金光教、丸山教……。 近代日本では、個性的な教祖による民衆宗教が数多く生まれた。 それらは、膨張する大日本帝国といかなる関係があり、社会にどのような影響を与えたのか――。 19世紀初めから敗戦前後に至る150年のなかで、民衆宗教の信仰、イデオロギー、国内外での布教活動、国家による弾圧、戦争協力などを追う。 その複雑な軌跡からは、もう一つの帝国日本の姿が見えてくる。 まえがき 第1章 民間信仰からの離陸――一八〇〇~六〇年代(1) 1 狐憑きか、神様か――中山みきと神がかり 2 教祖の来歴――天理教・如来教・黒住教・金光教 第2章 教祖たちの思想――一八〇〇~六〇年代(2) 1 心なおしの信仰 2 旧く、新しい神々 3 新しい共同性 4 この世へのまなざし 第3章 近代国家との出会いと葛藤――一八六〇~八〇年代 1 転換期の宗教者たち 2 明治国家による抑圧 3 世俗の秩序を超えて 4 丸山教と「み組」事件 第4章 発展と代償――一八八〇~一九〇〇年代 1 バッシングの嵐 2 飯降伊蔵と憑依の時空間 3 教団の近代化と「おさしづ」 4 大本の登場 5 「筆先」と世紀末の日本 第5章 霊魂をめぐる抗争――一九〇〇~二〇年代(1) 1 大正維新論 2 鎮魂帰神法の思想と実際 3 憑きもの信仰と近代霊学システム 4 再浮上する神の声――天理研究会 第6章 神話とナショナリズム――一九〇〇~二〇年代(2) 1 「泥海古記」と『霊界物語』の形成 2 共生する神話たち 3 記紀神話への対抗 4 和解と変革の神話としての『霊界物語』 第7章 帝国主義との交錯――一九〇〇~二〇年代(3) 1 天理教の海外布教 2 大本の人類愛善運動 3 植民地朝鮮と民衆宗教 4 国民国家を超える 第8章 総力戦下の弾圧と動員――一九三〇~四〇年代 1 満洲事変と「非常時」 2 大本の民衆宗教ウルトラ・ナショナリズム 3 宗教弾圧の時代 4 一九三〇年代の天理教と「ひのきしん」 5 戦争協力へ 終章 戦後日本と民衆宗教――一九四〇~六〇年代 1 信教の自由がもたらしたもの 2 民衆宗教言説の誕生と戦後大本 3 周縁化された者たちの近代史 あとがき 引用・参照文献 略年表 -
中国近現代史 清朝末期から21世紀の強国化まで
19世紀のイギリス進出と「西洋の衝撃」以降、存亡の機に直面した清帝国。 アヘン戦争、日清戦争、辛亥革命で崩壊し、中華民国が誕生する。 日中戦争、国共対立を経て、中華人民共和国が成立。 文化大革命という惨劇、改革開放、そして21世紀に強国化を目論む中国の歩みは、世界史と密接に結びついていた。 西洋や日本にどう反応して社会主義国となり、経済発展を遂げたのか。 200年の歴史をグローバルな視座で読みとく。 【目 次】 まえがき 序 章 世界潮流への共鳴と抵抗 1 中華文明と世界の出会い 中華と中華文明とは? 西洋文明との接触 2 アヘン戦争後の華夷秩序の変容 華夷秩序とは? 伝統王朝から近代国家へ 第1章 王朝から共和国へ――中華民国の誕生 1 日清・日露戦争と近代国家への転換 アジアでの憲政の拡大 立憲君主制の模索 ジャーナリズムと女性 憲法制定と議会開設 2 世界的憲政潮流のなかの辛亥革命 孫文と中国同盟会 三段階の革命論 始動する革命 憲政と革命が交錯する辛亥革命 共和国の誕生 北京政府の近代化政策 二つの約法の対立 3 第一次世界大戦と新たな文明の模索 混沌とする政治情勢 大戦期の情況 共和国の正常化を目指して 新たな文明のあり方 新しい概念の流入 第2章 近代化と大衆化――中華民国の変容 1 同床異夢の中国国民党と中国共産党 新文化運動による思想の活性化 五四運動による思想の分化 女性解放論と優生学 中国共産党の成立 国民党と共産党の異同 2 揺らぐ国際協調体制下での政権交代 北京政府から国民政府へ 国際協調体制と中国 存在感を増す地方と社会 法制の近代化 内部対立を繰り返す北京政府 国民革命の発動 3 アメリカのグローバル化と中国社会の大衆化 財政・経済とグローバル金融システム アメリカナイゼーションと反帝国主義運動 マスメディアの発達と消費文化の浸透 大衆化と女性 深刻化する社会の分断 第3章 自由と統制――中華民国の復興 1 満洲事変の衝撃と政治・経済の新展開 国民政府の強さと弱さ 胡適と人権論争 満洲事変と憲政準備 民主独裁論争と中国的近代化論 大衆化社会の矛盾共産党の動き 国民党政権下の国政選挙 2 日中戦争期のナショナリズムとリベラリズム 盧溝橋事件とナショナリズム 憲政と抗日——国民参政会 国民党の弱体化 奥地の経済 総動員体制は構築されず 戦中の民主憲政運動 民族と女性 戦後構想 3 第二次世界大戦後の民主化と「中国革命」 中華民国憲法の制定 戦後中国の分裂 アメリカ文化の流入 変則的な議会制 新たな民主制度の迷走 憲政から革命へ 第4章 資本主義から社会主義へ――中華人民共和国の成立 1 共産中国 冷戦と非冷戦のはざまで 共産中国を取り巻く国際環境 「一つの中国」をめぐる一般論社会主義という概念 中ソの異同 党権力の浸透 統制をめぐる国際比較 政治の中国化 「大躍進」と特異な社会主義 2 世界からの孤立と文化大革命 厳しさを増す対外環境 文化大革命の発動と混乱 文化大革命と人間の尊厳 世界史のなかの文化大革命 対外戦略の転換 日中関係 計画経済期の実態 計画経済期の農業 改革開放を準備した特質 3 大陸中国にとっての香港・マカオ・台湾 避難所として 統一対象として 香港から大陸中国へ 大陸中国と香港と台湾のトライアングル関係 第5章 冷戦後の強国化――中華人民共和国の発展 1 改革開放とソ連・東欧諸国の崩壊 グローバルな時代性 社会主義的民主の再建 経済改革と政治改革 民主化の挫折と経済の発展 ソ連と東欧諸国との比較 新たな中国モデル 2 グローバル資本主義のなかの中国共産党の変容 改革開放の光と陰 花開く思想文化とその分岐 共産党の変質 多元化する経済と社会 改革開放と台湾 3 中華文明の復興と米中対立の高まり 高度成長と大国化志向 普遍性を求める思想文化——魯迅から中国SFとフェミニズム 終 章 グローバル時代の中国の観方 1 日本の中国観の変遷 日本社会からのみえ方 中国観の世界比較 2 中国社会との対話 中国社会からのみえ方 日中間で必要な対話 あとがき 主要参考文献 / 関連年表 -
漢字と音読みの謎を解く 呉音・漢音・唐音の奥深い世界
中国語に由来する、日本の漢字の音読み。 たとえば「行」という字にはコウ、ギョウ、アンと読み方が三種類もある。なぜこんなに複雑なのか――。 遣唐使がもたらした漢音、仏教用語に多い呉音、同じ仏教でも禅宗にまつわる唐音。 これらの音が日本に伝来した時代や経路、定着した経緯を、音韻史の専門家がわかりやすく解説。現在の体系ができあがった歴史的背景を明らかにする。 ややこしくて面白い、音読みの世界への招待。 ■目次 はじめに 序章 漢字の音読みとは 漢字の「読み」はたくさん?/中国からやってきた漢字/呉音・漢音・唐音の違い/ちょっと変わった唐音/漢字は表語文字/六書と表語・表音/音読みと訓読みの由来/訓読みは漢文の訓読から/漢字で和語を表した万葉仮名/複数の音があるのは日本だけ?/中国語諸方言/漢字文化圏/漢文訓読の起源と展開/台湾の訓読み 第一章 仏教経典とともに――呉音 呉音で読まれる語/最初は呉音ではなかった?/和音と対馬音/中国の呉音と日本の呉音/呉音伝来の経緯/当時の中国南方音/呉音の声調に関する言説/呉音には複数の層がある/万葉仮名と「古音」/仏教と漢音奨励/音読された仏教経典/仏典の字音点と音義/さまざまな法華経音義/音義と古辞書 第二章 遣唐使とともに――漢音 最初は漢音ではなかった?/唐代の長安音/遣唐使がもたらしたもの/日本語として定着した漢語/漢音の声調について/漢音の日本語音化/儒学で学習された漢音/音読と訓読/漢音の資料/仏教教学と漢音/さらに新しい新漢音 第三章 禅宗とともに――唐音 意外に多い唐音語/呉音・漢音との違い/中国宋・元・明代の漢字音/当時の中国との交流/新仏教としての禅宗/禅宗と漢籍/『聚分韻略』/江戸時代の禅宗/江戸時代の唐音学習/中世唐音と近世唐音 第四章 中国語音韻学 中国語音について/中国語諸方言音/中国語音韻史/詩文押韻の規範となった韻書/反切について/詩作のルール/切韻系韻書以後の韻書/漢字を図面で表した韻図/中古中国語音の音価推定 第五章 江戸時代の漢字の音整備 漢語の仮名遣い/「宝」の仮名遣い/「明」「寧」の漢音/漢音・呉音の区別の実際/漢音・呉音の認識/伝統音と韻書の音との狭間/『韻鏡』による漢字音整備/文雄の『韻鏡』研究/本居宣長と字音仮名遣い/人為的な漢音・呉音の区別/漢音・呉音から外れた俗音 終章 作られた漢音・呉音の枠組み 漢和辞典の漢音・呉音/明治時代の漢和辞典/日本版『康熙字典』/台湾語研究と漢字音/東アジアにおける流れ/漢字音の蒐集と整理/漢音・呉音の規範と実際/慣用音について あとがき 参考文献 -
入門 現代政治学 選挙から政治家・政党、メディアまで
そもそも政治とは何か、体系は見えにくい。 選挙で投票しなかったら不都合はあるのか。 政治家は誰の意見を重視するのか。 政党は何のために存在しているのか。 経済や生活にどんな影響を及ぼすのか。 政治は有権者を幸せにしているのか。 本書では、選挙、政治家、政党、有権者、メディア、民主主義などの基本概念をつなぎ合わせ、最新の政治学の理論と動向を紹介。 データをもとに、現在の民主政治の全体像を描き出す。 【目次】 まえがき 序 章 選 挙――なぜ大切なのか 政治とは何か 有権者と政治家 政治家をコントロールする 三つの例――景気対策、選択的夫婦別姓制度、汚職 本書の目的 選挙とは何か――三つの条件 選挙の機能①――選抜機能 選挙の機能②――賞罰機能 有権者、政党、政府 選挙の追加的機能――多数派の尊重と暴力の抑止 第1章 政治家――誰が選ばれるのか 私たちは政治家の何を見ているか 好みと属性 政治家の出馬 選挙に勝つ見込み、出馬のコスト 属性の特徴――資産、学歴、年齢、性別、世襲 経済的地位や性別がもたらす影響 政治家の能力 能力と属性のトレードオフ 利己的動機と利他的動機 まとめ 第2章 政 党――なぜ存在するのか 別の主役 政党=好みが近い仲間とのチーム 好みの近さはなぜ重要か 政策パッケージと選抜機能 政党の業績と賞罰機能 景気に関する業績 政党誕生の歴史 イギリスの二大政党 政党とイデオロギー 左派と右派、リベラルと保守 社会文化をめぐるイデオロギー イギリスの政党のイデオロギー立場 日本の政党のイデオロギー立場 極右政党とポピュリズム まとめ 第3章 有権者――政治に何を求め、どう選ぶのか 理想的な有権者 忙しい有権者 有権者のイデオロギー立場 イデオロギー立場と政策選好 有権者の立場の形成 選抜の基準――争点投票 直観的な判断ルール 賞罰の基準としての経済状況 経済成長と与党得票率 投票①――ベネフィットとコスト 投票②――教育水準、年齢 まとめ 第4章 メディア――欠かせない存在なのか 情報を有権者に届ける メディアからの情報 報道機関は偏向しているか メディアの機能①――学習 メディアの機能②――説得 誘発とフレーミング デジタルメディアの影響 SNSの効用 誰が情報に接触するのか 選択的接触、エコーチェンバー、フィルターバブル メディアと民主主義 まとめ 第5章 選挙制度――競争のあり方は変わるのか 選抜機能と賞罰機能は両立するか 政党の数が多い場合 政党が二つの場合 選挙制度の特徴――比例代表制と多数代表制 機械的効果と心理的効果 各制度の目標の違い 選挙制度と政党数 民意と議会の関係 選挙制度と業績投票 二つの制度のメリットを活かす 選好と質のトレードオフ 中選挙区制の弊害 まとめ 第6章 民主主義――誰の意見が通るのか 前章までのまとめ 多数派と中位投票者 政党のイデオロギー立場や動員 民意の実現①――政策の中身 民意の実現②―― 与党のイデオロギー 民意の実現③――参政権 民意の実現④ ――民主主義の導入 ロビンフッド・パラドックス なぜ経済的不平等は拡大するのか――献金、ロビー活動、バイアス くじ引き民主主義、ロトクラシー まとめ 終 章 政治は私たちのものなのか 楽観的でいいのか 少数派の横暴 分断を生み出すアイデンティティ政治をこえて 民主主義を生きる あとがき 参考文献 索 引 -
よみがえる文字と呪術の帝国 古代殷周王朝の素顔
いまから120年程前、ふとした偶然から甲骨文が発見された。 これを機に研究が劇的に進み、殷・周の国の姿がうっすらと立ち現れてきた。 ところが解読の過程で、重大な誤りがまぎれこんでしまった。 正されたと信じられた古代史像にも歪みが生じた。 古代中国の年代矛盾を全面的・系統的に解決した著者は、天文学や数学的手法をも駆使して、厚いヴェールに覆われた殷周王朝の素顔に迫る。 いま明かされる真実とは――。 目次 はしがき 第1章 文字と呪術の時代 夏・殷・周三代 殷王朝の国家構造 周代の暦 散氏盤の年代と製作の経緯 第2章 殷滅亡の年代 周が殷を滅ぼした年代 前1023年克殷の史料 伐殷から克殷へ 『国語』の木星記事 再度『竹書紀年』を考える 第3章 霊的威圧による支配から官僚による支配へ 周の東遷 春秋時代の覇権 盟書の出現 律の登場と中央意識 文字と呪術の帝国 余話 あとがき -
書とはどういう芸術か 増補版 筆蝕の美学
書は紙と筆と墨の芸術である。墨跡には深度・速度・角度と力が秘められている。 書の美は草書体に萌芽し、楷書体とその基本運筆「三折法」の成立により完成したが、そこには石と紙の争闘史があった。 筆と紙の接点に生じる力(筆蝕)こそ書の美の核心で、文字でなく言葉を書くところに書の価値はある。 甲骨文から前衛書道までを読み解き、書の表現を歴史的、構造的に解明したロングセラーに、新章「現代の作家の書」を収録。 ■本書の目次 増補版発刊にあたって はじめに 序章 書はどのようなものと考えられてきたか 「書は美術ならず」論争/「書は文字の美的工夫」/「書は文字の美術」/「書は線の美」/「書は人なり」/その他の書論/従来の書論を超えて/書は筆跡、書字跡である/書は肉筆である 第一章 書は筆蝕の芸術である―書の美はどのような構造で成立するか 肉筆と筆蝕/筆蝕とは何か/書は「深度」の芸術である/書は「速度」の芸術である/書は「角度」の芸術である/深度と速度と角度のからみ合い/書は「力」の芸術である/構成 第二章 書は紙・筆・墨の芸術である―書の美の価値はなぜ生じるのか 紙・筆・墨の前史/抽象的表現空間、「白紙」の発見/抽象的刻具、毛筆の発見/楷書体の成立/抽象的刻り跡、墨の発見/紙が石に勝利する条件/草書体、行書体、楷書体/三折法の逆襲/つながる草書、狂草/顔真卿「顔勤礼碑」の意味/黄庭堅「李太白憶旧遊詩巻」の 革命/書の芸術性の根拠 第三章 書は言葉の芸術である―書は何を表現するのか 書は漢字文明圏の芸術である/日本の書と中国の書/日本の書と背景/書は文学である 第四章 書は現在の芸術でありうるだろうか―書の再生について 書の近代/現代の書/近代詩文書/伝統書道の変貌/素人の書/書の再生 第五章 現代の作家の書 戦後の書の語られ方/作家たちの書をどう見るか/岡本かの子の書/川端康成の書/松本清張の書/三島由紀夫の書/中上健次の書 あとがき 増補版あとがき 図版出典 -
漱石が見た物理学
漱石の生きた半世紀(1867-1916)は、X線、電子が発見され、量子論が誕生し、特殊相対性理論が発表されるなど、古典物理学から現代物理学へと移行する激動の時代であった。 理科が得意で、自らも建築家志望であった漱石は、寺田寅彦と科学談義を楽しみ、作品にも最新の話題が登場している。 本書は文学者漱石の旺盛な好奇心に従って、熱、光、量子、時間と空間について物理学発展のあとを辿り、乖離する文科と理科の交流を目指す。 ■□■目次■□■ 序章 漱石と物理学―文科と理科の交流 1章 古典物理学の完成―激動の嵐の前 2章 新しい自然観の台頭―19世紀から20世紀への転換 3章 量子仮説の提唱―人間からの離脱 4章 量子力学の誕生―極微の世界に向けて 5章 相対性理論の誕生―時空概念の変革 終章 再び漱石と物理学―文学の中の“自然法則” -
中公新書60周年小冊子
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【中公新書 創刊60周年記念】 1962年11月に創刊した中公新書は、おかげさまで2022年に60周年を迎えます。それを記念して、小冊子『中公新書の60年』を編集いたしました。 2700点以上を数える中公新書の海をゆく羅針盤として、識者の方々に政治、経済、日本史、世界史、思想・哲学、科学の各ジャンルのお勧め作品を挙げていただきました。 また人気シリーズになぞらえて「物語 中公新書の歴史」と題した読みものを収録しました。編集部員も知らなかった秘話を通して、当レーベルをより身近に感じていただければ幸いです。 《目次》 ●ここから始める中公新書 1 政治編 北岡伸一(東京大学名誉教授・国際協力機構〔JICA〕特別顧問) 2 経済編 坂井豊貴(慶應義塾大学教授) 3 日本史編 澤田瞳子(小説家) 4 世界史編 君塚直隆(関東学院大学教授) 5 思想・哲学編 若松英輔(批評家・随筆家) 6 科学編 渡邊十絲子(詩人) ●物語 中公新書の歴史 創刊前夜 いよいよ創刊 停滞から再興へ そしてこれから ●中公新書略年譜