作品一覧 2020/11/30更新 大富豪たちの美術館 試し読み フォロー ニューヨーク午前0時 美術館は眠らない 試し読み フォロー 美術館で愛を語る 試し読み フォロー 美術館の誕生 美は誰のものか 試し読み フォロー ヴァティカンの正体 ──究極のグローバル・メディア 試し読み フォロー 1~5件目 / 5件<<<1・・・・・・・・・>>> 岩渕潤子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 美術館の誕生 美は誰のものか 岩渕潤子 美術館の運営・管理という側面からそのあり方を分析。「日本の美術館には行かない」と言う著者だが中世における美術館の成立から各国の事例をコンパクトに纏めてくれている。中世貴族のコレクションとしての美術品が鑑賞価値を帯びたときハコが生まれた。それらが教会の外に出たときに「スペクタクルとしての芸術」として大...続きを読む衆化し、近代的な芸術概念が生み出される。当初は国威発揚であったそれが啓蒙思想の高まりと大衆の知的欲求によって「開かれた」ものになっていく。「西洋的」な美術館の歴史の中でもアメリカは少し特異で、国ではなく個人によって設立され、財団が寄付によって運営する形の美術館がとても多い。そうした米型は「学術機関としてのレヴェルの向上、そして、公共のアクセスを最大限確保する」(135)ものでなければならず極めて民主主義的なもの。特別展という視点ではフランスのサロン文化、そして万博の影響が大きいという。吉見さんとか分析してる(?)と思うけど、娯楽的でスペクタクルな万博の展示が、特別展に引き継がれていったという指摘もおもしろい。そこで日本に視点を移すと特別展が圧倒的に多いわけだが、理由は当時の大阪朝日らを主催とする新聞社の存在。大正デモクラシー期に西洋芸術を輸入するという動きの中で、その企画力と資本力が絶大なスポンサー的役割を果たしていた。これが現在でも続いており美術館の「立場」に影響しているという分析も興味深い。 Posted by ブクログ ヴァティカンの正体 ──究極のグローバル・メディア 岩渕潤子 ヴァチカンの解説書というより、その本質をグローバル・メディアと特定し、混沌とした日本が学ぶべきその歴史を掘り下げてゆく。歴史に学ぶという意味の奥深さを考えさせられる書である。 Posted by ブクログ 美術館で愛を語る 岩渕潤子 この本は序章、1~5章、終章から成るが序章が最も面白く良く出来ている。1~5章は各国の歴史や文化を踏まえた、深みのある観光ガイドのような趣でその国に行く機会がある時に読む分にはいいと思う。しかし、芸術論や美術鑑賞において示唆的な意味を持つのは序章の内容である。「なぜ芸術を鑑賞するのか」「なぜ日本の美...続きを読む術館は楽しくないのか」「芸術鑑賞のルールとは何か」といった問いに対する回答に感心した。自身の固まった考えに気づかされて芸術に対する認識が少し変化した。「美術館は異なった価値観の展示場」という文が最も心に残った。 序章だけでも読んでより芸術を楽しめるようになりたい。1~5章はもう少し年齢を重ねてその国に行けるようになった際に読みたいと思う。 Posted by ブクログ ニューヨーク午前0時 美術館は眠らない 岩渕潤子 芸術って、受け手の心象がいいか悪いかに関わらない所にあるって思いました。 確かに、日本だけじゃなく、表現の手段としての芸術は世論や政治に振り回されているような気はします。 戦時中に関わらず、言いたいことの表現方法って、よくよく考えれば制限の範囲内に置かれていて、その範囲の外に行ってしまうと、時代によ...続きを読むれば警察が来たり、異質な目で見られたり、今なら炎上したり… でもそういう顔色みたいなの見ないで自由に表現できるのがアメリカなのかな。まぁ多少は何かしらあると思いますが、比較的自由なんじゃないんでしょうか。 芸術の表現に常識や政治か絡んでくることを、私たちは無意識に受け入れているような気がしました。 Posted by ブクログ ヴァティカンの正体 ──究極のグローバル・メディア 岩渕潤子 情報量が多くで読みごたえがある。学術書というよりは、作者本人の経験談や解釈が随所に見られるため、ヴァチカンを軸にしたエッセイという印象。 Posted by ブクログ 岩渕潤子のレビューをもっと見る