岩渕潤子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレこの本は序章、1~5章、終章から成るが序章が最も面白く良く出来ている。1~5章は各国の歴史や文化を踏まえた、深みのある観光ガイドのような趣でその国に行く機会がある時に読む分にはいいと思う。しかし、芸術論や美術鑑賞において示唆的な意味を持つのは序章の内容である。「なぜ芸術を鑑賞するのか」「なぜ日本の美術館は楽しくないのか」「芸術鑑賞のルールとは何か」といった問いに対する回答に感心した。自身の固まった考えに気づかされて芸術に対する認識が少し変化した。「美術館は異なった価値観の展示場」という文が最も心に残った。
序章だけでも読んでより芸術を楽しめるようになりたい。1~5章はもう少し年齢を重ねてその -
Posted by ブクログ
芸術って、受け手の心象がいいか悪いかに関わらない所にあるって思いました。
確かに、日本だけじゃなく、表現の手段としての芸術は世論や政治に振り回されているような気はします。
戦時中に関わらず、言いたいことの表現方法って、よくよく考えれば制限の範囲内に置かれていて、その範囲の外に行ってしまうと、時代によれば警察が来たり、異質な目で見られたり、今なら炎上したり…
でもそういう顔色みたいなの見ないで自由に表現できるのがアメリカなのかな。まぁ多少は何かしらあると思いますが、比較的自由なんじゃないんでしょうか。
芸術の表現に常識や政治か絡んでくることを、私たちは無意識に受け入れているような気がしました。 -
Posted by ブクログ
中東に生まれた一宗教であったキリスト教が、どのように世界を席捲していったか。そして、その中心的役割を果たし、また現在も存在するヴァティカンはどのような存在であるかなどについての考察。
タイトルの「ヴァティカンの正体」に迫るというよりも、キリスト教の世界戦略というほうがふさわしい内容かもしれない。
ヴァティカンで行われている秘密のヴェールの外側を垣間見ることはできるが、内側については...新書の域をでない。
キリスト教とアップルの類似性を指摘する観点など、筆者が気に入っているようだが、それにページを割くのであれば、よりヴァティカン正体に迫った内容であったほうが、面白かったかもしれない。