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Posted by ブクログ
寺田寅彦の文学の師が夏目漱石であるというのはよく知られているが,物理学における師が古典物理学を極めたレイリーであるという説が著者の思い入れたっぷりに語られる.本文を読んでみても,それほど根拠がある説ではなく,古き良き時代の物理学と,雑事に煩わされずにその研究に取り組むことができた裕福な研究者へのノスタルジックな思い入れがその説を支えている.レイリーとそれを取り巻く物理学の状況の説明に紙幅をとられた分,寺田寅彦自身の記述が少なくなっているのは私には残念.20世紀初頭の物理学の発展を背景にしながら,寺田自身の物理学の研究を語る後半が面白いだけに,そこをもう少し深めてもらいたかった.
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