国際関係論という学問がよく分かっていなかったので、購入し読んでみた本である。
当初自分は、国際政治と似ている学問なのかと思っていたが、実際は出来て日の浅い学問であり、学際的に色々学ぶことができる学問である。
しかしその分、この学問を修めるにはなにか一つの分野に特化して、それから国際関係論を修めること
...続きを読むになる。逆に云えば、今すべての学問は国際関係論抜きには語れない、のかもしれない。
後半は戦後国際政治史の概説である。その後は国民国家と国際関係論について記されている。欧州はヴェストファーレン条約時代から国民国家体制が成熟しているが、アジアではまだ根づいているとは言えない。個人的には「国民国家」やそれによる「民族」概念は揚棄したつもりでいるが、やはり国家を生むには統一性が必要であり、それが民族概念である。存在するものは合理的である。
最後は著者の専攻である中国と国際関係論である。内容が1990年代なので最高指導者が鄧小平から江沢民に移るときである。正直このあたりは、過去の出来事であろうが・・・・。
結論として云えば、国際関係論にとどまらず、国民国家体制や戦後国際政治史の概説本かな、といった感想である。