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1788年、イギリスの植民地として出発したオーストラリア。ヨーロッパ移民が立ち上げた白豪主義の国は、資源と貿易を通じて成長し、1901年に独立。世紀20は戦争と移民政策で東アジア世界と交わり、世紀も多民族国家と21して独自の力を発揮している。本書は、英帝国やアメリカ、日本、中国と対峙しながら、ミドルパワー国家が台頭する成長物語である。旧版を全面刷新し、200年以上の海域の歴史空間を克明に描く。
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Posted by ブクログ
シドニー旅行中に読む。 イギリスの植民地であったオーストラリアが、アメリカのように戦争で独立せずに、いかに自立・成熟の道を歩んだか。 個人的には、ベトナムからの難民・ポートピープルの受け入れが、白豪主義の終わりをはやめたというエピソードが印象的。
オーストラリアの歴史がとても丁寧に読みやすく書かれており良かったです。 〇〇なのは、3つ理由がある。1に△△、2に□□、3に~といったように最初に要旨を簡潔にまとめて伝えてくれて、その後ひとつひとつ深堀りされていく構成が読みやすかったです。 コアラくらいしかオーストラリアの知識がない人間でしたので...続きを読む、白豪政策も初めて知りました。今のオーストラリアの様子からは想像もつかないものでしたので今更ながら大変驚きました。 先日ニュースサイトの出生率の話題についていた興味深いコメントを読んだとき、時代が変わっても世界が直面する問題は変わらないのかもと思わされました。 仏が出生率改善に成功したかのように日本では語られるけれど出生率を上げているのは移民で、白人系フランス人は安い賃金の移民に仕事を奪われ就職難なので白人系フランス人の出生率はあがっていないし生活は苦しいという。 白豪政策の始まりとなった、賃金の安い中国人に仕事を奪われる、というところと似ているなと気付きました。 広い土地がすごいと思っていましたが、砂漠が多く、雨が降る地域も限られ住める箇所は総面積に比べると大きくはないというのは衝撃でした。 言われてみればなるほど都市は沿岸部が多いなと気付きます。 首相や政党が変わるだけでガラリとオーストラリアの国としての意向が変わるのが興味深く傍から読む分には面白かったです。 こんな風に振り返るとわかりやすいですが、渦中だったら振り回されると思うのかな。 9.11で唯一首相がアメリカにいたというのは初めて知りました。戦争に参加するのは衝撃が大きいですが、現地にいたからこそ感じたことが行動の原理になっているのかもしれないと思わされます。 中国が輸出相手として大事な相手なのはわかるのですが、オーストラリアはエコを謳う国でありながら、環境破壊につながりそうな中国の経済活動に間接的にエネルギー輸出で関与していることにならないのか?と気になりました。 ワールドカップ予選でアジアにオーストラリアが含まれているのが見た目的に違和感で謎だったのですが歴史を思えば、アジアの一員なのかもと納得できました。 歴史知らないとですね。。
生まれてこのかたオーストラリアのことなんて考えたこともなかったので、ちょっと面白かった。ただ、新版出てたのか。古本を買ったので気づかなかった。古い方を読んでしまった。そっちのショックの方が今は大きい。すっかり忘れたころに新版を読もう。
旅行に行って安全で差別もなく多様な国だと感じた。 いかに多様な文化を育んだか気になり読んだ。いろんな苦闘の歴史の上に今があることがよくわかった
2000年に出版された本に加筆したものである。データは2022年のものになっているが、ほとんどが旧版と同じである。最後の第7章が新しい。これには文化面のことはほとんど記載されず、政治、主に対中国のことが多い。もっと最近の文化的な面なども書いてくれたら新版を読む意欲がわくであろう。ただし、初めて読む人...続きを読むには、オーストラリアの歴史がわかっていいと思われる。
オーストラリアと言えば。コアラやカンガルーなど、有袋類の独自進化。石炭や鉄鉱石などの資源国。アングロサクソンの囚人の流刑地、アボリジニーを射的にして虐殺とか、稚拙だがその程度のイメージしかない。それと、同級生が留学から帰国した際に、性に開放的な国で友達同士で気軽に致すとか、当時はウェルカムエイズクラ...続きを読むブみたいなものが世界各地で流行っていて、その自らのお手軽女子感と都市伝説をオーストラリアの特徴だと勘違いして逆輸入した残念な笑い話くらいだ。 少しは学ぼうと思い、手に取った。そう言えば本書でも記載されるが、オーストラリアは、アメリカのようにイギリスからの独立戦争を起こしていない。そうした手続き的な話もよく理解していない。この点に関しては、一言でいえば、独立する必要がなかったから、という事らしい。 ー 「代表なければ課税なし」との有名なスローガンが示す通り、アメリカはイギリスから苛酷な税金を徴収され、しかも発言権が認められないという状況に置かれてきた。アメリカは独立しない限り、イギリスへの隷属状況が永遠に続くわけで、これを断ち切るために独立戦争へと突き進んでいったのである。これとは逆にオーストラリアは、イギリスとの間で双方にとってメリットのある関係がつくられていった。つまり両者は相互依存関係にあったと表現でき、反英闘争を惹起するような問題の芽が、イギリス政府によって見事に摘み取られていったのである。 オーストラリアと同様に、ニュージーランドやカナダでも反英独立戦争が発生していない。アメリカが独立したことで、イギリスの植民地政策は一方的な押し付けの政策を反省し、修正されたという事だ。 ー イギリス植民地政策の神髄は、その曖昧性にあったといえよう。この曖昧性ゆえに、オーストラリアは常に国家アイデンティティの問題に悩まされてきた。 最近よく思う。曖昧で複雑なものがベスト。単純にしか理解出来なかったり、分かりやすいものしか承認できない世界は、衰退していく。ハッキリさせる必要がないものは、そのままで良い事の方が多いし、ハッキリさせたがる知性というのは残念ながら高くない事が多い。領土問題、歴史認識、夫婦別姓問題など。世の中わかりやすい勧善懲悪にはなっていない。正義と戦うのは、別の正義である。 アジア人への差別も露骨だったイメージがあるが、日本と中国では扱いが異なる。古くは日英同盟、今も日米同盟を基礎とする日本に対し、共産主義への警戒をもつオーストラリアの態度は一様ではないし、当然の事。但し、日本についても利用価値があるか否かという視点ではある。 ー オーストラリアの非妥協的な態度に中国は業を煮やしたことだろう。キャンベラの中国大使館関係者が、豪メディアに豪政府への苦情をまとめたリスト「一四項目の不満」を渡すという奇妙な出来事があった。そこには中国系企業の対豪投資計画への妨害行為、中国系通倉機器メーカーの5G事業からの排除、中国を標的にした外国干渉法や外国関係法の制定などへの不満のほか、オーストラリアが何の根拠もなく新霊ウイグル自治区や香港の人権問題を批判していることや、豪メディアや豪研究機関が反中国的な言説を流布している、といった指摘も含まれていた。これに対し、モリソン首相は「我々の民主主義的制度と国家主権を貿易のために譲歩することはしない」と反発し、「リストが関係悪化の理由であるならば、オーストラリアがオーストラリアらしくあることが原因のようであると述べ、関係改善への意欲を示すこともなかった。 このモリソンの返しが素晴らしい。オーストラリアらしさを否定する苦情など受け付けるわけがないと。日本も毅然としていたいものだ。
植民地後のオーストラリアの200年の歴史。 イギリスの植民地でありながら、他の植民地とは異なる歩みをしたのは、そもそもその国民の多くがヨーロッパからの棄民や移民であったからである。イギリスに追従することがアイデンティティであり、従って中国に派兵し、第一次世界大戦にも派兵する。第二次世界大戦では、...続きを読む日本の空襲を受ける。 戦後は、白豪主義を捨て、アジアからの移民を受け入れ、マルチカルチャー、ミドルパワーの国になっていく。その過程を明らかにする。世界有数の豊かで安全な国になったオーストラリアは、地政学的に東アジアから多大な影響を受けた。著者らは「オーストラリアは東アジア世界と接触することで、ようやく自我に目覚め、(中略) オーストラリアの運命を左右したのは東アジア世界であると言って見過言ではない」とまでいう。 発展し、繁栄を続けるオーストラリアの歴史を読むとき、一方で日本はどうして没落してしまったのか、を考えざるを得ない。
【感想】 オーストラリアの成り立ちの歴史を俯瞰できる良書。これまで、オーストラリアは穏やかで、多文化を受け入れる寛容さを持った国としての印象があったが、そこに至るまでの紆余曲折があり、また今もって米中などの大国間との関係を模索しているということが、理解できた。ウクライナ戦争において、オーストラリア在...続きを読む住のウクライナ系移民・ロシア系移民に対して、首相が双方を慮った言動をしたという出来事については、オーストラリアらしく心温まるエピソードだと感じた。 【要約】 オーストラリアはもともとイギリスの植民地であるが、その関係性にはアメリカに対する植民地支配における反省が大いに生かされていると言う。まず、アメリカに対する苛烈な支配は独立運動へと繋がったが、オーストラリアに対しては一定程度の自治権を与えることで、良好な関係を築いてきた。よって、オーストラリアには独立記念日が存在しない。また、アメリカも多くの移民が共存している点では、オーストラリアと同様であるが、移民への英語教育が行き渡らないことにより貧民層を生み出し、治安の悪化へと繋がったとの見方がある。この反省を生かし、オーストラリアには移民への英語教育を徹底してきた背景がある。 ●多文化国家 オーストラリアは、当初からヨーロッパ系の移民を中心に受け入れてきたものの、そのうち中国系の移民を受け入れることにより、オーストラリア人の雇用が脅かされるようになる。そのため、アジア系移民の定住を制限するため白豪主義を実践してきた。しかし、後年人口減少の解決策として、移民を積極的に受け入れるようになる。この時もやはりヨーロッパ系移民を念頭に置いていたが、審査基準としてのポイント制の導入により優秀なアジア系移民が流入するようになる。またベトナム戦争の難民に対しても、当初は限定的な受け入れであったものの、アジア諸国から非難を受け、多くを受け入れるよう方針の転換を迫られる。このように始まった多文化国家の萌芽であるが、その後オーストラリアは多文化国家を一つの自画像として、歩み始める。 ●ミドルパワー オーストラリアは、当初はボーア戦争や義和団事件に関与することにより、イギリスへの忠誠心を表してきたとも言えるが、後年その忠誠心に対し疑問が生じるようにもなる。 日露戦争が終わり、イギリスが太平洋からの軍備の撤退を表明したため、オーストラリアは自国の軍事力増強を迫られたのである。それは、一時期イギリスと決別し、アメリカとの同盟を重視する動きとしても現れる。 以前は、アメリカなどの大国と並んで世界におけるプレゼンスを発揮することを目指していたが、やがて大国が対応できないニッチな課題、例えばアジアや南太平洋諸国における、紛争の調停や安全保障においてプレゼンスを発揮する。 昨今は、基本的にアメリカとの同盟関係を重視してきているが、自国の利益を最優先とするトランプ政権の台頭により、ここもやはりオーストラリアの軍事力強化を促すこととなっている。 これは、主に積極的に海洋進出や軍事力拡大に進んでいる中国を意識してのことである。中国は、経済的には貿易国としてのパートナーシップを結んできた過去があり、対中・対米のバランス外交を実践してきたが、対応の転換を求められるつつある。
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