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一六二四年、大航海時代のオランダ支配に始まり、今日までの四百年に近い台湾の歴史は、「外来政権」による抑圧と住民の抵抗の記録である。外来政権はオランダ(スペイン)、鄭氏政権、清国、日本そして国民党政権である。では近年の目覚ましい経済発展の要因はどこにあったか。また急速な民主化の進捗は、対中国との関係で台湾をどのように変貌させるだろうか。一九九三年の「シンガポール会談」も踏まえ、歴史を描き、将来を展望する。
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Posted by ブクログ
ウクライナ侵攻で台湾を知る目的で読む。 本当に何も知らなかったことを、メタ認知できた。 ・多くの部族が居住していたので国民国家ができず、中国・日本等に蹂躙されたこと ・蒋介石の国民党が中国共産党と本質的に同じで、人民の事なんて何にも考えていないこと ・日本は台湾のインフラ・ファンダメンタルズの整備...続きを読むに貢献はしたが、多くの人民を粛清したこと ・近年の政治・外交・民主化に大きな動きがあったこと (報道に接していたはずなのにまったく理解していなかった!) いや本当に勉強になった。今だからこそ、読んでおいた方がいいと思うよ。 1993年までの状況なので、それ以降の動きも含めて他の本を探してみようと思う。
野嶋剛の「台湾とは何か」から始まり、司馬遼太郎の「街道を行く台湾紀行」を経て、この本にたどり着いた。 フォルモサと呼ばれ、オランダやスペインが植民地とした1600年代から李登輝総統が誕生し、台湾を再生する1990年代中盤までの台湾について詳しく書かれている。 特に、日本統治時代から、日本が第2次世界...続きを読む大戦に負けて引き上げ、その後中国が統治するようになった頃のことが詳しく書かれている。 前の2冊を読んでいたので、この本の内容がよく理解できたように思う。 李登輝さんが残した功績はとても大きかったということもよくわかった。 3冊の本を読んで、これまで全く知らなかった台湾のことを少し理解できたと思う。
中国が力をつけている中で、台湾は世界の中で非常に重要な立ち位置を占めています。そこで、台湾について知りたいと思い購入しました。 実は中学生から歴史が苦手で、こういう本を手に取ることも少なかったですが、現在を見るためには歴史を紐解かなければ語れない、よく言われるとおりだと思いはじめています。 台湾...続きを読むの旧宗主国は日本と中国だけかと思っていたのですが、オランダ、フランスなどの諸外国もこぞって侵攻していたとは知りませんでした。日帝時代の台湾統治は、(結果的に)良い面も悪い面もある。江崎道朗氏がよく言っているように、国も一枚岩ではないのだから、それぞれで見る必要がある、ということが日本にも当てはまる例かと思います。著者は台湾に生まれ、日本の大学で教鞭を執っているという経歴で、両面の立場から史実をそのまま捉えてわたしたちに伝えてくれるようです。凄惨な侵攻の歴史を踏まえつつも日本はこれからも台湾の良き友であらなければならないな、と思いました。
主に20世紀までの台湾史についてわかりやすく解説されています。いくつか読んでいる中では一番中立的な視点で描写されているように思えます。アジアの政治情勢の理解に役立ちました。 自分は隣国の台湾について何も知らなかったのだと気が付きました。
非常に分かりやすく、よくまとめられている。地図、年次の記載も適切で、内容の展開もスムーズ。台湾史をざっくり知る上ではこの上ない一冊。
14世紀から1990年代前半までの台湾の歴史について。 台湾の歴史は、外来勢力による侵攻の歴史ともいえる。そこに日本も関わっているわけで、今の台湾を理解するには避けて通れない(逆に、知っていないと、今の台湾は表面しか見えない)と感じた。 先日初めて台湾を旅行した際、現地の多くの方と会話をすることが...続きを読むできた。その際「台湾を訪問するのは初めてです」「中国語は中国東北部で習いました」と話していたが、果たして、「台湾を『台湾』と呼ぶべきなのか、『中華民国』と呼ぶべきなのか」「中国のことを『中国』と呼んでいいのか『大陸』と呼ぶべきなのか」、心に引っかかった。 背景は知らなかったが≪本省人(台湾系)≫と≪外省人(大陸系)≫の関係はデリケートな問題だと聞いていたから。結局、誰も僕が「台湾」「中華民国」「中国」「大陸」と言っても(反感は買ったかもしれないけど)指摘されなかった。 ざっくりした歴史は、オランダ支配→鄭氏政権→清国支配→日本統治→中華民国。 オランダ時代は、中継貿易拠点として台湾を植民地化し、重税を課された。 清成立により追われた明(唐)残党勢力の鄭氏には、「清打倒」として軍事のためにまた重税を課された。一方、開拓と戸籍制度は整備されたメリットはあった。 日本統治時代、端緒は日本統治反対の台湾人の反乱から、多くの死傷者が出た。前半はインフラ整備と教育整備のメリットはあったが、戦争後半頃は強引な同化政策がすすめられた。 戦後、中華民国への編入。大陸は国共内戦で経済的にもボロボロになっていた。国民党軍のボロボロさや態度の悪さに住民は驚いた。また経済は大陸のあおりを受け、台湾で酷いインフレが生じた。住民(本省人)は「犬が去って豚が来た」と言い、失望した。 二二八事件以降、国民党に害をなすと考えられた人々が惨殺されたり、政治犯として投獄されたりした。 大陸で人民共和国が成立すると、国民党は台湾に本拠を移した。「国民党こそ正統、1つの中国」を唱えたために国際的に孤立することにもなり、中華民国が大陸も所管する部門をもたせることから、役人数が膨大になった。住民が国民党に批判することは許されず、民主化は李登輝総統が権力を掌握するのを待たねばならなかった。
台湾通史の入門書としては、非常に手頃。著者名からは分からないが、書いたのは在日台湾人。戦後日本の台湾史研究は、著者ら在日台湾人研究者がリードしてきた。
歴史を概観する上でよかった。93年以降は別途調べる必要があるが、それまでの流れがわかってるので理解しやすい
台湾の現代文学を読むのに台湾について勉強しようと思って読んだ本の三冊目。歴史総合パートナーズ、光文社新書と読んできたので、一気に細かい情報が増えて、率直に言って一周しただけではよく分からなかった。こうやって読んでみると、曲がりなりにも日本の歴史は小学校から高校まで勉強し、生活の中で触れることもあるか...続きを読むら分かることが多いという事実に今更ながら気がつく。本当に知らない固有名詞がたくさん出てくると、本当に文の意味が分からなくなるという経験を久しぶりにした。 (もしかしたら今までの本にも書いてあったのかもしれないけど、)情報的に完全に新しかったため記憶に残ったのは、第四章「台湾民主国」の話。1995年5月25日の建国から、わずか148日間という本当に短い期間だったものの、台湾に独立国家だった時代があったという話が新鮮だった。 すでに勉強してきた中でも、どこか台湾というのは、他国による支配の歴史から、90年代以降の民主化へというイメージが大きかった。実際、この本も基本線はそうなのだが、ごく短い間でも、日清講和条約で清から日本への台湾割譲の中の抵抗として、独立しようとしたこの期間が台湾人という意識を生んだと書いてある。いわゆる「台湾アイデンティティ」は、どのようにして生まれたか、の話になると思うが、このあたり、前に読んだ本でももう一度確認をしようと思った。 もう一つ気になったのは、蒋経国の書かれ方だった。蒋経国の評価自体が悪く評価されているわけではないのだが、蒋介石との父子政権として書かれているのが先に読んだ二冊と比べて新鮮だった。 先の二冊だと、あくまで大陸での中華民国復活を目指す父蒋介石と、現実的に中華人民共和国を妥当して中華民国を復活するのは無理だろうと考えていた息子蒋経国の間に、世代感覚の差があるように書かれていた。そのため、「一つの中国」を目指さなかった蒋経国が、台湾民主化への地盤を作ったという評価されていたように思う。 一方で、この本だと蒋介石と蒋経国は、父子二代で国民党政権の中央集権化を進めた人物としてセットで扱われているような印象がある。その分、台湾民主化へ向け先鞭をつけた李登輝の功績が、より詳しく大きく評価されていたように感じた。 そもそもこの本が書かれたのが、リアルタイムで李登輝が総統をやっていた時期で、現在進行形で進む改革の進行が、すごく当時の空気感を伴って書かれている。このあたり、のちの評価と比べると色々と面白い。 ただ、著者の本意ではないかもしれないが、何よりも印象的だったのは、あとがきである。 日本統治下の台湾に生まれ、国民党政権の統治下で一六年にわたり教育を受けた私は、日本に留学するまでついに台湾の歴史を学ぶことはなかった。国民党政権が「台湾人が台湾の歴史を知ることを歓ばなかった」からである。台湾人に台湾の歴史を学ぶことが許されたのは、民主化が進展するなかの最近のことである。(p235) 民主化が進捗するにつれて、今後は国民党政権下でも台湾史の自由な研究が期待できるであろう。私としてはこの日本で、政治的になんらの制約も受けずに、自由な立場で小著を刊行できる幸福を味わっている。新書ゆえに概説とならざるを得ないが、一日か二日で台湾の過去と現在をほぼ掌握できるのも、新書ならではである。(p236) 著者の伊藤潔さんは、本論の中でも「日本の台湾における植民地支配を美化する意図は毛頭ない(p237)」と繰り返す一方で、「植民地下の近代化」という側面も、歴史的事実としてきちんと指摘することを繰り返す。 『台湾の本音』で、台湾におけるいわゆる親日感情が、世代によって異なり、特に上の世代の親日感情は複雑だという話が出てくるが、まさに、この本の著者はその世代である。上の引用と合わせて読むと、その複雑な親日感情というのを肌実感として言葉にされているような気がする。 この中公新書の初版は、1993年8月25日で、今まで読んできた本では、蒋経国から李登輝へ総統が変わっていく中で、急速な民主化が進んだ時期として、比較的よい評価が与えられていた時期である。しかし、リアルタイムでその様を見ていた著者としては、特に蒋経国に対する評価は、民主化の地盤を作った総統という評価をされる現在よりも、やや厳しい視線を向けているようにも見える。 今更感満載で、月並みな感想だけれども、2020年以降に書かれた本を二冊読んでから読んだことで、歴史の記述自体が、一つの歴史であることをものすごく感じた読書だった。
台湾の歴史が、オランダの占拠によって歴史の表舞台に立ってから現代に至るまで、わかりやすく記載されている。数百年でこんなにも支配者がコロコロ変わっているとは知らなかった。台湾に対するイメージが変わった。 少し古い本で、1990年代までの事柄しか記載されていないので注意。
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