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Posted by ブクログ
東アジアのここまでの経済成長を『人口ボーナス』の視点で読み解いた上で、よく言われる『アジアの経済活力を取り入れよう!』を全否定してくれる本。
そして、すでに東アジア諸国でも少子高齢化の波は始まっているのね。韓国も台湾も中国もタイも人口ボーナスを謳歌した時代は近日中に終了し、高齢化社会に必要な社会福祉制度を
確立するまもなく高齢化を迎える・・・ただし、これだけきちんと分析しているのに終章の結論は酷い。高齢化したアジア諸国を支えるための東アジア共同体などという血迷い事は断固拒否する。東アジアおよび東南アジア諸国の高齢化はそれぞれの国で対処すべきよ。大東亜共栄圏は断念したんだから、うちらが責任をとる筋合いじゃない。
Posted by ブクログ
医療の普及発展による乳幼児死亡率の劇的な低下と高齢者の長寿化により、世界は急速に高齢化している。
また経済発展は少子化傾向を推し進めることになるため、高齢化と少子化が同時に進行する。
その先頭を走るのが日本であるが、それ以外のアジアの国々でも、高齢化が進行中である。しかもそのスピードは世界最速といわれてきた日本の速度を上回る。
人口構造の変化は、その過程で、人口ボーナスという経済発展に好都合な時期を生む。この時期は子供と高齢者が少なく、労働者人口が圧倒的に多い。
日本はこの時期を巧く活用し、飛躍的な経済発展を遂げた。(団塊の世代と高度経済成長期)
韓国・台湾・香港・シンガポールのNIES諸国も同様である。(「アジアの奇跡」と呼ばれた時期)
中国は現在が人口ボーナス期で、経済発展の真っ最中である。
東京、ソウル、北京のオリンピック開催は、それぞれの国の人口ボーナス期のメルクマールといえるのかもしれない。
ただし人口ボーナス期を過ぎると、経済発展の主力となった大量の労働者が高齢化してくる。この世代は自らが産んだ経済発展の恩恵を受けて近代的なライフスタイルをとっており、子供も少ない。したがって、高齢化は急激である。日本の2007年問題がそれである。
日本は人口ボーナス期をとうに過ぎ、人口減少という新たな段階に突入しているが、NIES諸国も着実に日本のあとを追っている。その象徴が韓国における老人長期療養保険法の制定だろう。いまや世界最速の高齢化の国、世界で最も少子化が進む国となった韓国は、この法律に基づき、2008年7月から韓国版介護保険制度を開始しようとしている。
問題は、日本のように高度な経済発展を遂げた豊かな国においても、高齢者を支える社会制度の再構築のためには、財政的に極めて大きな負担を伴うと予想される中、まだ十分に経済的発展が果たされたとはいえない国々(=国民全体に対するセーフティネットが未整備の国)が、この重圧を乗り切ることができるのか、あるいは人口ボーナスを十分に活用できないまま、この時期を通り過ぎようとしている国々が、これらからどのように高齢化に対していくのかということである。高齢者を支える制度を作るだけの社会的な富の蓄積がないまま「高齢者の爆発」を迎える国では、高齢者問題は貧困と死の問題に直結する。すなわち「人間の安全保障」の問題となる。
こうした問題に対する回答はまだどこにもない。アジア及び世界がはじめて経験する世界だからである。
しかしすくなくとも、高齢化の先頭を走る日本の悪戦苦闘ぶりは、これからそれに立ち向かわなければならないアジア各国の格好のサンプルにはなるに違いない。
その一つのヒントとして著者は日本における地域福祉の取り組みをあげている。コミュニティにおける高齢者支援の可能性である。
おそらくこの指摘は正しい。というよりもそれが残された唯一の可能性ではないか。その可能性の具体的な姿は、いまのところまだ誰にも見えないにしても。
本書は著者が中心になってまとめたJICAレポート「開発途上国の高齢化を見据えて」を増補強化した内容となっている。
アジアの経済と少子高齢化問題に関する基本書となる一冊。
Posted by ブクログ
日本企業のアジア進出はアジア成長が前提になっているが、実はアジアは急速に少子高齢化が進んでいる。この現況をとらえ、アジア経済の活力は今後も持続するのか?アジアは10年20年後にどのような課題を持つのか?その時日本はどのような役割を果たすべきか?を書いた本。
興味深いのは、先進国は将来発生する貯蓄不足に対して新興市場からの資金取り込みを期待しており、他方、新興国は先進国からの資金取り込みをこれまで同様に成長戦略の中心に捉えているという点です。先進国と新興国が将来的な成長の資金源を相互に期待しており、「誰が世界の資金不足を賄うのか」という問題が近い将来浮上してくるかもしれません。いや、もしかしたらもう来ているのかも?
アジアビジネスに関わっている人、アジア進出を検討している人にお勧めします。
ただし、最後の改善策に目新しさは特になく、読後のすっきり感はありませんでした。その点が残念でした。
Posted by ブクログ
日本を含むアジア経済の世界に占めるシェアは23%(2006年通商白書)。一方、少子高齢化がアジア全域で進行しており、NIES諸国は日本よりも低い合計特殊出生率(2005年、日本:1.3に対し、韓国/台湾:1.1、香港:1.0シンガポール:1.2)であり、中国/タイも2.0を切っている。他方、高齢化率では既にNIES、中国/タイが7%を超えた高齢化社会。2025年には高齢化率14%超の高齢社会に突入する雁行的人口変化というべき事態。生活水準の向上や保健衛生の改善による多産多死→多産少子に移行し、過剰人口が発生。そこから人口ボーナス、日本でいう団塊の世代的な若い労働力の膨張が急速な経済発展の基礎となったという解説は面白かった。日本の人口ボーナスは1995年で終了したとまとめているが、確かに日本のGDPのピークは同年頃であり、非常に的を得た解説だと思った。
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