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1万4千の島々が連なる日本列島は、ユーラシア大陸の東縁でその土台ができ、やがて分離。3万8千年前に人類が上陸し、歴史を紡いできた。変化に富んだ気候が豊かな資源を生み、国土を潤す。本書は、時空を超えて島国の成り立ちと形を一望し、水、火、塩、森、鉄、黄金が織りなした日本列島史を読み直す。天災から命を守り、資源を活かす暮らしとは。地学教育の第一人者が、列島で生きる醍醐味をやさしく解説する。
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Posted by ブクログ
日本列島はすごい-水・森林・黄金を生んだ大地。伊藤 孝先生の著書。日本列島はすごい。現代人にはすごい日本列島を守る義務がある。過去から現在まで続いてきた日本の森林。日本の森林を守ることは現代人の義務。日本の森林の価値がわからない日本の森林への無知無理解があまりにもひどい現代人。日本の森林の価値を広め...続きを読むる伊藤 孝先生の良書。
日本が豊かでありつつも、厳しい環境を持っている列島であることを再確認できた。外国人が日本を数奇な目で見るのも納得できる。
プレートの変動帯に位置する日本列島は、雨水がマグマで温められ誕生した温泉や豊穣で回復の早い土壌、豊富な天然水、砂鉄、砂金、銅、海流と言った多くのメリットを持つ場所である一方、地震、噴火、津波、台風と言った局所的なリスクに多く晒される土地でもある。逆に言えば、この日本列島の「すごさ」が、日本の稀有な歴...続きを読む史を形作ってきたのであり、世界におけるユニークな日本の立ち位置を生み出してきたとも言える。雨で脆弱になった花崗岩から滲み出た砂鉄に目をつけ、たたら製鉄によって精巧な日本刀を生み出してきた日本の先人たちの技術に驚いたり、9万年前に九州一帯を火砕流で飲み込んだ阿蘇カルデラの恐ろしさなど、日本列島の歴史とスケールを感じることができる一冊。
日本列島は地球全体からみたらとても小さいですが、豪雪地帯があったり、地震がたくさんあったり、雨が豊富で緑が多いなど特色のあるところだとわかります。 地球の空気中の酸素濃度が低下しているということを知りました。現在は18%です。 ローソクの炎は酸素濃度が16%になると消えてしまう、というのにはびっくり...続きを読むしました。 地球の酸素濃度が16%まで低下しないことを祈ります。
身近であるはず(あるべき)の日本の地形・自然・資源(石炭や金属など)について、平易な文章でストーリー展開。 地質学(狭義)だけでなく気象・宇宙にわたる”地学”の大事さが感じられる。
地学などの理科的な要素を起点にして、歴史、地理を含む日本というものを読み解く本。 最近、「歴史って、絶対気候変動や地理的な側面が重要だよね」という認識に至っている文系人間の私にとっては興味深いテーマ。 ただ、冒頭の話題として取り上げられていた通り、高校で地学とは全く触れてこなかった(さらには理科系科...続きを読む目がすごく苦手な)自分にとっては、平易に書いてくださってはいるものの、それでも理解が追いつかず頭の中を上滑りする部分も多かった。 水や塩の話、その結果日本がどういう暮らしや歴史を持っているのかなどの話が一番面白かった。
2024年4月25日初版で同年6月30日には3版。売れてる理由が読んでて分かった。知的エンターテインメントのようにおもしろい。以下、“おもいしろい”の一部抜粋。 「地球史の最初の42億年間は、火のない地球であった(p130)」 「化学肥料に頼らずに、この日本列島で養える人口は3000万人、となる。...続きを読む生態学的な「最大」人口と言えるのかもしれない (p135)」 「ここは「慈悲深い列島」である一方で「危険な列島」でもある。一言でいえば「すごい列島」(p226)」 著者の伊藤孝先生は勤務先である山形大学理学部地球科学科卒。学内で講演していただきたいと思った。
本書の主テーマではないが、冒頭で高校地学の履修状況が著しく低いことに触れた箇所がある。思えば僕が通っていた高校は、そもそも地学の授業はなかったので、履修のしようがなかった。皮肉にも、当時はどうしても地学を学びたいという気持ちすらなかった。 高校を卒業して半世紀経つが、今こうして「地学」の本を興味深...続きを読むく読んでいる。本書は、「高校の地学教科書にかならず載っているような地球科学的な情報をベースとする」。本書を読み終えて、感じたのは、高校地学の教科書のレベルってどんだけ高いの?ということだった。 本当かと、疑心暗鬼な気持ちでさっそく本屋で地学の教科書を購入。内容を確認して驚いた。本当だった。地学の教科書って凄いんだ。 冒頭の記載でもう一つ、時間の感覚。 地球の誕生は46億年前、サピエンスの誕生は20万年前。時間の感覚、言葉としてはわかるが、今一つ感覚をもちづらい。 これをお金の単位に変換すると、46億円と20万円。そうするとこの違いの大きさがより具体的に理解できる。この変換は使える。 では本書の内容について。 まずは、「陸」について 陸とは、地球上の起伏で高いところと低いところがあって、低いところに水がたまってできたのが海で、それ以外の起伏の高いところ、と漠然と思っていた。しかしこの考えは、全く根底から違っていたことに衝撃を受ける。 陸地はプレートがつくるもので、 「陸を構成する地殻は地球全体で考えると密度が小さく、マントルにントルに浮いている存在である」 「約2万年前の最終氷期の再寒気、海面は現在よりもマイナス125メートルだったが、その後海面はぐんぐん上昇し、約7000万年前に現在と同じ高さになる。そのあとはほとんど一定である。過去7000年間は、海面が大きく上がりも下がりもしなかったきわめて特殊な状況下にあった」 海水準が一定に保たれていることは、当たり前に思っていたが、長い地球の歴史を振り返るとそれは例外的なことなんだと衝撃を受ける。 「火山」について 日本は言わずと知れた火山大国だ。ではどうして火山が多いのか。その答えは水である。 地下1000kmにおいて水がない状態では1500度ぐらいにならないと岩石は溶けない。水があるとそれより500度も低い条件で岩石が溶け、マグマを作る。 プレートの沈み込地帯は、プレートとともに水も沈みこむ。つまりこの水がマグマを作る原料となる。 日本列島に火山が多いのは、地下深部がほかの場所より温度が高いからではなく、そこに水が豊富に存在しているからだ。 などなど面白いお話しが続く。興味が尽きない。
日本列島の成り立ちと現在の性質について地球科学的な解説してくれる一冊。芭蕉の旅などを取り上げて少し柔らかめにとっつきやすくしてくれようとしているが、高校で地学を履修してなかったものには少し読みにくい部分も。
日本列島の特徴を地学のほか化学の知見を駆使して平易に説明。海の水はなぜ塩辛いか、なぜ日本海側が大雪になるのか、火が燃えない時期があったなどいかに微妙なバランスで日本が成り立っているかよく分かりました。地震や火山、台風などの災害対応への気付きも満載でした。
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日本列島はすごい 水・森林・黄金を生んだ大地
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