【感想・ネタバレ】日本列島はすごい 水・森林・黄金を生んだ大地のレビュー

あらすじ

1万4千の島々が連なる日本列島は、ユーラシア大陸の東縁でその土台ができ、やがて分離。3万8千年前に人類が上陸し、歴史を紡いできた。変化に富んだ気候が豊かな資源を生み、国土を潤す。本書は、時空を超えて島国の成り立ちと形を一望し、水、火、塩、森、鉄、黄金が織りなした日本列島史を読み直す。天災から命を守り、資源を活かす暮らしとは。地学教育の第一人者が、列島で生きる醍醐味をやさしく解説する。

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Posted by ブクログ

日本列島はすごい-水・森林・黄金を生んだ大地。伊藤 孝先生の著書。日本列島はすごい。現代人にはすごい日本列島を守る義務がある。過去から現在まで続いてきた日本の森林。日本の森林を守ることは現代人の義務。日本の森林の価値がわからない日本の森林への無知無理解があまりにもひどい現代人。日本の森林の価値を広める伊藤 孝先生の良書。

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2025年04月20日

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日本が豊かでありつつも、厳しい環境を持っている列島であることを再確認できた。外国人が日本を数奇な目で見るのも納得できる。

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2025年02月06日

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プレートの変動帯に位置する日本列島は、雨水がマグマで温められ誕生した温泉や豊穣で回復の早い土壌、豊富な天然水、砂鉄、砂金、銅、海流と言った多くのメリットを持つ場所である一方、地震、噴火、津波、台風と言った局所的なリスクに多く晒される土地でもある。逆に言えば、この日本列島の「すごさ」が、日本の稀有な歴史を形作ってきたのであり、世界におけるユニークな日本の立ち位置を生み出してきたとも言える。雨で脆弱になった花崗岩から滲み出た砂鉄に目をつけ、たたら製鉄によって精巧な日本刀を生み出してきた日本の先人たちの技術に驚いたり、9万年前に九州一帯を火砕流で飲み込んだ阿蘇カルデラの恐ろしさなど、日本列島の歴史とスケールを感じることができる一冊。

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2024年08月12日

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日本列島は地球全体からみたらとても小さいですが、豪雪地帯があったり、地震がたくさんあったり、雨が豊富で緑が多いなど特色のあるところだとわかります。
地球の空気中の酸素濃度が低下しているということを知りました。現在は18%です。
ローソクの炎は酸素濃度が16%になると消えてしまう、というのにはびっくりしました。
地球の酸素濃度が16%まで低下しないことを祈ります。

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2024年06月28日

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身近であるはず(あるべき)の日本の地形・自然・資源(石炭や金属など)について、平易な文章でストーリー展開。
地質学(狭義)だけでなく気象・宇宙にわたる”地学”の大事さが感じられる。

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2025年11月28日

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地学などの理科的な要素を起点にして、歴史、地理を含む日本というものを読み解く本。
最近、「歴史って、絶対気候変動や地理的な側面が重要だよね」という認識に至っている文系人間の私にとっては興味深いテーマ。
ただ、冒頭の話題として取り上げられていた通り、高校で地学とは全く触れてこなかった(さらには理科系科目がすごく苦手な)自分にとっては、平易に書いてくださってはいるものの、それでも理解が追いつかず頭の中を上滑りする部分も多かった。
水や塩の話、その結果日本がどういう暮らしや歴史を持っているのかなどの話が一番面白かった。

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2025年01月25日

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2024年4月25日初版で同年6月30日には3版。売れてる理由が読んでて分かった。知的エンターテインメントのようにおもしろい。以下、“おもいしろい”の一部抜粋。

「地球史の最初の42億年間は、火のない地球であった(p130)」
「化学肥料に頼らずに、この日本列島で養える人口は3000万人、となる。生態学的な「最大」人口と言えるのかもしれない (p135)」
「ここは「慈悲深い列島」である一方で「危険な列島」でもある。一言でいえば「すごい列島」(p226)」

著者の伊藤孝先生は勤務先である山形大学理学部地球科学科卒。学内で講演していただきたいと思った。

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2024年12月09日

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本書の主テーマではないが、冒頭で高校地学の履修状況が著しく低いことに触れた箇所がある。思えば僕が通っていた高校は、そもそも地学の授業はなかったので、履修のしようがなかった。皮肉にも、当時はどうしても地学を学びたいという気持ちすらなかった。

高校を卒業して半世紀経つが、今こうして「地学」の本を興味深く読んでいる。本書は、「高校の地学教科書にかならず載っているような地球科学的な情報をベースとする」。本書を読み終えて、感じたのは、高校地学の教科書のレベルってどんだけ高いの?ということだった。

本当かと、疑心暗鬼な気持ちでさっそく本屋で地学の教科書を購入。内容を確認して驚いた。本当だった。地学の教科書って凄いんだ。

冒頭の記載でもう一つ、時間の感覚。
地球の誕生は46億年前、サピエンスの誕生は20万年前。時間の感覚、言葉としてはわかるが、今一つ感覚をもちづらい。
これをお金の単位に変換すると、46億円と20万円。そうするとこの違いの大きさがより具体的に理解できる。この変換は使える。

では本書の内容について。
まずは、「陸」について
陸とは、地球上の起伏で高いところと低いところがあって、低いところに水がたまってできたのが海で、それ以外の起伏の高いところ、と漠然と思っていた。しかしこの考えは、全く根底から違っていたことに衝撃を受ける。
陸地はプレートがつくるもので、
「陸を構成する地殻は地球全体で考えると密度が小さく、マントルにントルに浮いている存在である」
「約2万年前の最終氷期の再寒気、海面は現在よりもマイナス125メートルだったが、その後海面はぐんぐん上昇し、約7000万年前に現在と同じ高さになる。そのあとはほとんど一定である。過去7000年間は、海面が大きく上がりも下がりもしなかったきわめて特殊な状況下にあった」
海水準が一定に保たれていることは、当たり前に思っていたが、長い地球の歴史を振り返るとそれは例外的なことなんだと衝撃を受ける。

「火山」について
日本は言わずと知れた火山大国だ。ではどうして火山が多いのか。その答えは水である。
地下1000kmにおいて水がない状態では1500度ぐらいにならないと岩石は溶けない。水があるとそれより500度も低い条件で岩石が溶け、マグマを作る。
プレートの沈み込地帯は、プレートとともに水も沈みこむ。つまりこの水がマグマを作る原料となる。
日本列島に火山が多いのは、地下深部がほかの場所より温度が高いからではなく、そこに水が豊富に存在しているからだ。

などなど面白いお話しが続く。興味が尽きない。

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2024年09月07日

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日本列島の成り立ちと現在の性質について地球科学的な解説してくれる一冊。芭蕉の旅などを取り上げて少し柔らかめにとっつきやすくしてくれようとしているが、高校で地学を履修してなかったものには少し読みにくい部分も。

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2024年07月19日

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日本列島の特徴を地学のほか化学の知見を駆使して平易に説明。海の水はなぜ塩辛いか、なぜ日本海側が大雪になるのか、火が燃えない時期があったなどいかに微妙なバランスで日本が成り立っているかよく分かりました。地震や火山、台風などの災害対応への気付きも満載でした。

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2024年06月17日

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ネットで本を買うことが多くなりましたが、偶に時間がある時に本屋さんに行くと今回読んだ本に出会うことがあって嬉しいものです。

この本は日本列島にはなぜ、各種資源に恵まれているのか、一部資源に恵まれていないのかを地質学的に説明されています。日本には台風・火山噴火・地震等の自然災害が多く、ある意味暮らしにくい、生活するにはリスクが高い場所かもしれませんが、それでも数万年と人間が住み続けてきており、魅力もあるのだと思います。

この本では日本列島だけではなく、なぜ地球に人類が住めるようになったのか、つまり酸素が増加するようになったのかの解説もされています、氷河期を幾度と経験してきた地球が、その間に酸素濃度が上がって生物が住めるようになったということを初めて知りました。楽しく読ませてもらった一冊でした。

以下は気になったポイントです。

・産業技術総合研究所のサイト「地質図Navi」そして、日本における地理情報の公開として国土地理院による「地理院地図」は、日々進歩を遂げていて、日本列島の形・成り立ちを考える売る上で欠かせないインフラとなっている(p9)

・なぜ陸が残っているのか、簡潔に述べると、それは陸を削る浸食作用に均衡するように「陸を作る作用」が働いているから(p21)

・氷期においては地球の高緯度の陸域に降った雪は根雪となり、やがて氷の塊に変化し海に戻らない。それが暑さ数キロメートルの巨大な氷床を作った。そのため地球全体で考えれば、陸と海の水のバランスが変わり、相対的に海水の量が減る。海面が下がる理由となる。直近の氷期である2万年前には、現在と比較して海面が125メートルも下がっていたことがわかる(p26)

・酸素濃度が現在の21%から16%になっただけで、事実上酸素供給体が絶たれたことになる。大気中の酸素濃度を地球史の時間軸で追ってみると、炎が生ずるような燃焼が成り立つのは、約4億年前以降の話である、地球史の最初の42億年は、火のない地球であった(p130)

・いくら光合成が起こっても、同じ速度で反応が下から上へと進む有機物(CHO化合物)の酸化分解が起これば、大気中の酸素は増えない。別な表現を使えば、大気中の酸素が増えるためには、光合成で形成された有機物が大気中の酸素と接する機会がなくなること、すなわち、地層の中に埋まってしまう必要がある。これが特に起こったのが、約24億年前と、7億年前である。これは、全球凍結との関連が指摘されている(p132)

・江戸時代の元禄の頃、日本の人口は約3000万人、世界の人口は6億人なので世界の20人に一人が日本人であった。人口世界シェアでいうと、日本人の割合はこの時代が最も高かった、現在は2%である(p135)

・日本列島ではきちんと管理すれば豊かな森林がなぜ保たれるのか、日本では降水量の多さ、黄砂による地力の回復、土壌の若さなどのおかげで樹木の再生が早い、としている。さらに、他の社会では多くの土地の森林を荒廃させる原因となった、草や若芽を食べてしまう、ヤギ・羊がいなかったことも付け加えられる(p137)

・学校で、窒素・リン酸・カリウムを肥料の三要素と学ぶが、海洋においては、カリウムイオンは海水に豊富にあるので、窒素・リン酸・ケイ素が三要素となる(p149)

・光合成生物が海に大量に発生し、副産物として酸素を放出したことで、海に溶けていた鉄が酸化し、真っ赤な海になる。それが海底に積もったのが縞状鉄鉱物である、海に溶けていた鉄が綺麗さっぱりと酸化沈殿されると、酸素は鉄の酸化沈殿に使われずに済むようになり、海は産後で充たされ、やがて酸素は海から大気へと解き放されるができ、待機中で酸素が増えた(p168)

・現在の岩手県南部から宮城県にかけて、南北に延びる北上山地を中心に多くの金鉱床が発見され、それらを資源として陸奥の平泉周辺には藤原三代の世が華開いた。建立された中尊寺金色堂はその象徴である(p182)

2024年5月23日読破
2024年5月24日作成

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2024年05月24日

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勉強にはなった。ただ冒頭に言われていたように地図や時間軸と一緒に読めればさらに面白く、理解も深まったと思う。新書では中々図の参照を見るのも面倒で...。

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2025年02月02日

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実家のリビングにあって気になって読んでみた。初地学。
もう一度読む、やんわりとしか理解できなかった、、

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

<目次>
序章   日本列島の見方
第1章  かたち~1万4000の島々の連なり
第2章  成り立ち
第3章  火山の列島~お国柄を決めるもう一つの水
第4章  大陸の東、大洋の西~湿った列島
第5章  塩の道~列島の調味料
第6章  森林・石炭・石油~列島の燃料
第7章  元祖「産業のコメ」~列島の鉄
第8章  黄金の日々~列島の「錬金術」
終章   暮らしの場としての日本列島

<内容>
地学の本である。表記はおしなべてわかりやすい。特に松尾芭蕉の『奥の細道』をベースに語る前半が、文系と理系をつなぐような記述となっている。日本史を考えるとき、こうした自然環境だからこそ、のことが多い。それを裏付けてくれる本である。

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2024年05月03日

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