椿井文書―日本最大級の偽文書

椿井文書―日本最大級の偽文書

990円 (税込)

4pt

中世の地図、失われた大伽藍や城の絵図、合戦に参陣した武将のリスト、家系図……。これらは貴重な史料であり、学校教材や市町村史にも活用されてきた。しかし、もしそれが後世の偽文書だったら? しかも、たった一人の人物によって創られたものだとしたら――。椿井政隆(一七七〇~一八三七)が創り、近畿一円に流布し、現在も影響を与え続ける数百点にも及ぶ偽文書。本書はその全貌に迫る衝撃の一冊である。

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椿井文書―日本最大級の偽文書 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年08月22日

    すべての京田辺市民は読むべき一冊。
    自分の街の歴史を知っておきたいと思うことはないだろうか。簡単にまとめてある冊子を手に取っても良い。官公庁発行のパンフレットに目を通すだけでもおもしろい。でもやはり、本格的に知りたければしっかり編纂された分厚いハードカバーの「市史」や「町史」で学びたい。ーーでは、そ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年03月07日

    山城・近江・大和・河内の古代・中世史研究にしばしば利用されてきた史料が、江戸時代の国学者椿井政隆の手になる偽書であることを示すと同時に、それが江戸時代から現代に至るまで広く市民権を得てきた実態やその思想的・心理的背景を読み解く。江戸時代の山の支配権をめぐる争論から、式内社の比定をめぐる村同士の争い、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月11日

    本書の見開きを飾る大伽藍を誇った寺院の色鮮やかな絵図や書状、家系図…数百点にも及ぶ偽文書「椿井文書」製作の意図と近代以降に地域社会と歴史学に与えた影響を詳らかに語る。
    本書で明かされる偽文書作成に駆使したテクニックの数々に唸り、文書が流布した背景にある近世地域社会の様々な事情が垣間見えてくるのも面白...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年02月07日

    現在の京都府や滋賀県に点在する古文書が、じつは椿井政隆という1人の男によって後世に人為的に創作されていたという話で、たいへん興味深かった。しかもこれらの文書は多くの自治体史に引用され、その内容に基づき文化財指定がなされたり、町おこしに活用されたりしている例もあるという。わたしは神社・仏閣めぐりが好き...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年11月12日

    歴史関係者必読であろう。史料の扱い方については本当に注意しなければいけないことがあらためてわかる。この件に関しては文書の膨大さから要注意であることがわかりそうだが、その地域の部分だけ見ているとわからないかもしれない。さらに史料というものはこれに限らずすべて書いた人のバイアスがかかっているものというこ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月11日

    世紀の偽作、椿井文書。自治体史などで根拠となっている実は偽書。世紀の偽作を通じて浮かび上がる現在の日本史研究の問題点。

    視点が斬新な一冊。椿井文書とは椿井政隆(1770~1837)が中世の文書を近世に写した体裁の体裁の偽書。近畿一円に数百点が分布しているという。実際に原本を見れば、分かる人には分か...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月08日

    江戸末期に作成された数百点に及ぶ偽文書について、その作成法・流布・後世に与えた影響などその全貌に迫る一冊。歴史学の問題点にも切り込む内容で、偽文書研究の有り様も考えさせられて興味深い。

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    Posted by ブクログ 2020年07月17日

    とても興味深い本でした。
    椿井文書(つばいもんじょ)と呼ばれる一連の疑文書の全貌とそれが真正な文書として一部利用されてきた過去を明らかにする中で、歴史学の在り方、偽史、偽書との向き合い方に及ぶ思索の書です。

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    Posted by ブクログ 2020年04月28日

    たった一人の人物の創作による偽文書が、いかにして作られ、
    地域に、人々に浸透していったか。数百点にもなる椿井文書の全貌。
    第一章 椿井文書とは何か   第二章 どのように作成されたか
    第三章 どのように流布したか 第四章 受け入れられた思想的背景
    第五章 椿井文書がもたらした影響
    第六章 椿井文書に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年10月02日

    私が『息長川ノート』を書き始めたのが2008年7月からだった。馬部さんが椿井文書の存在を知られたのが2003年、雑誌「史敏」に椿井文書について寄稿されたのが2005年。私は大事な資料を見落として執筆していたことを今知った。

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