福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会

1,320円 (税込)

6pt

アメリカにおける福音派の巨大な存在感は、近年よく言及される。しかし、彼らはどのように影響力を拡大し、トランプ大統領の誕生や再選、あるいは政治的・文化的闘争に関係していったのか。本書は、第二次世界大戦後のアメリカの軌跡を、福音派とその背景にある終末論に着目して描き出す。そこからは大統領の政治姿勢はもとより、中絶や同性婚、人種差別、イスラエルとの関わりなど多くの論点が見えてくる。


まえがき

序 章 起源としての原理主義

第1章 「福音派の年」という転換点――一九五〇年代から七〇年代
1 原理主義者と福音派のはざまで
2「福音派の年」とカーター大統領
3 終末に生きる選ばれし者たち

第2章 目覚めた人々とレーガンの保守革命――一九八〇年代
1 政治的な目覚め
2 モラル・マジョリティの誕生
3 レーガン政権と福音派のせめぎ合い――保守革命の裏で

第3章 キリスト教連合と郊外への影響――一九九〇年代
1 パット・ロバートソンの政治戦略
2 フォーカス・オン・ザ・ファミリーと伝統的家族観
3 クリントンの信仰と六〇年代の精神
4 ウォルマートとメガチャーチの止まらぬ拡大

第4章 福音派の指導者としてのブッシュ――二〇〇〇年代
1 ボーン・アゲイン大統領とネオコンの思惑
2 九・一一と小説のなかの終末論
3 信仰の公共性
4 スキャンダラスな福音派と右派の失速

第5章 オバマ・ケアvs.ティーパーティー――二〇一〇年代前半
1 初の黒人大統領と福音派左派
2 オバマ・ケアと中絶問題
3 ティーパーティー運動
4 アメリカ建国偽史
5 高まる人種間の緊張

第6章 トランプとキリスト教ナショナリズム――二〇一〇年代後半~
1 白人とイスラエルの味方として
2 保守化する司法と中絶・同性婚問題
3 キリスト教国家と非宗教者

終 章 アメリカ社会と福音派のゆくえ

あとがき
主要参考文献
略年表
主要人名索引

...続きを読む

詳しい情報を見る

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    アメリカ社会における伝統的白人社会を基盤として社会や政治に大きく影響を与えているキリスト教福音派の歴史とその特徴について網羅的に解説した新書。アメリカを知るには必須の著作です。

    0
    2025年12月18日

    Posted by ブクログ

    キリスト教の書物と言うより、現代の米国の政治・社会をキリスト教の観点から分析した好著。キリスト教福音派とは何なのか?原理主義者が「福音派」のグループに含まれ、その右派としての活動を強めていったこと、それが現在のトランプの岩盤支持層になっている背景が良く分かった。その一方で福音派左派と言われる人たちも

    0
    2025年12月16日

    Posted by ブクログ

    とても面白い。宗教右派、特に過激で排他的な言動を厭わない福音派が、アメリカ政治や社会に与えた影響に関する良書。
    特に人種問題や中東、中絶、同性愛の問題が蔓延るアメリカにおいて、過去にも分断を煽ってきた歴史があり、現在はトランプの存在がそれを正当化してしまった様相すらある。
    被害者意識の強いアメリカの

    0
    2025年12月07日

    Posted by ブクログ

    トランプ大統領来日記念、アメリカをもっと知ろーのコーナーー!(わー)

    と言うわけで、トランプ大統領の支持基盤でもあるキリスト教「福音派」について学びます
    ちなみ「ふくいんは」と読みます
    地味に読み方とか書かかれてるのうれしいでしょ?
    うーん、この親切設計レビューね

    「福音派」です
    めちゃめちゃ簡

    0
    2025年10月29日

    Posted by ブクログ

    保守右派といわれるものはどこでもそうだが、「古きよき」を掲げ、過去虐げられてきた人々や様々な問題に関する先人の努力・解決を直視しないどころか、自分の目線の届かないところでの大量殺戮・貧困・人権侵害には目をつぶり、自己中心的な世界を押し付ける。しかし、人間は不安という避けがたい苦悩に向き合い、共に生き

    0
    2025年10月28日

    Posted by ブクログ

    非常に学びになり、おもしろかったです。
    福音派、なんとなくわかっていたつもりでしたが、より理解が深まりました。
    キリスト教だから、福音派だから、プロテスタントだから、みたいな分かりやすいグループで今までは考えようとしていたのですが、かえって混乱しちゃってましたね。
    当たり前といえば当たり前ですが、ど

    0
    2025年12月21日

    Posted by ブクログ

    福音派という切り口での分析で非常に興味深く、勉強になりました。昨今fanaticの度が増してるなと思ってましたが、さもありなんという感じで腹落ちしました。
    また、日本も同様の状況に陥りつつあるような気がして、寒気を覚えた次第。
    ただ、この本でも解き明かしていなかったように思いますが、白人男性至上主義

    0
    2025年12月01日

    Posted by ブクログ

    宗教についてあれこれ考えれば考えるほど、ほぼ無神論者的な自分には理解不能な部分があってそこが逆に面白いと思うことがある。
    こんな情報や科学が発達した現代においても福音派とか原理主義と言われる強硬派の人たちの考えの変わらなさとかってすごいし、何ならアメリカの大統領までをも当選させる力を持ってたりして気

    0
    2025年11月08日

    Posted by ブクログ

    トランプ大統領自身は福音派なんかな?
    あとトランプ大統領が大統領になれたのは福音派の力が大きいのだろうけど、登録済みだった有権者のうち福音派は何パーセントくらいいたのだろう?

    0
    2025年10月15日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    pivotでアメリカ政治に影響を与えてきた宗教団体として福音派が紹介されていて、興味を持って読んでみた。
    本書は、原理主義から始まった福音派がどのように政治的影響力を拡大し、トランプ政権の強力な支持基盤へと変化していったかを描いている。

    特に印象的だったのは、「終末論」に基づく善悪二元論が、アメリ

    0
    2025年11月07日

福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

中公新書 の最新刊

無料で読める 学術・語学

学術・語学 ランキング

同じジャンルの本を探す