【感想・ネタバレ】福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会のレビュー

あらすじ

アメリカにおける福音派の巨大な存在感は、近年よく言及される。しかし、彼らはどのように影響力を拡大し、トランプ大統領の誕生や再選、あるいは政治的・文化的闘争に関係していったのか。本書は、第二次世界大戦後のアメリカの軌跡を、福音派とその背景にある終末論に着目して描き出す。そこからは大統領の政治姿勢はもとより、中絶や同性婚、人種差別、イスラエルとの関わりなど多くの論点が見えてくる。


まえがき

序 章 起源としての原理主義

第1章 「福音派の年」という転換点――一九五〇年代から七〇年代
1 原理主義者と福音派のはざまで
2「福音派の年」とカーター大統領
3 終末に生きる選ばれし者たち

第2章 目覚めた人々とレーガンの保守革命――一九八〇年代
1 政治的な目覚め
2 モラル・マジョリティの誕生
3 レーガン政権と福音派のせめぎ合い――保守革命の裏で

第3章 キリスト教連合と郊外への影響――一九九〇年代
1 パット・ロバートソンの政治戦略
2 フォーカス・オン・ザ・ファミリーと伝統的家族観
3 クリントンの信仰と六〇年代の精神
4 ウォルマートとメガチャーチの止まらぬ拡大

第4章 福音派の指導者としてのブッシュ――二〇〇〇年代
1 ボーン・アゲイン大統領とネオコンの思惑
2 九・一一と小説のなかの終末論
3 信仰の公共性
4 スキャンダラスな福音派と右派の失速

第5章 オバマ・ケアvs.ティーパーティー――二〇一〇年代前半
1 初の黒人大統領と福音派左派
2 オバマ・ケアと中絶問題
3 ティーパーティー運動
4 アメリカ建国偽史
5 高まる人種間の緊張

第6章 トランプとキリスト教ナショナリズム――二〇一〇年代後半~
1 白人とイスラエルの味方として
2 保守化する司法と中絶・同性婚問題
3 キリスト教国家と非宗教者

終 章 アメリカ社会と福音派のゆくえ

あとがき
主要参考文献
略年表
主要人名索引

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Posted by ブクログ

面白かった。
福音派が主張を強めているのは中流の白人が相対的に貧しくなっているのも原因になっていて、だからこそ希望(Make America Great Again)を謳うトランプが支持されるのだと。日本における選挙戦のアジェンダ設定も同じようなところがある気がする(トランプ戦略を参考にした日本人ファーストや、日本列島を強く豊かになど)自国民が貧しくなるとアイデンティティを取り戻したいという欲求が強まるんだな。。

終章での福音派は対立する相手を悪魔やサタンの支配下にあるとみなす傾向があるため、妥協が困難となる。結果として政治的なリベラリズムに不可欠な対話は機能不全に陥る。という考察が面白かった。この前提に立つとアメリカ社会の分断は収まることがなさそうに感じてしまった。

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2026年06月27日

Posted by ブクログ

米国が繁栄した1920年代のキリスト教の多極化に対して Fundamentalist が台頭し、やがてEvangelist へとつながっていく

終末論に目を奪われ過ぎるといけない

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2026年06月17日

Posted by ブクログ

『裂け目』の読書会で。歴史苦手なのもありこういう新書はなかなか手に取らないのだが、めちゃくちゃ濃密な内容で楽しく読めた。個人的には20年代の文化も60年代の文化も虚しさという点で共通していて好きなのだが、福音派の視点から見ると異なるらしい。
『インザメガチャーチ』を読んだばかりなので「教団」としてのチャーチというあり方にはそんなに抵抗はないが、著者が鋭く指摘していた通り、教義よりも他者を抑圧するための道具になっているのはいただけない点。

・ディスペンセーション主義(聖書の記述を文字通り読もうとする)
・メディアを巧みに利用した
・中絶反対派の展開する論理が現在左派が掲げるものと似ていた(胎児を人と認めないなら障害者も…)
・ウォルマートで働く女性たちは生き延びるために伝統的な女性像に依拠した
・ブッシュ「召し」でイラク戦争したのマジ?
・福音派のイスラエルへの熱意はユダヤ民族の繁栄を求めてのものではなく、携挙とイエスの再臨のための鍵でしかない
・犬笛としての「法と秩序」というスローガン 
・カコフォニー(不快音)
・権力の意志のためなら信念を容易に曲げるという悪徳
・福音派の影響力は数の減少以上に構造的
・秋波(流し目)

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2026年06月15日

Posted by ブクログ

分断するアメリカ社会で福音派がどのようにして政治に参加するようになり、影響力を強めていったのか時系列で非常に分かりやすく教えてくれる。

福音派の中でもイスラエルの行動を支持する人々は「終末論」を信じている人が多くいる。無宗教者には理解できない価値観が多いのが難しいところだが、いつの時代も政治的に影響力を強めたい人や、強めようとする人のバックには必ずこうした宗教母体や思想を持った人たちがいるんだということに注意しなければならないと感じた。
表現の自由があるので批判できないが、思想を広めるためにはメディアをも活用して扇動しようとするくらい行動力の強い人たちはアメリカに限らず日本にもいると思うので、そういった行動や主張に惑わされず、必ず1歩引いた目線から合理的かどうか判断するべきだと思う。

アメリカ社会の分断を通して、日本にも移民が増えていけば思想や文化の違いを受け入れられず分断の時代が来るのは必然に感じる。外国人を全く受け入れない/なんでも受け入れるという極端な発想ではなくて、今のうちからしっかりとした受入基準を持ったうえで共生できるように進めていくべきだと思う。個人的には外国人労働者は絶対に必要なので、労働できる基準を厳しくしたり、日本の慣習に従う意思を確認するフローを作るなど必要な気がする。

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2026年06月11日

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ネタバレ

アメリカ福音派の歴史。福音派はたんなる宗教復興運動ではなく、南部南西部の白人男性文化の復興運動。少数派になり特権を失うこと、カウンターカルチャーに対する危機感。
・源流は、20年代から始まるDispensationalismー7つの時代区分があり、7番目は終末。バルフォア宣言によるユダヤ人のイスラエルへの帰還と第一次世界大戦は預言の成就に見えた。聖書を字句どおりには解釈しないリベラル神学への対抗としてのfundamentals。ラジオによる伝道。
・ビリー・グラハム 戦後の反共(共産主義者は悪魔)。原理主義を離れ世俗化し、資本家、共和党政権に接近。
・ジミー・カーター 南部バプティストの回心者だが政治的にはリベラルで、福音派をかえって政治的結束に向かわせた。
・リンゼイ 終末論は1000万部を超えるベストセラー。中近東がロシアに占拠され米・EU(アンチキリスト)と戦いロシアは敗北するもハルマゲドンで中国と最終戦争、キリストが再臨。
・レーガン 福音派が政治力を発揮しレーガンの勝利に貢献するが、レーガンは必ずしも福音派の政策をとらず。男女平等憲法修正条項、私立キリスト教学校(白人プロテスタントのみ)への補助金など。福音派の一部は神権政治を試行(「侍女の物語」)
・パット・ロバートソン「キリスト教連合」共和党との協同、・ドブソン「家族調査評議会」中絶・同性愛・フェミニズムへの対抗、・新興郊外住宅地の現代化したメガチャーチが新たなコミュニティ機能
・ブッシュJr 福音派の黄金時代。イラク戦争、新自由主義への対抗ー小さな政府と宗教団体を通じた慈善事業
・オバマ・ケアに対する福音派の反対は中絶・避妊の助長、個人の意思への連邦政府の介入
・トランプ 大使館のエルサレム移転は預言の成就。保守派・超保守派の最高裁判事任命ロー判決を否定するドブス判決と中絶禁止。暗殺未遂、弾劾、反トランプは悪魔によるもの。敵を作り徹底的に敲く。
・一方で21~37%は非宗教者。宗教右派への反発や反共=協会帰属の必要性がなくなったこと、SNSによる宗教体験ー非宗教者のうち無神論者は17%程度

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2026年05月10日

Posted by ブクログ

アメリカにおけるキリスト教の歴史について。
“ホルムズ海峡の封鎖”や来る2026年の中間選挙を読み解きたく手に取りました。
キリスト教がいかにアメリカ政治と切り離せないかが理解できました。

著者は映画好きなのでしょうか。ところどころ映画のシーンが引用されてます。日本人には馴染みのない題材が少しとっつきやすくなります。

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2026年04月22日

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今起きていることが、日本からは見えにくく、全く一筋縄ではいかない、長い歴史と宗教に根ざしたものであることがわかり、とても重い気持ちになった。

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2026年04月05日

Posted by ブクログ

パレスチナ問題を考える書としてこの本を読んだ。イスラエルがアメリカを動かすためのロビー活動にキリスト教シオニストが大いに関わっているからだ。
わかったのは、キリスト教福音派がイスラエルを支える理由だ。理解するのは難しいが、自らの教義上イスラエルを必要としているようだ。
彼らは基本的にはアメリカが世俗的人間中心主義になることに強く反対して政治をコントロールしようとしていること。中絶、同性愛などを認めず古い価値観を制度として作り上げようとしてきたことだ。復古主義的な家族観と宗教的な保守主義のもとで生きるアメリカを望んで。敵をサタン・悪魔として民主主義と対立し、自らを正當化する方法は統一教會と瓜二つだと思う。
福音派は多くの派に分かれこの半世紀での変遷も激しいが、選挙などを通して大統領らと結びつき、歴史の歯車を逆回転させてきた。もともと教会を中心とした宗教活動だった彼らが政治がらみの表舞台に出てきたのは、50年前にジミー・カーターが自らを「ボーン・アゲイン(生まれ変わり)と公言したのがきっかけだという。カーター自身は穏健なリベラルだったというが福音派はこれを好機と捉えたわけだ。
今や白人福音派主義者の8割はトランプに投票した。
キリスト教ともっとも遠い世俗的快楽主義のトランプの支持母体となり、Qアノンとも結びつく。
ヘグセス国防長官などの福音派が配置され、アメリカの現状となった。
しかし、アメリカのキリスト教徒は大きく減り、白人福音派も5年間で23%から14.5%になっているそうだ。一方で増えているのは「非宗教者」で30%ほどもいるという。(注: 非宗教者=無神論者ではない)
アメリカも変わらざるを得ないのだ。

別の本で知ったが一番勢いのあるのはイスラム教で、
そう遠くない未来に信者数が世界一になる。

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2026年03月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アメリカで巨大な影響力を誇る福音派。その福音派の歴史を概略している本書
独特の終末論的な世界観を持っていたが故に黎明期には政治と離れた距離を保っていたが、段々近づいていくことに。
さらに、キリスト教国であるはずのアメリカに無宗教者が増えてもいる現状。それによってさらに分断が激しくなっていくことに。
無宗教者が集団になることは難しいと考えると更に福音派とそれ以外といった形での分断が激しくなってしまうのではないだろうか。

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2026年03月29日

Posted by ブクログ

 福音派(原理主義)と言われる人たちがどのようにしてアメリカ社会に蔓延してきたかがよく分かった。オバマ政権から白人の怒りや鬱憤がたまってきていること。白人福音派の大多数はトランプを支持していること。福音派と議論すると自分たちの善以外は悪魔の仕業になるから、議論にならないこと。BLMに対して、福音派は非常に冷淡であることなど結構エグいな〜アメリカ社会と思った。
 ラッシュドゥーニーがキリスト教復興のための布教から政治活動のための布教へと静かに舵取りをし、現在そうなっていることが一番印象にのこった。さらっと出てきてめちゃ大きな影響与えてるから影のアメリカ社会を舵取りをした人だと思う。
 やはり、国の文化や歴史を知るのは面白い。

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2026年03月21日

Posted by ブクログ

アメリカの選挙のニュースを見ているとかならず出てくる「福音派」。名前は知っているけど、結局どういう人たちで、なぜあんなに政治を動かせるのか、自分はずっとよくわかっていなかった。この本でようやく腑に落ちた。

ざっくり言うと、聖書を字義どおりに受け止める信仰と、世界の終わりをめぐる終末論が核にあって、それが選挙や外交みたいな現実の政治とどう結びついてきたのかを、歴史をたどりながら整理してくれる。トランプ支持に至る流れも、ここまで背景から丁寧に説明されると見え方が変わる。

いちばん面白かったのは、福音派をひとくくりの保守集団として扱っていないところ。中身はけっこうバラバラで、副題の「引き裂かれる」はむしろ彼ら自身のことなんだと気づかされた。終末論という一見遠い信念が、イスラエル支持みたいな現実の判断を実際に動かしているという話は、正直ぞっとした。

自分とは縁遠い宗教の話だと思って読み始めたのに、読み終わると「人は何を信じているかで動く」という、もっと普遍的な話として残った。違う価値観の人を「よくわからない人」で片づけないでおこう、と思えた。

アメリカ政治や国際ニュースの「なんで?」をもう一段深く知りたい人に。新書大賞2026で3位に入った一冊でもある。

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2026年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

キリスト教の終末論は、十字架の上で死んだイエスは3日目に復活しており、現在は神の右に座し、いつの日か「生者と死者を裁くため」に再臨する。特に米の福音派は再臨が近いと信じ、自らを神の側に立つ善の力とみなすことで、世俗化や道徳的退廃といった悪に立ち向かう。この悪はサタンや悪魔などの実体を持った悪で霊的な戦いでもある。聖書の本文の成立過程や著者や編集の歴史等を批判的に分析する「高等批評」。神の軌跡や誤りなき言葉としての聖書を信じ、進化論や高等批評はもちろん、異端的な宗派を批判する保守的なプロテスタントを「原理主義」、つまり「ファンダメンタリズム」という。「ディスぺンセーション主義」とはできる限り聖書の記述を文字通りン意味で読もうとする解釈の方法。これによると、聖書に記されている歴史は、7つの異なった「体制(ディスペンセーション)に分けられており、ユダヤ民族の体制は5番目、イエスは6番目。最後の7番目の「体制」が終わりの始まりで、キリスト教徒は空中に「携挙」され、地上に残された未信者たちは、戦争や基金の政変による苦しみの時を過ごす。さらに地上を治める「反キリスト」という悪魔的な支配者が現れ、キリストが再臨すると、この反キリストとの「最終戦争(ハルマゲドン)」を戦う。この戦争に勝利したイエスは千年王国を築き、新しいエルサレムに王座を据える。イスラエル建国をはじめとする中東情勢がハルマゲドンへの道。50年代の米国宗教復興は、共産主義の脅威と迫りくるアポカリプス、つまり核戦争による世界の終わりを前に、神への悔い改めを求めた結果。共産主義の脅威に対する汎プロテスタント的な市民宗教的な活動(教会に通わなければ非国民の疑いをかけられる)。60年代は進歩的なリベラリズムが席巻し、公立学校での祈りや聖書朗読が禁止され、原理主義者たちに危機感。キリスト教系私立学校の増加。ここで自らの考える自由の中で人種差別を継続させ、進化論や高等批評を批判したり世俗的人間主義を悪魔の教えとしたいがため、政治に参加する必要。かつて中絶問題はカトリックがリードしていたが、プロテスタントは個人的選択の問題としていた。福音派は教育とテレビ放送を巧みに活用。政権と近づいたり離れたりしながら政治に近づいていく。繁栄したいずれの文明も性的に厳格な立場から始まり、性的な自由が蔓延することで滅んでいく。その理由は、性的なエネルギーを抑制すると経済の生産性は上がり、反対に自由にセックスが行われると生産性が落ち、経済が衰退し、文明が滅ぶ。資本主義を成り立たせる倫理観とは、世俗内禁欲、つまり消費や快楽をできるだけ抑えることで経済的生産性や投資効率を上げること。だから、放縦なセックスや中絶や同性愛を消費主義的な浪費として批判。クリントン大統領のホワイトハウスに聖職者たちを集めての懺悔。「悔い改め」「変わろうとする決意」の表明は国民への印象操作だという批判も一部あったが、このおかげで支持率を維持。メガチャーチは、行政や私企業では満たせない人々の必要、すなわち他人とつながる欲求を満たす可能性。ウォルマートとメガチャーチ。レーガンとブッシュとの接近。進化論を支持する米国人のが54%の多数派になったのは2019年。米国メディアの政治的・社会的立場での細分化。そして、SNSの台頭とアルゴリズムの進化は建設的な批判を遠ざけた。そして、教育。「キリスト教国アメリカ」のビジョンによる教科書。大部分の福音派は人種差別をあくまで個人の道徳的な問題とみなし、貧困や教育や福祉など社会の構造的な問題として扱わない。「Make America Great Again」はレーガンのフレーズだが、トランプが2012に商標登録。今日のキリスト教ナショナリズムは、社会的影響力の喪失への危機感と既得権益を奪われつつあるという被害者意識に基づいてた恐れと怨恨。キリスト教シオニスト。トランプ信仰は大衆化された終末論。多方面からの攻撃をものともしないトランプの背後には闇の力に立ち向かう神の恩寵があると信じる。善悪論の下で敵を悪魔化。アメリカ社会の分極化。世俗的人間中心主義は敵であり、失われつつあった白人男性の特権を再度アメリカ社会に打ち立てることが重要で、人間の完全なる平等を目指す多様な社会という理想へは反対する。白人福音派人種主義。米国文化のキリスト教化を目指す福音派と、リベラルで進歩主義的なカウンターカルチャー勢との対立は先鋭化し、米国社会の分断や分極化は深まる。政治と宗教の境界線が曖昧となることで、権力者への忠誠とその敵への攻撃が神の意志への服従と混同され、無批判な権威主義を涵養する危険性が高まっている。

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2026年06月25日

Posted by ブクログ

特に前半は知らない人物の名前ばかりで読みづらかったが、中盤でクリントンやブッシュの名が出てきて、ようやく頭がついてきた。読み終えて、つくづくアメリカの現状と福音派の影響は切り離せないのだなと思った。オバマケアが骨抜きにされたり、トランプが戦争を始めた理由に大きく関わるのが福音派。アメリカという国を理解する上で読んでおいた方が良い本だと思う。

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2026年06月24日

Posted by ブクログ

トランプがあれほど熱狂的に支持される理由がずっとわからなかった。その背景にキリスト教福音派の存在があると知ってから、両者の関係性が気になり本書を手に取った。
読んでみての率直な感想は、"白人としての権力"を手放したくない人々が根強く存在し、自分たちの生活や経済的な閉塞感の原因を白人以外に求めているということだ。そこに都合のよい物語性を与え、"信仰"として堂々と掲げられるものとして機能しているのが"福音派"なのではないかと思った。
宗教と社会の関係という観点で特に印象的だったのは、人工妊娠中絶や同性愛をはじめとする性的マイノリティへの拒否感についての記述だ。それらは福音派の教義的な問題というよりも、人種差別が公には許されなくなった時代に、権力者たちが支持者へのアピールとして掲げるようになった代替的な"脅威"だという。正直、呆れるほかなかった。
さらに厄介なのは、福音派が妥協点を見出そうとしないことだ。終末論的な世界観のなかで対立する相手をサタンや悪魔の手先とみなす傾向があり、話し合いを通じて折り合いをつけるというアプローチ自体が成立しにくい。政治的なイシューはただただ議論を重ね、妥協点を見つけながら都度改善していくほかないはずなのに、彼らの信仰する物語のなかでは相手が簡単に非人間化されてしまう。どう対話すればいいのか、正直途方に暮れる。
宗教は本来、人の救いや共同体の絆のためにあるはずだ。しかしその"信仰"が差別や排除の隠れ蓑として機能し、対話の回路さえも閉ざしてしまうとすれば、それはもはや宗教の問題ではなく、民主主義の問題だと感じた。日本にいる私にとっても、無関係とは言いきれない。

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2026年06月20日

Posted by ブクログ

歴史を踏まえてここまで書かれているのはすごい。今までの民主主義からのテイクオフというのは当たってそう。

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2026年06月18日

Posted by ブクログ

これまで名前は聞いていたが、その中身に関しては抽象的であった「福音派」の思想、歴史、政治的な立ち位置などがより解像度が高く浮き彫りになった。現在の米国社会の分断や保守とリベラルの対立構造の中で
「福音派」が歴代大統領の政策決定に影響を与えてきた役割が極めて重要であることを再認識させられた。

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2026年05月27日

Posted by ブクログ

「できる限り聖書の記述を文字通りの意味で読もうとする解釈の方法。旧約聖書の預言や約束は、イエスの到来やキリスト教徒達の存在によって成就されたのではなく、まだ成就されていないことになる。したがって、ユダヤ民族も、キリスト教徒と同様にいつの日か神の約束に与れる」というデイスペンレーション主義、そこから解釈される終末論、善悪二元論を特徴とする福音派がどのようにアメリカ社会に浸透し、歴代政権に関与していったのかを描いた本。

黒人差別の根の深さ、政治とキリスト教の緊密さ、進化論を教える事を禁じる州がある程の以上な保守性など、日本人の理解の外にあるアメリカの姿を知ることができた。

善悪二元論に立脚する福音派は他の考えや価値観との相互理解や合意形成に至らない。正にトランプ大統領の行動そのものである。福音派の白人は減少傾向にあるが、その価値観や手法が現在の政治的・社会的な運動の中に確かな足跡を残しているという。
今のアメリカの福音派の活動や影響は、マイノリティとなりつつある保守的な白人キリスト教徒の最後の足掻きである事を信じたい。

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2026年05月23日

Posted by ブクログ

結局、崇高な理念や思想ってのは理解できる人が限られるから大勢を動かすにはトランプのはアメリカ至上主義みたいな分かりやすくてインパクトのあることを言うしかないんだなって思った。
よく分からずにトランプを支持する人達がいることもよく分かるし、結束するには外敵を作ることが重要なことも再確認した。
人々がしっかり考えられるなら争いは無くなるかもしれないけど、まあ無理だろうな。何も考えずに何となく信じたいものを信じる、そういう人たち全員に平等に権利を与えてる民主主義って正しいのかなと思った。

第1章 1950〜70年代
福音派の前身である原理主義者たちが使用した終末論はディスペンセーション主義といい、旧約聖書をキリスト教的解釈をせずそのまま読む、そのため終末はユダヤ教キリスト教問わず訪れる。
最初は少数派だったがラジオ黎明期にリスナーを多く獲得し(現代のネットで陰謀論が支持されるように)、その番組を守るためにワシントンに「全国福音派協会」を設立、福音派の由来となる。
ビリー・グラハムが先頭にたって広めていき、反共産主義とも重なりながらキリスト教信者も増やしていった。50年代の米国社会の課題にグラハムの語りがマッチし、終末論に備えていた側面も大きい。
リンゼイの『今は亡き大いなる地球』は終末論に関する予言の本、荒唐無稽な内容だがイスラエルの建国などもあり70年代に大ヒットする。

第2章 1980年代
ファルウェルがテレビ等を用いて原理主義を広めていく。聖書は、特定の人種への憎しみを教えていないが、人種隔離を推奨しているという。『創世記』を見ると様々な人種には異なった居住区が与えられており、これは神の秩序である。これを推し進めるのは人種差別と共産主義への恐れがあった。
合衆国が陥っている罪を5つあげた。中絶、同棲愛、ポルノ、神をも恐れぬ人間中心主義、壊れた家族。これらを変えるために政治への参加を呼びかけ、福音派と政治の結び付きが強まってきた。
福音派とは遠い存在だったレーガンは共産主義への敵対や行き場を失っていた福音派を取り込み、「MAGA」をフレーズとし、大統領となった。「古き良きアメリカ」という原理主義的価値観が政治的な強さをもった。「宗教円卓会議」という福音派の会合でレーガンは大敗するアメリカに必要なのは、世俗主義ではなく、「古き良き宗教」であり、「古き良き憲法」である、アメリカは「丘の上の街」であり、世界に光を照らさなければならないとスピーチし、聖書にこそ現代社会が抱えるあらゆる問題の答えがあると結ぶ。
実際に政権をとってからは中絶支持の女性を最高裁判事にしたり、宗教教育に関する法案を通せなかったり失望されることも多かった。
ファルウェルはモラルマジョリティを解散、ひとつの時代が終わった。

第3章 1990年代
父ブッシュの対抗馬だったパット・ロバートソンは政治戦略に長けた若者ラルフ・リードと共に「キリスト教連合」を作る。この団体が90年代の福音派と保守政治運動を牽引した。
選挙に勝つために世俗的になっていくこの団体に反発したのが全米人気三位のラジオ番組をもつジェームズ・ドブソン。彼は中絶禁止、同性愛は精神疾患、妻は家庭を守り婚前交渉はダメという厳格なスタンス、快楽を貪るカウンターカルチャーが社会を破壊すると考えていた。聖書が示す伝統的な家族観と男女の役割は健全な家族を築き、経済的な安定、文明全体を反映させる基盤となる。これを政治的に反映させるため「フォーカス・オン・ザ・ファミリー」を設立。
リードとドブソンの団体が共和党の支持基盤となる。
この時に彼らと対立していたのがビル・クリントン。カウンターカルチャーの渦中にいるにも関わらず、聖書から縦横無尽に引用し、神の希望をかたり、イエスの赦しを説く。福音派にとっては冒涜的だった。
福音派の価値観をもつウォルマートの普及や、郊外に住む人を狙ったメガチャーチの増加など、福音派の影響力は高まっていった。

第4章 2000年代
子ブッシュの政権時にトランプに次ぐ福音派の盛り上がりを見せる。彼はイラク戦争を決断、その裏には「ネオ・コンサーヴァティブ」(新保守主義者)がいた。米国主導による自由主義的な世界の構築を目指す。ネオコンと福音派は思想的な共通点はほぼないが、利害の一致で手を組んでいく。それらを繋いだのが子ブッシュ、彼は福音派の熱心な信者だった。リチャード・ランドイラク戦争を「正戦」とし、支持した。内容はほとんど誤りだったが、これによって福音派がイラク戦争を支持し、ブッシュ政権の強力な支持基盤となった。
ネオコンは中東の民主化のため、福音派はキリスト教的終末観から、イスラエルへの支援を行う。
様々な人が福音派を推し進めていたがイラク戦争への対応から共和党は選挙で敗北する。新しい希望を求めて民主党のバラク・オバマが当選する。

第5章 2010年代前半
オバマのかかげる「希望」というフレーズに一部の福音派は距離を詰めていく。黒人教会は聖書を米国は黒人の苦しみから解釈されなければならない、イエスは苦しむものたちと共にいるからだ、と表した。黒人を差別する福音派含む白人協会は神の民を迫害する抑圧者であり、反キリストだという。
オバマは差別を容認する宗教右派も、公共圏からあらゆる宗教的要素を排除し道徳的基盤を壊しかねない進歩主義者たちもどちらも批判されるべきだという。また、熱心なキリスト教徒は共和党、あまり熱心ではない人達は民主党という傾向も変えるべく福音派を取り込んでいく。
貧困層も保険を使えるような「オバマ・ケア」という制度改革は困難を極める。反対派は、中絶や避妊を保証範囲に含む可能性があったことや個人の自由に連邦政府が介入することを懸念した。
法案通過後も、白人福音派を中心に反対運動は続く。ティーパーティー運動というボストン茶会事件に由来する反対運動も行われる。大型の景気対策や住宅ローン救済案は連邦政府の責務増加に繋がるという批判。しかしこの未曾有の経済危機や連邦政府の責務は、ブッシュ政権のイラク戦速や経済政策の負の遺産だった。
オバマの時代からアメリカの白人キリスト教徒の割合は50%を切り、福音派の努力にも関わらず宗教多様国になっていった。しかし、建国の理念はキリスト教では無かったか、白人の立場がどんどん低くなるのではないかという思いが高まっていった。デイヴィッド・バートンらはアメリカはキリスト教国である主張をしていく。
黒人と白人の対立は熾烈を極め、白人至上主義の考えをもつ福音派の圧倒的支持を集め、人種差別的な発言を繰り返す新大統領が誕生する。

第6章 2010年代後半
当初、トランプは中絶肯定や、性的に奔放な生活、ニューヨークの成功者、元民主党員など福音派からは蔑まれていた。しかし、福音派の普及に使えると考えるものもおり、支持されていく。
また、低所得の白人層には自国を強くし、職を奪う不法移民を追い出し、アメリカファーストを打ち出すトランプの主張がよく響いた。トランプ陣営のスティーブン・バノンはフランスの国民連合、ドイツのAfDなどから欧州のポピュリズム政党の戦術を学び、自らの優位性が失われると危機感を抱く白人層の支持を集めた。
当選後、大使館をエルサレムに移転しようとするも失敗。イスラエルとの結び付きを強めていく。アラブ諸国とイスラエルの和平構築を推進していく。これらによりイスラエルは入植によって土地を広げていき、2023年10月にハマスによる襲撃が起き、現在も戦争は続いている。
ドブス判決により南部の州を中心に一気に中絶禁止の州法が成立していく。
宗教信者が減っている主な理由はインターネットの普及である。白人福音派の減少は人口動態の変化が大きいが、近年問題になっているメガチャーチのリーダー、大教団の聖職者たちによる性加害とその隠蔽への批判も大きい。

終章
ビリー・グラハムの息子フランクリン・グラハムは福音派としてトランプとの親しく付き合う。
トランプ支持者たちにとって政治とは討議を中心とした民主的なプロセスで行われるものではなくなった。明確な善悪があり、善の背後には神が、悪の背後にはサタンがいる。敵の背後にはサタンがいるため、徹底的に叩くことができる、ここにアメリカ社会が分極化する鍵がある。

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2026年05月16日

Posted by ブクログ

キリスト教の中でもプロテスタント派の人たちが集まった団体が福音派と理解。アメリカの労働階級の人たちの多くが属している。KKKなどの過激派も属している。これらの人々に支えられているのがトランプ大統領である。キリスト教、ユダヤ教、イスラム教など宗教の教えから来る終末論があり、他の宗教が滅びない限り、自分達の生存はないのとしているようだ。よって、世界の争いごとが一向に収束しない。トランプは、これに輪をかけて突飛な政策を持ち出し強引に実行する。独善的でもないところが一層混沌さを深めている。

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2026年05月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どうかしてしまった同盟国アメリカを理解するために読まねばと思いしばらく前に読み始めた。アメリカの歴史に疎い自分には、大統領の名前以外は馴染みがないカタカナの個人名や団体名が次々と出てくる上に時系列で語られる訳でもないため概要を把握するのもなかなか大変だったが、複雑な現実を理解する為には仕方ない。データも示してくれるがあくまでも叙述の中でなので図やグラフとして明示してくれたらもっと良かった。「マジでこんなの信じてるの?」と言いたくなるディスペンセーション主義や終末論、福音派が積極的に政治に関わるようになった経緯、ID理論、福音派と人種差別の関連、福音派はオバマケアの何を問題視したのか、色々知ることが出来た。
終章のまとめにおいて、対立する相手をサタンとみなして攻撃する福音派の善悪二元論は言論活動を通して合意や妥協点を見出す近代の自由民主主義に馴染まず、公共善を破壊すると結論づけている。アメリカとそれに追従する日本の未来は果てしなく暗い。

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2026年04月30日

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70年代以降、福音派がアメリカ政治に登場し、歴代大統領と結びつきながら影響力を拡大していく。
その過程と独特な世界観が、とても印象に残った。
宗教と政治の関係について、改めて考えさせられました。

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2026年04月26日

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アメリカ史に対する前提知識が全く無かったが、丁寧に背景も解説してくれたのでするすると読めた。

対共産主義の文脈で台頭した頃から今に至るまで、一貫して善悪二元論や勧善懲悪の価値判断を貫いているように見える福音派。多文化共生主義とか受け入れられないんだろうな。読んでいる間、寛容のパラドックスが頭をよぎる箇所が何度もあった。
やはりエンパシーを鍛えないと、他者との共生は本当にストレスフルで火種に満ちていて難しいな、と自戒も込めて。
福音派も一枚岩ではなく、政治参加のアプローチや掲げる政策についてすら、多少幅があるのだとわかったが、とはいえ対立思想を悪魔の所為だと主張するような層とはそもそも議論が成立しえない。そうなったら民主主義が成立しない。

白人男性至上主義の家父長的マッチョイズムとか盲目的宗教観の押し付けがましさとか、こんなものを古き”良き”アメリカなどとのたまう人たちが一定比率いるんなら、心底、アメリカに生まれなくてよかったと思う。(じゃあ日本のほうが良いのか、はわからない)

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2026年04月25日

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アメリカはなぜ分断が進み二極化するのかが、なんとなくわかった気がする。最近の世界の動きは自分の理解をはるかに超えている。

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2026年04月04日

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トランプ大統領の自国ファースト、独裁的な政策に疑問や憤り、恐れを感じていました。
本書を読む事で、宗教観と政治思想には想像していた以上に強い相関関係が存在する事に新鮮な驚きがありました。
日本人は、宗教観よりも倫理観を大事にしているという感覚があるのですが、そこにアメリカとの隔たり、違和感をを感じてしまう要因があるのではないかと思いました。

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2026年03月29日

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アメリカの政治と「福音派」と呼ばれるキリスト教の一派が、どのように絡み合って今のアメリカを動かしているのか、アメリカ建国の頃から第二次トランプ政権までを網羅した力作。これを読むと、トランプの荒唐無稽な行動の原理がわかる。理解できるかは別問題だが。

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2026年03月25日

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卒業した大学がプロテスタントで、当時週1のキリスト教学が必修だった。教授は年配の女性牧師で、自分は神の声を聞いたことにより教師の道に進んだと言っていた。私は「何らかの脳の作用による幻聴だろう、狂信的な先生だ」と解釈していたが、本書に出てくる「回心」というのがそれだとすれば、ブッシュもクリントンも同じような経験をしていて、キリスト教徒のアメリカ人にとっては特におかしなことではないどころかポジティブに受け取られるらしい。一般的な日本人の感覚とはかなりのズレがあるような気がする。
南部などの保守的な州では地動説や中絶、同性愛を認めない人がいるのは前々から知識として知っていたが、それはごく一部で、日本でも宗教的な理由で輸血を拒否する人がいるのと同じで主流派にはなり得ないと思っていた。年代的に、子どもの頃から強いアメリカを見て育ってきて、アメリカは日本より自由で豊かで先進的な国だとずっと思っていたけど、いつのまにかこれほど変質してしまっていたことをここ数年、特にトランプの2期目に入ってからは実感せざるを得ない。アメリカは極端から極端に走る国ってイメージがあるから、そのうちまたリベラルに振れる時代が来るのだろうか?
日本人はどうしても一神教に対して理解できない異質なもの、無意味な争いのもととなるものとして軽視したり宗教的な背景を無視しようとするところがあるけど、現在の世界情勢を理解する上でも宗教は避けて通れない重要な問題であり、知識として知っておくことは必要だと思った。

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2026年03月19日

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 トランプが支持されているアメリカという国を理解するためには、アメリカで普及している宗教を知らねばならない。この本は気になっていたのであるが、しばらく買わないでいたのだが、トランプがイランを攻撃してメチャクチャなことを言ってるのを聴いてこの本を読むことにしました。全体的には読み物よりは研究論文的な文体でとっつきにくいのですが、我慢してじっくり読むと、現在のアメリカの精神風土がわかってくるように思えました。
アメリカにはキリスト教原理主義者が多いのはもちろんなのですが、1940年代以降は、そこから派生して聖書で言っていることを政治勢力として強まってきたのが「福音派」と呼ばれている勢力である。この勢力は終末論を信じていて、キリスト降臨やハルマゲドンを信じているのであるが、この勢力がアメリカ国民の25%を占めるというのだからびっくりである。
トランプはこの福音派から熱狂的に支持されているというのだから、どんなことを言っても、やってもまるで神に代わってトランプが戦っているとその支持者は思い込んでいる(トランプ信仰)というのだから恐ろしい。そもそも選挙に負けたのに、当選が盗まれたとして国会前のバリケードを破って多くの人が議場に殴り込むという現象は、このような背景を知らないと理解できない。
「トランプ支持者にとって政治とは、もはや討議を中心とした民主的なプロセスで行われるものではない。そこには明確な善悪があり、善の背後には神が、悪の背後にはサタンがいる。だからこそ敵を悪魔化し徹底的に叩くことが可能となる。ここにアメリカ社会が分裂する鍵がある」のだ。

アメリカのことは日本人の常識では理解できないし、常識を主張しても通用しない現実があるのだ。

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2026年04月30日

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ネタバレ

アメリカの大まかな歴史がわかっていないから、珍紛漢紛になる部分があった。もう一回読み直そうとおもう。

私のアメリカの認識が

イギリスから後悔して来て、インディアンを駆逐して、アフリカ人を連れてきて奴隷にして、リンカーンが黒人を解放して、戦争して、9.11があって、オバマさんがいてトランプという認識。お粗末すぎ。

・福音派の中にもいろんな人がいて一枚岩ではない。
・福音派は白人男性の権力回復を望んでいる。
・イラン戦争をハルマゲドンだと考えるに至るストーリー。

人が増えれば増えるほど民主主義は難しくなるんだな…。
アメリカという国の分断は本当に大変。こんなの1人の人間で背負えないってば…。


今、トランプを弾劾したいという動きがある。
なぜアメリカは自分たちが決めた大統領を自分たちで下ろせないのかと思ったけど、
オバマ・ケアへの風当たりなどの様子を読むに、
一定の弾劾のやりにくさは残しておかないと、
何も決まらないし安定しないんだなというのは推測できた。

民主主義は本当に難しい。
すべての人が快適になることが民主主義じゃないんだろうな。
皆がちょっとずつ譲り合ってちょっとずつ迷惑してでも社会全体の幸福って言うことを
考える必要があるんだろうな。

でも狩猟民族の掟には、狩りすぎないようにしたり、驕り高ぶる人諫める決まりがあったりするから、
無理じゃないのでは…。

多様性を受け入れてこその民主主義なんだろう。

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2026年04月17日

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積読している本が引用されていたり、かつて読んだ本で知っていたことが出て来たり、という意味では興味深ったのだけれど、やはり宗教は難しい。どんなに理解しようとしても難しい…

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2026年03月29日

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一般成人日本人には、ほぼ理解できない世界。

宗教は大事だと思うし、必要なものだとは承知しているし、信仰を持っておられる方には大変失礼申し上げるのだが、大の大人が創造主とか罪を背負って死んだ人間が蘇って、終末には突然信じてくれる人間だけを引き上げるとか、そんなことを真面目に信じていることがどうにも理解できない。

それでいて、同じ宗教なのに考え方が違ってという。意味がわからない。

世間がそう言う信仰から離れていくのに危機感を持って、つながりは強固になり、信仰をこの世に実現するための政治と関わっていく。
政治家も、言っちゃ悪いが票のためなら約束しまっせてきな節操もない態度だし、それでも一旦当選するとなかなか約束も実現しないから宗教の方はまた戦術を変える。

結局元の信仰とはかなり違ったものになってしまっているところもあったりして、信じることが目的になっているような。
正しいから信じると言うより、信じているから正しいと言うような。

それが、政治を動かす、そんな国。

判んない世界。読んでてしんどくなって来た。

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2026年03月23日

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