【感想・ネタバレ】福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会のレビュー

あらすじ

アメリカにおける福音派の巨大な存在感は、近年よく言及される。しかし、彼らはどのように影響力を拡大し、トランプ大統領の誕生や再選、あるいは政治的・文化的闘争に関係していったのか。本書は、第二次世界大戦後のアメリカの軌跡を、福音派とその背景にある終末論に着目して描き出す。そこからは大統領の政治姿勢はもとより、中絶や同性婚、人種差別、イスラエルとの関わりなど多くの論点が見えてくる。


まえがき

序 章 起源としての原理主義

第1章 「福音派の年」という転換点――一九五〇年代から七〇年代
1 原理主義者と福音派のはざまで
2「福音派の年」とカーター大統領
3 終末に生きる選ばれし者たち

第2章 目覚めた人々とレーガンの保守革命――一九八〇年代
1 政治的な目覚め
2 モラル・マジョリティの誕生
3 レーガン政権と福音派のせめぎ合い――保守革命の裏で

第3章 キリスト教連合と郊外への影響――一九九〇年代
1 パット・ロバートソンの政治戦略
2 フォーカス・オン・ザ・ファミリーと伝統的家族観
3 クリントンの信仰と六〇年代の精神
4 ウォルマートとメガチャーチの止まらぬ拡大

第4章 福音派の指導者としてのブッシュ――二〇〇〇年代
1 ボーン・アゲイン大統領とネオコンの思惑
2 九・一一と小説のなかの終末論
3 信仰の公共性
4 スキャンダラスな福音派と右派の失速

第5章 オバマ・ケアvs.ティーパーティー――二〇一〇年代前半
1 初の黒人大統領と福音派左派
2 オバマ・ケアと中絶問題
3 ティーパーティー運動
4 アメリカ建国偽史
5 高まる人種間の緊張

第6章 トランプとキリスト教ナショナリズム――二〇一〇年代後半~
1 白人とイスラエルの味方として
2 保守化する司法と中絶・同性婚問題
3 キリスト教国家と非宗教者

終 章 アメリカ社会と福音派のゆくえ

あとがき
主要参考文献
略年表
主要人名索引

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Posted by ブクログ

歴史的な起点から、政治に関わり、矛盾だらけで軋轢を生みまくる現状までが網羅的に書かれていた。なぜそんなふうになるのかという事情を少し理解しつつ、根深すぎてどうしょうもないという気分にもさせられた。

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2026年03月10日

Posted by ブクログ

トランプ大統領が再選されたころから、福音派に対する関心が高まったように思う。時期を得た出版だが、決してジャーナリスティックでなく、学術的な著作だ。1920年代頃からの歴史と政治との交点が体系的に記されている。福音派とよばれているものには幾つもの会派があるので、内容はなかなか複雑で、完全には理解しきれなかった。
神の奇跡や聖書の無謬性を信じ、終末論を持ちだして自己主張をする人たち。それが『古きよきアメリカ』の美化につながるとき、人種や男女差別や中絶・同性婚問題と結びつき、政治を動かそうとする力がはたらく。それが既に1970年代には見られたというのは、ちょっとした驚きだったし、一神教の強さと柔軟性のなさを同時に感じてしまった。聖書に書かれた超自然や荒唐無稽にも見える終末論を信じる人たちが、事実と論理の上に成り立つ現代科学の最先端を行く国でその恩恵にあずかっていることに、アンバランスを感じた。この本を読んで、イスラエル政策を含めて現在の政権の政策の背景と、それが一定の支持を受ける現実が納得できた。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

福音派キリスト教信者であれば、ある程度馴染みがあるエバンゲリスト達ですが、そうでない読者にとってはそれぞれの違いや政治と宗教の繋がり、イスラエルに対する考え方など分かりにくいかもしれない。

著者が福音派キリスト教との繋がりがイマイチ見えないので、どういう立ち位置で書かれているのかを知りたいところである。

0
2026年01月19日

Posted by ブクログ

アメリカの政治とキリスト教との関係を読み解いていくと、アメリカの近現代史を知る事が出来ると、まさに感じる一冊。
その中で福音派については、存在は知っていたレベルだったが、色々な意味で怖さを感じた。

0
2026年01月19日

Posted by ブクログ

アメリカの宗教の一派として存在している福音派だが、どのように政治と関わってきたかを知ることができ、別視点からアメリカを見ることができる。
時々、中絶反対や同性婚反対、黒人の人権に対する抗議でもを見かける。その発生の根底が福音派が絡んでおり、「だからこんな事態が起きたんだ」と福音派の思想を通して理解できる。

現在のトランプも福音派に傾倒しているのもあり、政治動向や行動原理が少し見えてくる。

また、1950-現在まで10年を区切りに福音派と政治を展開しているので、アメリカの近代史も把握できて概要書として手に取りやすい一冊だ。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

トランプさんがアメリカ大統領に再選されてから1年。
中絶禁止、反同性愛、白人至上主義、わたしが福音派から連想する乏しいイメージはそんなところです。
福音派にとって今は終末なのか、だからイスラエルに帰結するのか、宗教とはかくも排他的なのか。
アメリカの歴史を宗教から紐解くというのはとても興味深く、宗教というのは良くも悪くも人間を統制するのに1番役立つものなのだろう。

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2026年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

福音派というグループは、歴史上かなり前から存在していて、そのゆるい定義のもとに、時代ごとにさまざまな団体や個人が政治に影響力をもたらしてきた。ただし、大きな概念での福音派という中にも、右寄り左寄りの団体がいたり、目指すものや信条が少しずつ違う宗派だったり、決して統一した一つの団体や宗派ではなく、複雑な構造なおかつ流動的な存在でもある。ニュースで眼にする団体や個人の立ち位置が理解でき、常に「誰がトランプの裏にいるのか」という問いにもある程度解を得ることができたと思う。 いずれにせよ、日本人の私が思う「アメリカ」とは全く前提も定義も違うものを信じているアメリカ人がものすごい数いる、ということを改めて認識させられた。今のアメリカを理解するのにすばらしい専門書だと思う。 

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2026年01月05日

Posted by ブクログ

アメリカ社会における伝統的白人社会を基盤として社会や政治に大きく影響を与えているキリスト教福音派の歴史とその特徴について網羅的に解説した新書。アメリカを知るには必須の著作です。

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2025年12月18日

Posted by ブクログ

キリスト教の書物と言うより、現代の米国の政治・社会をキリスト教の観点から分析した好著。キリスト教福音派とは何なのか?原理主義者が「福音派」のグループに含まれ、その右派としての活動を強めていったこと、それが現在のトランプの岩盤支持層になっている背景が良く分かった。その一方で福音派左派と言われる人たちもいて、「クリスチャン・トゥデイ」はその流れの雑誌でありラインホルド・ニーバー、ディートリッヒ・ボンヘッファーは福音派からは容共産主義と批判されているという!
彼らはトランプに対して批判的らしいが、マスコミの報道では全く取り上げられていない。カーターが大統領選で勝利した1976年は「福音派元年」と呼ばれていたように、それまでは福音派はもっと常識的だったように感じる。そしてレーガン、クリントン、ブッシュ(子)、オバマ各大統領のキリスト教との接し方も興味深い。ブッシュは福音派として知られていたが、彼らはすべて主流派キリスト教に近い立場だったようだ。人種差別・分離政策、女性蔑視に最も熱心だったという白人福音派が徐々に少数派になりつつあるという危機感がオバマ大統領誕生後に強まっていたことがトランプを産んだという皮肉の背景も強く理解できた。キリスト教国家米国の「非宗教者」の割合が、1972年には5%だったのに、今や30%に及んでいるらしい。
それにしてもビリー・グラハム、フランシス・シェーファー、ジェームズ・ドプソン、ハル・リンゼイ、ティム・ラヘイら、私自身も良く知るキリスト教の指導者たちがこの系統の人たちだということは悲しいことに感じた。愛を説き、社会正義を追求するべき人たちが、実はセレブ崇拝、繁栄賛美、そして権力に寄り添う人たちだったのか!

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2025年12月16日

Posted by ブクログ

とても面白い。宗教右派、特に過激で排他的な言動を厭わない福音派が、アメリカ政治や社会に与えた影響に関する良書。
特に人種問題や中東、中絶、同性愛の問題が蔓延るアメリカにおいて、過去にも分断を煽ってきた歴史があり、現在はトランプの存在がそれを正当化してしまった様相すらある。
被害者意識の強いアメリカの白人にとっては、自身に響いてしまうストーリーが、福音派の言葉にはあるんだろうな。きっと。
より穏当な、リベラルな意見にも耳を傾ける、そんな集団に変わる事を期待したいものの、原理的に難しいのだろう。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

現代のアメリカを覆う深刻な社会的分断の背景にある宗教勢力「福音派」について、その前史としての1920年代から40年代にかけての原理主義運動から説き起こし、アメリカの社会や政治、文化に大きな影響を及ぼすようになっていった経緯をたどり、その実態を明らかにする。
本書は福音派というレンズを通したアメリカ現代政治史という感もあり、第2次トランプ政権となり混乱や分断が深まる今のアメリカを理解するのに有益な内容であった。
特に、「ディスペンセーション主義」という福音派に根ざす思想について知ったのは大きな学びだった。ディスペンセーション主義は、できる限り聖書の記述を文字通りの意味で読もうとする考え方で、それゆえにユダヤ民族を重視することとなるということで、福音派やそれが推す政治家がイスラエルを強く支持する背景が理解できた。
また、福音派が拡大し影響力を増していく各フェーズにおいて、ビリー・グラハム、ジェリー・ファルウェル、ラルフ・リードなど、キーパーソンとなるような人物がいたということも理解し、個人の持つ社会への影響力というものも改めて認識した。
主流的な福音派には人種主義や女性蔑視がはびこってきたということもよくわかったが、それは神の前の平等という自分が考えるキリスト教の根本精神とは大きく矛盾していると思うし、もし聖書解釈からそういうことが導き出されるというのなら、そんな人種差別等を生み出す神は酷い存在だなと思う。宗教のご都合主義的ないい加減さを感じた。
終末論的、二元論的な世界観を有する福音派は、対話を通して合意や妥協点を見出すという政治的なリベラリズムの前提を共有しておらず、その根幹を破壊する可能性を持つという著者の指摘については、重く受け止めた。本書を読んでも、現代の米国社会の分極化を押しとどめる処方箋はなかなか見出しがたいが、現状を正確に理解することは、そのような状況に対抗し、次への一歩を踏み出すことにつながるものだとは思う。

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2026年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たとえクリスチャン(立ち位置によるけれでも)で、聖書に慣れ親しんでいても、原理主義というのはわかりずらいが、クリントンやオバマですら福音派を無視することができなかったのかと、驚かされることばかり。

健康保険制度を充実させたオバマケアにどうして共和党があれほど反対するのかと思っていたが、人口妊娠中絶を保険適用することが、原理主義者にとって「殺人」を容認することにつながり、受け入れられないとのこと。

この本を正しく理解するのに、私の知識が不足しているが、福音派にとってのイスラエルというものがどういうものかなど、アメリカで起こっている分断の底にあるものが、おぼろげながらわかった気がする。

親鸞やら日蓮やらが、当時の既存の仏教勢力と激しく対立した時代の話を、現代の先進国で見せつけられているような、不思議な気分で読んだ。

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2026年03月09日

Posted by ブクログ

自由主義でフレンドリーで合理的、なんていう夢物語みたいなアメリカ人のイメージが吹っ飛んだ。なかなかの強烈な内容。建国以来キリスト教にがんじがらめに縛られて荒唐無稽な終末論への信奉と進化論の否定が当たり前みたいにある中であれだけの発展を遂げている科学や宇宙開発って。リベラルと宗教とのすごい矛盾を孕んだ国、アメリカ。揺り戻しを繰り返す社会政治を左右する福音派。福音派も一枚岩ではなくいろいろな考え方の人がいて、他の宗派も様々あって、信者と未信者の世界観は決して交わらないから人種、教育、同性愛や中絶などにおける認識の対立に終わりは見えず、移民、貧困などの社会問題に、峻厳な原理主義的姿勢で堕落した世俗に対してきた聖職者たちの性的腐敗などもうアメリカのカオスぶりに読んでて頭がこんがらがってきた。
世の中は生きづらいし、人の心は弱いから宗教ってのが必要必然なのはわかるけども。平和ボケの私、なんだかいろいろ怖くなってきた…

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2026年03月07日

Posted by ブクログ

アメリカ政治と宗教(福音派)の結びつきの歴史について解説された書籍。アメリカがイラン攻撃に踏み切った今、この本の内容とトランプ大統領の言動が少し理解できた。先進的な国であるはずのアメリカがこれほど宗教的な考え方(進化論の否定など)に縛られていることがびっくりだった。若い世代は大きく変化していくだろうが、どのような国になっていくのか、世界もどのように変わっていくのか・・、自分もこの流れを見極めていかないといけないなと思った。

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2026年03月02日

Posted by ブクログ

福音派(エヴァンゲリカルズ)の理解を通じて、建国以来キリスト教の影響を大きく受けているアメリカ合衆国。人工中絶や学校教育における進化論の扱い、イスラエルの支持などがアメリカ大統領選挙の争点になるのか?なぜアメリカは善悪二元論に基づいて覇権国家として行動するのか?そういった疑問が福音派とよばれる集団の影響を大いに受けているという現在のアメリカの抱える事情が理解できました。

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2026年03月01日

Posted by ブクログ

アメリカ、特にトランプ氏の発想や、アメリカ社会がどこに向かおうとしているのかなどに漠とした不安を感じる昨今、福音派という言葉は聞いたことがあるが実態よくわからなかったものについて、もう少し知りたいと思い読んでみた。
もともとアメリカ自体に対して、関心が薄かったこともあり、出てくる人物なども自分の中で追いきれない人も多く、面白くはあるが読み進めるのは結構大変だった。

とはいえ、全く非宗教者の日本人である私の目からは、はてなマークだらけであった世の中の流れも、単に経済的とか地政学的なことだけでなく宗教的な部分も加味するとそういうことかと腑に落ちる部分も多かった。
また、もともとアメリカに対して宗教的な国だという印象は持っていたが、思っていた以上に個人的な倫理観とか救い以上の、政治的に絡む部分が多いことに驚かされた。

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2026年02月25日

Posted by ブクログ

 自分が理解出来ない考えであっても、その考えの存在自体は認めなければならない。
頭では理解出来ても感情が、体が拒絶してしまう。

 福音派(特に原理主義が強い一派)に対してはどうしてもこういう思いを抱えてしまう。それは他の宗教や主義、政治体制等諸々の事象に対しても言える事だが。

 話は逸れるが、2026年の衆院選は旧立憲と旧公明の拙速さが大きな蹉跌を生んだ。二党の思惑はともかく、「中道」の精神は「自分が理解出来ない考えであっても、その考えの存在自体は認めなければならない」事だと思うからだ。

 HONBAKO堺本店にて購入。

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2026年02月22日

Posted by ブクログ

「日に日に世界が悪くなる 気のせいか そうじゃない」(朝ドラ『ばけばけ』主題歌『笑ったり転んだり』より)

⚠️長いです↓

こんな世界になってしまった訳を知りたくて、『福音派』(中公新書)を読んでみました。「俺って、アメリカのこと知らないんだな〜」と思いました。また、私が呑み会

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2026年02月19日

Posted by ブクログ

人名が多すぎてやや読むのが大変だったが、かなり勉強になった。最後まで読んでも、それなりに多数の非白人が福音派に転向した理由はよくわからなかった。それにしても、この先の日米外交(どころか、あらゆる外交全般)はこの思想に駆動されるのかと思うとさすがに頭がクラクラする。

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2026年02月15日

Posted by ブクログ

歴史の流れを説明される中で米国の人口の1/4を占める福音派とはどんな人たちか見失ってしまいました。「まえがき」が超優秀なのでそれだけ読む方がわかりやすかったですw
福音派を把握していて成り立ちや影響力を知りたい人にはとても良い本ですが、福音派とはどんな人か知りたい人が読むと遭難します。2度読んでやっと内容を理解しました。
人種差別や女性蔑視には寛容。妊娠中絶と同性婚には反対。資本家贔屓。進化論は認めない。終末論を説きイスラエルを神が予言したユダヤ人のパレスチナ帰還の成就として応援する。信仰に目覚めたことを行動で表す戦う人たち。
私は宗教とは人生に善をもたらそうとするものだと思っていましたが、福音派は同じ信仰を持つ者以外はサタン、敵として攻撃するのにやぶさかではない取り扱い注意な人たちのようです。
米国で進化論を信じる人が2020年にやっと半数を超えたと知って、当たり前が当たり前でない世界があると知りました!教科書検定がない米国では概念の共有が難しい傾向にあります。

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2026年02月16日

Posted by ブクログ

日本のメディアでは大きく報じられないアメリカ社会における「福音派」の存在を、歴史的な視点から分かりやすく紐解いてくれている一冊。
トランプ政権下における福音派の過激化は、単なる偶発的なものではなく、人々の不安と鬱憤が積み重なって起こった必然的なものであると理解した。
宗教的な価値観と政治思想が結びつくという感覚にあまり馴染みのない日本人にとって、この本はアメリカ社会の政治的分断の実態を理解するために必要な〈バイブル〉になると思う。

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

副題に「引き裂かれるアメリカ社会」とあるが、
福音派がどのように成立してきて、誰の活動によって拡大し、どの時点で政治に介入するようになり、どの大統領を支持したかというような、福音派の政治・宗教運動の解説であり、その背景で福音派がアメリカ国民をどのように取り込み、アメリカ社会をどのように変えてきたのか?という疑問点にほとんど触れていなかったのが残念だった。キリスト教による道徳律の復興、古き良き価値観に立ち返ることを希求していたはずの福音派が支持し選び出した大統領が、史上まれに見るモラルを欠いた行いをしているとは、なんという皮肉だろうか。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

 アメリカで福音派がなぜ政治的な力のようなものをもっているのか、そのことが分かりました。

 独身の頃集っていた教会は「福音派」でした(と言っても、アメリカのそれとは違いますが)。
 本書でも「福音派」が政治に関わっていくのに非常に大きく関わった伝道師としてビリー・グラハムについて述べられています。
 彼が大統領の就任式の際の祈祷会に呼ばれるのは、彼がそれほど素晴らしいキリスト者だからだと、集っていた教会の牧師は言っていました。そして、それをそのまま信じていましたが、ああ、そんな背景があったのだと分かりました。
 そして、どうして「福音派」がトランプ大統領を支持するのかも。
 一キリスト者として、興味深く読めた一冊。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

本書で取り上げれている福音派というのはプロテスタントの一派であり、そのなかでもアメリカで独自の発展を遂げたもののことだが、大雑把なイメージでいえばトランプ政権の支持者である。本書の副題からも、そのあたりの同時代的なテーマを期待して読む人も多いかもしれない。

たしかにトランプ政権の背景にある福音派についての概略も豊富に書かれている。が、主題となるのは福音派そのものの発展の歴史であり、本書は戦前から紐解いていく。トランプ政権の支持者たちに福音派が多数いるのは現実だが、福音派すべてが支持しているわけではないことも、順序立てて説明されている。福音派も一枚岩ではない。

福音派はそもそもの始まりとしては、政治的というより文化的な活動だったという。要は、古き良きアメリカを守るということだ。しかしそれはおのずと人種差別や女性蔑視と結びついている。
そして、福音派の特徴として終末論的世界観がある。これは最終戦争からのキリストの再臨を語るものであり(終末論も複数の立場があるらしいが)、最終戦争ということは敵がいるということだ。それは冷戦期は共産主義であり、そのあとはイスラムである。福音派は善悪を基準に世界を捉え、敵を悪魔化し、自分たちは救済される。友敵を分けるこの思考を見るに、福音派の思考はそのまま政治に適用(利用)されやすいものだったとも思える。

ちなみに本書内では過去に出版された終末論を扱ったセンセーショナルな書籍がいくつか紹介されるのだが、その部数は驚異的なものである。自分はまったく知らなかったが。

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2026年01月10日

Posted by ブクログ

なかなか馴染みのない内容だったので私には難しく感じましたが、アメリカにおけるキリスト教、福音派の変遷がとても詳しく書かれており、とても勉強になりました。

日本にいると宗教の問題があまり表に出ないですが、世界的には日本はまれで、宗教問題を知らないと、世界情勢がよく飲み込めないように思います。

この本を読んで、アメリカの背景が少し理解出来たように感じましたー

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2026年01月01日

Posted by ブクログ

福音派―終末論に引き裂かれるアメリカ社会 加藤喜之

イエス・キリストの教え、聖書が絶対、という原理主義が、
呼び名を変えて福音派として、アメリカ政治にいかに影響を与えているかが
書かれている新書。
何だか暗澹たる気持ちになる。

福音派といえば中絶禁止、同性婚反対。
ダイバシティ&インクルージョンなどもってのほか。
家父長制的な社会こそが望ましい。
そうでない人は許さない!

なんで人の性癖や信条まで入り込むんだろう、と思う。
個人の自由だろうと。
自由の国アメリカで。
ただ、途中から分からなくなってきた。
同性婚カップルがパーティを開こうとケーキを注文したら、
半同性婚の店主が断ったと頃、カップルが訴えたと。
作らない自由もあるのでは?作ってくれる店を探せば?
と一瞬思う。

しかし待てよ。
同性婚を理解してくれるケーキ屋が近所になければ、
そのカップルは苦労してそういう店を探さなくてはいけない。
それは信条でなく差別だから訴えるのか、、

またまた待てよ。
学校教育というのは、もともと野生?状態の子供たちに、
社会の仕組みを教え込むためにある。
日本はいまだに工業化社会の教育が残っているわけだが。
それを拒否する親がいたらどうなる?
教育の義務に対する憲法違反になる?

何が正しいか、個人が決められるのか、社会が決められるのか?
工業化に合った人材になれという教育と、
同性婚は正しいもしくは正しくない、とする法律。
どう違うのか?
議会が多数決で決めるものか?個人に任せればいいのか?

さっきのケーキの話も含め、堂々巡りでわからなくなってきた。
同性婚反対のケーキ屋はそれでも同性婚カップルに
ケーキを作らなくてはいけないのか?

日本でも、福音派ではないが、日本会議を筆頭に、
家父長制をベースにした明治時代の価値観を押し付けたい一派がいる。
選択的夫婦別姓制度絶対反対を訴える人たち。
「選択的」は個人の自由にしよう、というもの。
それを否定するのは、自分の価値観を押し付けるもの。
でも義務教育もある意味価値観の押し付け、、、

その線引きは?

私の答えは、
何をもって正しいとするかは、時代とともに変わる、ということ。
なので、2000年前の聖書にも間違いはあるし、
150年前の明治時代の価値観も、今とはずれて当然。
芯になる価値観は変えてはいけないと思うが、
表面的なものは変えていかねばならないのだ。
その当時にないことが今あるのだから。

それにしても福音派、歴代大統領に影響を与えている。
その筆頭が、ろくにキリスト教を信仰していない性に奔放なトランプ大統領、
というのは皮肉すぎる。福音派を利用して選挙に勝ったともいえる。
その対極にいるのがプロテスタントのジミー・カーター。
なんでトランプが大統領でいられるのか、、、
それを求めるアメリカ人が全国民の半分はいる、ってことだから、
アメリカは恐ろしい。
あ、日本も似たようなものか。

次に読む本は「焚殺」。50年間に同性愛者を大量に虐殺、放火で焼き殺した事件を扱っている。
アメリカの話。なんだかつながっている、、


まえがき
序 章 起源としての原理主義
第1章 「福音派の年」という転換点――一九五〇年代から七〇年代
1 原理主義者と福音派のはざまで
2「福音派の年」とカーター大統領
3 終末に生きる選ばれし者たち
第2章 目覚めた人々とレーガンの保守革命――一九八〇年代
1 政治的な目覚め
2 モラル・マジョリティの誕生
3 レーガン政権と福音派のせめぎ合い――保守革命の裏で
第3章 キリスト教連合と郊外への影響――一九九〇年代
1 パット・ロバートソンの政治戦略
2 フォーカス・オン・ザ・ファミリーと伝統的家族観
3 クリントンの信仰と六〇年代の精神
4 ウォルマートとメガチャーチの止まらぬ拡大
第4章 福音派の指導者としてのブッシュ――二〇〇〇年代
1 ボーン・アゲイン大統領とネオコンの思惑
2 九・一一と小説のなかの終末論
3 信仰の公共性
4 スキャンダラスな福音派と右派の失速
第5章 オバマ・ケアvs.ティーパーティー――二〇一〇年代前半
1 初の黒人大統領と福音派左派
2 オバマ・ケアと中絶問題
3 ティーパーティー運動
4 アメリカ建国偽史
第6章 トランプとキリスト教ナショナリズム――二〇一〇年代後半〜
1 白人とイスラエルの味方として
2 保守化する司法と中絶・同性婚問題
3 キリスト教国家と非宗教者
終 章 アメリカ社会と福音派のゆくえ
あとがき
主要参考文献
略年表
主要人名索引

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2025年12月26日

Posted by ブクログ

非常に学びになり、おもしろかったです。
福音派、なんとなくわかっていたつもりでしたが、より理解が深まりました。
キリスト教だから、福音派だから、プロテスタントだから、みたいな分かりやすいグループで今までは考えようとしていたのですが、かえって混乱しちゃってましたね。
当たり前といえば当たり前ですが、どれも一枚岩ではないわけです。
強いテーマに思える、同性愛・人種主義・中絶に対する考え方でさえもグラデーションであるということが分かりました。
他、特に印象的だったのは、社会の変容の結果、相対的に白人の優位性が失われて、現在、白人が被害者ムーブをしているといったところです。
これもよくある構造ですが、いざ当事者になったときに正しく認知するのは難しいと思います。自分たちは変わっていないのに、周りが変わったせいで自分たちの立場が悪くなっているわけですから。
宗教に触れてこなかった私からすると本当に共感できないことの連続で、非合理的的すぎてウケるなという感覚ですが、それはそれだし、これはこれなんです。
否定も肯定も納得も理解もなく、知識を得た上で、傍観したいなと思わされました。

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2025年12月21日

Posted by ブクログ

福音派という切り口での分析で非常に興味深く、勉強になりました。昨今fanaticの度が増してるなと思ってましたが、さもありなんという感じで腹落ちしました。
また、日本も同様の状況に陥りつつあるような気がして、寒気を覚えた次第。
ただ、この本でも解き明かしていなかったように思いますが、白人男性至上主義ですよね?選挙制度の歪みがあるにせよ、この流れで大統領が選ばれていくというのはまだ納得できず。女性、白人以外の男性などを合わせても「少数派」ということなんでしょうか?
ここのところが何とも?で、やっぱり詰まるところ、経済が相当に悪くて、その辺を上手く擽る人物に傾くということの方が少なくともトップを選ぶという点において、民にとっては大きな話ではないのかな?と思う次第。

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

トランプを支持するアメリカの右翼的な人たちがいると言う認識はあり、それがどういう存在なのか知りたいというモチベーションが一点。また個人的にも日本に住むクリスチャンとして福音派と言う言葉に惹かれて読み進めた本。

福音派とは単なる宗派ではなく、アメリカに暮らす白人が自身の優位性を脅かす相手を悪魔とみなして戦う意思を持った人たちの集まりだというような理解ができた。

宗教の世俗化、中絶や同性愛問題、共産主義との戦い、人種問題、福音派の少数派化など時代ごとの様々な困難の中で福音派の考えが先鋭化されていく過程が記載されていた。

ディスペンセーション主義という、終末論に関わる考え方はクリスチャンとしてはとても賛同できないと思った。

宗派ではなくアメリカの市民宗教としての側面がつよいと感じた。

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2026年02月20日

Posted by ブクログ

いちいち単語の意味がわからず、読み進めても全然内容が入ってこない。

この問題はどうすればいいんだ?

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2026年02月13日

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