小説 - 切ないの検索結果

  • 抱き桜(小学館文庫)
    4.5
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 昭和30年7月。夏休みのある朝、小学4年生の広之は大阪から夜逃げしてきた家の子・勝治と出会った。無邪気な少年同士の友情は、親たちの抱える複雑な情と事情に流されて、ひりひりとした痛みを帯びていく。ひと夏の体験とかつて荒くれ者だった父が酔って語る魂の話は、広之の心に何を刻むのか-戦争の傷跡残る和歌山を舞台に、ふたりの少年の出会いと友情、そして別れを軸に、大人たちの人情の機微と愛情を情感こめて綴った、ふたつの家族の物語。
  • 抱きしめて
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    舞い落ちる桜の花びらの下に、彼女が立っている。俺は夢中で、シャッターを切る。初めて出会ったにもかかわらず、俺の魂は彼女に引き寄せられた。そして彼女も……。だが、異国の地に生を受けた青年が、やがて故国に帰る時が来る。青年の故郷まで、彼女は追いかけた。ただ、もう一度だけ、会いたい。ようやく再会を果たし、結ばれる二人の背後で流れる、河村隆一のラブソング「抱きしめて」。でも、それはあまりにも切なく美しい詞と旋律。あたかも別れを予言するかのように……。そして、運命は再び二人を引き離した。互いに想いながらも、すれ違い、それでも想いを断ち切れず、遠い海の果てに想いを寄せる。二人の恋の行方は――。台湾人青年・コウと水沙(みさ)の切なくもひたむきな恋の物語。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。

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  • 駄句だくさん
    3.0
    山藤章二宗匠率いる雑俳句会「駄句駄句会」の奇才・珍才たち。選りすぐった駄句また駄句に、お互いの辛口・甘口・大脱線批評を満載した傑作選!「名句秀句の本がいっぱい出てるけど、駄句ばかりを集めた本、てぇのがない。俳句本の棚に置いとけば、世の中にはボンヤリしたやつや変わり者、万引き少年なんかがいるから持ってゆくかもしれない」なんてぇ話から、この本は誕生したとか。
  • 蛇行する川のほとり
    3.6
    演劇祭の舞台装置を描くため、高校美術部の先輩、香澄の家での夏合宿に誘われた毬子。憧れの香澄と芳野からの申し出に有頂天になるが、それもつかの間だった。その家ではかつて不幸な事件があった。何か秘密を共有しているようなふたりに、毬子はだんだんと疑心暗鬼になっていく。そして忘れたはずの、あの夏の記憶がよみがえる。少女時代の残酷なほどのはかなさ、美しさを克明に描き出す。
  • 蛇行する月
    3.8
    「東京に逃げることにしたの」。高校を卒業してまもなく、同級生だった順子から清美に連絡が入る。二十も年上の男と駆け落ちするという。故郷を捨て、極貧の生活を「幸せ」と言う順子に、それぞれ苦悩や孤独を抱えた女たちは引き寄せられていく――。自分らしく生きてゆくことの難しさ、そこにある確かな希望を描いた連作長編。
  • 太宰治全集(1)
    4.3
    1~10巻1,034~1,287円 (税込)
    「私はこの短編集一冊のために、十箇年を棒に振った。まる十箇年、市民と同じさわやかな朝めしを食わなかった。……私はこの本一冊を創るためのみに生れた」(「もの思う葦」)。第一創作集『晩年』(昭和十一年刊)と、それにつづく“苦悩の時期”に書かれた諸篇を収める。晩年(葉思い出 魚服記 列車 地球図 猿ヶ島 雀こ 道化の華 猿面冠者 逆行 彼は昔の彼ならず ロマネスク 玩具 陰火 めくら草紙)ダス・ゲマイネ 雌に就いて 虚構の春 狂言の神
  • 奪還(上)
    4.5
    民間軍事会社を運営する社長の妻と娘が拉致された。 偶然、現場に居あわせたリーチャーに依頼が届き、ともに解決へと乗りだすのだが……。 二度の映画化で、世界的な人気を誇るアクションサスペンス。 新作ドラマがアマゾンプライムで進行中のジャック・リーチャー・シリーズ、 待望の最新邦訳は、シリーズ屈指の傑作!
  • 奪還(鶴見京介弁護士シリーズ)
    3.5
    有原和樹の妻が自宅で殺害された。妻の流産以降、夫婦仲は冷え切っており、まして妻の不倫を疑っていた有原をクロとする状況証拠は揃っていた。逮捕された有原の担当弁護士となった鶴見京介は、有原が殺害時刻に居酒屋で、アイヌが使う「ムックリ」という口琴を持った男と会ったという言葉を信じる。だが、探し出した男は、有原を覚えていないと答えた後、アリバイを証明することなく姿を晦ます……。手掛かりを求め北海道へ飛んだ鶴見は、暗い秘密を抱える人々の心を解きほぐし、嘘を暴きながら驚愕の真相に迫っていく! 長編ミステリー。
  • ダッシュ!
    3.9
    1巻1,265円 (税込)
    ロンドン五輪リレー選手・土井杏南さんも推薦! 実力は平凡、リーダータイプじゃない三雲真歩が、陸上部の次期キャプテンに指名される。キャプテンらしいことは言えず、タイムも切れず、おまけにみんなともぎくしゃくしてしはじめて……。ぱっとしない真歩は、生まれ変わることができるのか? よろこびも悲しみも、すべてをわかちあえる仲間と、最後まで歩めるのか? 熱い思いを秘めた、新しい青春小説が今、生まれる!
  • 脱出
    4.3
    ブラジルへ渡航寸前、ふとした口論から、一人の男を刺殺してしまった混血児・岡田サチオ。夜の新宿を逃げまわる彼に、救いの手を伸べてきた4人の若者がいた。週刊誌記者、学生、歌手志望の男、ゴーゴーガール。彼らはサチオの渡航を助けようとするが、真意は何なのか? 息詰まる迫力で展開される、サスペンス劇の会心作。
  • 脱出 GETAWAY
    3.0
    1巻1,225円 (税込)
    恋人の復讐のため悪徳警官を射殺した志波銀次の命を自衛隊の特殊部隊、伝説の傭兵達がつけ狙う。チンピラごときに政府が策謀を巡らす? なぜだ!! 戦車・ヘリから降り注ぐ砲撃、銃弾、紅連の炎を駆け抜けて銀次の爆走は続く。次第に明らかになる巨悪の陰謀。魂を揺さぶる痛快無比の超絶アクション大傑作。
  • ダッハウの仕立て師
    4.0
    1939年、ロンドン。婦人服の仕立て師(ドレスメーカー)として頭角を現しつつある18歳のエイダは、上流階級の紳士と知り合う。しかし戦争の暗雲が近づく中、その出会いは思いもよらぬ残酷な運命に彼女を導くのだった……第二次世界大戦を舞台とした歴史小説!
  • 脱北航路
    3.4
    祖国に絶望した北朝鮮海軍の精鋭達。四十五年前、島根の海岸で拉致された日本人女性。宿命のように引き寄せられた彼らが、老朽化した潜水艦に乗って日本への亡命を企図した時、国際社会を揺るがす悲壮な闘いの幕が切って落とされた。一発でも魚雷が当たれば撃沈必至の極限状況。それゆえに生まれる感涙の人間ドラマ。超弩級エンターテイメント!
  • 脱獄者は白い夢を見る
    4.0
    1巻1,408円 (税込)
    祭太鼓が轟くなかで、一人の模範囚が忽然と消え失せた。四十八時間以内に脱獄者を確保せよ――女子刑務所は騒然となった。異変に気づいていたのは若手刑務官のみ。「白い夢」にアクセス出来る彼女だけが、逃亡先を知っていた……。仰天の仕掛け、感泣のラスト。内部を知悉する作家だけが成し得るサスペンス長篇。

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  • 伊達女
    3.4
    1巻1,699円 (税込)
    心に鬼を棲まわせた“独眼竜”伊達政宗の周囲には、かくも、たくましく、そしてたおやかな女性たちがいた――。我が子に毒を盛ったとされる母・義姫、影ながら政宗を支え続けた妻・愛姫、片倉小十郎の姉で政宗を育てた喜多、松平忠輝に嫁いだ娘・五郎八姫、そして真田信繁(幸村)の娘・阿梅……伊達の女性を主人公にした連作短編集。母・義姫――毒を盛ったのは母だと疑っておいでなのでしょう/妻・愛姫――濡れ衣を着せられたまま、殿が平気でおられるとは思いませなんだ/保姆・片倉喜多――本当のことを言ってはならぬ。言えば、政宗の心は折れる/娘・五郎八姫――私は優しくなどありませぬ。父・政宗を気に掛ける母を見て育ちましたゆえ/真田家・阿梅――黙っていたこと、ご容赦くださいませ。ですが、お知りにならぬほうがよかったのです 伊達政宗の言動等から生まれたとされる「伊達男」。伊達といえば、男ぶりばかりが注目されるが、実は女性こそが素晴らしかった! 各短編で描かれる五人の女性の生きざまを通して、伊達政宗の真の姿も浮かび上がってくる。『会津執権の栄誉』で直木賞にノミネートされた著者、新境地の最新刊。
  • ダディ・ロング・レッグズ
    4.3
    12月上演! 大人気・東宝ミュージカル『ダディ・ロング・レッグズ』の原作をついに刊行! 孤児院に暮らす18歳の少女ジルーシャはある日、顔も知らない紳士から大学進学の援助を受けることになる。条件は、月に一度彼に手紙を書くこと。人気ミュージカル俳優・井上芳雄、坂本真綾と上白石萌音の織りなす世界を言葉でも堪能できるファン必読の小説。
  • ダナエ
    3.9
    惜しまれながら逝った著者の傑作中篇集 若くして成功した画家・宇佐美の描いた肖像画が、切り裂かれたうえ硫酸をかけられた。犯人は「これは予行演習だ」と告げるが――
  • Wの悲劇
    4.1
    新雪に包まれた山中湖畔。日本有数の製薬会社・和辻薬品会長の別荘で、突然、悲劇の幕は開いた! 和辻家のだれからも愛されている女子大生の摩子が、大伯父に当たる当主の与兵衛を刺殺したのだ。一族は外部からの犯行に見せかけるため、摩子の家庭教師・一条春生に協力を要請し、偽装工作を……。名作『Yの悲劇』に挑戦する、著者会心の本格長編推理傑作!

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  • ダブル・ダブルスター
    3.6
    1巻1,650円 (税込)
    真知子は、息子・怜の中学受験失敗を理由に、夫と義母から母親失格の烙印を押されたあげく息子から引き離され、ひとりつましい生活を送っている。一方の怜は、義母が信仰する新興宗教に巻き込まれつつあった。そんな折、母子は長野の国立天文台へと束の間の旅に出る――。子を想う母の情愛と信念を描いた長編小説。
  • ダブル・トラップ
    3.4
    裏切り者のレッテルを貼られ、組織を追われた男を呼ぶ声。それは復讐の合図だった。ベストセラー作家の原点となる傑作ハードボイルド! 政府機関の優秀な諜報員でありながら、裏切り者のレッテルを貼られ、組織を追われた男・加賀哲。高級クラブの経営者として静かな人生を送っていた彼のもとに、助けを求める声が録音された一本のカセットテープが届いた。声の主は共に組織を追われた同僚・牧野。そして加賀自身も何者かに襲われた。見えざる敵の目的は? 襲われた牧野の住む四国へと向かう加賀の胸に、過去の苦い事件が蘇る……。
  • ダブル・ハート
    3.5
    そこのいるのは、もうひとりのわたし? ――「わたしなんか、しあわせになれない」そう14歳の由宇がそう思うようになったころ、自分の姿と瓜二つの由芽が突然現れた。自分とは正反対で奔放な性格の由芽に、振り回されてばかりの由宇。由宇は以前父親から聞かされた、由宇と一緒に生まれるはずだった、双子の姉妹のことを思い出す。切なくも心温まる物語。思春期の揺れる思い!
  • double~彼岸荘の殺人~
    3.5
    幽霊屋敷に超能力者たちが集結! 傑作ホラーミステリ 本年度最高のホラーミステリ登場! 洋館で繰り返された残虐な事件…… うごめく恐怖、悲しい記憶から 私たちは逃れられるのか? 少女の頃に念動力で世間を騒がせて以来引きこもるようになった紗良を、幼馴染のひなたは見守ってきた。しかし紗良の噂を聞きつけた富豪から「幽霊屋敷」の謎を解き明かして欲しいとの依頼が入る。屋敷にはテレパス、サイコメトリストら超能力者が呼び寄せられていた。二人を待ち受ける恐怖の日々。書き下ろしホラーミステリ。 カバー画・雪下まゆ
  • ダブル・ファンタジー(上)
    3.6
    1~2巻569円 (税込)
    35歳の奈津は売れっ子脚本家。仕事は順調だが、マネージャーである夫の支配的な態度に萎縮し、精神的にはギリギリの日々。そのうえ奈津は人一倍性欲が強く、躯の奥から溢れる焦りと衝動になんとか堪えていた矢先、敬愛する56歳の演出家・志澤とメール交換を始めたのを機に、女としての人生に目覚めていく。志澤の、粗野な言葉遣いでの“調教”にのめり込む奈津。そして生と性の遍歴が始まった…。柴田錬三郎賞ほか文学賞三冠受賞。文壇に衝撃を与えた迫力の官能長篇!
  • ダブルマザー
    3.8
    飛び込み自殺を図り、死亡したひとりの女性。 なぜか、母親を名乗る女性が二人現れて。 二人の母親が、娘の死の真相に迫る衝撃のミステリー! うだるような真夏日、ひとりの女性が駅のホームに飛び込んだ。そこに、なぜか母親を名乗る二人の女性が現れる。 性格も家庭環境も全く異なる二人の共通点はただひとつ。娘のことを何も知らない。 死んだのは自分の娘なのか。なぜ、死んだのか。違うなら自分の娘はどこにいるのか。二人の母親は、娘たちの軌跡を辿り始める。
  • だまされた女/すげかえられた首
    3.9
    アメリカ人青年に恋した初老の未亡人は、再び男性を愛する喜びに目覚めたのだが……(「だまされた女」)。インドの伝説の村、頭脳の優れた青年と見事な肉体の若者が美しい腰の娘に出会う。娘は女になり、目覚めた愛欲が引き起こす混乱の結末とは(「すげかえられた首」)。女盛りに向かって上りつめる女と、老いのなかでいまいちど情熱に燃える女の、対照的なエロスの魔力。
  • だまされ屋さん
    3.3
    1巻1,078円 (税込)
    夏川秋代は、夫を亡くして公団住宅にひとり暮らし。ある日、「(長女の巴と)家族になろうとしている」と語る若い男が突然やって来た。戸惑う秋代をよそに家に上がり込む謎めいた男。彼は本当に娘の婚約者なのか、それとも新手の詐欺なのか――。  秋代には実は、長女だけでなく、二人の息子にも男の来訪について相談できない理由があった。アメリカで未婚のまま娘を産んだ長女、男らしさの抑圧に悩み在日韓国人のパートナーとうまくいかない長男、借金を重ねて妻子に出て行かれた次男……こじれた家族の関係は修復できるのか。  現代文学の最前線を走る作家が、家族のあり方や人々のつながり方を問う渾身の長編。 〈解説〉大前粟生
  • ダマシ×ダマシ SWINDLER
    4.2
    偽りの時間でも、まちがいなく良い思い出なのだ。 結婚をしたはずの男がいない。婚姻届は出されておらず預金も消えていたが、とにかく、もう一度会いたい――。依頼を受けた小川令子は男が結婚詐欺の常習犯だと突き止めるが、事件は殺人に発展する。一方、小川の事務所の謎めいた所長・椙田は、ある大きな決断を。 ひとつの終わり、そして始まり。Xシリーズ完結! みんないろいろな、過去がある。
  • だめになった僕
    値引きあり
    3.7
    1巻1,178円 (税込)
    著者23年ぶりの書き下ろし長篇恋愛小説。 綾「私は初めて会った16年前から涼さんを愛し続けている」。涼「僕にかかわった者は、みんな死んでしまう。女も男も。僕が綾を愛しすぎているせいで」―― 音村綾(旧姓・上里)は30代半ば。現在は信州でペンション経営兼漫画家として活躍。夫・子ども・母と4人で暮している。 祥川涼。画家。40代後半。妻を失い、その後同棲していた女性とも別れ、現在は酒浸りの日々を送っている。 冒頭の「現在」では、綾のコミック発売記念サイン会のシーンの衝撃的事件から始まり、「1年前」「4年前」「8年前」「10年前」「12年前」「14年前」、そして二人が出会った「16年前」へと時をさかのぼり「現在」に戻る。謎とサスペンス、そしてストーカー小説の雰囲気も交えた〈究極の恋愛小説〉である。 この作品は、2001年に刊行された『もう切るわ』以来、23年ぶりの「書き下ろし」長篇! (底本 2024年10月発行作品)
  • 駄目も目である ――木山捷平小説集
    5.0
    木山捷平は詩人として活動をはじめ、太宰治や井伏鱒二と交流を持ちながら小説家としての才能を開花させる。飄逸でユーモアに溢れる世界は唯一無二。決してよく知られた作家ではないが、現在まで静かに愛され続けてきた。木山作品をこよなく愛する岡崎武志が、木山自身を投影した“正介”が登場し東京の街を闊歩する作品を中心に編んだオリジナル作品集。「軽石」「苦いお茶」「下駄の腰掛」ほか収録。
  • だりや荘
    3.5
    両親の事故死を機に東京を引き払い、信州で暮らす病弱な姉・椿のそばへ越してきた妹・杏とその夫・迅人。両親の気配があちこちに残るペンションを引きついで、3人のおだやかな日常が始まった。椿にはやさしい男友達・新渡戸さんがおり、ある日働きはじめたゾクアガリの青年・翼もペンションに新風を吹き込んでくれる。しかし、そこでは優しさに搦めとられた、残酷な裏切りが進行していた。精緻な描写と乾いた文章が綴るいびつな幸福。うつくしくて痛い愛の行方は……。
  • だるまさんが転んだら
    3.6
    『公開処刑人 森のくまさん』著者が描く、“文壇サスペンス”!ゴールデンエッグス社の第10回GEミステリー新人賞受賞作『だるまさんの鬼ごっこ』の著者が、元人気俳優の向坂祐一郎であることが発覚した。本はたちまち話題となり、ベストセラーになる。作家デビューを目指して投稿生活を続ける平助は、向坂の作品が、過去に自身がサイトに公開した内容と酷似し、盗作されていることに気づく。真実を突き止めるべく、出版元の担当編集者に会うが、平助はその編集者にも疑念を抱く。そして平助は、予想だにしない展開に巻き込まれる――。『このミステリーがすごい!』大賞シリーズ作品。
  • 達磨峠の事件〈補遺篇〉~山田風太郎ミステリー傑作選10~
    3.0
    本書には、著者のデビュー作である「達磨峠の事件」の他、様々な中・短編ミステリーを収録した。懸賞小説に応募して当選した作品や、ショート・コントの傑作。さらには、「青春探偵団」や「笑う肉仮面」の原型ともいうべき「青雲寮の秘密」と「肉仮面」。戦前・戦後の世相を背景にしながら、次々と発表した作品の数々。風太郎ミステリーワールド堂々の最終巻!
  • 誰かがこの町で
    3.9
    江戸川乱歩賞作家が「地域の同調圧力」をテーマに描いた衝撃作。 ゾクゾクが止まらない、読む前には戻れないミステリー! 高級住宅街の恐ろしい秘密。住民たちが隠し続けてきた驚愕の真実とは? 人もうらやむ瀟洒な住宅街。その裏側は、忖度と同調圧力が渦巻いていた。 やがて誰も理由を知らない村八分が行われ、誰も指示していない犯罪が起きる。 外界から隔絶された町で、19年前に何が起きたのか。 いま日本中のあらゆる町で起きているかもしれない惨劇の根源を追うサスペンス!
  • ダレカガナカニイル…
    3.6
    おまえは誰だ? 僕から出て行け! 警備員の西岡は、新興宗教団体を過激な反対運動から護る仕事に就いた。だが着任当夜、監視カメラの目の前で道場が出火、教祖が死を遂げる。それ以来、彼の頭で他人の声がしはじめた。《あなたはだれ?》と訴える声。その正体は何なのか――? 井上夢人としてのデビュー作にして、ミステリー、SF、恋愛小説、すべてを融合した奇跡的傑作!(初版:1992年1月20日新潮社刊/講談社文庫)
  • 誰かが見ている
    3.7
    ★★★★★第52回メフィスト賞受賞作★★★★★  ある夕方、保育園から榎本千夏子に一本の電話が入った。 「夏紀ちゃんがいなくなりました」 なんと、千夏子の子が保育園から消えたという。 不安を募らせる千夏子のもとに、二本目の電話が。 その電話は<彼女>からのものだった――。 4人の女性が抱える「女」としてのジレンマを鮮烈に描き切った究極のサスペンス!
  • 誰か故郷を想はざる
    3.8
    「おまえは走っている汽車のなかで生まれたから、出生地があいまいなのだ」。一所不在の思想に取り憑かれた著者は、やがて母のこの冗談めいた一言に執着するようになる。酒飲みの警察官の父と非嫡出子の母との間に生まれて以来、家を出、新宿の酒場を学校として過ごした青春時代を表現力豊かに描く。虚実ないまぜのユニークな自叙伝。
  • だれかさんの悪夢
    3.9
    1巻649円 (税込)
    大金持ちになりたい。魅力的な女と結婚したい。おもしろおかしく毎日をすごしたい。超能力を身につけたい。国家元首になりたい。宇宙を征服したい。早く刑務所から出たい。――平凡なことから途方もないことまで、ああもしたい、こうもしたいと限りなく広がる人間の夢。だが、その夢が実現してみると……。欲望多き人間たちがひきおこす悲劇喜劇を軽妙に描く傑作ショートショート集。
  • 誰かのぬくもり
    3.3
    1巻638円 (税込)
    霊感の強かった祖母がくれたお守り。身につけていると様々な災いから逃れられた。そのお守りが盗まれた――。(「お守り」) 愛猫を殺されたと主張する主婦がとった手段とは……。(「罪を認めてください」) 8つのテーマに沿って、親子、夫婦、友人、近所など、さまざまな関係や状況で起こる「怖い話」や「不思議な話」など8編を収録。書き下ろした4編も入った贅沢な一冊。
  • だれがコマドリを殺したのか?
    4.0
    医師のノートン・ペラムは、海岸の遊歩道で美貌の女性に出会い、一瞬にして心を奪われた。彼女の名はダイアナ、あだ名は“コマドリ”――。ノートンは、踏みだしかけていた成功への道から外れることを決意し、燃えあがる恋の炎に身を投じる。それが予測不可能な数奇な物語の始まりと知るよしもなく……。さながら美麗な万華鏡を覗くかのように、目まぐるしくその姿を変える事件。『赤毛のレドメイン家』の巨匠フィルポッツの魅力が凝縮された、ミステリ史に残る名編が、読みやすい新訳でここによみがえる。この結末に、あなたは驚かずにはいられない!
  • 誰がわたしを殺したか
    3.8
    ナイフで全身を切り裂かれ、森の奥に横たわり、死にかけている18歳のロージー。恵まれた家庭で育った彼女が、なぜこんな目にあったのか? 彼女の意識は、凶行の瞬間から過去へと遡ってゆく。一方、事件を知った庭園業者のケイトは、偶然知ったある出来事をきっかけに事件の真相を追いはじめる。ケイトが行き着いた意外過ぎる真相と、その哀しすぎる原因とは? イギリス・ミステリ界に新風を送りこむ、新鋭のサスペンス。
  • 誰でもない
    4.2
    恋人をなくした老婦人、閉ざされた未来を前に生き延びようとする若者……。ハン・ガン以後最も注目される韓国作家が描き出す、現代を生きる私たちの日常という祈り。
  • 誰にも書ける一冊の本
    3.5
    疎遠(そえん)だった父の死に際して故郷に帰った「私」に手渡されたのは、父が遺(のこ)した原稿用紙の束。気が乗らぬまま読み進めるうちに、過去にまつわるいくつかの謎が浮かび上がる。果たしてこれは、父の人生に本当にあったことなのだろうか? 次第に引き込まれるうち、父と子の距離は、少しずつ埋まっていく――。父親の死を通して名手が鋭く描き出す、生きる意味と、親子の絆(きずな)。
  • 誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション
    4.1
    「人間荘」に越してきた私が押入れの奥から見つけた1冊のノート。そこには歴代の住人たちの哀しくも恐ろしい人生の記録が記されていた──。(「誰にも出来る殺人」)彼女のため殺人まで犯すほど恋い続けた女性を失った。絶望した男は、残された金で半年ごとに異なる6人の女との情事を愉しみ、死のうと決めるが……。(「棺の中の悦楽」)人間の欲望を見事にえぐり出したノワール・ミステリの傑作!
  • 誰もいない夜に咲く
    3.7
    親から継いだ牧場で黙々と牛の世話をする秀一は、三十歳になるまで女を抱いたことがない。そんな彼が、嫁来い運動で中国から迎え入れた花海とかよわす、言葉にならない想いとは――。(「波に咲く」)寄せては返す波のような欲望にいっとき身を任せ、どうしようもない淋しさを封じ込めようとする男と女。安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂のありようを、北海道の風景に託して叙情豊かに謳いあげる。
  • 誰もが別れる一日
    3.7
    韓国文学界で大きな存在感を放つ作家ソ・ユミによる小説6編をまとめた待望の短編集。6作品の主人公たちは貧困、失業、借金、離婚、夫の失踪、身近な死、母親との別れなどを経験し、以前とは違う状態に移る瞬間を経験する。変化は不可逆的で、人生は過去の自分との別れの蓄積だ。誰にでも訪れる不安と危機の断面を解剖し、時代と社会の病を敏感に捉え平凡な人間群像を暖かく包み込む、篤実なリアリズム小説
  • 誰も幸せにできない僕らは夢を見る
    3.3
    市役所本庁舎の隅にある、健康福祉課夢調査係。そこで僕は他人の夢の中に入り、深層心理を調査する仕事をしている。その目的は「個人の精神の不調を減少させ、ひいては社会的不和を根本から減少せしめること」――要は、夢の中でお悩み解決だ。 でもこの仕事は僕に向いていない。……だってあなたが死んだあの日から、僕は誰かに寄り添うことも、夢を見ることも、全て諦めたから。 『ひきこもりの弟だった』で鮮烈デビューした葦舟ナツが描く、心震わす珠玉の物語。
  • 誰も死なないミステリーを君に
    3.9
    災厄で死ぬ人がわかってしまい、死を見続けてきた少女・志緒。ぼくは、死が予期される人を“密室状態”の孤島に閉じ込めて救う!
  • 誰よりもつよく抱きしめて 新装版
    4.1
    児童書専門店「夢の扉」を営む水島月菜は、児童文学作家の良城と結婚して8年になる。優しく思いやりのある夫だが、強迫性障害を患っていて、愛する妻に触れることもできなかった。店の隣のバーで働く年下の青年と知り合い、次第に心惹かれていく月菜。しかし、彼もまた誰にも言えない秘密を抱えていた。揺れ動く男女の心の機微を濃やかに描く、究極の純愛小説。
  • 団塊の後 三度目の日本
    3.6
    1巻1,500円 (税込)
    エコノミスト連載の「三度目の日本2027」の電子書籍化。 ベストセラー「団塊の世代」の堺屋太一氏が、団塊がリタイアした後の日本の姿を描く予測小説。 物語は、東京五輪の5年後の2026年1月から始まる。2020年の東京オリンピックを待たずして、日本経済は深い停滞期に入る。この状態に2025年に首相に就任した若き首相の徳永好伸は、「経済成長を気負わず、数値を気にせず、外国と競わず」の「身の丈の国・日本」を掲げる。一方、それに大反対する大阪を基盤とする国政政党を率いる大阪都知事の杉下晋三久は、日本は断固「世界の主要なプレーヤー」にとどまるべきと主張し、「日本の倫理と仕組みと仕方の全面改革」を提唱し、「三度目の日本」を作ることを目指す。これが、この小説のタイトルでもある「三度目の日本」である。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
  • 断崖、その冬の
    3.5
    西田枝美子は「北陽放送」の看板アナウンサー。「ミス北陽」と謳われた美人である。その枝美子も、今年で三十四歳。冷たく澱んだ北陸の冬は、身辺にも迫ってきた。ラジオへの転属をほのめかされ、孤独を味わう日々。が、そこへ一人の男が現れた。六歳年下のプロ野球選手の志村は、若く荒々しく甘美な情熱で枝美子を虜にする。その冬の終わり、男は枝美子の希望そのものであった。
  • 断崖の愛人
    4.5
    同じ会社の井ノ口一也と結ばれ、安城由布子は幸せの絶頂にいた。たとえ不倫と呼ばれる関係であっても……。 だが、不幸は突然訪れた。二人の仲を裂きに現れた井ノ口の母親が、何者かによって由布子のマンションの屋上から突き落とされたのだ。やがて由布子に疑惑の目が。 これは罠だ―― 追いつめられた二人は、一か八か逃避行を図る。しかし、その行く手には第二の殺人が……。
  • 断崖の骨
    3.8
    スケルトン探偵、イギリスで複雑怪奇な事件に挑む   楽しいはずの新婚旅行がだいなしだった。新妻のジュリーとイギリス南西部の風光明媚な地を訪れたギデオン・オリヴァー教授は、またもや事件に巻き込まれてしまった。見学先の博物館から貴重な先史人の骨が盗まれ、続いて旧友が発掘中の遺跡で殺人事件が起きたのだ。ギデオンは調査を進めるが、やがて死の危機に……骨を手がかりに事件を解決するアメリカの名高きスケルトン探偵が、伝統の国イギリスで複雑な謎に挑む会心作
  • 断弦
    4.0
    没後30年、ますます鮮やかな人間ドラマ! 地唄の名人である盲目の父親と、アメリカに渡った娘との凄まじい愛情の確執、芸へのひたむきさを描いた著者初の記念的長編。
  • ダンシング・マザー
    3.0
    戦前に久留米で生まれた逸子。 手先が器用な彼女は縫い上げた衣装を身に纏い、地元のダンスホールの華となる。 そこで知り合った男と一緒にダンス講師になることを夢見て長崎へ行くが、 結婚を機に運命は暗転する。 『ファザーファッカー』の著者が、母親の視点から、 娘への性虐待を黙認する女の人生を綴った渾身作。 解説・内田紅甘 ※この電子書籍は2018年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)
    3.7
    美術評論家のおれが住む家のまわりでは喧嘩がたえまなく繰り返され、老いた母と妻、娘たちを騒ぎから守ろうとおれは繰り返し対応に四苦八苦。そこに死んだはずの父親や息子が繰り返し訪ねてきて……。コピー&ペーストによって執拗に反復され、奇妙に捩れていく記述が奏でるのは錯乱の世界か、文学のダンスか? 巨匠が切り開いた恐るべき技法の頂点にして、前人未到の文学世界!
  • 團十郎切腹事件
    3.9
    江戸川乱歩に見いだされ、旧「宝石」誌に掲載された「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎役者・中村雅楽の推理譚。複雑な人間模様の歌舞伎界、芸能界を中心に起こる様々な事件や謎を竹野記者が持ち込むや、鮮やかに解き明かす。美しい立女形の失踪事件を解決する「立女形失踪事件」。旅先の旅館で自刃を遂げた八代目市川團十郎の謎を読み解く、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹事件」など全18編。立風書房版作品ノートをはじめ、講談社文庫版後記なども併録。ミステリ史に燦然と輝く、中村雅楽の名推理の数々を完全収録する《中村雅楽探偵全集》堂々開幕!【収録作】「車引殺人事件」/「尊像紛失事件」/「立女形失踪事件」/「等々力座殺人事件」/「松王丸変死事件」/「盲女殺人事件」/「ノラ失踪事件」/「團十郎切腹事件」/「六スタ殺人事件」/「不当な解雇」/「奈落殺人事件」/「八重歯の女」/「死んでもCM」/「ほくろの男」/「ある絵解き」/「滝に誘う女」/「加納座実説」/「文士劇と蠅の話」/河出書房新社版『車引殺人事件』 序=江戸川乱歩/旧「宝石」所収各編解説=江戸川乱歩/立風書房版『團十郎切腹事件』 作品ノート=戸板康二/立風書房版『奈落殺人事件』 作品ノート=戸板康二/講談社文庫版『團十郎切腹事件』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
  • ダンス・ダンス・ダンス
    4.3
    『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の町から「僕」の新しい冒険が始まる。羊男、美少女、そしていくつかの殺人ーー。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまで、「僕」は奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら、暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。
  • ダンスホール
    3.0
    男は昔の恋人に金を借りに来たと言う(「愛の力を敬え」)。夫は妻の体重日記に不審を抱き始める(「空も飛べるはず」)。女はバニラの匂いに恋人の浮気を疑う(「ピーチメルバ」)。男は顔も知らないダンスホールの女を探している(「ダンスホール」)。長年の片思いが相手に通じる(「真心」)。人生の滑稽と不安、そして希望。単行本未収録の作品を含む全五編で贈る贅沢な傑作集。
  • 男性性の探究
    3.5
    ひとりの男性として自分は何が語れるだろうか? #MeToo運動をきっかけに覚えた、男性としての居心地の悪さ、動揺、そして目覚め。 フランスの哲学者・宗教社会者である著者が、男性支配の構造と、その解体を語る。 リオジエが問題視するのは、女性の身体に向けられる男性の視線である。歴史的・社会的・文化的に培われてきたこの眼差しが、女性を客体化(objectiver)し、もの(objet)として所有すること、資本として蓄積することを可能にしてきた。そのようにして男性優位の構造が形作られてきた。そこに問題の核心がある。(「訳者解説」より)
  • 断腸亭日乗(一) 大正六―十四年
    4.5
    1~4巻1,188~1,265円 (税込)
    大正六年から昭和三十四年,逝去の前日まで四十一年間,書き継がれた荷風の日記.明治・大正・昭和三代にわたる文豪の畢生の代表作にして近代文学の至宝.詩趣溢れる,鋭利な批評を込めた日本語で綴られる.全文を収載,注解,解説,索引を付した初の文庫版.第一巻は,大正六年から同十四年までを収録.(全九冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 男流文学論
    3.8
    吉行淳之介、島尾敏雄、谷崎潤一郎、小島信夫、村上春樹、三島由紀夫ら、6人の「男流」作家の作品とそれらをめぐる評論を、当世“札付き”の関西女3人が、バッタバッタと叩き斬る! 刊行当初から話題騒然となり、「痛快!よくぞいってくれた。胸がスッとした。」「こんなものは文芸論じゃないっ!」など、賛否両論、すさまじい論議を呼び起こしたエポックメーキングな鼎談。面白さ保証付。
  • 暖炉 野溝七生子短篇全集
    5.0
    1巻3,876円 (税込)
    デビューから半年後、新聞連載された「暖炉」のほか、「中つ子のヌマ」など未刊6篇をも収録した、野溝七生子の全短篇集。

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  • ダークネス
    3.9
    1巻2,750円 (税込)
    私の愛した男たちは皆行ってしまった。私の魂を受け止めてくれる相手はもうどこにもいない――衝撃作『ダーク』から20年、村野ミロは生きていた。そして息子のハルオは「悪」を知る旅に出るが……。息子を守るため、凍る火の玉、ミロの最後の闘いが始まる。圧倒的迫力で描く、著者渾身のエンタテインメントの結末は。
  • ダークマター スケルフ葬儀社の探偵たち
    値引きあり
    3.0
    スコットランド発、女三世代のミステリー。  エディンバラで100年続き、10年前からは探偵業も営んでいるスケルフ葬儀社。当主ジムが亡くなり火葬した直後、70歳の妻ドロシーはジムのある秘密を知ってしまい愕然。45歳、バツイチの娘ジェニーは解雇通告を受け、中年の危機も相まってメンブレ状態。20歳の孫娘、大学生のハナはフラットメイトのメルが突然失踪し、衝撃を受ける。三世代の悩める女たちは、それぞれの「案件」を解決しようと様々な行動に出るが……。  傷つきながら現代を必死に生きる各世代の女の「リアル」に、苦笑したり、熱くなったり、ホロリとしたり。2020年マッキルヴァニー賞最終候補作、美しい街を舞台に繰り広げられるスコットランド発ブラックユーモア・ミステリー。
  • ダークルーム
    3.5
    シェフの内山が勤める高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女。黙々とコース料理を口に運ぶ姿に、不審に思った内山が問いかけると、女は意外な事実を語り出して……(「マリアージュ」)。立ちはだかる現実に絶望し、窮地に立たされた人間たちが取った異常な行動とは。日常に潜む狂気と、明かされる驚愕の真相。ベストセラー『サクリファイス』の著者が厳選して贈る、謎めく8つのミステリ集。書き下ろし短編収録。
  • ダー・天使
    4.0
    妻と幼い娘とともに、慎ましくも幸せに暮らしていた二郎。だが、ある日、通り魔から家族を守ろうとして命を落としてしまう。天国で神と交渉し、「天使」として地上へと戻るが、誰からも姿は見えず、手助けも出来ないまま、ただひたすらに妻子を見守り続ける二郎。小さかった娘は、中学生になり、高校生になり、そして――。すべての人への慈しみがあふれる、心温まる現代のファンタジー。
  • 血

    4.3
    死んだほうがいい人って、こんなにいるんだよ。 15年を経て漆黒の闇から這い出る赤い悪魔……。 高校1年生の少女の行く先々で起こる不審死と殺人事件!! 新堂冬樹の真骨頂! 長編ハード・サスペンス 15歳の女子高生・本庄沙耶の父は自己中心で小狡く、母はまるで父の奴隷だ。その両親が突然家に侵入してきた男に刃物で惨殺された。さらに、一人になった沙耶が身を寄せた親戚――10年前に幼い弟を不注意で溺死させた祖父母、沙耶をレイプしようとした従兄、それを見て見ぬふりする叔父も次々と死亡する。ネット上では沙耶を励ますスレッドも立つが次第に「疫病神」「死神」と揶揄する声も囁かれる。不可解な死の連鎖の中心に身を置く沙耶。果たして彼女は〈悲劇の天使〉か〈美しき死神〉か? それとも……。わたしは、この体に流れる血を赦さない。
  • 小さいおうち
    4.1
    昭和6年、若く美しい時子奥様との出会いが長年の奉公のなかでも特に忘れがたい日々の始まりだった。女中という職業に誇りをもち、思い出をノートに綴る老女、タキ。モダンな風物や戦争に向かう世相をよそに続く穏やかな家庭生活、そこに秘められた奥様の切ない恋。そして物語は意外な形で現代へと継がれ……。最終章で浮かび上がるタキの秘密の想いに胸を熱くせずにおれない、上質の恋愛小説。第143回直木賞受賞作。山田洋次監督で映画化。
  • ちいさい百合みぃつけた
    4.0
    月刊ニュータイプにて連載された『綾奈ゆにこのちいさい百合みぃつけた☆』、書籍化。TVアニメ「きんいろモザイク」「普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。」のシリーズ構成・脚本を手がける綾奈ゆにこが、「堀さんと宮村くん」等のHEROのイラストとともに、あなたに贈る日常にある、ちょっとした百合の世界。
  • 小さきものたちのオーケストラ
    3.8
    ナイジェリアの貧しい養鶏家の青年チノンソは、富裕層の女性と恋に落ちた。彼女と結婚するため全財産をなげうってキプロスに向かうが、そこで待ちうけていた運命とは――。「新しいアフリカの才能」と称される著者による、ナイジェリア神話を取り入れた大長篇
  • 小さき者へ・生れ出づる悩み
    3.8
    妻を失い、新しく芸術に生きようとする作家の覚悟と、残された小さき者たちに歴史の未来をたくそうとする父性愛にあふれたある夜の感想を綴る『小さき者へ』。“君”という語りかけで、すぐれた画才をもちながらも貧しさゆえに漁夫として生きなければならず、烈しい労働と不屈な芸術的意欲の相剋の間で逞しく生きる若者によせた限りない人間愛の書『生れ出づる悩み』の2編を収める。

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  • 小さくも重要ないくつもの場面
    3.3
    いくつもの秘密は家族をどこへ連れていくのか 『マグヌス』で知られるフランスの著名な小説家が、互いの関係を模索する再構成家族の姿と秘密を詩的に描いた中篇小説。 幼い頃から母のいないリリは、赤ん坊の頃の自分の写真を見て、自分はいったいどこから来たのか、母はどこへなぜ行ってしまったのかと疑問を抱いてきた。父の再婚により、新たに四人の兄姉ができるが、継母ヴィヴィアンや異母兄姉との関係を模索しながらも心からは馴染めずにいた。 ある日、家族そろって出かけたピクニックで写真を撮るため、子どもたちはぎゅうぎゅうに身を寄せ合った。それが悲劇につながるとは知らずに……。 やがて兄姉たちがそれぞれの道に進んでいく一方、リリはどこへ向かえばいいのかわからず、左翼グループと共同生活をしてみたり彫刻に打ち込んでみたりするものの、どれも長続きせずさまよう。 タイトルが示すとおり、小さいがひとつひとつが何らかの働きや意味をもつ多くの出来事の連なりで構成されている。リリは愛する人を見つけ、自分の居場所にたどり着けるのか。知りたかった秘密は明らかになるのか。喪失を抱えながらも、時の重なりを感じ、自己や他者と向き合うことの尊さを静謐に描く。
  • ちいさな王子
    4.4
    砂漠に不時着した飛行士「ぼく」の前に突然現れた不思議な少年は、ちいさな星からやってきた王子だった。わかりあい、やがてかけがえのない友人になったとき、王子は自分の星に帰ることを告げる……。王子の言葉は、ずっと忘れていた、たくさんのことを思い出させてくれた。「目ではなにも見えないんだ。心でさがさなくちゃ」。飛行士としての経験豊富なサン=テグジュペリにこそ紡ぐことのできた色褪せることのないファンタジー。【光文社古典新訳文庫】
  • 小さな神たちの祭り
    4.4
    1巻880円 (税込)
    3.11を忘れない――。感動のTVドラマを作者・内館牧子 自らの筆で書き下ろした小説版が文庫で登場! 巻末にはドラマで主役を演じた 俳優・千葉雄大氏 感動の解説を掲載! ◎あらすじ◎ 谷川晃は宮城県南部の街・亘理のいちご農家の長男。 家業を継ぐ気はなく、東京の大学に進学することに。 2011年3月11日は、アパートの契約などのために上京していた。 その間、晃を除く家族全員が津波に呑まれてしまい、8年経っても誰一人見つかっていない。 大学卒業後、東京で就職するも志半ばで仙台に戻った晃の目には、 人々がすっかり震災のことを忘れてしまっているかのように映っていた。 そんな晃を支えてくれたのは、恋人の岡本美結。 しかし、家族のことを考えると「自分だけが幸せになれない」と、晃は苦しんでいた。 そんな時、二人の前に1台のタクシーが現れる。
  • 小さな心の同好会
    3.6
    ——私たちは、なぜ分かりあえなかったんだろう? 2019年、韓国文壇最高峰「李箱文学賞」を受賞したユン・イヒョン、待望の最新作品集。 社会から軽んじられてきた主婦たち、いつのまにか生じた溝にゆれるLGBTカップル、社内での性暴力を告発した女性……。 すこしの誤解やすれ違いから愛する人や大切な仲間を一瞬にして失う痛み……私たちは、なぜ分かりあえなかったんだろう? やり場のない怒りや悲しみにひとすじの温かな眼差しを向け、〈共にあること〉を模索した十一の物語。 私に似た誰かが、あなたに似た誰かといつか出会う想像をする。 異なる、よく知らないという理由で彼らがお互いを憎み、永遠に背を向けることがないようにと願う気持ちから、私が過ごしてきたある時間を束ねた。 この壊れて粉々になった言葉、まだ答えを知らない問いかけが対話のはじまりになってくれたらうれしい。——著者「あとがき」より 【目次】 ■ 小さな心の同好会 ■ スンヘとミオ ■ 四十三 ■ ピクルス ■ 善き隣人 ■ 疑うドラゴン——ハジュラフ1 ■ ドラゴンナイトの資格——ハジュラフ2 ■ ニンフたち ■ これが私たちの愛なんだってば ■ スア ■ 歴史 ■ あとがき ■ 訳者あとがき
  • 小さな場所
    3.9
    まだ小さな世界しか知らないぼくに、大人たちはこの広い世界の秘密や真実を教えてくれた 台北の猥雑な街、紋身街。狡猾で強欲なだらしない大人たちに囲まれて、少年は世界の広さを知る。切なく心に沁み入る傑作連作短編集。 本書を編集しながら何度も笑いました。気づけば、泣いていました。この物語に出合うために自分は大人になったのかもしれない。ここは温かくて、時に残酷な、生きることへの問いと答えが詰まっています。どうか、現代を生きる子供たちへ、かつて子供だった大人たちへ。この物語が届きますように。――文庫担当編集者 ※この電子書籍は2019年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 小さな部屋・明日泣く
    4.7
    朽ちかけた貸部屋に我物顔に出入りする猫、鼠、虫たち。いつしか青年は、凄まじい〈部屋〉を自分と同じ細胞をもつ存在と感じ熱愛し始める――没後10年目に発見された色川武大名義の幻の処女作「小さな部屋」、名曲「アイル・クライ・トゥモロウ」そのままの流転の人生を辿る女を陰影深く描く「明日泣く」など12篇。戦後の巷を常に無頼として生きながら、文学への志を性根にすえて書いた色川武大の原質とその変貌を示す精選集。
  • 小さな町で
    4.0
    フィリップは早すぎる死の一年あまり前から、パリの大新聞ル・マタン紙に短い物語を書いた。依頼したのはのちに劇作家になるジロドゥーである。「わずかな枚数のうちに人生の断面が、いやときには一つの人生がみごとに描き出されている。…貧困、不幸な恋、病気、老年、死――こうした暗い題材を扱いながらも、フィリップはどこかにとぼけたようなおかしみ、人生そのものの諧謔をしのびこませるのを忘れない。そのエスプリというか奇妙なやさしさ、人生を低い視点から、狭く限って、鋭く眺める、そこが日本人の感受性、美意識に合ったのではないか。」(訳者)小さな町セリイを舞台にした短編集28篇の全訳に『朝のコント』からの5篇を付した改訳決定版。

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  • ちいろば先生物語(上)
    4.3
    1~2巻605円 (税込)
    雨天の日には、履く靴も、さす傘もなく、弟妹たちは学校を休まねばならぬ状態であることを、榎本保郎は百も承知だった。が、何としても同志社の神学部に進みたかった。結局は家族を真の意味で幸せにできると、固く信じた。イエスを乗せ、命ずるがままに行く小さなロバのようになりたいと決意した――。熱血牧師の生涯を描く。
  • C.H.E.
    3.8
    南米の小国リベルタ。大友彰が雇われていた旅行会社に、一人の老女が訪れた時から、そのリズムは静かに、そして激しく流れ始めた――。老女マリーナから提示された高額の報酬につられ、隣国までのガイドを引き受けた社長のヤザワと大友。しかし彼らを待っていたのは、行く手をさえぎるリベルタ警察軍の執拗な攻撃だった。いったいマリーナは何者なのか。そして、何を求めて戦うのか……。やがてあのリズムがリベルタを包み込んだ時、誰もが戦うことの意味を知る。祖国か死か、ただそれだけだということを。圧倒的ノンストップ・エンタテインメント!
  • チェイサー91
    4.0
    “原発ゼロ”を日本政府が表明したことから、パク・ギムル国連事務総長は、高速増殖炉“もんじゅ”貯蔵のプルトニウムの国連管理を提唱し、常任理事会はこれを承認した。日本の核平和利用という神話は崩壊し、突然、潜在的核武装大国とされたのだ! 同じ頃、航空自衛隊のF15イーグルが戦闘訓練中のミサイル誤射により行方不明に。事故か、武装日本への牽制か――書下ろし国際謀略巨編!
  • チェス盤の少女
    5.0
    チェスの少年少女全英大会に出場するためにやってきたイリサは、とつぜん何者かに拉致される。 真っ暗な地下室で目を覚ましたイリサは、部屋の床をチェス盤に見立て、現状を把握しようとする。 なぜ、自分が誘拐されたのか? 犯人の目的とは? ときどき訪れる少年イライジャの言動になやまされながらも、イリサは脱出の方法を必死で考える。 いっぽう、イリサを拉致したのが連続少女誘拐犯とわかり、外では必死の捜査が始まっていた。
  • 取り替え子
    3.9
    国際的な作家古義人(こぎと)の義兄で映画監督の吾良(ごろう)が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇!
  • チェーンレター
    3.3
    「これは棒の手紙です。この手紙をあなたのところで止めると必ず棒が訪れます。二日以内に同じ文面の手紙を……」。水原千絵は妹から奇妙な「不幸の手紙」を受け取った。それが恐怖の始まりだった。千絵は同じ文面の手紙を妹と別の四人に送ったが、手紙を止めた者が棒で撲殺されてしまう。そしてまた彼女のもとに同じ文面の手紙が届く。過去の「不幸」が形を変えて増殖し、繰り返し恐怖を運んでくる。戦慄の連鎖は果たして止められるのか?
  • 智恵子飛ぶ
    3.8
    『智恵子抄』に描かれない智恵子像――天才芸術家である高村光太郎の陰で、その秘められた才能を花咲かすことの出来なかった妻・智恵子。天真爛漫な少女時代、平塚らいてう等と親交を深める青春時代、光太郎との運命の出逢い、そして結婚、発病……。一心に生きた智恵子の愛と悲しみを余すことなく描いた、芸術選奨文部大臣賞受賞の傑作長編。
  • チエちゃんと私
    3.9
    イタリア雑貨の買い付けをしながら一人暮らしをしていた私の家に、七歳下の従妹チエちゃんがやって来た。率直で嘘のないチエちゃんとの少し変わった同居生活は、ずっと続くかに思われたが…。家族、仕事、恋、お金、欲望。現代を生きる人々にとって大切なテーマがちりばめられた、人生のほんとうの輝きを知るための静謐な物語。
  • 誓いの夏から
    3.4
    1巻770円 (税込)
    「何があってもおまえを守ってやる」。少年は少女にこう誓った。しかし、一家惨殺事件に巻き込まれた恋人を彼が守れなかったことで、二人の関係は破局。19年後、刑事となった少年は、かつての恋人への約束を守るべく再び彼女の前に現れた。そして、見えてきた19年前の事件の真実とは――。実際にあった一家殺人事件をモチーフにした著者渾身の“骨太の物語”。
  • 近いはずの人
    3.4
    2019年本屋大賞2位『ひと』で話題の著者が贈る、死に別れた妻の本当の姿を探す物語。 突然、交通事故で妻が死んだ。 わずかな繋がりを求め、妻の携帯電話のロックを解こうと「0000」から打ち込みはじめる俊英。 しかし、ついに解いて目にしたのは、事故当日に妻と“8”という男が交わしたメールだった。 <19時前に着けると思います。待っててね、エミリン> <エミリンは待ってます。お茶でも飲んで待ってます> “8”とは誰か? 妻とはどういう関係だったのだろうか。 妻の姉や友人に会い、彼女の足跡を辿るうち、怒りや哀しみとは別の感情が頭をもたげ――。 残された夫は再起できるのか。感動が胸を満たす物語。 313ページのたったひと言に、あなたはきっと涙する。
  • 地下室の手記
    4.0
    世間から軽蔑され虫けらのように扱われた男は、自分を笑った世界を笑い返すため、自意識という「地下室」に潜る。世の中を怒り、憎み、攻撃し、そして後悔の念からもがき苦しむ、中年の元小官吏のモノローグ。終わりのない絶望と戦う人間の姿が、ここにある。後の5大長編へとつながる重要作品であり、著者の思想が反映された主人公の苦悩をリアルに描いた決定訳!
  • 地下室の箱
    3.6
    妻子あるグレッグの子を宿してしまったサラ。中絶の道を選んだふたりが病院に向かう途中のことだ。グレッグがサラの傍を離れたほんの数分の間に、彼女はさらわれてしまった! 気を失ったサラが意識を取り戻したのは、どこかの地下室。待ち受けていたのは、不条理で際限のない暴行だった!

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  • 地下鉄駅
    3.8
    1巻3,080円 (税込)
    生を手離さずにいることは、こんなにも難しい――。 失業、借金、いじめ、病気……駅で自ら死を選ぶ人々と、その防止に奔走する地下鉄職員・葉育安。 現代台湾文学を牽引する作家・何致和が、都会の声なき声を拾い再生を描く台湾発の話題書。 台湾文学賞、誠品読書職人賞など受賞多数! ・ ・ ・ 葉育安(ヨウ・イクアン)、45歳、思春期の娘と認知症の老母との3人暮らし。 優柔不断、すべてに受け身で生きる彼が 地下鉄の自殺防止プロジェクト長として向き合うことになったのは、 地下鉄のホームで今まさに自死へ向かう人たち。 ・ 会社のお金を横領したサラリーマン、SNSで失恋を晒された中学生、持病に悩む老人、周囲から羨まれながらも生きる気力を失った女性……自殺防止プロジェクトリーダーを任せられた育安は、なんとか成果を出そうと試行錯誤を重ねるも、自らの足でホームから飛び降りる人たちを止めることはできない。 それでも群集のなかに身を置いて、日々を生きていく寄るべき人々の体温が、見知らぬ他人をいつしか温めていく――出口のない問題を抱え生きる全ての人へ、ささやかでも、明日へ向かう力の一端になる物語。 ・ 現代社会のひずみや抑圧を描いたソン・ウォンピョン『アーモンド』、ハン・ガン『回復する人間』らにも通じるストーリーテラーの初邦訳。 ・ 《解説:松本俊彦(精神科医・作家)》 読了後、語られなかったこと、描かれなかった余白に読者は深く心を揺さぶられ、何かを考え始める。こうした、読後から始まる独特の余韻、静かな残響音は、本作品における最大の魅力といってよいだろう。 ・ 《台湾文学金典賞授賞/選評 凌性傑(詩人・作家)》 何致和は中年男性の心境をきめ細やかに描き出し、公共交通機関と時代の鼓動を結び付け、地下鉄によって交わる人生を通じ、様々な流動を表現する。その流動感に、多声的な語り、語りの視点の交代が加わることで、重層的で、極めて読みごたえのある作品に仕上がっている。 地下鉄という現代の交通機関は、個々の実存の不安を乗せる一方で、出発と帰還を支えている。本書で最も引き付けられるのは、冷静に傍観しているようでいて、「理解しようとする」やさしさを潜めた語りである。
  • 地下の鳩
    3.5
    暗い目をしたキャバレーの客引きと、夜の街に流れついた素人臭いチーママ。情けなくも愛おしい二人の姿を描いた平成版「夫婦善哉」。 大阪最大の繁華街、ミナミのキャバレーで働く「吉田」は、素人臭さの残るスナックのチーママ「みさを」に出会い、惹かれていく(「地下の鳩」)。 オカマバーを営む「ミミィ」はミナミの人々に慕われている。そのミミィがある夜、客に殴り掛かる(「タイムカプセル」)。 賑やかな大阪を描いて人気の著者が、街の「夜の顔」に挑んだ異色作。 ※この電子書籍は2014年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 地球でハナだけ
    4.2
    《君に会いたくて、二万光年を飛びこえたんだ。》 人間と宇宙人の、想像を超え、時空を越えた、一途でさわやかなSFラブストーリー。 -------------------------------------- やさしい心を持つハナは、つき合って11年になるキョンミンに振り回されてばかり。 この夏休みだってハナを置いて、流星群を見にカナダへひとりで出かけてしまう。 そしてカナダで隕石落下事故が起こり音信不通に。 心配をよそに無事帰国したキョンミンだが、どうも様子がおかしい。 いつもとは違ってハナを思いやり、言葉づかいだってやさしい。 嫌いだったナスも食べている。 ついには……口から青いビームを出しはじめて……。 -------------------------------------- もう二度とこれほど甘い話を書くことはできないと思います。 ——チョン・セラン --------------------------------------
  • 地球平面委員会
    3.6
    大学に入学した僕が賑わう校内で見たのは、「新委員募集中。あなたも信じてみませんか―。地球が平面であることを」と書かれたビラを校舎の屋上から撒く女の子。その子に惹かれる僕の周囲で事件が起き始める。放火、盗難そして殺人事件……。一体僕は何に巻き込まれたんだ? 天才作家が妖しい世界を紡ぎ出す推理サスペンス、書き下ろし。
  • ちくま日本文学全集石川啄木
    5.0
    日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。本巻では、早くより詩才を発揮し、三行書きの表記法や、困窮した状態の中での生活詩人として、近代短歌に新領域を開きながらも、惜しくも夭折した若き文学者の表現、思想を堪能することができる。
  • ちくま日本文学全集梶井基次郎
    4.3
    日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。若くして肺結核を患った著者が織り成す、病への不安と生への憧れからアンバランスで危うい魅力を放つ作品群。それらを通して、独自の美意識をもつ詩的散文世界を創りあげた繊細な感性に触れることが出来る。
  • ちくま日本文学全集寺田寅彦
    3.3
    日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。本巻では物理学者として優れた業績をあげるかたわら、夏目漱石に師事し、独自の視点で科学と文学を見事に融合させた著者の随筆作品を堪能できる。
  • ちくま日本文学全集樋口一葉
    3.5
    日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。本巻では近代文学の草創期に彗星のごとく現れ、名声をほしいままにしながら夭折した女流文学者の作品が一望できる。
  • ちぐはぐなディナー
    3.5
    人生の曲がり角は、真夏のパリの晩餐にあった。 ジゼル・アリミ賞を受賞した「反逆へ向かう女性たちを描く、一触即発の密室劇」 8月の暑い夜。パリのラスパイユ大通りにある高級アパルトマンを1組の夫婦が訪れた。エティエンヌが旧友のレミと、レミの妻のジョアルを招いたのだ。エティエンヌの妻のクローディアを交えて、4人でディナーを囲む。弁護士で自信に満ちたエティエンヌ。運動療法士で内気なクローディア。経済学の教師で社交的なレミ。IT業界で成功を収める思慮深いジョアル。それぞれの胸に秘めた思いを抱えながら、ディナーは進行していくがーー。 踏み出してみれば、なんてことのない一歩だった。
  • チグリジアの雨
    4.2
    私を助けて――。生と死の選択は誰が決めるのか!?蔑まれた者だけが知る深淵。声なき声は届くのか!?――。命の重さの重要性を問いかけ、連鎖する“いじめ問題〟に一石を投じる、青春ミステリ小説。東京の進学校に通っていた、高校一年の成瀬航基は、母の再婚をきっかけに、ある田舎町に引っ越すことになった。転入して間もない学校生活は順調に進んでいたが、そんな状況が一変し、突然いじめのターゲットになってしまう。いじめは次第にエスカレートしていき、航基は身も心も耐えられなくなっていく。不条理な目に遭うたびに心は削られ、誰にも相談できずに、我慢の限界を迎えた航基が出した結論は「死」。地元で『ゴーストリバー』と呼ばれる河を自殺の場所に選ぶが、その河でほとんど学校にも登校せず、真面目に授業も受けない、クラスメイトの月島咲真と出会う。そんな咲真が航基に対し、「報復ゲームに参加しないか」という衝撃的な一言を放つ――。

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