有島武郎の作品一覧
「有島武郎」の「或る女」「或る女」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「有島武郎」の「或る女」「或る女」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
特に、「生れ出づる悩み」について。
本書の表現は端的にいえば力強く鮮やかで、「板子一枚下は地獄」に表現される通りに6章の嵐の緊張感はすさまじいものであった。この場面が「肝腎の」自殺を図る場面の印象を薄めるほど(本多解説・124頁)だという説明には共感できる。その表現力が背後にあるからこそ、山に執着する「君」と重なって、自然のもつ偉大さに説得力を感じられた。
自分のやりたいことと、現実にやらねばならないことの矛盾を抱える「君」が、行動では勇敢な姿を見せていても、内心、現実に正面から向き合っている漁夫等には疎外感を覚えている。そのような葛藤する精神を地球から「生れ出でた悩み」としているが、世界
Posted by ブクログ
遥か昔のうっすらと残る記憶だが、小学校3~4年の担任の先生が、国語の授業とは別に読み聞かせをしてくれたのが「一房の葡萄」だった。
横浜の山の手が舞台であり、万国旗、西洋絵具など、異国の香り漂うのが、見知らぬ世界を覗いているような不思議な気分だった。
子供ながらに「ぼく」のやってしまった事に罪悪感からドキドキしたし、同時に、藍色と洋紅色はとても美しい色なのだろうと想像した。
そして先生が捥いでくれた西洋葡萄とはどんな葡萄なのだろうと想像した。
自分が普段口にする葡萄とは違う、何か特別なフルーツに思えた。
なにより「ぼく」に対して、いやな事をしてしまったと自分で分かっているのならそれでいいと、子