作品一覧

  • 波うつ土地・芻狗
    3.3
    1巻1,155円 (税込)
    さりげなく見える“日常”の底に、人間の“生と性”の深層を鋭く抉り、苛烈にして鮮烈な洞察の世界を描き出す、時代の尖端に立つ富岡多恵子の鮮やかな達成――。話題作『波うつ土地』『芻狗』の二著を収録。
  • 男流文学論
    3.8
    1巻1,210円 (税込)
    吉行淳之介、島尾敏雄、谷崎潤一郎、小島信夫、村上春樹、三島由紀夫ら、6人の「男流」作家の作品とそれらをめぐる評論を、当世“札付き”の関西女3人が、バッタバッタと叩き斬る! 刊行当初から話題騒然となり、「痛快!よくぞいってくれた。胸がスッとした。」「こんなものは文芸論じゃないっ!」など、賛否両論、すさまじい論議を呼び起こしたエポックメーキングな鼎談。面白さ保証付。

ユーザーレビュー

  • 男流文学論

    Posted by ブクログ

    とっても爽快でした。座談会形式の評論ですがとにかくおもしろかった。いかに我々がジェンダーバイアスに晒されているか考えさせられました。解説が斎藤美奈子氏でさらにお得。

    0
    2011年11月24日
  • 波うつ土地・芻狗

    Posted by ブクログ

    個人的には「坂の上の闇」が最も面白かった。主人公福間一紀の心理分析や心境変化を極力排し狂気性を持った異行動の描写により読者へそら寒さを感じさせることに成功している。一転して福間大夫との関係性は、おそらく男色による性の抑制による暴発と過去そして先々に渡る精神的軟禁を思わせ、それらの事実を語ることなく読者へ訴えかける手法は見事だ。この作品があまり話題に上ることがないのが不思議なくらい出来がよい。

    次点で「芻狗(すうく)」。「芻狗」とは神前に供える藁細工の犬のことであるが、顔のない「わたし」が人身御供として淡々と男性と性行為を重ねる姿は性を軽んじることで生を虚無化しているように映る。ラストの遊園地

    0
    2018年08月29日
  • 男流文学論

    Posted by ブクログ

    吉行淳之介、島尾敏雄、谷崎潤一郎、小島信夫、村上春樹、三島由紀夫の6人の作家と作品について、上野千鶴子、小倉千賀子、富岡多恵子の3人が語り合った鼎談を収めています。わが国におけるフェミニズム批評の嚆矢とは言えないまでも、フェミニズム批評の活性化に大きく寄与した本と言えるように思います。座談会ということもあって、三者ともかなり辛辣な言葉を吐いていますが、制度化してしまったフェミニズム批評には見られないおもしろさがあります。

    村上春樹の文体について富岡が作家の視点から鋭い分析をおこなっている箇所には目を見張らされました。また上野が、島尾の小説に対する吉本隆明の批評や、小島の小説に対する江藤淳の批

    0
    2017年09月24日
  • 男流文学論

    Posted by ブクログ

     俎上に載せられた作家と作品は、
     吉行淳之介「砂の上の植物群」「驟雨」「夕暮まで」
     島尾敏雄「死の棘」
     谷崎潤一郎「卍」「痴人の愛」
     小島信夫「抱擁家族」
     村上春樹「ノルウェイの森」
     三島由紀夫「鏡子の家」「仮面の告白」「禁色」
     
     このうち、わたしが読んだのは島尾敏雄の「死の棘」だけだった。以前は小説をあまり読まなかったうえ、近頃は主に女性作家のものをよく読んでいるからだ。しかし、ラインナップを見てみると錚々たるメンバーの有名な作品群であることはわかる。やはり、読まなかったのは、読もうとしても、解説なり批評なりを見て、自分に近く引き寄せられるものを感じなかったからだと思う。
     

    0
    2011年12月06日
  • 波うつ土地・芻狗

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「波うつ土地」★★★★
    「坂の上の闇」★★★
    「芻狗」★★★
    「結婚」★★★
    「箱根」★★★★
    「環の世界」★★★

    0
    2024年04月12日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!