青木創の一覧
「青木創」の新着作品・人気作品や、最新のユーザーレビューをお届けします!
-
作者をフォローする
- フォローするとこの作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
ユーザーレビュー
-
リー・チャイルド『宿敵(上)』講談社文庫。
邦訳順が滅茶苦茶ではあるが、ジャック・リーチャー・シリーズの前期作品にあたる第7作の最新邦訳。シリーズ最高傑作の呼び声高い作品。次々と襲う窮地をリーチャーは持ち前の知恵と度胸で乗り切っていく。物語全体に緊張感があり、先の読めない展開に手に汗握る。
物語
...続きを読むは衝撃的な幕開けで始まる。大学のキャンパス内で学生が怪しい男たちに拉致されようとする現場に居合わせたジャック・リーチャーは男たちを射殺。揚げ句、警察官までも射殺し、学生を救出して現場から逃走する。
リチャード・ベックという名の学生はオリエンタルラグ輸入業者の富豪ザカリー・ベックの息子で、リーチャーはアメリカ司法省麻薬取締局の要請でザカリーに接近したのであった。ザカリーの要塞のような屋敷に潜入したリーチャーはザカリーの悪行を暴き、行方不明となった捜査官テリーザ・ダニエルと自身の宿敵クインの行方を追う。
定価1,100円
★★★★★
Posted by ブクログ
-
リー・チャイルド『宿敵(下)』講談社文庫。
ジャック・リーチャー・シリーズの前期作品にあたる第7作の最新邦訳。既にシリーズは25作刊行されているようだが、邦訳の方は虫食い状態で邦訳順も滅茶苦茶で、本作が10作目。
次々とリーチャーを襲う苦難と危機。リーチャーはそれをどう乗り切り、自身の目的を果た
...続きを読むすのかというのが読みどころ。2003年に刊行された作品であるが、古さは感じず、噂に違わず非常に面白い作品である。
ジャック・リーチャーが10年来の宿敵クインの命を狙い、アメリカ司法省麻薬取締局はザカリー・ベックの犯罪の証拠を追い、行方不明となった潜入捜査官のテリーザ・ダニエルの救出に奔走する。10年前、リーチャーとクインの間に何があったのか……
定価1,100円
★★★★★
Posted by ブクログ
-
リー・チャイルド『葬られた勲章(上)』講談社文庫。
ジャック・リーチャー・シリーズの第13作。2009年の作品。
信じられないことに再びリーチャーが火中に飛び込むかの如く事件に巻き込まれていく。事件がリーチャーを呼ぶのか、それともリーチャーが事件を呼ぶのか……という冒頭の展開から事件は謎が謎を呼
...続きを読むび、リーチャーが事件に巻き込まれるたのは必然だったという展開に。
深夜のニューヨークの地下鉄でジャック・リーチャーは自爆テロリストのような不審な女性を目にする。リーチャーがその女性に話し掛けると女性は自らの頭部を銃で撃って自殺する。事件の目撃者として警察の事情聴取を受けたリーチャーに近寄る4人の男と被害者女性の弟の警察官。
自殺した国防総省の事務員スーザン・マーク、スーザンにとある調査を依頼した謎の美女ライラ・ホス、スーザンが調査していたと思われる下院議員ジョン・サンソム……謎が謎を呼ぶ。
もはやベテラン浮浪者と化したジャック・リーチャー。とてもヒーローとは思えない。軍隊在籍による恩給か何かで暮らしているのだろうが、スマホや携帯電話を持っていなかったり、ホテルを非正規値段で利用したりと意外にセコい。
本体価格1,000円
★★★★★
Posted by ブクログ
-
これはおもしろい。
処女作というからこの作家の次の作品が楽しみ。
設定としては過去の事件と、それが尾を引いて起きたかのように見える現在の事件というありがちなものではある。
決して新しさはないが、過去の謎と現在の謎をうまくオーバーラップさせているし、そこかしこにあやしさをちりばめながら徐々に真相にせ
...続きを読むまっていく感じがとてもうまい。
何より、人物を描くのがうまくキャラが立っている。地元の警官レイコーには一瞬で好感を抱き、その誠実さに打たれ事件の解決を応援する気持ちで事件の展開に夢中にさせられた。
Posted by ブクログ
-
原題は"The Dry"。なので邦題も『渇き』だけの方が良かった。完結なタイトルは好みなのだ。
オーストラリア発の邦訳作品は滅多に手に入らないので、南半球ミステリとはかなり興味深い。ここでの『渇き』とは、ずばり乾燥のことである。オーストラリアでは雨に恵まれず長期的な干魃に身まれた挙句、大規模な
...続きを読む山火事に発展することもあると言う。雨と湿度の多い日本に住んでいるぼくらには想像すべくもない水不足事情の下で本書はスタートする。
幼い子供まで含めた農場の一家惨殺という衝撃的な開幕の地に、かつてこの土地を追いやられた主人公が帰郷する。捜査官として経歴を積んだ主人公の心中で、かつて自分と父とをこの土地から追い出すきっかけとなった謎めいた事件が蘇る。あの事件の関係者と噂される自分と、かつての親友。その親友が妻と子をショットガンで撃って自殺したとされるむごたらしい事件によって。
刑事の帰郷と、二つの時代を結ぶ時間の糸。干魃に見舞われ、農業生活が危機に瀕して追い込まれた経済状況の貧村に蠢く悪意と偏見。
いかにもオーストラリアらしい、風土ミステリーであり、そうした古い村ならではの閉塞状況に加え、一見そう見えるものがすべて見えるままではない不安定さ、むしろその裏側で重奏的に生まれる人々の想いの交錯し縺れ合う分厚さのようなものが、フーダニット・ミステリとして秀逸な本作の味わいだろう。
時間軸が移り変わる中で、信じられるものが徐々に削り取られ、予想外の真実が姿を見せ始めるとき、主人公の中ですべてが変わる。
主人公である帰郷休職中の捜査官と現地の警察官とのタッグによる事件解決までの情熱が物凄い。そして渇きが常に背景にあることで人間の安定がかくも容易に地滑りを起こし、大きな犯罪に繋がってゆくという悲劇の記述にも注目される。
英国マンチェスター生まれの女流作家のデビュー作、骨太の力作として印象に残る一冊。
Posted by ブクログ
青木創のレビューをもっと見る