作品一覧
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3.8
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3.9消えた向日葵、連続する不穏な事件―― 多感な少女の感情を繊細に描く、慟哭必至の傑作青春ミステリ 父親が亡くなり、山形の集落に引っ越した小6の高橋みのり。 初めての夏、「向日葵流し」のために育てられていた向日葵の花が、何者かによってすべて切り落とされる事件が起きる。 みのりの周囲ではさらに不穏な事件が続き――。彼女の4年間の成長と事件の行方を瑞々しい筆致で描く、感動の長編青春ミステリ。 第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門ノミネート作品。 「これほど自然の中に多感な思いがこめられた小説も珍しいのではないか。 自然描写をしなくなった(いや出来なくなったといったほうがいい)作家が多いなかで、 彩坂美月は、丁寧に一人の少女の内面と、過ぎていく季節の流れを追っていき、嫋々たる余韻を残す」 ――池上冬樹氏の解説より抜粋
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3.4ひとつだけ、過去を「再上映」できるとしたら。今だから気付けることがあるーー思い出とは、未来へ一歩踏み出す自分を支えてくれるもの。 思い出をひとつだけ「再上映」してくれる不思議な存在、映人。 過去を変えることはできないが、今の自分の視点でもう一度過去を見直すことができる。 幸せだった頃を取り戻したい人、後悔にけりをつけたい人……映人に再上映を依頼する理由は様々だが、受けるか受けないかは映人なりの基準があったーー。 幸せなものでも、苦しいものでも、自分にとって価値があって大切なものだと心から思えたら、きっと「これから」が変わっていく。 思い出を再体験した依頼人たちは、何を得るのか。 そして、映人の正体と目的とは。
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4.2高校最後の文化祭当日、菜月は屋上でクラスメイトの拓未に告白された直後、人生3度目のタイムリープに巻き込まれた。この状態になった菜月は同じ1時間を5回繰り返し、最後の出来事が確定事項となるのだ。その1回目、菜月が告白されるより前に拓未は転落死してしまう。同じことが操り返されるはずだったのに、いったい何が起きたのか? 菜月は残り4回のタイムリープのなかで、拓未が死なない方法を探して奔走するが……。他人に心を開けない女子高生がクラスメイトを救うために校舎を駆けめぐる、鮮やかな学園タイムリープ・ミステリ登場。/【目次】プロローグ/第一章 繰り返しの時間/第二章 文化祭の幕開け/第三章 起こるはずのない事件/第四章 深まる謎/第五章 彼女の時間/解説=村上貴史
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4.0
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3.61巻781円 (税込)不登校になって早一年、14歳の工藤渉は暇を持て余し、軽い気持ちで小説を書き始める。物語を作るのは想像以上に難しく、だが驚くほど楽しかった。初めての小説『ルール・オブ・ルール』をネット上で公開すると、予想外の反響が。けれどその途端、渉の身辺で怪事が続く。脅迫メール、不審な電話、そして作中の場面に酷似した殺人未遂事件。現実と物語が交錯する高次元ミステリー!!
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4.0
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3.6
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3.21巻1,265円 (税込)三年に一度だけ行われる桐乃高校文化祭。その準備中、五名の生徒が吊り上げられていた巨大壁画の下敷きになってしまう。眠りから醒めた相原円が見たのは、いつもの通学路にいつもの校舎。見慣れた夏の光景のはずなのに、そこはどこかいびつな、誰もいない世界で……?2012年本格ミステリ大賞最終候補作『夏の王国で目覚めない』で大注目の彩坂美月が贈る、青春<神隠し>小説!
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレホラー?というか超常現象?系の小説を初めて読んだ。面白かった!
どんな話?
簡潔に言うと、霊というか超能力、異常現象がやばい家!!の話。
超能力持ってる方と主催者でなんか家の調査に行くんですけど、あれあれ?となってく話です。
色々、話の理屈通っててすごい!
ネタバレなんですが、
椅子に入って死んでたのは子供の動揺で電気分解事故死。女性投身自殺とワイン事件は、蓮の連れのあの人が社会的地位や評判を保つために、屋敷のせいにするために、ていう思いを屋敷に利用されて殺したって言う話。
その他ほとんどの現象は激ヤバ屋敷のせいだけど、ここの話は理屈通ってる気がして、はえすげえなーと思った。あと蓮の動機も -
Posted by ブクログ
父親が亡くなり、山形の集落に引っ越してきた小6のみのり、よそ者の入ってくることの少ない閉鎖的な村の中で過ごす日々が丁寧に繊細な描写で語られる
「ここは閉ざされた王国みたいだ」と感じる山深い村に残る風習や地域の行事
その一つである「向日葵流し」
その準備中に起こった事件
子どもたちが噂する〈向日葵男〉
なにやら不穏な空気をまとったこの村で、みのりは中学生になり
友人たちとの関係もまたすこしずつ変わっていく
村にきて一番初めに顔見知りになった怜
優しく穏やかでちょっと憂いのある少年の描写やエピソードがとっても好き
そして乱暴者の隼人
突然キれるような子だけれど、何故か目を離せない魅力を持つ
最初 -
Posted by ブクログ
あなたは、『向日葵男』を知っているでしょうか?
(*˙ᵕ˙*)え?
夏の代名詞とも言える『向日葵』。漢字で書くと今ひとつピンときませんが、”ひまわり”、とひらがなで書くと、太陽の動きに沿って、花の向きを変えていく真っ黄な大輪が頭に思い浮かびます。
この国では祭りが全国各地で行われます。季節を身近に感じてきた国民性もあって、そんな祭りにはその季節を象徴する草花を前面に打ち出すものも多々あります。ツツジ、朝顔、菊といった花々の他に、夏と言えば『向日葵』を祭りの中心に置くものがあるのは如何にもという気がします。
さてここに、そんな『向日葵』を川に流す『向日葵流し』という祭りが連綿と行 -
Posted by ブクログ
読んで良かった。
気持ちの良い感動に酔いしれる青春ミステリーだった。
父親が亡くなり母の実家である山形の祖母の家に引っ越してきた小6の高橋みのり。
近所で出会った少年は、優しく話しかけてきてくれた藤崎怜。
乱暴な強い眼差しをぶつけてくるのは、隼人。
みのりと怜と隼人を中心に物語は進んでいく。
この土地では向日葵男というおぞましい怪物がいて…という噂があり、何者かによって向日葵の花が切り落とされる事件が起き、真っ先に向日葵男のしわざだと。
よほど暗い絶望感漂う事件が次々と起こるのでは…と想像していたが、殺伐としたものではなく結果としては、そういえば序盤から気にはなってたなと思い返すことがで