【感想・ネタバレ】向日葵を手折るのレビュー

あらすじ

消えた向日葵、連続する不穏な事件――
多感な少女の感情を繊細に描く、慟哭必至の傑作青春ミステリ

父親が亡くなり、山形の集落に引っ越した小6の高橋みのり。
初めての夏、「向日葵流し」のために育てられていた向日葵の花が、何者かによってすべて切り落とされる事件が起きる。
みのりの周囲ではさらに不穏な事件が続き――。彼女の4年間の成長と事件の行方を瑞々しい筆致で描く、感動の長編青春ミステリ。
第74回日本推理作家協会賞長編および連作短編集部門ノミネート作品。

「これほど自然の中に多感な思いがこめられた小説も珍しいのではないか。
自然描写をしなくなった(いや出来なくなったといったほうがいい)作家が多いなかで、
彩坂美月は、丁寧に一人の少女の内面と、過ぎていく季節の流れを追っていき、嫋々たる余韻を残す」
――池上冬樹氏の解説より抜粋

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

青春小説としてとても良い作品に出会った。文章の美しさは勿論、心情の機微がとても良く表現されていた。何かを愛するのには、たぶん、いろんな形がある とても良い言葉で胸に響いた。

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2026年02月18日

Posted by ブクログ

夏に読めてよかった。文句なしの星5です。
田舎に越してきた女の子と田舎にいるヤンチャな男の子と優しい男の子の3人を中心にミステリーがありつつ、メインは各々の人としての成長にフォーカスした作品。
小6から中3までの4年間の成長を描いているため非常に長いがそれが気にならないほど、ひまわりや夕暮れ風景描写が秀逸で蝉の鳴き声が聞こえてくるようなそんな小説。
良い意味で起承転結は薄く、悪くいえば続きがあまり気にならない話かもしれないが、思い返せば青春はそんなものだったかもしれない。それでいて心の片隅に残るような。
圧巻でした。

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2025年08月02日

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ネタバレ

思春期の複雑な心理描写がとても自然に表現されており田舎特有自然描写、同級生たちの関係性、異性との距離感全て主人公と一緒に共有し成長していくような気持ちになった。あらすじに書かれていた青春ミステリーというジャンルには読む前はピンとこなかったが読み終わったあとは納得した。これこそまさに王道の青春ミステリーです。

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2025年07月11日

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ネタバレ


自然や心理描写がとても緻密で、みのりたちと時間を共にしているような気持ちだった。
この小説を読みながら、苦しさ、やるせなさ、悲しさ、感動、様々な感情の涙が流れた。子供ながらに、子供だからこそ誰にも言えない感情を抱えている。
「土に埋めたら綺麗なものが生えてくるんじゃないか。」
この言葉に子供の切実な願いがこめられていて、読みながら苦しくて涙が止まらなかった。
向日葵を手折ったのは誰なのか、何故そうしなければならなかったのか。最後はそれぞれ前に進み、再会出来て本当によかった。

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2025年03月23日

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父親が亡くなり、山形の集落に引っ越してきた小6のみのり、よそ者の入ってくることの少ない閉鎖的な村の中で過ごす日々が丁寧に繊細な描写で語られる
「ここは閉ざされた王国みたいだ」と感じる山深い村に残る風習や地域の行事
その一つである「向日葵流し」
その準備中に起こった事件
子どもたちが噂する〈向日葵男〉
なにやら不穏な空気をまとったこの村で、みのりは中学生になり
友人たちとの関係もまたすこしずつ変わっていく

村にきて一番初めに顔見知りになった怜
優しく穏やかでちょっと憂いのある少年の描写やエピソードがとっても好き
そして乱暴者の隼人
突然キれるような子だけれど、何故か目を離せない魅力を持つ
最初は理解出来なかったが、彼には彼なりの信条があることが分かってくると
隼人もすごく魅力的

ミステリのくくりにはなるのかもしれないけれど、一つの文学作品としての完成度が高い作品
ちなみにミステリとしても
途中で出てきたみのりの感じる「違和感」(伏線)がちゃんと回収されていてすっきりしたものになっている

ミステリ的な要素と文学的な要素とどっちも満たしたとても良作だと思う

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2024年05月19日

Posted by ブクログ

読んで良かった。
気持ちの良い感動に酔いしれる青春ミステリーだった。

父親が亡くなり母の実家である山形の祖母の家に引っ越してきた小6の高橋みのり。
近所で出会った少年は、優しく話しかけてきてくれた藤崎怜。
乱暴な強い眼差しをぶつけてくるのは、隼人。
みのりと怜と隼人を中心に物語は進んでいく。

の土地では向日葵男というおぞましい怪物がいて…という噂があり、何者かによって向日葵の花が切り落とされる事件が起き、真っ先に向日葵男のしわざだと。

よほど暗い絶望感漂う事件が次々と起こるのでは…と想像していたが、殺伐としたものではなく結果としては、そういえば序盤から気にはなってたなと思い返すことができた。

大きな事件があるわけでもないが、狭いコミュニティでの複雑な人間関係と家庭内で起こる問題。
だが満足感を得られたのは心理と情景の濃さだと感じた。
季節を巡るたびにこの3人の子どもたちの成長と変化の心理描写の巧みさがより一層際立っていく。
これほどまでに丁寧に少女や少年の内面を描いていく凄さに自分も同じ年齢になったかのような錯覚に陥ってしまった。

終盤は、事件の真相に切なさしかなかったが、ラストに感動。


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2023年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

向日葵男を怖れる小学生たちの話。

色々な事件が起こる青春ミステリー。
次が気になりどんどん読んでいけた。
描写が細かく書かれていて、すごい。

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2023年09月19日

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父の死をきっかけに母の生まれ故郷である
田舎に移住することになった女の子を通して、
四季彩豊かな自然、人とのつながりを描いてる。
そして、そんな喉かな雰囲気の作品にもかかわらず、終始向日葵男という得体の知れないものが
ついてまわる。終盤向日葵男の正体を知った時
はっとさせられました。

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2023年06月12日

Posted by ブクログ

彩坂美月『向日葵を手折る』実業之日本社文庫。

田舎では有りがちな都会からの転校生が味わう閉塞感、豊かな自然の風景と四季の移ろいが見事に表現される中、少し薄気味悪いミステリーが静かに進行していく。

どこか懐かしさを感じる、草木の緑の薫りを感じる爽やかな青春ミステリーであった。

主人公の高橋みのりが山形県で小学6年生から中学を卒業するまでの4年間に起きた『向日葵男』が関連すると思われる事件が描かれ、最後の最後に全ての謎が氷解する。しかし、それはみのりの初恋の相手との突然の別れであった……

父親がくも膜下出血で亡くなり、小学6年生の高橋みのりは母親と母親の実家のある山形県の桜沢という集落に引っ越す。新たに通う小学校は小さな分校で、そこで残酷ないじめっ子の西野隼人とその友達でみのりの家の近所に住む藤崎怜と出会う。

夏になり、小学校の行事である夏祭りの向日葵流しの準備の最中、学校で植えた向日葵の花が全て切り落とされるという事件が発生し、生徒たちの間では『向日葵男』の仕業と噂される。

その後、みのりの給食のスープに蛙が入っている事件が発生し、『向日葵男』が存在する証拠を見せると言われ、隼人に連れ出されたみのりは隼人に木に縛られ、放置されるが、怜と怜の父親に発見される。

時折、残酷な行動を見せる隼人が向日葵を切り落とした犯人ではないかと疑うみのりだったが……

そして、みのりに降り掛かる思いがけない事態。みのりを身を挺して守ったのは……

再びの春。中学生になったみのりは分校時代の仲間たちと充実した中学生活を送る。

時は流れ、みのりが中学2年生の夏、再び向日葵が切り落とされる。さらにみのりが中学3年生になった年の夏祭りの前、怜の病弱な母親の春美が何者かに襲われ、入院するが、亡くなってしまう。

急展開する物語。悲しい友との別れ……

そして、数年後……


作中には山形県の食文化も忠実に描かれている。食用菊、タラの芽、ノビル、アケビ、細竹、フキ、ミズ、無花果、ぺそら漬けそして、味のマルジュウ。山形県には出汁醤油文化があるのか、味のマルジュウを始め、幾つかの会社が出汁醤油を販売している。我が家でも色々と試した結果、味のマルジュウを採用している。なるほど、彩坂美月は山形県出身であったか。

本体価格900円
★★★★★

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2023年06月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

山形県の田舎を舞台に主人公・みのりと怜と隼人という二人の少年との青春ミステリー。みのりが桜沢に引っ越してからの4年間を四季折々の描写と向日葵男の影が軸となり進んで行く。500ページ越えと少し長めながらもテンポがダレることなく進んでいくためスイスイと読むことが出来た。
“向日葵男”の正体はなんとなく想像はつくもののその原因はとても悲しいなぁと感じた。田舎特有の“疎外感”や無意識な“差別意識”は人を静かに狂わせていく。助けを求めることを自分からためらってしまう空気感は時間をかけて“向日葵男”という怪物を生み出していく。人には裏の顔を持っている。優しい先生やおとなしい親友は実はとんでもない本性を持っていたりする。一見、無愛想に見える男の子や先生が実は熱い思いを持っている事もある。そんな人々と出会いながらみのりは恋を知り、人同士の暖かさや残酷さを知り、成長していく。この小説は“向日葵男”の正体を暴くというミステリーの側面よりも一人の少女の成長物語であるのだ。この4年間の成長を見守った読者が最後にたどり着くあまりにも綺麗な結末を目撃することになる。是非読んでいただきたい。

この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
高橋みのり:関根明良
藤崎怜:山下大輝/佐倉綾音
西野隼人:岡本信彦/伊瀬茉莉也
犬飼雛子:水瀬いのり
倉田由紀子:黒沢ともよ
阿部小百合:上田麗奈
今井先生:中田譲治
佐古真嗣:石川界人
橋本大輝:木村昴
大島夏希:潘めぐみ
田浦恭子:斎賀みつき
藤崎春美:能登麻美子
藤崎茂:小西克幸

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

素晴らしい。
ミステリとしても青春小説としても秀逸だなと思える一冊。

田舎特有の人間模様、細やかな自然描写、そして少年少女の成長が鮮やかに描かれていて、胸に残る物語でした。

小学4年生のみのりは、父の死をきっかけに母の故郷・山形の山間部へ。
穏やかで繊細な怜。
気性の激しい隼人。
豊かな自然の中で育まれる3人の日々。

小さな事件や不可解な出来事は解決しないままに時は経ち…やがて少しずつ真相が露わに。
伏線が回収されるほどに、胸に秘めた想いや不安、不満が浮かび上がってくる。

それは間違いだったかもしれない。
取り返しのつかないことだったかもしれない。
けれど、彼らを頭ごなしに批判はできない。
そう思わせるほど、登場人物たちが繊細に描かれていた。

「嫁は北からもらえ」
この一言が、物語全体の芯になっているのだと思った。

今年の15冊目

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

他の皆さんのレビューであらすじは詳しく紹介されているので、ここでは敢えて省略。
山形の集落で暮らす3人(みのり、怜、隼人)の、小6から中学卒業までの多感な季節を、瑞々しく描いた少し甘酸っぱい青春ストーリーであるが、そこに謎を秘めた不穏な出来事を融合することで、上質なミステリー性を帯びた作品となっている。
子供の首を切り落とすという向日葵男の噂、花首から断ち切られる向日葵、そして「精霊流し」を思わせる向日葵流し。
色々な場面で描写される向日葵とともに、季節の移ろいの中での3人の心の襞が見事に映し出されている。

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2023年11月01日

Posted by ブクログ

 彩坂美月さん初読でした。
 突然父を亡くし、母の実家・山形の桜沢という田舎、それも小さな集落に引っ越した小学6年生・高橋みのりが主人公の物語で、小6から中学卒業までの4年間がみのりの視点で描かれます。

 みのりと2人の少年(隼人と怜)の成長、田舎の豊かな自然や風習・行事のよさ、集落特有の関係性からくる距離感のよさと逆の閉鎖性、これらが緻密にかつ丁寧に描かれ、情景が目に浮かぶようです。
 そこに事件と不穏な空気感を織り込み、ミステリーと上手く融合させている気がします。加えて、花・行事・怪人としての「向日葵」の存在が、明暗の両方に作用し、物語に惹き込む効果的なアイテム兼象徴になっているようです。

 一点やや残念に思ったのが、全編を通じたみのりの心理描写表現です。物語の読み手である私たちの視点は、みのりが見るものや体験することと共にあります。みのりの思考・語彙は、完全に大人のそれ(ある意味それ以上)と思えます。小中学生〝ぽさ〟があれば、と思ってしまいました。

 けれども、池上冬樹さんの解説で少しモヤモヤが解消‥。最終章のみのりの視点が現在で、回想と捉えれば当然の印象か‥。
 多感な時期の、割り切れない濃密な幻影を引きずっていたみのりでしたが、見事に解消される最終章が見事で、余韻を引く読後感でした。

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2023年08月16日

Posted by ブクログ

多感な子供達が大人になるまでの物語の中にミステリーの要素も加わったよう感じた。
山形の山あいの村のそれぞれの季節の描写や子供達の心模様がとても丁寧に描かれており、井上陽水「少年時代」の情景が自然に浮かんで来るような気がした。衝撃的な事件を乗り越え成長した3人のラストシ―ンも感動的だった。

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2023年07月12日

Posted by ブクログ

少女の恋と成長、そして自然描写がみずみずしく色彩豊かに描かれた青春小説でありながら、場面場面での意外な展開はサスペンス要素もあり、様々な魅力のある作品でした。

そしてなんといっても終盤の展開が圧巻でした。最後にある真実が明かされた瞬間、張り巡らされていた伏線が一気につながるさまは、一種の壮観さすら感じました。バラバラだったパズルが一瞬のうちに組み立てられ、物語の意味がまったく違って見えてくる。

ミステリとしての快感はもちろんのこと、そこをクライマックスとして、話が終わらせず、もうひと展開魅せるのも憎い。一種の後日談のように、その後の展開もしっかり作って、単なるミステリに終わらない、子ども時代の終わりと、その後の成長、そして感動まで作りこまれた作品だと思います。

語り手は田舎に引っ越してきた少女で、そこに二人の幼馴染男の子が関わってくるという話なのですが、この男の子二人組が、それぞれ個性があって魅力的でした。一人は乱暴者である一方で芯の強さがあり、もう一人は優しいしっかり者。ジャンルとか、性格は違うけど「ちびまる子ちゃん」の大野君・杉山君をとっさに連想しました。

このあたりの男の子の描き方は、女性作家特有なのかもしれません。ちょっとかっこよすぎる感や少女マンガっぽさを宿しているので、女性読者の方が、よりこの二人の魅力や、語り手の心のゆらぎに心つかまれるかもしれません。

解説でちょっと触れられていたけど、ミステリとして読むと話のテンポとか、警察捜査のずさんさとかは、気になるところかもしれません。それでも、少女の心のゆらぎと成長、そして最後まで丁寧に描かれる物語と、ミステリの枠では語れない魅力を宿した小説でもあったと思います。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

初読みの作者さん。フォローしている方のレビューに惹かれて買ってみた。
仕事が忙しく、年末は家でやることも多く、読み終えるのに時間が掛かった。

父が突然亡くなり、母とともに祖母の家がある山形の集落に引っ越した小学校6年生のみのり。
田舎の季節の移ろいとともに分校や村の行事が描かれ、その中でみのりが二人の少年・怜と隼人と心を通わせ合っていく様が語られていく、その丁寧な描写に好感。
そして、そうした長閑な話の間に挟まる“向日葵男”の不穏な噂と不審な出来事の数々。
緩急つけながら語られる話は、その落差が激しく、その“急”の部分、事件の際に明らかになる事実がいちいち衝撃的で、ちょっと長いお話もそれをアクセントに興が繋がった。

ミステリーとしては最初のほうの引っ掛かりがやはりという感じだったので“向日葵男”の正体にあまり意外性はなかったが、ガールミーツボーイズの話としてみのりと二人の少年の4年間の顛末はその瑞々しい感じがとても良かった。

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2023年12月21日

Posted by ブクログ

父を亡くして母親の実家である山形の山村に引っ越して来た小学生の女の子が運命の人と出会う話。

愛するものが理不尽に失われたり、全編を通じて「向日葵男」の謎の影が纏わりついたりするけど、基本、ガールミーツボーイで、ミステリー要素は盛り上げる割には結末がイマイチしょぼい印象。

色々頑張ってるいいヤツなのに主役になれない隼人が気の毒で密かに応援したくなる。
幸薄い春美さんと美術部顧問の恭子先生が好き。

…隼人のお祖父さんは何で亡くなられたのだろうか?

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2023年12月10日

Posted by ブクログ

こんなに丁寧に思春期の女の子の心情を描くことができる筆者はどんな人?いくつ?今井先生に私も救われた。

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2023年11月28日

Posted by ブクログ

面白くて、あっという間に読み切った。
登場人物の行動で疑問に思う所がいくつかあったけど、3人はもちろん、クラスメートの成長過程が丁寧に描かれていて良かった。ラストも良かった。

地方のそこで暮らす人々の閉塞感と仲間意識。人々の距離感が近いのが良くもあり悪くもある。

山菜が好きなので食べ物が美味しそうだったけど、虫嫌いだからそこで暮らすことは出来ないなぁ。

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2023年09月17日

Posted by ブクログ

夏の季節に夏の本を読むのがすごく好きだ。
夏はあんなに暑くて毎日ギラギラとしているのに
気が付いたらいつの間にか去っていってしまって
気持ちを持て余してしまう。
そんな時に夏の本を読むのが好き。

ミステリ部分はほぼオマケのような感じで
田舎で暮らす多感な時期の子供たちの成長期のような。

思い出に縛られて苦しくなることもあるけれど
思い出があるからこそ踏ん張れる時もあるよなと
夏の終わりにしんみりと思いました。

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2023年08月28日

Posted by ブクログ

山形の集落に引っ越しをした小学6年生のみのり。そこで出会った同級生たちとの生活が始まるが育てた向日葵が切り落とされる事件が起き、そこから向日葵男という都市伝説のような話を聞く。その見えない噂に怯えつつ同級生の怜と隼人2人の男子との交流を経て成長していく。青春ミステリーではあるけれど、どちらかというと青春小説に比重があって風景描写や中学生になったみのりたちの関係を描いていく展開に面白さを感じた。狭い地域での外から来た人と代々そこに住む人たちとの間にある外と内という考え方や、向日葵男という噂などの使い方もうまくはまっていて面白かった。

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2023年06月26日

Posted by ブクログ

繊細と粗暴、二人の少年たちの運命的(BL的?)な関係に、連星の周囲を回る惑星のように少女が巻き込まれていく。粗暴な少年の方は最初悪役的に登場し振る舞うのだけれど、さすがにこれを鵜呑みにする読者はほとんどいまい。基本的に少年たちの物語であって、ヒロイン抜きでも物語は成立する。ので、傍観者でもある少女を少年たちの物語に介在させる仕掛けが必要になる。これがあまりスムーズでなく、(スムーズになりようがないのだが)そのために彼女がものすごく無神経なトラブルメーカーに見えてしまうようなところがあって、ちょっとかわいそうかな。ミステリ的な真相は、普通のミステリ読者ならかなり早い段階で見抜いてるはず。多分、そういう話ではないんでしょうね。

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2023年06月16日

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