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Posted by ブクログ
これは少女の持つ、一瞬のはかない繊細さ、その雰囲気を味わう作品なのだ。
だからリアリティを申し立てるのは野暮だということはわかっている。
しかし、舞台の上で明かされた真実はあまりにも机上の空論で、物理的に無理だろう、と何度も突っ込んでしまった。
そうしたら、最後の最後に…。
3章それぞれに違う少女の一人称で語られるのには意味がある。
一人称になると、ほかの人物の心情を書かなくてすむのだから。
最初から不穏な空気があふれていた。
おどろおどろしいとは違う、とらえどころのない違和感。
登場人物の誰もが何かを心に秘めていて、せっかくの高校生の夏休みが、全然きらめいていない。
そもそも両親が不在の先輩の家で合宿って、ありなのでしょうか?
私は部活動をしたことがないからよくわかりませんが、大人の監督のない一週間の合宿って、私が高校生の娘に言われたら、参加を認めません。
いやだから、リアリティはさておいて。
登場人物みんなが少年少女を逸脱した、大人の苦さを持ち合わせているのに、みんなが頼りないくらいにはかなげ。
不穏の正体がわからないから、余計に不安。
作中でダフネ・デュ・モーリアの『レベッカ』について書かれているので、多分にそれをイメージしていると思われる。
っていうことは、これはホラーなのか?
ホラーでもありミステリでもあるかもしれないけれど、これは少年少女が大人になっていく過程をこそ書きたかった作品なんだと私は思う。
Posted by ブクログ
登場人物である毬子、芳野、真魚子、そして物語の核となる香澄の4人の視点から物語は展開して行く。
恩田女史が描く女高生達は、常に可愛い少女ではなく、大人びた美しさを擁した女性たちだ。
今回の4人の女高生たちもこの例に洩れず、女高生とは言い難いほどの神秘性を与えられている。
物語の前半は、同級生や下級生たちから憧憬ともいえる視線を集める美しい少女4人の関係が綴られる。
その彼女たちの舞台となっている背景が美しく、緑豊かな欧風の牧歌的な川べりの風景が思い浮かんだ。
そんな環境の中で、女高生らしい4人の交友関係に、徐々にではあるが違和感が生まれてくる。
少女たちが抱く違和感は、香澄の母親の死が殺人なのかどうかという過去の悲しい出来事に起因し、それぞれの想いが疑心暗鬼となって重なりあい、ミステリー物語へと進んで行く。
殺人事件であった場合、犯人は誰なのかが最大の関心事となる。
香澄の母親の死は、4人の少女たちが6〜8歳頃の事件と云うこともあり、細部までの事実はお互いに理解していない。
がしかし、成長と共に過去の様々な記憶が繋がり、漠然とではあるがそれぞれに考えを抱くようになる。
4人の女高生たちに加え、幼い頃からの仲間だった男子二人が絡み、昔起こった事件の真相に迫って行く。
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