楊花の歌

楊花の歌

671円 (税込)

3pt

4.0

1941年、大阪松島遊廓から逃走して、日本占領下の福建省廈門に辿り着いたリリーは、抗日活動家の楊に従い、カフェーで女給として働きながら諜報活動をしていた。あるとき、楊から日本軍諜報員の暗殺を指示され、その実行者として、琥珀色の瞳と蛇の刺青が印象的なヤンファという女性を紹介される。ヤンファに惹かれていくリリーにとって、彼女と過ごす時間だけが生への実感を持てるひとときになっていた。しかし、楊から秘密裏に課されていた指令は、暗殺に失敗した場合はヤンファを殺せというものだった・・・・・・。戦時下を舞台に流転する女性たちの愛と葛藤を描く、圧巻の熱量を放つ第35回小説すばる新人賞受賞作!

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楊花の歌 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     読み終えた今、生涯の大切な作品の1つになるだろうな、と強く予感している。
     リリーの複雑な感情や危ない橋を渡っている緊張感、亜熱帯の空気や食べ物の匂い、戦時中の日本と他国の関係、そしてヤンファ。最後に全てが繋がったときには深い感動が胸に広がった。
     忘れてはいけないことがある。忘れられないことがあ

    0
    2025年04月02日

    Posted by ブクログ

    途中でヤンファが誰なのか1ミリも気付かないのも都合が良い気もするけど、映像にしたら良さそう。史実が混ぜられていて勉強にもなった。

    0
    2025年09月06日

    Posted by ブクログ

    戦時下の中国、主人公女性が出会ったヤンファという女性、彼女らはスパイ活動を行なっていたのだが、、というお話(?)。

    それぞれの出自や過去、途中挟まれるエピソードも何かしらあるのだろうと思っていたら、やはりラストで収束した。美しさある物語だった。

    これはこちらの問題なのだけど、読むのに時間がかかっ

    0
    2025年06月30日

    Posted by ブクログ

    日本とは違う多湿の大陸で生きる少女達
    心情表現も物凄く良かったけれど、ジメジメした時期のコンクリートの感触だったり肌に触れる服がくっつく気色悪さがとてもリアルで良かった
    後半の全てが繋がって丸くなっていく感覚はジメジメした土地に涼しい風が吹いてくるようだった

    0
    2025年03月23日

    Posted by ブクログ

    日中戦争下の厦門、抗日運動家の下で日本人諜報員の暗殺計画に巻き込まれた二人の女性、擬装してカフェ朝日倶楽部で働く日本人リリーと、豆花屋台で敵を見張る台湾少数民族出身のヤンファとの愛を絡めたエスピオナージ。
    リリーの複雑な遍歴と共に舞台は厦門、上海、大阪、台湾の少数民族の村、台湾の港町、基隆、金瓜石と

    0
    2025年05月20日

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