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大企業「ニッポンバイク」の本社宣伝部でバリバリの企業戦士だった義明に出た突然の左遷辞令は、片田舎での一販売部員というものであった。いったい何があったのだ! でも負けはしないぞ。きっと立ち直ってみせる。翌日から展開された強引な販売作戦。著者の体験にもとづく異色のサラリーマン青春小説。
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Posted by ブクログ
大企業「ニッポンバイク」の本社宣伝部でバリバリの企業戦士だった義明に出た突然の左遷辞令は、片田舎での一販売部員というものであった。いったい何があったのだ!でも負けはしないぞ。きっと立ち直ってみせる。翌日から展開された強引な販売作戦。著者の体験にもとづく異色のサラリーマン青春小説。
1982年の三田誠広作品。初出は『小説すばる』。 以前に読んだのは、多分、十代の後半くらい。『やがて笛が鳴り、僕らの青春は終わる』では、人生をラグビーに例え、後悔しないように失敗を恐れずに思い切って挑戦しよう、というメッセージを感じたのに、この作品では出世に燃えながらも転落していく大手バイク会社のサ...続きを読むラリーマンを主人公に、そんなに頑張るな、肩の力を抜けよというメッセージを感じさせる。どちらもいい話だけど、じゃあ、結局、どうしたらいいんだ、という戸惑いは、中年になって再読してみてもありました。 『野生時代』の角川イズムか、『小説すばる』の集英社イズムか、という考えも浮かびましたが、読み解くとしたら『星の王子さま』と、作品のエピローグで書かれるテニスのサービスゲーム。主人公が営業成績を上げることだけ考え人間らしさを忘れていく姿は、『星の王子さま』で王子さまが出会うへんてこな大人を思わせ、営業マンと販売店の関係が王子さまと王子さまになつくキツネの関係を思わせます。 ラストのテニスは、人生をテニスの試合に例えた熱い応援。力んだショットは失敗、ポイントも取れず連続でゲームを落とした、ダブルフォルトが続いて対戦相手にマッチポイント、でも、まだ試合は終わってない、深呼吸して、頑張れ、という三田先生の思いを感じました。
上司の不祥事により自分も 片田舎に左遷された。それならそれで、ここで結果を出そう。 自分も頑張った。他の人も巻き込んだ。このままいけば、売上前年比200%増も可能だ……。 勝気な主人公は周囲の人間を 能力のない、つまらない人間と決めてかかり、そのなかで最大限努力する。俺はここから抜け出すと。 し...続きを読むかし、不幸にも大きな挫折がふりかかる。 「こんなに頑張っているのに…なぜうまくいかない…」 所長にさとされた。 「お前は若い。焦るな、といってもわからないだろう。 頑張りすぎたお前に言うのは酷だが、 やはりやり過ぎた。無理しすぎたんだ…。」 ここで主人公は今までの生き方を振り返る。つらい作業だ。 最後に気付いて希望を持つ。 「自分は、必ず、立ち直れる」 自分とは何かを問い、 挫折から絶望ではなく、再生へと向ける。
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三田誠広
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