新潮社の検索結果

  • ムッシュ・クラタ
    3.9
    戦前・戦後、新聞社のパリ特派員を勤め、フランス文化をこよなく愛して「ムッシュ・クラタ」と呼ばれた男。日本人の常識から逸脱した行動をとり、鼻持ちならないキザな奴と見られていた彼が、記者として赴いたフィリピンの戦場でしめしたダンディな強靱さを鮮やかに描いた表題作。ほかに夫婦の絆の裏表を鋭い人間観察で切り取った「晴着」「へんねし」「醜男」をおさめる中・短編集。
  • しぶちん
    3.4
    “しぶちん”とは大阪弁でケチン坊のことだが、ケチが陰にこもらない開放的な言い方である。19歳で伊勢の沢庵売りから大阪の材木問屋に奉公して財をなした山田万治郎は、“しぶまん”と呼ばれながらも、昭和初年に、商工会議所の議員に推薦される。大阪商人の金銭への執念を捉えた表題作の他、大阪富商の町、船場に憧れと執念をもやした女の一生を描く『船場狂い』など、全5編を収録する。
  • 家族場面
    3.5
    気がつけば、おれは石川五右衛門だった…。神出鬼没に時空を飛ぶ作家一家。読者を物語のブラックホールに突き落とし、ねじれた迷宮へと誘う表題作。被害者の遺族が死刑囚の刑を執行するという狂気の設定で、獄中で執筆し続けた囚人作家の断末魔を描く『天の一角』。長年の忍従に暴発した作家夫人の怒濤の糾弾を活写する法廷劇『妻の惑星』等、表現への熱い慟哭が刻まれた傑作7編。
  • 釣師・釣場
    -
    三崎・城ヶ島沖では老鯛釣名人の、甲州ではヤマメ釣名人の釣談義に耳を傾け、九十九里、水郷、尾道、最上川、奥日光、吉野川まで足を伸ばして釣、また釣に明け暮れる。釣が大好き、他人の釣を見るのも好きで、本名「満寿二」を筆名「鱒二」にしたという著者が、全国の釣場と釣師、竿師を訪ねて綴る、愉しい名紀行。
  • 駅前旅館
    3.6
    昭和30年代初頭、東京は上野駅前の団体旅館。子供のころから女中部屋で寝起きし、長じて番頭に納まった主人公が語る宿屋稼業の舞台裏。業界の符牒に始まり、お国による客の性質の違い、呼込みの手練手管……。美人おかみの飲み屋に集まる番頭仲間の奇妙な生態や、修学旅行の学生らが巻き起こす珍騒動を交えつつ、時代の波に飲み込まれていく老舗旅館の番頭たちの哀歓を描いた傑作ユーモア小説。
  • 螢川・泥の河
    4.2
    1巻506円 (税込)
    土佐堀川に浮かんだ船に母、姉と暮らす不思議な少年喜一と小二の信雄の短い交流を描いて感動を呼んだ太宰治賞受賞の傑作「泥の河」。北陸富山の春から夏への季節の移ろいの中に中三の竜夫の、父の死と淡い初恋を螢の大群の美しい輝きの中に描いた芥川賞受賞の名編「螢川」。
  • へそのない本
    -
    〈へそのない本〉の身体各部は次のとおりです。――1 野の花にふれて幼い頃の思い出や終戦直後のひもじかった青春の日々を語る花物語。 2 オホーツクの氷海をゆく航海日記などの紀行文。 3 女性の愛らしさと意地悪さを皮肉とユーモアで綴るエッセイ。 4 「宵」「童女」「うつろの中」「意地悪爺さん」等の空想の愉しさあるれる短い10の物語。――以上、郷愁と幻想にみちた一巻。
  • あくびノオト
    -
    1巻506円 (税込)
    夢想の世界に遊ぶ主人公の、現実とのくいちがいに生ずる悲哀をユーモラスに描いて苦い笑いを誘う『第三惑星ホラ株式会社』『少年と狼』『活動写真』等の物語。他に、なまけものやホラ吹きへの共感、沖縄紀行、医学生時代の思い出や精神科医としての体験、子供マンガへの愛着と無理解な大人への抗議、等々、あわただしい現代社会への批評の眼を、爽やかな笑いに包んだエッセイを収める。
  • 少将滋幹の母
    4.1
    八十歳になろうとする老大納言は、若い妻を甥の左大臣に奪われるが、妻への恋情が断ちきれず、死んでしまう。残された一人息子の胸にも幼くして別れた母の面影がいつも秘められていた――。平安期の古典に材をとり、母への永遠の慕情、老人の美女への執着を描き、さらに、肉体の妄執が理性を越えて、人間を愛欲の悩みに陥れるという谷崎文学の主要なテーマを深化させた作品。

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  • 果樹園のセレナーデ
    4.0
    荒廃した果樹園の古びたベンチにすわって、ひとり静かにヴァイオリンを奏でる美少女キルメニイ。悲運の母の偏愛ゆえに世間から隔絶された口のきけない少女に、大学を出て赴任してきた若い臨時教師エリックが真実の愛をそそぎ、奇蹟を起こす、この美しい愛の物語は、『赤毛のアン』で知られ、生涯青春の情熱を失わなかったモンゴメリ女史の実質的処女作。

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  • どくとるマンボウ昆虫記
    4.0
    虫に関する思い出や伝説や空想を自然の観察を織りまぜて語り、美醜さまざまの虫と人間が同居する地球の豊かさを味わえるエッセイ。

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  • 背中の勲章
    4.0
    1巻506円 (税込)
    昭和17年4月18日――太平洋上の哨戒線で敵機動艦隊を発見した特設監視艇・長渡丸の乗員は、玉砕を覚悟で配置につき、死の瞬間を待った。けれども中村一等水兵以下五名は、米軍の捕虜となり、背中にPWの文字のついた服を着せられて、アメリカ本土を転々としながら抑留生活をおくった――。運命のいたずらに哭く海の勇士の悲しい境涯を通して描く、小説太平洋戦争裏面史。

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  • 空白の戦記
    4.2
    闇に葬られた軍艦事故の恐るべき真相、「戦艦武蔵」の極秘設計図紛失事件の後日譚、悲しくも痛ましい沖縄決戦の秘話……。戦記文学に定評のある著者が、正史にのらない埋もれた戦争の真実を掘り起して、巨大な戦争の陰の部分に生きた人間たちのドラマを追求する戦争秘録小説集。「艦首切断」「顛覆」「敵前逃亡」「最後の特攻機」「太陽を見たい」「軍艦と少年」の六編を収録。

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  • ブランコのむこうで
    3.9
    ある日学校の帰り道に、「もうひとりのぼく」に出会った。鏡のむこうから抜け出てきたようなぼくにそっくりの顔。信じてもらえるかな。ぼくは目に見えない糸で引っぱられるように男の子のあとをつけていった。その子は長いこと歩いたあげく知らない家に入っていったんだ。そこでぼくも続いて中に入ろうとしたら……。少年の愉快で、不思議で、すばらしい冒険を描く長編ファンタジー。
  • 坂東蛍子、星空の下で夢を語る(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.0
    テロ事件の終結後、林間合宿の準備のために新型商業施設“バベル”を訪れた坂東蛍子。そこで彼女を待ち受けていたのは、超ウィザード級のハッカー望月嗚呼夜(ああや)からの殺害予告だった。凶行を阻止すべく奮闘する結城満。犯人確保に動く松任谷理一。だが、そんな彼らを嘲笑(あざわら)うかのように、蛍子は危機に陥り……。嗚呼夜の目的は何か。ハッカーの正体は。疾風怒濤の女子高生譚、ここに完結。
  • 君と過ごした嘘つきの秋 (新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.5
    風見高校に教育実習生がやって来た。友樹たち1年5組の教生・久遠寺絢子(くおんじあやこ)は女子大生作家であるとわかり、たちまち注目の的に。映画研究部はその小説の映画化を企画し、美少女の毬(まり)の出演も決まる。撮影が順調に進むなか、花壇に「骨」がばらまかれたことから、過去の落下事故が浮上する。恋愛、友情……十代の危うさが巻き起こす事件の真相とは? 風高5人組が挑む学園ミステリー!
  • 坂東蛍子、屋上にて仇敵を待つ(新潮文庫nex)
    値引きあり
    4.0
    坂東蛍子は桐ケ谷茉莉花が嫌いだった。容姿端麗、運動神経抜群にして、自分と並び称される彼女のことが許せなかった。だが、なぜ嫌いで許せないのか、判らなかった。故に、彼女は果たし状を書く。その日、学園二大スターは、屋上にて決闘する。校舎がお化け屋敷と化し、テロリストに占拠されようと、その程度の“事件”は少女達の青春をとめられない。疾風怒濤の女子高生譚、第二弾。
  • 大人の会話
    -
    どんな名探偵でも決して解決できないのが男と女のあいだの微妙な関係。そんな男と女が、時には洒落のめし、時には照れながら、そして真面目に語る大人の会話。プロンジーニ、フランシス、フリーマントル、マクドナルドなどの海外ミステリの睦言(ピロートーク)を俎上にのせて、男と女の機微を、鋭く、けれど優しい眼で浮き彫りにする、心優しい大人のための洒落たエッセイ。
  • 東京牛乳物語
    3.0
    牛乳屋版・人生劇場!! 武士からトラバーユした初代。和田の娘に一目惚れ!の堅実な2代目。呑気な長男と、働き者の娘婿、どちらが家業を? 押し寄せる時代の波と格闘した3代目。今では当たり前に飲まれている牛乳が「薬」から「毎朝一杯!」になるまでの和田家4代の涙と笑いの物語。
  • 元禄流行作家 わが西鶴
    -
    「わしは俳諧師という商人や」と豪語し、知恵才覚を駆使して版元を巧みに操ってゆく西鶴。「俳諧は興行や」といい、大坂住吉大社に人集めして昼夜ぶっつづけの矢数俳諧を行ない、世間を驚かせる西鶴。そんな彼が、芭蕉についに比肩することあたわず、俳諧へのこだわりをきっぱりと捨て、「好色一代男」をはじめとする浮世草紙作家へと変貌してゆくまで。――著者渾身の力作長編小説。
  • 文章心理学入門
    -
    「文章心理学とは何か」「文章心理学の原理」「現代文章の諸相」「作家の文章心理」「文章の創作心理」「文章の改善と心理学」「日本のレトリック」より成る。新聞、文学作品など種々の文章を例にあげながら、日本語の表現価値についての科学的な研究の諸成果と、そこから導き出される日本文改善の意見を提出すると同時に、読者の、自己の文章観と文章技術を向上させてくれる好入門書。
  • 男の日曜日
    -
    「男子、厨房に入らず」と言い出したのは、いったい、どこの、どいつだろう? 焚火にあたるのにもルールがある。知っていますか、そのルール?……一所懸命働いて、やっと休みの日曜日。サラリーマンにとって、遊ぶことは学ぶこと、学ぶことは遊ぶこと。家でゴロ寝じゃもったいない。どうして過そう日曜日。そんなサラリーマンに捧げる、どうすりゃいいの人間のための自立読本。
  • 鴎外 闘う家長
    -
    挫折しないことの不安におびえつつ、国家と共に至福の青春を生きてしまった森鴎外が、一切の社会的令名を拒否して死に至る凄絶な生涯。外的な役割も帰属の場所も信じられず、さりとて「子」の立場の甘えにも安んじることのなかった彼が、自己の内面の空虚に耐えた秘密は何だったか――。作家の生活と作品の間を照射することで、近代知識人論に画期的な視座を提起する、記念碑的評論。
  • もめん随筆
    -
    精錬された教養と女性の優しい情感が、木綿の着物の肌ざわりのような懐かしい感触で漂う作者の随筆は、夜ごとの憩いのひとときに快く気持をくつろがせてくれる。作者の清潔な人柄のよさは随所にたゆたい、読者の魂は無言のうちに清く浄化されるのである。「東京の女・大阪の女」「芥川さんのこと」「七月廿四日」などの随筆46篇に、詩集「楊柳詩」より10篇を選んでこれに加えた。
  • 出孤島記
    -
    南海の孤島にたてこもり、ベニヤ板で作られた“自殺艇”による絶望的な特攻作戦に従事する若い指揮官と180名の部下たち。死の呪縛のなかで出撃命令を待つ彼らの一触即発の極限的な状況を、人間の生と死の本質を見据えつつ、緊迫した文体と重いリアリティで捉えた戦記文学の名作「出孤島記」他、「格子の眼」「砂嘴の丘にて」「朝影」「夜の匂い」「子之吉の舌」「むかで」「冬の宿り」「川にて」。島尾文学の傑作全9編を収録。
  • 天からやって来た猫
    -
    多忙にかまけて、人生を雑に生きてきた新聞記者の浦野は、ふとしたきっかけで一匹の仔猫を貰いうけた。名前はパイ。煤けたような灰色の毛と短い尻尾をして、外観・動作は心細く、普通の猫のような知恵も阿諛も示さなかったが、その天性の自然な生き方は、バラバラだった一家の心をひとつに結び、多くのかけがえのない真実を教えてくれた。無類の愛猫家が贈る、涙と笑いの長編小説。
  • 自註鹿鳴集
    -
    歴史、美術への深い造詣を背景に、奈良の古寺、古仏を愛してのびやかに“やまとくにはら”へのつきない憧憬を詠みつづけた自然人、会津八一。万葉調を近代化した新鮮、独自の歌に、自ら平明詳細な註を付したこの歌集は、歌と自身の長く豊かな交流を読む人に語りかけて、会津八一の“詩と真実”ともいうべき最晩年の偉業である。
  • 言葉の海へ
    3.5
    国語の統一こそ一国の独立の標識なのだ。日本が近代国家となるためにも、一日も早くこの辞書を完成しなければならぬ……。子を失い、妻に先立たれながら、17年間を費し、遂に明治24年、大槻文彦はわが国初の近代的国語辞書『言海』を完成させた。〈近代国家・日本〉の確立に献身した一人の明治人の姿を、激動の時代に重ね合せて感動的に描き出す。大佛次郎賞・亀井勝一郎賞受賞。
  • シェイクスピア物語
    -
    ラム姉弟の「シェイクスピア物語」は、世に聞こえた名作である。原典は読まなくとも、1807年に刊行のこの本でシェイクスピア劇の筋とおもしろ味を知っている人は、欧米でも日本でも珍しくない。本書は「ハムレット」「真夏の夜の夢」「お気に召すまま」「ベニスの商人」「じゃじゃ馬ならし」「ロミオとジュリエット」「リヤ王」など12篇の、原典のせりふを生かし、シェイクスピアの時代の用語を巧みに駆使した物語を掲げる。年少の読者を考え、翻訳にも十分の考慮が払われている。
  • 無明長夜
    3.0
    “御本山”の黒い森をみつめて、白い闇の道を歩いた女の20年……。一種底の知れない、暗く混沌とした世界の中で、病める魂の咆哮を聞く芥川賞受賞作『無明長夜』。“捨てる”ことを根源に、自らの道を開こうとした著者の、戦後の出発を語る『豊原』。ほかに『寓話』『終りのない夜』など、新しい世代の世界とイメージを持って、多様な才能を遺憾なく発揮した作品群。ほか『静かな夏』『生きものたち』『わたしの恋の物語』全7編を収める。
  • 蔭桔梗
    3.9
    紋章上絵師の章次のもとに、かつて心を寄せあっていた女性から、二十年前と同じ蔭桔梗の紋入れの依頼があった。あの時は事情があって下職に回してしまったのだが、それは彼女が密かな願いをかけて託した紋入れだった……。微妙な愛のすれ違いを描き直木賞受賞作となった表題作はじめ、下町の職人世界と大人の男女の機微を、しっとりと描いた十一編の物語を収録する、珠玉の短編集。
  • 姦

    -
    1巻495円 (税込)
    土呂島には古代貴族の血を引くと伝えられる部族が住んでおり、奇妙なならわしが残っている。未婚のまま亡くなった女性は、高天原によみがえりができぬという。彼女らに施す「帰幽の法」とは……? 僻地に脈々と語り継がれて来た独特の因習とエロティシズムを見事に融合させた表題作「姦」をはじめ15篇の掌編小説を収録。
  • 井伏鱒二随聞
    -
    友を語れば青春が。先達を慕えば文学の軌跡が。交遊五十年の著者に、作家井伏鱒二氏が語るその日常、出生から現況まで。作品の行間が窺える貴重な対談を収録。さらに、著者による「井伏鱒二小伝」「作品ノート」等8編の評伝を読めば、今まで知らなかった井伏鱒二の一面を垣間見られる。
  • 秋津温泉
    -
    この秋津の町へ私は十七の初夏、伯母に連れられはじめてやって来た……。自然豊かな秋津の温泉宿を舞台に繰り広げられる、激しくも切ない愛の日々を描ききった作品。1962年に岡田茉莉子と長門裕之が主演し、吉田喜重監督の手で映画化された永遠の名作。
  • 好色覚え帳
    -
    「好色な小説家といわれる保坂庄助」の、好奇心あふれ、奇妙でいてしかも真剣な行動に託してくりひろげられる、現代風俗のカリカチュア。――“頓狂連”なる珍妙な仲間たちをひきいてとりおこなう赤線忌、寒詣りから、結婚相談所の見合い、近親相姦の村探訪記、乱交パーティの実地研究、女学校の運動会見物まで、黒メガネに映った虚実反転の世界を、諧謔諷刺まじえつつ描く連作長編。
  • うつむく女
    -
    肉体的に男性失格者である春画家の妻小夜子、良人に背かれて愛情のさめてゆく平凡な勤人の妻珠子――肉体的心理的に良人に不満な二女性の、男を求めて燃えあがる感情の爆発! 結婚生活への不信と疑惑を前提として、奇怪な夫婦関係、悽惨な愛欲のエゴ、無軌道な性の悲劇を、すさまじい迫力で大胆に描破した大作。
  • 充たされた生活
    -
    身よりのない27歳の新劇女優朝倉じゅん子は、3年におよぶ結婚生活を清算する。死んだ兄の同級生である劇作家、アパートの隣室に住んでいる学生運動家、妻と死に別れた俳優など、さまざまな男性を遍歴するが、じゅん子は結局、右翼暴力団に襲われた劇作家に自分の全身をあずける……。60年安保闘争を背景に現代人にとっての充実した生とは何かを追求する書下ろし長編。
  • 人間万事塞翁が丙午
    4.0
    呉服問屋が軒をつらねる東京・日本橋堀留町の仕出し弁当屋〈弁菊〉。人情味豊かであけっぴろげ、良くも悪くもにぎやかな下町に、21歳で嫁いできたハナは、さまざまな事件に出会いながらも、持ち前のヴァイタリティで乗り切ってゆく。――戦中から戦後へ、激動の時代をたくましく生きた庶民たちの哀歓を、自らの生家をモデルにいきいきと描き出した、笑いと感動の下町物語。直木賞受賞。
  • 勝負師語録
    -
    「バットは両腕の延長、だから執念さえあれば折れるはずがない」(長島茂雄)「あの挫折があったからこそ、三冠王になれた」(落合博満)「やられたら次にやりかえす。これが3番打者の極意だ」(秋山幸二)「相撲はイメージで取ります」(舞の海)「人生、楽ありゃ、苦もあるさあ」(武豊)。時代を超え、歳月をのりこえて、本当の言葉は胸の中に熱い感動を運んでくる。プロフェッショナル71人が勝負の世界の奥深さを語る名語録。
  • 幸福な家族
    3.4
    馬鈴薯や玉葱や南瓜に美を見いだして、あくことなく野菜の絵を描く老ドイツ語教師・佐田とその妻、聡明で個性的な息子、娘とその恋人たちが、人類の意志としての幸福を愛し、幸福を極めようとする、どこまでも素朴な善意を基調として構成された小説。彼らの周辺でさかんに交される、真情こもった当意即妙のユーモラスな会話は、読者の心を明るい希望で満たして尽きることはない。
  • 白百合の崖―山川登美子・歌と恋―
    -
    明治12年、福井県に生まれた山川登美子は与謝野鉄幹主宰の「明星」に参加、与謝野晶子と共に名花二輪と謳われる。登美子はその才能と美貌を“君が才をあまりに妬し”と晶子に詠ませながら、鉄幹への恋も、歌もあきらめ、親の定めた縁談に従う。――鉄幹・晶子の強烈な個性の陰でひっそりと散っていった登美子のあまりにも短い人生。同郷の歌人への深い共感を、愛惜をこめて綴る。
  • ドイル傑作集 失なわれた世界
    -
    ガゼット新聞記者マローンは愛人の理想の男性たらんとして、奇人チャレンジャ教授一行の南米探検隊に加わってアマゾン河上流の秘境に分け入る。同勢四人、未踏の森林地帯に入ればそこはダンテの地獄篇さながら、有史以前の怪獣奇獣たちが風を巻き起して人間どもに襲いかかってくる――ドイルの科学小説中の傑作である。
  • 日本むかしばなし集(一)
    4.3
    1~3巻495~605円 (税込)
    ぼたん雪のふりしきる冬の日、わなにかかっていた一羽の鶴が、貧しいまき売りの老人に助けられ、美しい布を織って恩がえしをする『ツルの恩がえし』ほか、心温まる日本の昔話の精粋39編を収録。遠いむかしから語りつがれてきた数々の伝承は、作者の清冽な心に洗われてほのぼのとした輝きを加え、大人と子供の世界の交流の場ともいうべき美しい夢想の境を構築している。
  • コリオレイナス
    -
    ヴォルサイ人との戦いでローマを勝利に導いたコリオレイナスは市民に英雄と讃えられ、執政官に推薦される。しかし執政官になるために避けては通れない慣習を受け入れられず、市民を敵に回してしまう。愛国心と自尊心の強さゆえ、コリオレイナスがたどる運命とは…シェイクスピアの名悲劇の一作。
  • 終着駅は始発駅
    4.0
    地図と時刻表をたずさえて、いざ、自由の旅へ! 「赤字線の乗りごこち」でローカル鈍行の旅ののびやかさを語り、「通勤電車もまた愉しからずや」では都会の鉄道に思いがけない魅力を発見する。さびた鉄路の上に歴史の跡をたどり、鉄道マニアの東奔西走の日常を軽妙に綴る。――鉄道ファンの眼がとらえた現代にっぽん鉄道事情。旅心とユーモアと、鉄道知識のあふれる楽しい一巻。
  • 随筆集 別れの歌
    -
    高原の風は美しく遠い想いをくしけずる。人生の往還に身をよせた樹陰の潤い、足をとめさせた事ども。信濃追分、堀辰雄、室生犀星の回想を中心にした、福永武彦初めての随筆集。
  • いつもと同じ春
    -
    1巻495円 (税込)
    百貨店の社長として烈しい競争の世界を疾駆し続ける〈私〉の胸に、ふと、引き裂くように自由への渇望がこみ上げる。そのような時にはまた、宿業を負った生い立ちから、理想に燃えて父に反逆した青年期が思い起こされる。――一族の血の重さに耐えつつ、ひたすらに事業を拡大し、なおしなやかな感性を保ち続けようとする生きざまを、驚くべき真率さで物語る。平林たい子文学賞受賞。
  • 源氏紙風船
    -
    「源氏物語」は、何ゆえ千年にもわたって絶えることなく読みつがれ、語りつがれてきたのか――。光源氏と彼をとりまくあまたの女、物語を飾る着物、美術工芸品などなど、舞台背景となる宴について、作者・紫式部のこと……。それぞれのテーマごとに、「源氏狂い」「源氏酔い」を自認する著者が、思いがけない角度から限りない優しさをこめて語る、くめども尽きぬ〈愛の古典〉の魅力。
  • 運命峠(一)
    -
    暗い出生の秘密をもつ孤高の青年剣士・秋月六郎太は、豊臣秀頼の遺子・秀也を育てあげることに、己れの生きる目的を見いだす。秀也の高貴にして薄幸なる生母・桂宮蓮子、しきりに暗躍する徳川の忍者、そして豊臣の残党。無敵の夕陽剣を体得した六郎太と対決する宮本武蔵、柳生一門……。登場人物の顔ぶれも多彩に、九州から江戸へと舞台はうつり、奇想天外な時代絵巻を展開する。全四巻。
  • 西方の音
    -
    時代小説家として名高い著者は、その一方で熱烈なHi-Fiマニアでもあった。その著者が、自ら手にしたレコードと再生装置について限りない愛情を込めて語る名エッセイ。『芸術新潮』誌に連載され、その紙価を高めたとも言われる音楽エッセイの代表作である。
  • 遭難者
    -
    1巻495円 (税込)
    真冬の海で遭難したヨットマンの蘇生感覚を描く「遭難者」。政治家の豪邸に火を放った右翼青年の人生の軌跡を追う「ある行為者の回想」、公人としてその生を全うしようとした男の初恋を描く「公人」のほか、「きょうだい」「パティという娼婦」の全5編を収録する。鮮烈な描写で人間の深層に迫る、珠玉の中編小説集。
  • 生還
    3.0
    ようやく仕事も軌道に乗り始めた矢先、40代の働き盛りの身で、末期癌の宣告を受けた男は、未知の治療法に賭け、ひとり海辺のマンションにこもった。家族を捨て、会社を捨てた凄絶な闘いの末、3年半後、男は奇跡的な生還を果たすのだが……。生と死のドラマを極限まで描破して、著者の力量を改めて示した、平林たい子賞受賞の表題作。ほかに「院内」「孤島」の短編2作を収録する。
  • 忘却の河
    4.4
    初老の小企業社長・藤代と、その妻で十年間寝たきりのゆき、二人の娘・美佐子と香代子の、それぞれに苦悩多い人生――。忘却の河に流し得ぬような各様の過去が四人に暗影を投げかけており、痛切な愛の挫折、愛の不在がある。主人公は、終章で北陸の海辺にある賽の河原に罪のあがないを見出すのだが、宗教なき日本人の、愛と孤独への救いを追究した、密度の高い連作長編小説である。
  • 南蛮阿房列車
    -
    1~2巻495円 (税込)
    気が短いくせに、なぜだかトロトロ走る汽車が好き。奇人・変人せき立てて、世界の列車に乗りに行く。お供するのは、お馴染みマンボウ、狐狸庵、それに幽霊、マダガスカル島の日本人村長さん……。何とも優雅で奇妙な旅です。でも、こんな旅もあるのです。煙に悩まされないのは、ちょっぴり残念ですが、文明批評も織りこんで詩情豊かに綴る、汽車キチ垂涎の当世風世界漫遊紀行。
  • 泣き虫なまいき石川啄木
    -
    東京・本郷の床屋の二階に間借りをし、貧窮と病気に苦悶する石川啄木。唯一の慰みに創作を続ける啄木を、「実人生の白兵戦の真っ只中」へと追いやる生きる苦しみの数々――。妻と母の確執、禅僧気取りの父、妻の家出と浮気の疑い、親友金田一との訣別……。人生の修羅場で呻吟する啄木の凄絶な晩年を、笑いと感動溢れる戯曲に昇華した表題作の他、「日の浦姫物語」を収録した戯曲集。
  • 筒井康隆劇場 ジーザス・クライスト・トリックスター
    -
    1巻495円 (税込)
    聖なる救世主か? はたまた狂気の騒動師か? 人類史上最大のトリックスター、イエス・キリストに、鬼才・筒井康隆が自作主演で挑んで演劇界に衝撃を与えた表題作。遺産争いのただ中にとび込んだ一人の男の奇怪至極な言動によって、すべての人間の欲の皮が引きはがされる『三月ウサギ』。ほかに一幕ものの傑作『人間狩り』『ジス・イズ・ジャパン』など狂気のエネルギーにみちた6編。

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  • 逃亡者
    -
    25年前、空襲の混乱にまぎれて刑務所を脱走した男を追っている刑事と、刑事の訪問で逃亡者にまつわる戦時中の記憶を蘇らせる守衛。二人の対話を通して、戦争の残影を凝視した表題作。子供のころに怪我をさせた人物から借金を強要され、それまで見向きもしなかったリベートに手を出してしまう男が、苦い胸中を吐露した「カカオ・フィーズの味」など、単行本未収録の8編を収める。

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  • 勇者は語らず
    -
    川奈自工の人事部長冬木と、その下請会社の社長山岡。かつて戦場で同じトラックに乗っていた二人を通し、戦後日本経済の勇者〈自動車産業〉の内部をリアルに重層的に描く。強大な力ゆえに海外から激しい非難の矢をあびせられながら、沈黙を守るメーカー。その下でより大きな沈黙を強いられる下請け。そんな構図の中に、戦後を生きぬいた日本人の縮図を透視した書下ろし長編小説。

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  • 魚影の群れ
    5.0
    1巻495円 (税込)
    漁師・房次郎は娘の登喜子に懇願され、彼女の恋人・俊一を不承不承船に乗せるが……。津軽海峡を舞台に、老練なマグロ釣りの孤絶の姿を描く表題作。四国の小島に異常発生した鼠と人間の凄絶な闘いの記録『海の鼠』。他に、美味ゆえに養殖される新種のカタツムリをめぐる滑稽な顛末『蝸牛』、名人気質の長良川の鵜匠の苦渋を綴る『鵜』など、動物を仲立ちとした傑作小説四編を収録。

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  • きまぐれフレンドシップPART1
    -
    1~2巻495~605円 (税込)
    SF同人誌『宇宙塵』時代の仲間、柴野拓美。今もなお師と仰ぐ大下宇陀児。著者がデビューして間もない頃の江戸川乱歩との交友。新進作家のグループ「他殺クラブ」の面々との懐かしい日々。数多くの自作にイラストをつけてくれた真鍋博。作家となって三十数年、ショートショートの第一人者でありつづけてきた著者が、少年時代から現在までに出会った人々とその作品を語る。
  • 今夜すきやきだよ
    無料あり
    4.4
    フリーの内装デザイナーとして働くあいこは、結婚願望が強く、今の彼氏と結婚したいと思っている。でも家事はまったくできなくて、「家庭的な理想の奥さん像」を求める彼とすれ違い気味。絵本作家のともこは、家事は得意だけれど、世の中の結婚や恋愛があまりピンとこない。「理想の結婚相手が見つかるまでの間、とりあえず私と結婚しようよ」正反対のあいことともこ、アラサー女子の二人暮らし。普通の結婚ってなんだろう?
  • 夏の約束、水の聲(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.0
    美しい海に囲まれた離島・玖輪島(くわじま)。客の出迎えに波止場で待つ民宿の息子・辰水(たつみ)の前に現れたのは、十五歳の少女・沙織だった。悩みを抱え、ひとりで島を訪れた沙織との淡い青春の日々は、夜の入江で「人魚」と出遭い、一変する。沙織の美しい身体を蝕む死の呪いを解くために、辰水は嵐の中を奔走する。迫る刻限、彼女の命を救えるか――。ひと夏の恋と冒険を描いた青春サスペンス。
  • チーズ屋マージュのとろける推理(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.2
    東京・神楽坂の路地に佇むレストラン、マージュ。イケメンシェフ、真沙流が出す絶品チーズ料理で人気の店だ。ここでウェイトレスとして働く美藻は、最悪な彼氏から逃れてきたワケアリ女子。ふたりは、ラクレットにフォンデュ、リゾットなど、おいしい一皿とともに、お客の抱える悩みやトラブルを解決に導いていく。だが真沙流にもまた、隠された秘密が……。極上のグルメミステリ。
  • 伯爵と成金―帝都マユズミ探偵研究所―(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.3
    大正情緒を引きずる昭和6年、1人の強欲成金が顔を赤いペンキで塗られた異様な死体となって発見された。冤罪を着せられた放蕩息子の牧野心太郎は、真犯人を捕まえるために、タダで探偵をするという奇特な伯爵家の次男坊・黛望(まゆずみのぞみ)を頼る。一方、巷では同様の死体が次々見つかり、「黒影法師」なる者の仕業と噂になっていた――。耽美と退廃が匂い立つ、帝都バディミッション開幕!
  • 次の電車が来るまえに(新潮文庫nex)
    値引きあり
    4.1
    列車はいつも、僕らの日々を運んでく。出会いも別れも、伝えたかった言葉も――。祖母と豊橋を訪れた美羽。「路面電車に乗りたい」という祖母の秘められた思いとは(「二十歳のおばあちゃん」)。故郷への新幹線で想起する父の記憶(「やまびこ」)、貨物列車をめぐる六年生の小さな冒険(「名島橋貨物列車クラブ」)など、心のつながりを描く人生のスケッチ、全5話。『四角い光の連なりが』改題。
  • 紫ノ宮沙霧のビブリオセラピー―夢音堂書店と秘密の本棚―(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.8
    洋館めいた店内に入ると、そこには壁一面の本と、書店には不釣り合いなドレスに身を包む美貌の女性――夢音堂書店の店主、紫ノ宮沙霧がいた。日常の繰り返しに飽き飽きしていた青年、書けない小説家、大好きな先輩との恋に夢中の、一見幸せそうな少女。彼らが抱えた切実な痛みと店主が差し出す本が出会うとき、圧倒的感動に包まれる、新感覚読書療法(ビブリオセラピー)小説。
  • ひとでちゃんに殺される(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.8
    宙を舞うスキー板が、地下鉄の鉄扉が、墜落する信号機が、次々と呪われた生徒の首を断つ……。怪死事件が相次ぐ教室に、謎の転校生がやって来た。「縦島ひとで、十六歳です」圧倒的な美貌で周囲を虜にし、匂い立つような闇を纏う彼女の正体は!? 助かるためには誰か一人を生贄に差し出すしかない――悪魔に魅入られた高校生たちが迫られる究極の命の選択。戦慄の学園サスペンスホラー。
  • 猫河原家の人びと―花嫁は名探偵―(新潮文庫nex)
    値引きあり
    4.0
    「爪噛温泉殺人事件」は波乱の幕開きだった。かおり姉が結婚宣言するわ、お相手は事件の〈第一容疑者になりやすい男〉だわ、新郎一家も曲者ぞろいで……。はたして、両家顔合わせの席で新郎父はのたまった「そもそも私は、名探偵というのが嫌いでね」。突如始まる推理バトル。猫河原家は勝てるのか。披露宴でも難事件発生、友紀の謎解きがピンチに。絶妙の伏線が冴える連作長編。
  • トリカブトの花言葉を教えて(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.0
    高校生の星哉は、片想いをしている。相手は祖母の経営するトランクルームの客で、年上の西条さん。最近、優しい彼女の様子がちょっとおかしい。誰かに憎しみを抱いているようだ。トランクルームに関する不思議な秘密を共有していても、西条さんのことを何も知らない――もどかしさを感じた星哉は、彼女の職場であるアートフラワー教室に潜入するが。恋と復讐が交錯する、青春ミステリ。
  • 青ノ果テ―花巻農芸高校地学部の夏―(新潮文庫nex)
    値引きあり
    4.0
    東京から深澤が転校してきて、何もかもおかしくなった。壮多は怪我で「鹿踊り部」のメンバーを外され、幼馴染みの七夏は突然姿を消した。そんな中、壮多は深澤と先輩の三人で宮沢賢治ゆかりの地を巡る自転車旅に出る。花巻から早池峰山、種山高原と走り抜け、三陸を回り岩手山、八幡平へ。僕たちの「答え」はその道の先に見つかるだろうか。「青」のきらめきを一瞬の夏に描く傑作。
  • デス・ストランディング―上巻―(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.5
    死者が生者を呑み込み、絶滅に至らしめる謎の現象「デス・ストランディング」によって、国家は崩壊し、人々は分断され孤立して生きていた。死の世界から帰還する能力を持つ伝説の配達人、サム・ポーター・ブリッジズは、育ての母である合衆国最後の大統領・ブリジットから、都市や人々を繋ぎアメリカを再建する任務を託される。ゲーム『DEATH STRANDING』完全ノベライズ!
  • HUMAN LOST 人間失格 ノベライズ(新潮文庫nex)
    値引きあり
    4.0
    昭和111年、日本は医療革命により死を克服し、GDP世界第1位の大国となった。体内ナノマシンをネットワークに繋ぎ、管理することで成立した無病長寿社会。だが、その陰で人が異形化するヒューマン・ロスト現象が起きていた。人間を「失格」しているという絶望。死への逃避を奪われた大庭葉藏は、その果てに何を見るのか。太宰治『人間失格』を原案とするSFアニメ、ノベライズ!
  • 犯人IAのインテリジェンス・アンプリファー―探偵AI 2―(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.4
    人工知能探偵・相以(あい)の驚異的な推理力に大敗を喫した以相(いあ)。復讐に燃える彼女は、人間の知能を増幅させ(Intelligence Amplification)完璧な共犯者を造り、相以に挑戦状を叩きつけた。ゴムボートで漂着した死体、密室で殺された漁協長、首相公邸内殺人事件。連鎖する不可解な事象を読み解く一筋の推理の紐は、なんと以相の仕掛けた恐るべきトリックの導火線だった!? 奇想とロジックが宙を舞う超絶推理バトル再燃。
  • スクールカースト殺人同窓会(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.6
    高校のスクールカースト上位にいた男女七人は卒業後もそれなりの日々を送っていた。同級生を笑いながらイジメ殺した、そんな過去なんて無かったかのように。だが彼らの元に突然、死者からの同窓会案内状が届く。誰が秘密をばらしたか。疑心暗鬼の中、次々に殺されていく同級生達。そして事件は意外な方向へ……。登場人物全員クズのノンストップ・リベンジ・マーダー・サスペンス!
  • 一生に一度のこの恋にタネも仕掛けもございません。(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.0
    彼氏いない歴=年齢の三十歳OL・印子が一目惚れしたのは、イケメンマジシャンのユウト。彼に近づきたい印子はなんと仕事を辞めてマジックの世界へ。でも誰かに愛されたことのない臆病な心は暴走し、印子は彼の前から逃げ出してしまう。そしてユウトにも彼女を追えない理由があった。憧れという目隠しを取って本気で人を好きになる、最高の両片想い小説! 『オレンジシルク』改題。
  • R.E.D. 警察庁特殊防犯対策官室(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.5
    東京オリンピックの後、急激に治安が悪化した首都。大量の難民の発生と過激派の台頭とともに多発するテロ計画を察知し、未然に鎮圧すべく、総理直轄・女性6名の特殊捜査班、通称「R.E.D.」が警察庁に設立された。謎のテロリスト〈勿忘草(ワスレナグサ)〉を追う彼女たちは、副総理と警視総監が絡む政官業巨大疑獄の影を捉える。元警察庁キャリアのみが描けるリアル。警察小説の新機軸がここに誕生。
  • 死神もたまには間違えるものです。(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.8
    平凡な会社員の高梨広(たかなしひろし)が乗る路線バスが、急停車した。幸い大事故には至らず怪我も軽い。だが余見透(よみとおる)と名乗る男が現れ、既に死んでいると言われてしまう。同乗していた他の人々――女子高生、定年退職した男性、イケメン僧侶も集められ、やはり死んでいると告げられる。余見は死神として、全員をあの世に送ると主張するが、高梨に対しては……。死神の冒したミスと、驚きの結末!
  • 生存賭博(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.4
    二十世紀後半、ドイツ中部の地方都市に突如出現した怪物“月硝子(ディブーム)”。同市に隔離された市民は、五十年の時の中で、人間と怪物の戦いをギャンブル「生存賭博」として娯楽産業化した。賭けで生計を立てる少女、琉璃=A・ミュンヒハウゼンはある日、謎の甲冑騎士が月硝子を壊滅させたことを知る。それは狂乱を貪る都市の崩壊を告げる事件だった……。極限の欲望を描く、近未来エンタメ。
  • 大神兄弟探偵社(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.5
    美術館から時価20億円の絵画が盗まれた。学芸員に容疑が掛かるなか、その妹と親しい大学生・城戸友彦は力になりたいと、神楽坂の路地裏に佇む探偵事務所を訪れた。慇懃無礼(いんぎんぶれい)な青年所長が提示した依頼料はなんと3000万円。払えるはずもない額の代償に、その日から仲間になる友彦。狼の如く悪党を追いつめる彼らと共に闇の組織に潜入するのだが――男4人が挑む超弩級ミッション開幕!
  • 創薬探偵から祝福を(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.6
    創薬チーム、それは原因不明の難病奇病に苦しむ者の最後の望み。主治医からの依頼を受け、限られた時間内に病のメカニズムを解明、対応する新薬を創造して患者を助けるのが彼らの役割だ。調査担当の薬師寺千佳と化学合成の鬼才・遠藤宗史。ふたりは、数々の難題をクリアして得た成果で、ある女性を救おうとしているのだが――。化学×人間ドラマ。ミステリの新たな扉が開かれる。
  • その白さえ嘘だとしても(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.9
    クリスマスを目前に控えた階段島を事件が襲う。インターネット通販が使えない――。物資を外部に依存する島のライフラインは、ある日突然、遮断された。犯人とされるハッカーを追う真辺由宇。後輩女子のためにヴァイオリンの弦を探す佐々岡。島の七不思議に巻き込まれる水谷。そしてイヴ、各々の物語が交差するとき、七草は階段島最大の謎と対峙する。心を穿つ青春ミステリ、第2弾。
  • 消えない夏に僕らはいる(新潮文庫nex)
    値引きあり
    3.4
    5年前、響(ひびき)の暮らす田舎町に、都会の小学生たちが校外学習で訪れた。同学年の5年生と言葉を交わすうち、彼らを廃校に案内する。きもだめしをすることになった響たちは、ある事件に遭遇し、一人の女子が大怪我を負ってしまう。責任を感じ、忌まわしい記憶を封印した響だが高校生活に希望を抱くなか、あの日の彼らと同じクラスで再会する――少年少女の鮮烈な季節を描く、青春冒険譚。
  • グ、ア、ム(新潮文庫)
    3.6
    北陸育ちの姉妹。長女は大学を出たもののバイト生活を送る、いわゆる「ワーキングプア」。そんな姉を反面教師にした次女は、高卒で信用金庫に就職。姉妹は母も交えた女三人でグアム旅行に出かけることになるが、長女の身勝手な行動のせいで、早くも旅は不穏なムードに……。時代の理不尽、血の繋がった女同士のうっとうしさを、シニカルな筆致で笑い飛ばす、奇妙で痛快なホームドラマ。
  • パーマネント野ばら(新潮文庫)
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 港町にひとつの美容院、「パーマネント野ばら」。ここは女のザンゲ室。まいにち村の女たちが、恋にまつわる小さな嘘や記憶を告白していく。昨日男に裏切られ泣いたとしても、明日また男を愛しくおもう女の不思議。ずっと好きより、いま大好きの瞬間を逃したくない女の謎。俗っぽくてだめだめな恋にもひそむ、可愛くて神聖なきらきらをすくいあげた、叙情的作品の最高傑作。
  • 水無月の墓
    3.5
    偶然通りかかった、阿久津との思い出の場所。そこで私たちは出会い、恋に落ちたのだ――。18年前に事故死した男との愛の日々を記憶によみがえらせたその日の晩、突然かかってきた電話の主は……。不思議で怖く、どこか懐かしい「異界」への扉を開く幻想小説8編。夢と現実、現在と過去、そして生と死があやなす小池真理子の妖しくも美しき世界へ、これからあなたをご案内いたします。
  • 柩の中の猫
    3.8
    東京郊外に暮らす美術大学の講師、川久保悟郎。その娘でララという名の猫にだけ心を開く孤独な少女、桃子。そして、家庭教師として川久保家にやってきた画家志望の雅代。微妙な緊張を抱きながらもバランスのとれた三人の生活はそれなりに平穏だった。そう、あの日、あの女が現れるまでは……丹念に描かれた心の襞と悲劇的なツイストが光る心理サスペンス。
  • ひょうたんから空―ミタカ シリーズ2―
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人間くさくてノーテンキなミタカは、あいかわらず家族の一員のようにいつもいる。三月、南向きのぬれ縁に何か植えようか、と相談していると、家出中のパパが帰ってきた。そこで、みんなでひょうたんを作った―何かを愛する時、愛するものがある時、愛していいものがある時、人はやさしくなる。そしてそのやさしさは、ただやさしい。「ミタカくんと私」に続く、ナミコとミタカのつれづれ日常小説。 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
  • ヘタウマな愛
    4.0
    遺影となった女房が微笑んでいる。俺は涙を止められなかった――。郷里の長崎で知り合った俺と女房は東京で再会。初デート、同棲時代、結婚生活、漫画家デビュー、芸能活動、賭け麻雀で逮捕……。いつも傍で支えてくれた女房のいない毎日が、こんなに淋しいなんて。ひとりぼっちじゃ生きられんから、新しい嫁さんが欲しい……。自由人・蛭子能収が綴る前妻との30年。感涙の回想記。
  • スクールアタック・シンドローム
    4.0
    崇史は、俺が十五ん時の子供だ。今は別々に暮らしている。奴がノートに殺害計画を記していると聞いた俺は、崇史に会いに中学校を訪れた。恐るべき学校襲撃事件から始まった暴力の伝染――。ついにその波は、ここまでおし寄せてきたのだ(表題作)。混沌が支配する世界に捧げられた、書下ろし問題作「ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート」を併録した〈ダーク&ポップ〉な作品集!
  • 野性の呼び声
    4.5
    ゴールド・ラッシュ時代、セント・バーナードとシェパードの血をうけた飼犬バックは、ある日、邸から盗み出され、アラスカ氷原へと連れてゆかれた。そこには、橇犬(そりいぬ)としての苛酷な日々が待っていた。きびしい自然と、人間の容赦ないむちの響きに、バックの野性はめざめてゆく。数年後、広い峡谷を駆けてゆく狼の一群のなかに、毛並みのふさふさとしたたくましいバックの姿が見られた――。
  • マンボウ 最後の大バクチ
    3.5
    鬱病で寝込むこと十年、ようやく元気になったのはよかったが、いきおいあまって、人生最後の躁病を発症してしまったマンボウ氏。老いてなお盛んな躁病に、ギャンブル三昧の旅が始まった。「猛獣使い」の女性編集者、スーパー元気な娘を相棒に、上山競馬場、大井競馬場、平和島競艇とバクチ熱は急上昇、果ては韓国のカジノまで遠征することに。狂乱バブルのギャンブル紀行エッセイ。
  • マンボウ 恐妻記
    3.7
    文学を志し、家庭は顧みず、結構モテて、わがまま放題。そんな夫にも優しく尽くす、十歳年下の若い妻。ハンブルクで出会って結ばれた二人の新婚生活は、圧倒的な亭主関白モードで始まる。しかし躁病をきっかけにエスカレートした夫の蛮行には妻もブチ切れ、ついに大逆襲に――。淑やかだった妻を鍛えた、壮絶なる四十年の結婚生活を回顧する、愛情エッセイ。『マンボウ愛妻記』改題。
  • 黒猫・アッシャー家の崩壊―ポー短編集I ゴシック編―
    3.6
    詩人であり、批評家であり、推理小説の祖であり、SF、ホラー、ゴシック等々と広いジャンルに不滅の作品の数々を残したポー。だがその人生といえば、愛妻を病で失い、酒と麻薬に浸り、文学的評価も受けられず、極貧のまま、40歳で路上で生を終えた――。孤高の作家の昏い魂を写したかのようなゴシック色の強い作品を中心に、代表作中の代表作6編を新訳で収録。生誕200年記念。
  • 断崖、その冬の
    3.5
    西田枝美子は「北陽放送」の看板アナウンサー。「ミス北陽」と謳われた美人である。その枝美子も、今年で三十四歳。冷たく澱んだ北陸の冬は、身辺にも迫ってきた。ラジオへの転属をほのめかされ、孤独を味わう日々。が、そこへ一人の男が現れた。六歳年下のプロ野球選手の志村は、若く荒々しく甘美な情熱で枝美子を虜にする。その冬の終わり、男は枝美子の希望そのものであった。
  • 胡桃の家
    3.5
    正月に帰省した槇子は、生家が取壊され、テナントビルにされると聞かされた。胡桃の油で磨かれ黒光りする柱を眺め、柱に染みこんだ代々の女たちの思いを思うと、槇子は不意に自分の家を建てたい衝動にかられるのだった。女と家の共生関係を描いた表題作、学生時代の友人への複雑な感情を扱った「女ともだち」、煙草と男への拘りを語る「シガレット・ライフ」など4編を収めた短編集。
  • 巴里茫々
    3.0
    1巻484円 (税込)
    古い歴史と街並と親しい友人との憶い出が重なる、懐かしい都会、巴里――『どくとるマンボウ航海記』時代のパリを舞台に、若き日に思いをはせる表題作。山岳小説の傑作『白きたおやかな峰』で描いたカラコルム――その地を二十六年ぶりに再訪し、参加した登山隊で出会った心優しき案内人を探し当てる「カラコルムふたたび」。二つの旅の記憶が走馬灯のように甦る、詩情溢れる二編。
  • ある一日
    3.8
    「予定日まで来たいうのは、お祝い事や」。にぎやかな錦市場のアーケードを、慎二と園子は、お祝いの夕食にと、はもを探して歩いた。五年前には、五ヶ月でお腹の赤ちゃんの心音が聞こえなくなったことがある。今回は、十ヶ月をかけて隆起する火山のようにふくらんでいった園子の腹。慎二と迎えたその瞬間、園子に大波が打ち寄せた――。新たな「いのち」の誕生。その奇蹟を描く物語。
  • ダメージ―そこからはじまるもの―
    3.7
    「まず、傷ついている自分を認める。どんなに好きな人であっても、傷ついて泣いている自分を受け容れること――」。女性の心理を書かせたらピカイチの著者が、あなたを慰め、叱り、元気づける。20代の女性なら誰もが抱える恋愛や友情、人生の悩みに、乃南さんが真摯に向き合って語りました。エッセイのようにも小説のようにも読める、そんな深い味わいが魅力の傑作モノローグ集。
  • セックス放浪記
    3.8
    この世界が用意するのは、思考停止のハッピーエンドだ。静かな諦観とともに人生を受け入れ、無為な戦いを放棄する――そんなハッピーエンド、私はいらない。安住を拒み続ける女王が新たに狙いを定めた先は、新宿二丁目ウリセンバーでセックスを売る男の子たち。お金で買った彼らとの関係に、本物の恋愛は生まれるのか? 欲情地獄のさらなる深みに到達した、飽くなき絶望の放浪記。
  • 孤独な夜のココア
    4.0
    察しの悪い恋人にいつもイライラしている〈かおり〉、からかい半分の同僚の言葉を信じ、男性に大きなバースディーケーキを贈るケチな32歳の〈ちさ〉、年下の男性に恋をし、エープリルフールに妊娠を告げる〈和田サン〉。大人の女性の恋愛を、辛くも優しく描写した12の珠玉短編集。

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