人間ぎらい

人間ぎらい

小説・文芸
539円 (税込)

2pt

主人公のアルセストは世間知らずの純真な青年貴族であり、虚偽に満ちた社交界に激しい憤りさえいだいているが、皮肉にも彼は社交界の悪風に染まったコケットな未亡人、セリメーヌを恋してしまう――。誠実であろうとするがゆえに俗世間との調和を失い、恋にも破れて人間ぎらいになってゆくアルセストの悲劇を、涙と笑いの中に描いた、作者の性格喜劇の随一とされる傑作。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    人間ぎらい
  • タイトルID
    :
    364103
  • 電子版発売日
    :
    2016年03月18日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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人間ぎらい のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    この人間ぎらいの主人公、卑屈な性格から想像するに絶対にイケメンではないのだと思う。が、仮に超絶イケメンで内面がこんなにダメダメだとしたらもう少しだけ物語は変わっていたのだろうか、と想像すると少し面白い。

    0
    2025年12月08日

    Posted by ブクログ

    自分を曲げることができないアルセスト。だけど、恋には逆らうことができない人間らしさに安心した。

    喜劇だけど、悲劇的

    0
    2015年05月07日

    Posted by ブクログ

    一見飄々と書き上げたかの作品に見えるが、喜劇と悲劇という対極に位置する両者を苦も無く流麗に調和させる技術は物語の書き手なら誰もが嫉妬を禁じえない喫驚の一言。かのゲーテが本作を読んでモリエールに会う事を渇望したというのも頷ける至極の戯曲作品。

    0
    2018年11月15日

    Posted by ブクログ

    モリエール随一の傑作とされる性格喜劇。若気の至りの塊のような青年アルセストが人間嫌いになっていく様を、ユーモアとペーソスたっぷりに描いていてほほえましい。理解してくれる友人がいて君は幸せだよ!

    0
    2011年09月04日

    Posted by ブクログ

    モリエールにはまったきっかけ。タイトルに惹かれて手にとってみれば、まあ面白い。高校生のうちに出会えてよかった。数作品読んだ今もモリエールの中では一番好き。

    0
    2011年05月22日

    Posted by ブクログ

    ロドリーグ。騎士。名門の家。恋人シメーヌ。ある日、ロドリーグの父親が、シメーヌの父親からビンタされる。ロドリーグは父親から「(私をビンタした)シメーヌの父親を殺して名誉を回復するのだ」と依頼される。ロドリーグは、シメーヌの父親を決闘の末、殺害。ロドリーグはシメーヌの館を訪れて、自分を殺せと迫るが、シメーヌは躊躇する。ピエール・コルネイユCorneille『ル・シッド(勇者)』1636 悲劇

    生のどの瞬間も、死への一歩である。ピエール・コルネイユCorneille

    トロイア戦争でトロイアはギリシアに滅ぼされる▼アンドロマック(アンドロマケ)。女。夫(トロイア王子)がアキレウス(ギリシア)に殺され、幼い息子と共にアキレウスの子ピリュスの奴隷になっている。ギリシア側は「アンドロマックの幼い息子がいずれ殺された父の仇を取るため、ギリシアに反旗をひるがえすかもしれない。今のうちに殺しておこう」と考え、ピリュスに「アンドロマックの息子を引き渡せ」と指示。ピュリスはいったん拒否して、アンドロマックに言う。「私と結婚しろ、さもなくば、お前の息子を引き渡す」。アンドロマックは仕方なく、好きでもないピュリスとの結婚を承諾▼エルミオーヌ。女。ピリュスの婚約者。結婚を約束していたピリュスが、別の女アンドロマックに夢中になり、婚約を破棄したことに怒り心頭。ピュリスを奪ったアンドロマック殺害をオレスト(アガメムノンの子)に依頼。オレストはピリュスを殺害。ジャン・ラシーヌRacine『アンドロマック』1667
    ※オレストはエルミオーヌを愛し、エルミオーヌはピリュスを愛し、ピリュスはアンドロマックを愛し、アンドロマックは夫エクトールと息子アスティアナクスを愛す。

    フェードル。アテネ王テゼの妃▼大きな罪の前には、取るに足らぬ罪がある。ジャン・ラシーヌRacine『フェードル』1677

    金曜日に笑う者は土曜日には泣くだろう。ジャン・ラシーヌRacine『訴訟人』

    ※コルネイユはあるべき人間の姿を描き、ラシーヌはあるがままの人間の姿を描いた。

    +++++++++++++

    タルテュフ。貧しい青年。似非宗教家。表向きは善人のふりをして、お人好しの富豪オルゴンに接近、裏でオルゴンの財産や美人妻(エルミール)を奪い取ろうとする。周りの家族はオルゴンに「タルテュフは偽善者、騙されてはいけない」と訴えるが、オルゴンは聞く耳を持たない。オルゴンは、「善良な」タルテュフを悪く言う実の息子を勘当、タルテュフに全財産を贈与することを約束してしまう。そこでオルゴンの美人妻は夫をテーブルの下に隠れさせ、夫がいないと見せかけて、タルテュフに色仕掛け、タルテュフの正体を夫オルゴンに示す。オルゴンはタルテュフを追い出そうとするが、タルテュフはオルゴンの醜聞を元にオルゴンを告訴。しかし、”人心をよく理解されている国王陛下”の裁量で、タルテュフは逮捕される。モリエール『タルテュフ--ぺてん師』1664
    ※ルイ14時代、ヴェルサイユ宮殿で初演
    ※タルテュフ→ジュリアン(赤と黒)

    アルセスト。貴族の青年。社交辞令やお世辞が許せない。虚飾が許せない。偽善者がきらい。不正が許せない。過度の潔癖。アルセストは、セリメーヌという美人(未亡人)に恋をするが、セリメーヌはモテモテで、色んな男に言い寄られている。アルセストは「複数の男に優しくしたり、気のある素振りをしないでくれ」と潔癖を発動するが、セリメーヌに軽くあしらわれる。アルセストはセリメーヌに「俗世間から離れて一緒に暮らそう」と持ちかけるも「年寄りでもあるまいし」と断られ失望する。モリエールMolière『人間ぎらい--怒りっぽい恋人』1666
    〇オロント。男。セリメーヌに恋。
    〇アカスト侯爵。男。セリメーヌに恋。
    〇クリタンドル侯爵。男。セリメーヌに恋。
    〇アルシノエ。女。アルセストに恋。セリメーヌの友人。男にモテるセリメーヌに嫉妬。
    〇エリアント。女。アルセストに恋。セリメーヌの従妹。
    〇フィラント。アルセストの友人。誰にでも愛想がいい。
    * 社会の「偽善」への嫌悪、理想(正直さ・純粋さ)と現実のズレ cf. キャッチャーインザライ

    アルパゴン。老人。高利貸し。けち。拝金主義。息子の恋人に一目惚れし、強引に奪う。モリエールMolière『守銭奴』1668
    〇クレアント。アルパゴンの息子。
    〇エリーズ。アルパゴンの娘。使用人ヴァレールと恋仲。
    〇アンセルム。アルパゴンが娘エリーズを結婚させようとする。ヴァレールとマリアーヌの父。
    〇ヴァレール。アルパゴンの使用人。
    〇マリアーヌ。息子の恋人。ヴァレールの妹。

    結婚の契約をしてからでなければ恋をしないというのは、小説を終わりから読み始めるようなものだ。▼満足は富にまさる。モリエール

    +++++++++

    シャルトル嬢。女。16歳。貞操観念が強い。年の離れたクレーヴ大公と結婚するも、舞踏会で出会った美青年ヌムール公に一目惚れしてしまう。女は夫であるクレーヴ公にヌムール公を好きになってしまったことを正直に伝え、ヌムール公から離れるために宮廷から離れた田舎の館に住みたいと申し出る。しかし、ヌムール公は田舎の館を訪れ、遠目からこっそり眺めていた。クレーヴ大公は妻とヌムール公が密会していると勘違いし、ショックで死んでしまう。ヌムール公は改めて娘に求婚するが、娘は拒絶し、修道院に入る。ラ・ファイエット夫人『クレーヴの奥方』1678 
    ※軍人・政治家ラ・ファイエット(1757-1834)は18世紀の人。
    ※宮廷では表面だけで判断してはいけない。らしく見える、だけである。

    シュヴァリエ・デ・グリュー。青年。名家の生まれ。学業優秀。慎み深い。内気。マノンという妖艶な美少女と恋仲に。シュバリエとマノンは共謀して、隣人の司税官や女好きの老人を誘惑して金を巻き上げていく。破天荒な生活。ついに二人は逮捕される。出所後、二人は仏の植民地(現在の米ニューオリンズ)の小さな村でつつましく暮らし始める。が、シュヴァリエは、マノンに言い寄る村長の息子と喧嘩になり、負傷させてしまう。二人はアメリカの荒野を逃走するが、マノンが飢えと寒さで体調を崩して死ぬ。シュバリエは失意の中、フランスに帰る。アベ・プレヴォPrévost『マノン・レスコー』1731 ※聖職者なので「アベabbé=神父」
    〇チベルジュ。シュバリエの良き友人。堕落していくシュバリエを改心させようとする。
    ※ファム・ファタール。

    メルトイユ夫人。性悪女。知り合いのヴォランジュ夫人が大嫌い。ある日、嫌いなヴォランジュ夫人の娘セシル(15歳)が婚約したこと知り、セシルを破滅させてやろうと、性に奔放な男ヴァルモンにセシルを誘惑するよう仕向ける。ヴァルモンはセシルの部屋に忍び込み、言葉巧みにそそのかし、性的関係をもつ。セシルは妊娠するが流産、修道女となる。一方、メルトイユ夫人はその鬼畜の所業が暴露され、非難の的となり、天然痘に罹って美貌を失い、さらに財産も失う。ピエール・ショデルロ・ド・ラクロLaclos『危険な関係』1782
    ※メルトイユ夫人は「女タルテュフ」とも。

    少女ヴィルジニーと少年ポール。島の自然の中で幸せに暮らしている。が、ヴィルジニーがパリの学校へ行くことに。ヴィルジニーは都会での生活に慣れず、2年ぶりに島へ帰ろうとするが、船が難破して溺死。それを知ったポールは絶望して自殺。サン=ピエールSaint-Pierre『ポールとヴィルジニー』1788

    ジュリエット。孤児の娘。悪徳。性に奔放、残酷、神を恐れない。パリの犯罪愛好協会の一員になるが、フランスの人口の三分のニを餓死させる計画を聞き、さすがに躊躇。パリ南西の町アンジェに逃げ、ある男と結婚、娘が生まれるが、単調な生活に嫌気がさし、夫を毒殺、財産を奪い、イタリアへ逃亡。ロシア人ミンスキー(少年少女を拷問・強姦・虐殺して肉を喰う巨漢の男)から金を奪い、イタリア各地で快楽と悪行を尽くす。パリに帰り、実の娘を拷問、火に投げ入れて焼き殺す。さらに生き別れた妹を雷雨で落雷死させる▼悪徳は自然の本質であり、人間の一切は悪徳。マルキ・ド・サドSade『ジュリエット物語あるいは悪徳の栄え』1797 ※発表後、風俗を乱したとして逮捕、精神病院に監禁される。
    ●ジュリエット。姉。淫蕩。性に奔放。悪徳。
    〇ジュスティーヌ。妹。貞淑。節操が堅い。美徳。
    ●クレアウィル。夫人。ジュリエットの友人。悪徳を肯定。
    ●ノアルスイユ。放蕩。ジュリエットを庇護。
    ●サン・フォン。大臣。ジュリエットに惚れる。
    〇ラ・デュラン。魔術師の女。運命の予言。

    アドルフ。男。22歳。冷笑家。孤独を愛しながら孤独に堪えられず、人と交わってみるが長く続かない。けだるい日々。ある時、アドルフは倦怠感を紛らわすため、愛してもいない女エレノールに近づき、付き合う。女がアドルフに献身的な愛を捧げると、アドルフは女を重荷に感じ、別れを切り出す。女は失意のあまり死んでしまう。望んでいた自由が、アドルフに重くのしかかる。バンジャマン・コンスタンConstant『アドルフ』1816 cf. 現代の英雄、オブローモフ

    ++++++++++++++++++

    ヴォイツェク。男。下級兵士。貧困。医療被験者のバイト。内縁の妻と子がいる。ある日、ヴォイツェクは妻がヴォイツェックの同僚の男と踊る姿を目にする。ヴォイツェックは「あの女を殺せ」という声を聞き、ナイフを購入、夜、妻を沼地に連れ出して殺害。空には赤い月が出ていた。ゲオルク・ビューヒナーBüchner『ヴォイツェク』1835 ※ドイツ、悲劇

    0
    2026年05月04日

    Posted by ブクログ

    面白い。
    おべっかや飾り立てた大仰な言葉遣い、本心とは異なる表面上の友情と愛情で満ち満ちた社会を嫌うアルセスト。
    「嘘をつくと蕁麻疹が出る(これは違国日記の高代槙生)」かのような彼は、真実の見えない厚化粧な社交界を嫌う。つまりは「人間嫌い」ということだろう。

    しかしそんな彼も「恋ってやつぁ、理性じゃどうにもならないんでね」と、本来彼が憎む部類の女性に恋をする。その様は、自分の主張を偽らず世間が嫌いだと言って憚らない頑固で一本気な彼らしく、大いに気狂いじみている。

    馬鹿馬鹿しい世間とアルセストの対比というのを基調に、それらをさらに、馬鹿馬鹿しくしかし哀れなほど真剣に恋しているアルセストの様と対比させることで、あるスケールでは喜劇、あるスケールでは悲劇、と深みがでている。

    この舞台、みてみたいなあ

    0
    2023年04月23日

    Posted by ブクログ

    本音と建前を弁え、言葉を並び立てて"良識"のある人間として振る舞う社交界貴族達の言動も、言葉や気遣いで固めた人間の心の醜さに耐えられず、真っ向から反発する青年アルセストの言動も喜劇として見ると滑稽でおかしい。が、それはくすぐられるようなおかしさではなく、痛切な余韻を残すおかしさである。喜劇と悲劇の表裏一体を描いており、これが喜劇の随一とされるゆえんかと感じた。

    0
    2021年02月26日

    Posted by ブクログ

    久しぶりに古典を読んだ。さくっと読めるので良い。とても皮肉のきいた作品。いつの時代も悪口は人間関係を強固にする手段だったのだなあと悲しくなるし、そんなもんかとも思う。

    0
    2020年01月13日

    Posted by ブクログ

    純心な主人公アルセストが、自分の最も嫌うつくろいの社会の色に染まったセリエーヌにのめり込む。恋に破れ人間嫌いとなって隠遁することを決意する。1640年代の作品だが現代にも通ずる物語。2018.7.7

    0
    2018年07月07日

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 海外小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    人間ぎらい
  • タイトルID
    :
    364103
  • 電子版発売日
    :
    2016年03月18日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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