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かつて囲碁の「名人」は、最強の棋士ただ一人に与えられる終身制の称号だった。昭和十三年、最後の終身名人にして「不敗の名人」と呼ばれた本因坊秀哉は、自身の「引退碁」として、若手の大竹七段から挑戦を受ける。秀哉名人は六十五歳、病を押しての対局は半年に及んだ。緊迫した応酬が続く闘いに、罠を仕掛けたのは……。命を削って碁を打ち続ける、痩躯の老名人の姿を描いた珠玉の名作。(解説・山本健吉、新井素子)
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Posted by ブクログ
最後の名人・本因坊秀哉の引退碁の模様を小説の形に仕上げた一作。 淡々とした筆致が、逆に名人の芸道を極め勝負に生きる姿を強烈に映し出している。引退碁に挑む孤高の姿に、思わず胸が熱くなった。
読書は娯楽。なので教科書で名を知った作家さんには手を出さずにいました。将棋にはまったときに、河口俊彦「一局の将棋一回の人生」を読み、そこにこの川端康成「名人」が紹介されております。 いつか読んでみようと思ってから30年経ってます。我ながらよく覚えていたなと感心します。 囲碁の知識はないですが、名人...続きを読むと七段の引退戦に惹き込まれました。囲碁の中身は分からずとも一手にかける棋士の凄みが淡々と書かれています。 明治ー昭和初期の時代背景があり、現代とはまるで別の世のようです。 あとがき解説を読み、この作品が作者の人生に於いても重い意味のある作品であったのではと思います。 川端康成という人物への興味が深まります。他の作品もぜひ手に取りたいと思います。
後半勝負が佳境になるにつれてどんどんおもしろくなっていった……すごいなぁ。読み終わってから本当の話だということに気付いた…… ちなみに碁はルールも怪しいくらいわからない……笑 わたしも、芸事のあり方に人間性が出るとは必ずしも思わないけれど、しかし人の営みであるよなぁとしみじみ思わされた。おもしろか...続きを読むった。
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