朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)

小説・文芸
539円 (税込)

2pt

火葬したはずの妻が家にいた。「体がなくなったって、私はあなたの奥さんだから」。生前と同じように振る舞う彼女との、本当の別れが来る前に、俺は果たせなかった新婚旅行に向かった(「ゆびのいと」)。屋上から落ちたのに、なぜ私は消えなかったのだろう。早く消えたい。女子トイレに潜む、あの子みたいになる前に(「かいぶつの名前」)。生も死も、夢も現(うつつ)も飛び越えて、こころを救う物語。(解説・名久井直子)

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    707649
  • 電子版発売日
    :
    2020年02月14日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

閲覧環境

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朝が来るまでそばにいる(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    あわいの世界で、喪失や孤独を抱えた人々と、この世ならざるものとの密かな交流を描いた短編集。

    夜の闇の深さと、夜明けの朝の光の優しさを同時に味わえる。

    0
    2026年08月15日

    Posted by ブクログ

    美しさを欲すること
    いや、美は欲望から始まる
    欲することから美は生まれる

    求めること
    美への渇望
    美を内在したい
    美を自分の身体の一部にしたい
    願わくば、その美を蹂躙したい
    そう思って、そう思ってしまったことに気付いて
    震える

    美について、いろんな触れ方があることに
    稲妻のような衝撃を受けた。
    いつだって実体より幻想の方が美しい。
    そう思うことは悲しいことなのかな。

    -

    生と死を隔てる境界を越えずに生きられているのは
    とても奇跡なことで、例えばボタンのかけ違えみたいに容易く、アッと思う間に、あちら側へいってしまうかもしれなくて。
    足を踏み外した奈落の底で、その時わたしは誰の名を呼ぶのだろう。

    -

    人と人の間に、生と死の隔たりひとつで
    こんなにも触れ合えないし、交われない。
    通じ合うことができない。

    でも裏を返せば、二者の違いは
    生きているか、死んでいるか、その違いだけで。

    死者から、あるいは生者から
    祈り、と言われれば祈りかもしれないし
    願い、と言われれば願いかもしれないし
    愛、と言われれば愛かもしれないし
    呪い、と言われれば呪いかもしれないし
    執念、と言われれば執念かもしれない。
    そんな名前のないような強く遥かに巨大なメッセージが、何かの偶然で相手に届く。

    生きてても死んでても、
    魂がそこにあってこそ交信できるメッセージ
    本当にそれがあるのなら、いつかその時を待っていたい。
    その時の狂いを楽しみたいと思う。

    -

    最後のお話、『かいぶつの名前』
    まあまあ怖かった。死者同士の交わりの話。
    せめて恨みをこの世に残して死にたくないなと思った。真っ当に生きればいいって話でもなくて、意外と難しいかもしれないけどね。

    0
    2026年03月08日

    Posted by ブクログ

    生も死も、夢も現も飛び越えて、こころを救う物語。

    このワンフレーズで購入を決めました。
    暖かいお話が多いのかなと思っていましたがそんなわけでもなく、しっかり喪失や別離という悲しさを描ききっている素敵な短編が6話収録されています。
    ボロボロ泣きながら、ティッシュボックスを抱えて読みました。私の心に刺さりすぎて、もう目が腫れています。
    彩瀬まる先生の書くお話は優しいけど現実的で、どこか怖くて寂しくて、それでも私達人間はきっとこの得体の知れない不安感を抱えながら生きているんだろうなと思えました。

    0
    2025年12月24日

    Posted by ブクログ

    ものすごく抽象的なようで、リアルで生々しく、わかりにくいようで「なんか知ってる、この感じ」と思わせる描写が何とも言えず癖になる。
    面白いという感想があってるのかはわからないけど、胸の奥がずんと重くなるような存在感のある一冊。

    0
    2025年04月01日

    Posted by ブクログ

    彩瀬まる、怒涛の三連続読破。ちょっと中毒性があるね。私の前には他の本も読んでくださいと言って並んでいるから、そちらの方も無視はできない。ひとしきり読んだら、また戻って来るから、安心して待っていて下さい。

    今回は、本の題名と同じ作品は無く、各作品に「朝が来るまでそばにいる」という状況が共通して出てくる。こういった短編のまとめ方は初めて体験した。最初からこういった短編集を出版するために作品に共通概念を組み込んだのだろうか。そうだったら素晴らしい。今回もその素晴らしさを書き記して永遠に心に留めておきたい。そのためには今回も各作品についてコメントしたい。ただし、共通部分には敢えて触れないでおく。
    〇「君の心臓をいただくまで」
    強い人だなぁ、本当に強い。どうしたらこんなに強くなれるのだろうか。そばにいて心の隙間を狙って入って来る存在。あくまでも自分に自然に溶け込んでいく存在。逆に入って来てもらった方が楽になるかもしれない。でも、確固たる信念でそれを拒否して最後には自分を取り戻す。こんなの特別な人でなければ断ち切る事なんてできない。本当に強い人だ。
    〇「ゆびのいと」
    最初は何の変哲もない話だと思っていたが、そういう話なんですね。違和感ワードが一つ出ると、それがベースとなって話が進展していくとは、そして結末まで一直線に進む。引き込まれる速度がブラックホールに徐々に引っ張られていく星間物質の様に、その加速度が半端ない。そしてシュワルツシルト半径に到達して話は一気に事象の地平線で留まる。その後は、外からはどうにもできない状態になる、という感じかな。
    〇「眼が開くとき」
    キーワードは「ぱりぱりぐちゃぐちゃぼりぼりごくん」。衝撃的な擬音語で、主人公の心の底辺から突如として湧き出してくる不安定感情。獲物が捕食されて命は直ぐに尽きてしまうのだが、命を落とした直後から一定期間亡骸が徐々に小さくなっていく、その間の捕食者が得た快楽が突如無くなったら人生の目標を失い、最終的にはその絶望により自ら命を絶つ、いやそれに抵抗するか。どちらになるかは曖昧のまま・・・それが終わり方としてはベストだろう。
    〇「よるのふち」
    久々に良い話を読んだ。読み終わると同時に、ずーーと頭に発生していた痺れがスッと引いた。そして大きなため息。それを吐き出し終えた 後に、今度はすぐに感動の痺れが襲ってきて、なかなか引かない。心臓の動悸もなかなか収まらない。母親が子供時代に亡くなった経験はないが、もし同じことが起こったら、もし同じシチュエーションに追い込まれたらと考えると本当に胸が痛い。程なくして新しい母親が来て欲しい。そして、当面はギスギスした家庭内の雰囲気は続くが、数年で温かい家庭が戻る、当然母親が生きていた時と全く同じ状態にはならないが、子供が大人になるにつれて全員幸せになる、というストーリーを感じさせる結末になって本当に良かった。
    〇「明滅」
    雨が降ろうとも、過去がどうであろうとも、恐怖体験があろうとも、セックスレスでも、仕事が順調に向かっていても、二人の間に流れる静かな時間は永遠に続く。時間の太さは変わらず、どちらかが年老いて死んでも普遍的な時間は均等に進んで行くのかもしれない。この様な変化のない人生、憧れます。いつ洪水が襲ってくるのか頭の片隅で考えながら読んでいたが、最後まで洪水は発生せず、本作品も本当に良かった、安心した。平穏に生き、平穏に死ぬことができれば、二人にとってこれ以上の幸せはないだろう。
    〇「かいぶつの名前」
    トイレのはなこさん的お話かと思ったが、実に深刻な問題だった。少し脚本家のお力を拝借すれば、悲しい事件を防止できるテレビドラマになることだろう。

    これね、何回も言うけど本当に中毒、もう依存症になってしまった。感想文も久々に長くなってしまった。もうこれでは、次に読む本も彩瀬まるになってしまう。家には大量に入手した彩瀬まるの本が積んであるので直ぐに彩瀬まるに手を出してしまう。でも、彩瀬まるの作品には限りがあるんだな。この調子で読み続ければ読む本がこの世から無くなってしまい、強烈な禁断症状が発生し頓死してしまう。そうならないためには、ここで強い意志を持って彩瀬まるを一旦断ち切る!体内から彩瀬まるを徹底的に抜く。そうしないと廃人になってしまう。頑張って彩瀬まるを絶つ、絶たなければならない。頑張る!!!(大涙)

    0
    2024年11月07日

    Posted by ブクログ

    誰かの生や死からくる悲しみとその悲しみが私を行ってはいけないところに引き摺りこんでくるような恐ろしさが感じられた作品だった。この本を見つけた時にタイトルの優しさに惹かれて読むことにした。それは自分のエゴから来る優しさというより誰かの我儘に仕方なく付き合うような優しさだったのだがそれがこの作品の肝であり良くないところでもあるなと気づいた時、とても鳥肌がたった。

    0
    2024年05月11日

    Posted by ブクログ

    【生き続けていたら、いつか、あなたが許せないあなたのなかの怪物を、許してくれる人に会えるから。あなたが誰かの怪物を、許してあげられる日がくるから】

    生と死、現と夢、獣や鬼・・・・・・などが交じり合う短編がどれも魅力的で面白かったです。
    死んだはずの妻が現れたり、死んだ少女視点だったりと異形や怪異などのホラー要素がありますが、登場人物の誰しもが求める救い。
    個人的には【ゆびのいと・よるのふち】が共通点があるストーリー構成・それぞれのキャラたちが迎える結末の違いが印象的で、【眼が開くとき】では青春のほろ苦さ・倒錯的な願望・欲望がたまらなく、【かいぶつの名前】では嘘で塗り固められた少女の切なさや終わらない無限獄から救済されることを願わずにはいられない心に刺さるものでした。

    0
    2023年10月19日

    Posted by ブクログ

    いのちがテーマになっているような短編集。不気味な世界が多く、冷たさも感じるけれどすごく温かい不気味さ。

    0
    2022年05月04日

    Posted by ブクログ

    一言でこの小説を表すとすれば、哀しいホラー短編集だと、私は思う。
    全6編のうち3編は死というものが前提にあって、残りの3編にもどことなく死の匂いのようなものが漂っている。
    怖い中にも湿り気や情緒があって、とても日本人好みの内容だと思う。死者の念や想いの強さが、鬼や奇鳥や地縛霊に姿を変えてこの世に取り憑く。そこには人の哀しみが溢れている。

    ホラー要素はほとんどない一編「眼が開くとき」がとてもエロティックで良かった。いらやしい要素や直接的な表現は全くないのだけど、とてもエロティック。だけどある意味でとても恐ろしい物語でもある。
    憧れや恋心は片目瞑って相手を見ているくらいがちょうど良く長続きもするのだろうけど、何かのタイミングで両目が開いてしまう時がある。その瞬間憧れは遠のき、そこから先本物の愛に変えてゆけるかどうか…という。

    全体的に、人の念を強く感じて、読んでいる最中はとても気が重かった。愛する者に対する死者の執着とか、過去の傷を忘れられない生者の苦しみとか。
    突然という形で自分の命が断たれた時にもしも愛する人がいたら、自分はどうするのだろう?と考えたりもした。自分が死んだ後もその相手が幸せに生き続けてくれたらそれで良いと、立派なことが思えるだろうか。
    もしかしたらこの小説の中の夜に潜む者のように、相手に執着して、一緒に死んでも良いから側に居て欲しいと願ってしまうのかもしれない。奇怪なものに形を変えてしまうくらい、愛して、狂ってしまうこともあるのかもしれない。

    近頃よく読む作家さんの中で、彩瀬まるさんは特に好きだ。単純に読み物として面白いのと、読んでいて人に対する愛情というか温かみを感じるところが、とても好きだ。

    0
    2020年02月06日

    Posted by ブクログ

    湿った、静かな、ドロドロ、薄暗い、辛気臭い
    そんな雰囲気の中に、小さく温かいものが垣間見える作品。

    情景が想像しやすくて読みやすいです。

    0
    2026年04月14日

朝が来るまでそばにいる(新潮文庫) の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    新潮社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    新潮文庫
  • タイトル
    :
    朝が来るまでそばにいる(新潮文庫)
  • タイトルID
    :
    707649
  • 電子版発売日
    :
    2020年02月14日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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