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Posted by ブクログ
割と薄めの文庫だったので2時間程度で読み切れると思っていたんです。
全然、数日かかりました。彩瀬まる先生の書かれる物語を2時間程度で味わいきれるわけがなかったですね。
もう言葉の節々に苦味と旨みが滲み出ていて、意味を考えながら読んでいたので時間がかかりました。彩瀬まる先生の心理描写が大好きです。
梨枝が幸せになってくれるのか、いやでもこの場合幸せの定義ってなんだろう、とかぐるぐる考えちゃって、心に深く刺さって抜けなくて、他人事とは思えないお話でした。
愛情って何なのでしょう、思いやりって何なのでしょう。
皆さんも1度読んでぐるぐる考えてみてください。
私にとって楔のような1冊になりました。
Posted by ブクログ
思ってた以上に、読んでいて苦しくなってしまった。
知らず知らずにかけられてしまった、「みっともない人間になるな」「あなたは頭が悪い」という呪い。そのせいで、主人公は、自分を否定する思考が当たり前になっていて、辛そうだ。誰にでも、生きていればいつの間にか自分の中に漠然とした縛りが生まれる。それは大抵自分を制御するもの、本当の自分を否定するものになり得るんじゃないかと思う。
誰にでも歪んだ部分があって、どうしようもない部分があって、それを上塗りするために時には誰かを嘲笑ったりして、生きている。
彩瀬さんの作品を読むのは3作目だけど
人の弱さや黒い部分を包み隠さず表現してくれて、
そっと寄り添ってくれるような物語が多くて好きだ。
Posted by ブクログ
「初めて私は、母のことを嫌いなのかもしれないと思った」この部分に出会えただけでも読んでよかった。そう思ってもいいんだと。"その「思ってもいい」とか「いけない」って誰が決めたの?"って三葉くんに突っ込まれそうだ。
「だって本当は、あの人が正しいのかもしれないし」という主人公に対し「本当は、ってなに?」と言ってくる子だもん。
でも三葉くんは三葉くんで、誰にも知られたくない秘密を抱えていたというのが最高だった。
正直、この二人は長くは続かないだろう。でも、「この世で一番自分を思ってくれている」母から離れたこと、みっともなくても年下の男と一緒に暮らし始めるというステップを踏み出せたことがうれしい。
Posted by ブクログ
母は「かわいそう」な人だから、私がそばにいてあげないとという呪縛がありながらも母に守られて生きてきた28歳箱入り娘の主人公。身に覚えのある感覚がたくさんあったし、「かわいそう」って何だろう?母娘の適切な距離感って何だろう?と考えるきっかけにもなった。相手の苦しみを理解することはできても分かり合えることはできなくて、自分の気持ちをうまく言葉にできず何を言っても違うと感じる主人公に共感した。8歳年下の大学生アルバイトの三葉くんとの関係もなんだか危うくて、永遠には続かないんだろうなぁと感じた。夢の中みたいに、モヤがかかっているような物語だった。
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