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ドラッグストア店長の梨枝は、28歳になる今も実家暮し。ある日、バイトの大学生と恋に落ち、ついに家を出た。が、母の「みっともない女になるな」という“正しさ”が呪縛のように付き纏(まと)う。突然消えたパート男性、鎮痛剤依存の女性客、ネットに縋る義姉、そして梨枝もまた、かわいそうな自分を抱え、それでも日々を生きていく。ひとの弱さもずるさも優しさも、余さず掬う長編小説。
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Posted by ブクログ
彩瀬まるさん、本当にすごいわ。 うまく言い表せる気がしないし、 この本の良さを伝えられる気がしない。 人間に関する機微の表現が巧みすぎる。 綺麗な表現でまとめられた小説って割とよくあると思うんだけど、綺麗とは違って、現実を美化しすぎてなくて、なんというか、本当にすごいんだよなあ。 私にもう少し語彙が...続きを読むあったらなあ。 とにかく、出てくる人たちにあまりにも血が通っている。
小さい頃からの母の教えや、家庭環境で知らず知らずに埋め込まれた考え方にいつの間にか捕らえられてしまう。振り払って一歩踏み出したり、反発してみたりしても、これでよかったのかと逃れられない何かがある。かわいそうなんかじゃない、みっともなくてもいい、自由に自分を解き放てたらいいのはわかってるけどそう簡単に...続きを読むはいかない。でも少しすつでも、うまく伝えられなくても周りの人に自分をだしていった主人公。そのことで恋人や家族と少し歩み寄れた気がする。
割と薄めの文庫だったので2時間程度で読み切れると思っていたんです。 全然、数日かかりました。彩瀬まる先生の書かれる物語を2時間程度で味わいきれるわけがなかったですね。 もう言葉の節々に苦味と旨みが滲み出ていて、意味を考えながら読んでいたので時間がかかりました。彩瀬まる先生の心理描写が大好きです。 梨...続きを読む枝が幸せになってくれるのか、いやでもこの場合幸せの定義ってなんだろう、とかぐるぐる考えちゃって、心に深く刺さって抜けなくて、他人事とは思えないお話でした。 愛情って何なのでしょう、思いやりって何なのでしょう。 皆さんも1度読んでぐるぐる考えてみてください。 私にとって楔のような1冊になりました。
全く一緒ではなくとも、主人公のある部分に、これは私でもあるかもしれないと思った。 みんな、みっともない。でも、みんな懸命に生きている。
母にべったりな関係で育ち、母の教育や学校の物差しがすべてだと思って育ってきた私にとって、非常に刺さる物語でした。 私も主人公とは違う理由で母を「かわいそう」だと思う瞬間があるのですが、じゃあそれを解消するために何かできるかと言われたら何も出来ないし、そもそも「かわいそう」は他人が勝手にかけてる呪いに...続きを読む過ぎないのだと、改めて心に留め直しました。 主人公の梨枝が他人の物差しではなく自分の物差しで生きることを決意したシーンは、この先何度も読み直したいです。
面白かった。話の展開が読めなくて、続きが気になって、すぐに読み終えてしまった。ページが残り少なくなるにつれて、読み終えたくないなっていう気持ちになった。解説にもある通り、一文一文を噛み締めて、自分が登場人物だったらとか想像しながら読んだ。 あれだけ嫌だなって避けていたお母さんに、生活の術は教わって...続きを読むいなくても日常のマナーとか学んでいて感謝する場面がいいなって思った。みっともないって何度も言われるのは自己肯定感とか自己有用感とか低くなるけど、お母さんも必死だったのかなと思う。 数カ月後にもう一度読みたくなると思う、面白かった!
彩瀬まるさん初の長編。 とても心が締め付けられるお話だった。 子離れできない母と親離れできない主人公 梨枝。 そして、仕事先で出会う梨枝の恋人 三葉くん。 様々な人間関係が交差していくのがとても興味深かった! 彩瀬まるさんの何だか安心感のある文章で、苦しかったけれど読んでいて安心する部分もあった。
思ってた以上に、読んでいて苦しくなってしまった。 知らず知らずにかけられてしまった、「みっともない人間になるな」「あなたは頭が悪い」という呪い。そのせいで、主人公は、自分を否定する思考が当たり前になっていて、辛そうだ。誰にでも、生きていればいつの間にか自分の中に漠然とした縛りが生まれる。それは大抵自...続きを読む分を制御するもの、本当の自分を否定するものになり得るんじゃないかと思う。 誰にでも歪んだ部分があって、どうしようもない部分があって、それを上塗りするために時には誰かを嘲笑ったりして、生きている。 彩瀬さんの作品を読むのは3作目だけど 人の弱さや黒い部分を包み隠さず表現してくれて、 そっと寄り添ってくれるような物語が多くて好きだ。
めちゃくちゃ良かった。母との関係、母に愛されたいけどうまくいかず憎む気持ちに共感されっぱなしで、同じような気持ちになる人がいるのだとどこか安心する気持ちになる。主人公の、常に社会的に「ちゃんと」しないといけない気持ちも痛いほどわかる。帰結では強くなれた主人公を見て、イヤなことはイヤと言おうという、勇...続きを読む気が出る
母は「かわいそう」な人だから、私がそばにいてあげないとという呪縛がありながらも母に守られて生きてきた28歳箱入り娘の主人公。身に覚えのある感覚がたくさんあったし、「かわいそう」って何だろう?母娘の適切な距離感って何だろう?と考えるきっかけにもなった。相手の苦しみを理解することはできても分かり合えるこ...続きを読むとはできなくて、自分の気持ちをうまく言葉にできず何を言っても違うと感じる主人公に共感した。8歳年下の大学生アルバイトの三葉くんとの関係もなんだか危うくて、永遠には続かないんだろうなぁと感じた。夢の中みたいに、モヤがかかっているような物語だった。
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あのひとは蜘蛛を潰せない
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彩瀬まる
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