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Posted by ブクログ
筆者である林真理子さんのお母さんをモデルにした「万亀」の、大正から戦争直後までの半生を描いた小説。この時代、女性は古い家族制度のしがらみに囚われ、自由に生きる事が難しい時代だった。特に主人公は高い教育を受け、母をはじめ周囲から期待をかけられていたが、本人は本当はただ本を読んで過ごしたいのが夢。そのギャップに大変苦しんだ事だろう。
その都度運命に翻弄され、自分の思う様に生きられなくとも、彼女には本があった。自分は色々な夢を諦めたけれど、本の持つ豊かな世界、本を読む楽しさを人に伝える事は出来る。
結局主人公は古書店を営む事になるのだが、本に関わり、本を通して世の中の役に立てるとしたら、この小説に描かれた彼女の迷いや葛藤も、報われたのでは無いだろうか?
色々な意味でしがらみに囚われ、生きづらさを抱えている人には、大いに共感出来る一冊だと思います。
Posted by ブクログ
マリコさんのお母様をモデルにした文学少女の半生を、戦前から戦後直後の昭和という時代にのせて描いた物語です。
今私が生きている時代は、職業は自由だし、本を読むこと勉強することは奨励され、更に背が高いことが障害になるなんてありえません。
が、そうではない時代がありました。それが本書の舞台です。
時代や家族やいろいろなものに阻まれながらも本に支えられながらひたむきに生きる姿には感動しました。
だから最後に主人公が古本屋を職業として選ぶところがとてもうれしくて、それが実話であると思うと更に感動~
「林真理子」という作家は、このような母や祖母が下地となって生まれてきたんだ!と思うとファンとしては感慨深い気持ちになりました。
また、「いつもいい子でいなければならない」という強迫観念にも似たおもいにも共感しました。
私は親にのびのび育ててもらったと思うのだけど、それでも長女という気負いがあって、私なりに優等生にならなければ、という気持ちはいつもありましたから。
そういう意味で共感する人は多いんじゃないかなあ。
だから、本屋さんになるところが余計にうれしかったのかもしれません。。
あっそれと、主人公がその時読んでた本のタイトルを章のタイトルにしてて、凝ってる、というかおしゃれ~♪って思ってしまった。
太宰の斜陽とか読んでみたくなりました。
また積読リストが増えるな。
Posted by ブクログ
林真理子の小説は、距離の取り方がとても不思議。エッセイを書いているような奇妙な距離感が物語との間にある。自分が生み出している物語なのに、それをどこからか客観的に眺めている自分がいるような。そんな小説な気がする。私はそのグレーの溝、みたいなものが気になって気になってしょうがなかった。なんでこの人、自分の小説で、しかもお母さんがモデルで、自身も相当移入しながら書いているはずなのにこんなに距離感を取りながら書いているのか、みたいな。その距離がなんだか、もどかしいもので、だからグレーって感じなんだけれども。不思議な小説だった。しかし、共感の波はこれまた凄い。時代とか関係ない。まっすぐに響く共感。
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小説・文芸
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