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住みにくい人の世を芸術の力で打破できぬかと思案する青年画家。あるとき温泉場の出戻り娘・那美に惹かれ、絵に描きたいと思うが何か物足りない。やがて彼が見つけた「何か」とは――。豊かな語彙と達意の文章で芸術美の尊さを描く漱石初期の代表作。(「漱石の文学」江藤淳、「『草枕』について」柄谷行人)
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Posted by ブクログ
古本屋で目に入ったので何十年か振りに返しまし た。 あの「智に働けば・・・」で始まる草枕です。 一人の画家のモノローグが主な内容になりますが、 このモノローグの語彙力は尋常じゃないです。 広辞苑で調べても載っていない言葉が次々と繰り 出されて、自分の見た事象や考えを表現していて 明治の知識人の凄...続きを読むみを感じます。 手に取った本は新潮文庫昭和61年2月25日82刷 あり、単価は何と200円です。 消費税なんて存在しておらず、バーコードもあり ません。 たった200円程度で最高峰の文学に触れることが できる国なんて他にあるのか? これはすごいことだと皆、思うべきです。
小説なんか本を開いたところをいい加減に読んでいるのが楽しいという主人公の青年画家に「筋を読まなけりゃ何を読むんです。筋の外に何か読むものがありますか」と、山里の温泉宿で出会ったわけありな宿の娘の那美が返すのだが、本作はその那美の台詞に応えるように、筋以上に素晴らしい「画」がたくさん出てくる。宿での中...続きを読む庭越しに、少しだけ空いた障子の隙間に、一人つかっている湯船の湯煙越しに、主人公がとらえる那美の姿。人が誰も入ってこないような森の奥の池の椿の大群生、那美の兄の家から眺める蜜柑畑の広がり、出征する那美の従兄弟を停車場に送るまでの舟からの通り過ぎゆく眺め。それらが画題を切り取るように画家の目を通して描写される。文中、画の対象がないその場の空気のようなものを描きたいと主人公が言う場面があって、それは漱石自らの創作上のテーマのようにも感じたが、漱石がタルコフスキーや溝口や小津の映画を知ったら、画や詩だけでは表現できなかった方法の答えになったかも。いやむしろサイエンス・サルのような制作会社のアニメ作品こそ草枕の世界を最もうまく描けるかも知れないなぁなんて思った。百花繚乱のような漢語の修飾、床屋問答みたいなゆるい会話だけのような場面の、西洋近代文学のアンチテーゼのような表現の創出や、ラスト近くの近代文明主義の批判などの舌鋒の強さに、現代の世界各国のミュージシャンや映像クリエイターがやっているように、当時の文化の第一線であったろう文学者たちもお互いにバチバチやってたんだろうなぁと思ったりしたのだった。
言葉を、意味を指し示すという「機能」から解放してみる。 「なんかいい」という主観を、客観的に突き詰めて書いていく。 夢なのかもしれない、というストーリー。 風呂場に現れる女の幽霊のような姿。 画が浮かぶ。
2002年に留学先の和書コーナーで購入し、日本語の奥深さ・複雑さ・美しさに改めて感化した作品。 この作品が私を読書狂いにしている。 ◾︎ 再読記録@2024.08 2024年に後書きを含めて久しぶりに読み返し、 なんとも懐かしい思いになると同時に、 お終いはこういう終わり方であったか!、 (後書き...続きを読むを読んで) 漱石先生はかういう気持ちで買いたのか…、 など、昔は感じられなかった感覚があって面白かった
グレングールドの愛読書と聞いて昔々に手を出した時は挫折してしまった本書、ようやく読み切ることができた。日本語の美しさに打ち震え、一字一字がそれぞれに絵と色彩を持った漢字という表現の豊かさと、それを理解できることの喜びに痺れる超ド級の名作だった。この本に出会えて良かった。
言葉が難しい。笑 内容説明読んで、かなりそそられたので読んでみた。大筋の大筋だけは理解したと思うが、微細なニュアンスなどが取りきれてないと思う。 なんせ、言葉が難しすぎる。笑 でも、内容はとても魅力的なものだったと思う。
“山路を登りながら、こう考えた。 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角人の世は住みにくい。” 『草枕』の冒頭、受験勉強で暗記したので、今でも覚えています。しかし、 その先をこれまで読もうとしませんでした。情けないこと、この上なしです。 とにかく、今回読めて良かった...続きを読むです。芸術的感性が文章全体にあふれ出ていました。多彩な漢語が散りばめられていて、湯水のごとく出てくるようでした。東洋の神秘を感じました。 1人の青年画家が、絵を描くために温泉場にやってきて、那美さんという女性に出会います。2人はいい関係になるのかなと期待していたのですが・・・ 色々な人との世間話や絵画の世界、木蓮の花の描写、書や硯の話に興味がわきました。 読んでいる途中で、ストーリーの面白さというより、画家の混沌とした頭の中をのぞいていく感じでいいのかなあと思いました。 小説の終わり方が印象的でした。芸術の神様降臨!!って感じです。 最後に、この小説の内容と直接関係ないのですが、次の一文に引きつけられました。 “丹青は画架に向って塗抹せんでも五彩の絢爛は自ずから心眼映る。” 意味→絵の具をことさらキャンバスに塗って画を描かないでも、美しい色彩はおのずと心の目に浮かんでくる。 心眼=心の目 トルストイしかり、サン=テグジュペリしかり、そして漱石しかり。偉大な3人の書物に“心の目”の記述あり。
熊本住んでた時にたまに行ってた温泉がモデルだったの思い出して積読だったけど読んだ。 『こころ』読んだ時とか正直あまりピンと季来なかったけど、 描写の表現が綺麗(特に前半)だと感じたけど途中話が急に飛んだ気がした。 こういう情緒のある出逢いに憧れたりする。
僕の好きな著者である夏川草介は、 夏は、夏目漱石。 川は、川端康成。 介は、芥川龍之介。 そして草は、草枕(夏目漱石 作)からとっていて、本作に興味を持った。 生きづらい世の中から煩いを切り離して映すことができるのが画や詩である。この非人情を主人公が求める物語。 知が働けば角が立つ。情に棹させば...続きを読む流される。意地を通せば窮屈だ。そんな生きずらい世の中は現代も同じだなと感じた。本作のテーマは「自分を主観で見るから辛い。自分を詩中や画中のように非人道(自分の利害を棚に上げる、他人事、都合の良いように)にする事で楽になれる。」だと思った。 しかし、当の主人公が水墨画でなく、絵の具を使った西洋画に拘っている。かと思ったら、西洋から取り入れた文明に対して並々ならぬアンチテーゼを述べていたり。 本作はそんな単純な話ではないと思った。また整理しながら読み直したい。
ほぼ随筆。劇的な物語はないものの、漱石先生の日々感じていることの片鱗が分かって面白かった。やはり文章は文句なしに綺麗。素晴らしかった。ただ、他の作品に比べて少し読みづらかった。
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