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Posted by ブクログ
オビに変なネタバレがなくてホッとした。
個人的には先入観なく読んだ方がいいと思う。
読み終えて解説を読んだ時に、山下澄人の経歴や、【谷】が何を象徴していたのかが分かった。
私小説として読んでいたら、もっと違った感想を抱いていただろうなと思う。
作者は、私小説として読んで欲しかったのかもしれないけど。
俳優になるために、【谷】で自給自足の生活を営むというお話。
でも、スミトからは俳優になりたいというガツガツした意志は感じられないし、むしろ、生きているのだか何なのだか分からない感じだけが残る。
スミトを通して見た「しんせかい」は、私にとってても「宗教みたいなもん」でしかなかった。
これを別人物フィルターを通せば、自然と一体化した、人間が生きる価値を見出す憧れの暮らし、になるのだとすれば、やっぱりそれは宗教みたいなもんだと思う。
信奉する人物に師事するということは、その人の思想を追体験することなんだろう。
そうやって、自分がその世界に入り込み、技術を盗んで、次の世代を担っていく。そんな美しい「せかい」は、沢山あるはずなのに。
意味のあることだと「思い込める」ことが、幸せなのかもしれない。
私にも、きっと小さな「しんせかい」がある。
スミトが今も生きていて良かった。
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