新潮社の検索結果

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  • わたしがいなかった街で
    3.8
    離婚して1年、夫と暮らしていたマンションから引っ越した36歳の砂羽。昼は契約社員として働く砂羽は、夜毎、戦争や紛争のドキュメンタリーを見続ける。凄惨な映像の中で、怯え、逃げ惑う人々。何故そこにいるのが、わたしではなくて彼らなのか。サラエヴォで、大阪、広島、東京で、わたしは誰かが生きた場所を生きている――。生の確かさと不可思議さを描き、世界の希望に到達する傑作。
  • 暴れ日光旅―大江戸無双七人衆―
    -
    育ての親を謎の忍者集団に殺された大道寺菊千代。鞍馬山から江戸に出て、将軍家光の懐刀である寛永寺の怪僧天海から、江戸の治安を守れと命ぜられる。甲賀のくのいち、火術遣いの少年、薙刀を操る荒法師、眉目秀麗な剣の達人、怪力の明人、雑賀党の流れを汲む鉄砲の名手――ひと癖もふた癖もある天下無双の面々を率いる、大道寺菊千代の活躍を描く、痛快無比の書下ろし時代小説。
  • 結婚詐欺師(上)
    4.3
    1~2巻605~693円 (税込)
    橋口雄一郎は40代のプロの結婚詐欺師。カツラ・洋服・職業・車を使い分けて変身、女性の心理を逆手に取る巧みな話術で誘惑し、金をだまし取っていた。東京・小滝橋署の刑事、阿久津は偶然かかわった結婚詐欺の被害届から、プロの匂いを感じ取り捜査を始めた。やがて松川学という前科者が浮上、身元の確認に追われる。一方、橋口はゴルフ練習場で見つけた女性に次の狙いを定めた――。
  • 死んでも忘れない
    3.6
    夫婦と、息子ひとりの3人家族。どこにでもある、新興住宅地の平穏で幸福な一家だった。妻が妊娠したことで、新たなる喜びに一家は包まれる……はずだった。しかし、ある朝、夫が巻き込まれた小さな事件が思いもよらぬ展開を見せ、彼らの運命を大きく狂わせていく――。次第に追い詰められ、崩壊に向かう家族に、果して救いはあるのか? 現代の不安を鋭くえぐった心理サスペンス。
  • 女刑事音道貴子 嗤う闇
    3.6
    レイプ未遂事件発生。被害女性は通報者の男が犯人だと主張。被疑者は羽場昂一──。レイプ事件の捜査に動いていた音道貴子に無線が飛び込んだ。貴子の恋人、昂一が連続レイプ犯? 被害者は大手新聞社の女性記者。無実の通報者に罪を着せる彼女の目的とは? 都市生活者の心の闇を暴く表題作など、隅田川東署へと異動となった貴子の活躍を描くシリーズ第三弾。傑作短篇四編収録。
  • 女刑事音道貴子 未練
    3.5
    ふと入ったカレー屋で音道は、男が店主に「こいつは俺の女房を殺した」と怒鳴る場面に遭遇する――男同士の絆が無惨に引き裂かれてゆく様子を描いた表題作。公園の砂場で保育園児が殺害され、その容疑者の素性に慄然とする音道……「聖夜」。監禁・猟奇殺人・幼児虐待など、人々の底知れぬ憎悪が音道を苛立たせる。はたして彼女は立ち直れるのか? 好評の音道シリーズ短編集第二弾!
  • ふしぎな夢
    3.4
    『ブランコのむこうで』で星新一の世界を知ったあなたにも、ずっと愛読してきたあなたにも、おすすめの11編。没後の作品集『気まぐれスターダスト』を再編集。『ブランコのむこうで』のような味わいのショートショート「ふしぎな夢」、初期の力作「憎悪の惑星」「黒い光」「謎の星座」「月の裏側基地第1号」などを収録。――まだまだ楽しめる、星新一の異次元ワールド満載の一冊!
  • 午後の恐竜
    3.8
    現代社会に突然出現した巨大な恐竜の群れ。蜃気楼か? 集団幻覚か? それとも立体テレビの放映でも始まったのか?──地球の運命をシニカルに描く表題作。ティーチング・マシンになった教育ママ、体中に極彩色の模様ができた前衛芸術家、核爆弾になった大臣――偏執と狂気の世界をユーモラスに描く『狂的体質』。ほかに、『戦う人』『契約時代』『理想的販売法』『幸運のベル』など全11編。※文庫版に掲載の挿画は、電子版には収録しておりません。
  • 豪華特急トワイライト殺人事件
    3.2
    闇夜を疾走する密室同然の寝台特急で、大胆不敵な予告殺人が……。十津川警部の携帯電話にわざわざ殺人を知らせる犯人の狙いは!?
  • 怖ろしい場所
    5.0
    厄年の小説家・羽山圭一郎はこわい夢をよくみる。のっぺらぼうの女、眉の女、声の女、額の女、唇の女たちの様々な反応を想起する。現実世界では友人の女性秘書秋岡カオルと逢瀬をかさねるが、やがて別れてパリへ旅立つ。現実と回想と夢が微妙なリアリティーを醸し出す雰囲気の中に、中年男性の心理の襞を浮彫りにする。散らかしながら纏めていく技巧冴えわたる長編小説。
  • 遺跡の旅・シルクロード
    -
    58歳にして初めてソ連領中央アジアに旅し、青年時代からの夢を果たしたのが昭和40年。以来、著者は憑かれたようにシルクロード地帯を訪れる。53年、名作『敦煌』を発表してから20年を経てその舞台に立つ。55年、ヘディン、スタイン以後、外国人として初めて西域南道に足を踏みいれる。――本書は、〈絹の道〉の栄光の歴史のあとを経巡った15年間の旅の記録である。写真多数。
  • 少年・あかね雲
    -
    1巻605円 (税込)
    子供はただ遊びほうけるだけの素朴な存在ではない。獣にも似た鋭い嗅覚を持ち、大人もおよばない豊かな感性を内に秘めている。――本書は、はるか彼方に過ぎ去った少年時代の懐かしい情景を、幼い魂に映じた大人の世界を、自伝風にあるいはフィクションをまじえて描いた珠玉作18編を収録する。少年の心の機微を見事に浮き彫りにし、清冽な詩情とさわやかな郷愁のあふれる一巻。
  • しぶちん
    4.0
    “しぶちん”とは大阪弁でケチン坊のことだが、ケチが陰にこもらない開放的な言い方である。19歳で伊勢の沢庵売りから大阪の材木問屋に奉公して財をなした山田万治郎は、“しぶまん”と呼ばれながらも、昭和初年に、商工会議所の議員に推薦される。大阪商人の金銭への執念を捉えた表題作の他、大阪富商の町、船場に憧れと執念をもやした女の一生を描く『船場狂い』など、全5編を収録する。
  • 駅前旅館
    -
    昭和30年代初頭、東京は上野駅前の団体旅館。子供のころから女中部屋で寝起きし、長じて番頭に納まった主人公が語る宿屋稼業の舞台裏。業界の符牒に始まり、お国による客の性質の違い、呼込みの手練手管……。美人おかみの飲み屋に集まる番頭仲間の奇妙な生態や、修学旅行の学生らが巻き起こす珍騒動を交えつつ、時代の波に飲み込まれていく老舗旅館の番頭たちの哀歓を描いた傑作ユーモア小説。
  • 芽むしり仔撃ち
    3.8
    絶望的な"閉ざされた"状況にあって、疎外された少年たちが築き上げる奇妙な連帯感。知的な抒情と劇的な展開に、監禁された状況下の人間存在という戦後的主題を鮮やかに定着させた長編。ノーベル賞を受賞した大江健三郎の処女長編。
  • 幼き日のこと・青春放浪
    3.8
    両親の許をはなれて、血のつながらない祖母と送った伊豆湯ケ島での幼年時代――茫漠とした薄明の過去のなかから鮮やかに浮び上がるなつかしい思い出の数々を愛惜の念をこめて綴った「幼き日のこと」。ほかに、沼津から金沢・京都と移り住んだ学生時代を“文学放浪”の視点から描いた「青春放浪」、影響を受けた人物・書物・風土などを自由な感懐を交えつつ回顧した「私の自己形成史」。
  • 後白河院
    -
    朝廷・公卿・武門が入り乱れる覇権争いが苛烈を極めた、激動の平安末期。千変万化の政治において、常に老獪に立ち回ったのが、源頼朝に「日本国第一の大天狗」と評された後白河院であった。保元・平治の乱、鹿ヶ谷事件、平家の滅亡……。その時院は、何を思いどう行動したのか。側近たちの証言によって不気味に浮かび上がる、謎多き後白河院の肖像。明晰な史観に基づく異色の歴史小説。
  • おれに関する噂
    3.0
    テレビのニュース・アナが、だしぬけにおれのことを喋りはじめた――「森下ツトムさんは今日、タイピストをお茶に誘いましたが、ことわられてしまいました」。続いて、新聞が、週刊誌が、おれの噂を書きたてる。なぜ、平凡なサラリーマンであるおれのことを、マスコミはさわぎたてるのか? 黒い笑いと恐怖にみちた表題作、ほか『怪奇たたみ男』など、あなたを狂気の世界に誘う11編。
  • あの歌がきこえる
    3.9
    1巻605円 (税込)
    意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家出したときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン……色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説。
  • 野火
    4.0
    敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。
  • 酔いどれ紀行
    -
    長崎、浦安、倉敷、小樽、郡上八幡、はるかなタヒチ、酒田、鶴岡、横浜と、予算いささか気前よく、時間も惜しまずたっぷりかけて、絵筆片手に旅に出る。こんな眺めがあったのか、こんな料理があったのか。味も景色も土産も宿も、手間ひまかけて、ディスカバー。おすすめします、このコース、「わたし」の絵、相棒ドスト氏のスケッチもそえた、手づくりの旅、超特級の呑みある記。
  • 自家製 文章読本
    -
    喋り慣れた日本語も、書くとなると話が違う。文章を上手に書くことができたら……。だが、「話すように書け」と人は説くけれど、「話すように書け」ばいい文章が書けるのか。いや、そんな単純なものじゃない。文章術の極意は奈辺にありや。文学史にのこる名作から現代の広告文までを縦横無尽に駆使して、従来の文章読本の常識を覆す井上ひさし式文章作法。
  • 禁猟区
    3.5
    ホストにいれあげている中年女・若山直子の資金源は、ホストクラブで借金がかさみ、身動きのとれなくなった少女たちだった。経営者を脅して得た顧客情報から、未成年者の親に当たり、「解決してやる」とカネを要求する。直子の職業は、警察官だった──。犯罪に手を染めた警察官を捜査する組織、警視庁警務部人事一課調査二係。女性監察官沼尻いくみの活躍を描く傑作警察小説四編。
  • 太鼓たたいて笛ふいて
    4.4
    戦前、中国や南方の戦線に従軍し、「兵隊さんが好きです」と記して戦意高揚に尽した林芙美子は、敗色濃厚になると「キレイに敗けるしかない」と公言し、たちまち非国民扱いされてしまう。国家が求める「物語」に躍らされた芙美子は、戦後、戦争の実相を知り、戦争に打ちのめされた普通の日本人の悲しみを、ただひたすら書きつづけた――。『放浪記』で知られる作家の後半生をたどる評伝戯曲。
  • 夢見通りの人々
    -
    1巻605円 (税込)
    その名前とはうらはらに、夢見通りの住人たちは、ひと癖もふた癖もある。ホモと噂されているカメラ屋の若い主人。美男のバーテンしか雇わないスナックのママ。性欲を持て余している肉屋の兄弟……。そんな彼らに詩人志望の春太と彼が思いを寄せる美容師の光子を配し、めいめいの秘められた情熱と、彼らがふと垣間見せる愛と孤独の表情を描いて忘れがたい印象を残すオムニバス長編。
  • 幻の光
    3.9
    1巻605円 (税込)
    人は精がのうなると、死にとうなるもんじゃけ――祖母が、そして次に前夫が何故か突然、生への執着を捨てて闇の国へと去っていった悲しい記憶を胸奥に秘めたゆみ子。奥能登の板前の後妻として平穏な日々を過す成熟した女の情念の妖しさと、幸せと不幸せの狭間を生きてゆかねばならぬ人間の危うさとを描いた表題作のほか3編を収録。芥川賞受賞作「螢川」の著者会心の作品集。
  • 細雪(上)
    4.2
    1~3巻605~781円 (税込)
    大阪船場に古いのれんを誇る蒔岡家の四人姉妹、鶴子、幸子、雪子、妙子が織りなす人間模様のなかに、昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んだ絢爛たる小説絵巻。三女の雪子は姉妹のうちで一番の美人なのだが、縁談がまとまらず、三十をすぎていまだに独身でいる。幸子夫婦は心配して奔走するが、無口な雪子はどの男にも賛成せず、月日がたってゆく。

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  • 吉野葛・盲目物語
    3.8
    大和の吉野を旅する男の口を通して、失われた古きものへの愛惜と、谷崎生涯のテーマ、永遠の理想の女性たる母への思慕の情を謳った随筆的小説『吉野葛』。夫浅井長政を兄織田信長のために滅ぼされるお市の方の悲劇的生涯を中心に、戦国時代を生きた人間の喜怒哀楽を美しく描き出した『盲目物語』。ともに、日本的なものへの傾斜を深めた谷崎中期の代表作である。

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  • 男どき女どき
    3.8
    何事も成功する時を男時、めぐり合わせの悪い時を女時という――。何者かによって台所にバケツごと置かれた一匹の鮒が、やがて男と女の過去を浮かび上がらせる「鮒」、毎日通勤の途中にチラリと目が合う、果物屋の陰気な親父との奇妙な交流を描く「ビリケン」など、平凡な人生の中にある一瞬の生の光芒を描き出した著者最後の小説4編に、珠玉のエッセイを加えた、ラスト・メッセージ集。

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  • 働きざかりの心理学
    3.0
    「働くこと=生きること」責任ある立場に立ち、人生の光と影を背負いながら誠実に働くことは、それだけで充分に難しいこと。「働きざかり」の世代が直面する“見えざる危機”を心身両面から探り、解決のヒントを提案します。「つきあいの功罪」「会議と疲れ」「妥協と協調」「男女の迷走」「いじめの病根」そして「中年の危機」。誰もが避けては通れない大切な課題を考えるための心のカルテ。
  • ノックの音が
    4.1
    1巻605円 (税込)
    ノックの音とともに、二日酔いの男の部屋にあらわれた見知らぬ美女。親しげにふるまう彼女の正体は? いったい、だれのところへ、どんな人が訪れてきたのか。その目的は。これから部屋の中で、どんなことがおこるのか……。サスペンス、スリラーからコメディーまで、「ノックの音」から始まる様々な事件。意外性あふれるアイデアと洒落たセンスで描く15のショートショート。
  • プリズンの満月
    -
    1巻605円 (税込)
    40年におよぶ刑務官生活にピリオドを打った鶴岡に、再就職の話が舞い込んだ。それは、巣鴨プリズン跡地に建つ高層ビル建設の警備を指揮するというものだった。鶴岡の脳裏に、かつて自らが刑務官として勤務したプリズンの情景がよみがえった――。敗戦国民が同国人の戦犯の刑の執行を行うという史上類のない異様な空間に懊悩する人々の生きざま。綿密な取材が結実した吉村文学の新境地。

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  • 背中の勲章
    -
    1巻605円 (税込)
    昭和17年4月18日――太平洋上の哨戒線で敵機動艦隊を発見した特設監視艇・長渡丸の乗員は、玉砕を覚悟で配置につき、死の瞬間を待った。けれども中村一等水兵以下五名は、米軍の捕虜となり、背中にPWの文字のついた服を着せられて、アメリカ本土を転々としながら抑留生活をおくった――。運命のいたずらに哭く海の勇士の悲しい境涯を通して描く、小説太平洋戦争裏面史。

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  • ため息の時間
    -
    1巻605円 (税込)
    愛したことが間違いなんじゃない。ただ少し、愛し方を間違えただけ──。完璧に家事をこなす妻を裏切り、若い女と浮気する木島。妻が化粧をするのを許さなかった原田。婚約寸前の彼女がいるのに社内で二股をかけた洪一。仕事のために取引先の年上女性に近づく孝次…。裏切られても、傷つけられても、性懲りもなく惹かれあってしまう、恋をせずにいられない男と女のための恋愛小説9篇。

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  • 光抱く友よ
    3.0
    大学教授を父親に持つ、引っ込み思案の優等生・相馬涼子。アル中の母親をかかえ、早熟で、すでに女の倦怠感すら漂わせる不良少女・松尾勝美。17歳の二人の女子高生の出会いと別れを通して、初めて人生の「闇」に触れた少女の揺れ動く心を清冽に描く芥川受賞作。他に、母と娘の間に新しい信頼関係が育まれていく様を、娘の長すぎる髪を切るまでの日々のスケッチで綴る「揺れる髪」等2編。

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  • キッドナップ・ツアー
    4.0
    5年生の夏休みの第1日目、私はユウカイ(=キッドナップ)された。犯人は2か月前から家にいなくなっていたおとうさん。だらしなくて、情けなくて、お金もない。そんなおとうさんに連れ出されて、私の夏休みは一体どうなっちゃうの? 海水浴に肝試し、キャンプに自転車泥棒。ちょっとクールな女の子ハルと、ろくでもない父親の、ひと夏のユウカイ旅行。私たちのための夏休み小説。

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  • わたしの流儀
    -
    旅に出て、人と出会い、酒肴を愉しみ、言葉を選び、小説を書き、歳を重ねる……。自らの流儀を守り、穏やかで豊かな生活から産まれる傑作の数々。その精密な取材と静謐な筆致は、読む者を虜にし深い感動を呼び起こす。作家冥利に尽きる体験、日常の小さな発見、ユーモアに富んだ日々の暮し、そしてあの小説の執筆秘話を綴る。作家・吉村昭の文章を紡ぐさまをかいま見る芳醇な随筆集。

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  • わたしの普段着
    4.0
    かつて電車で目にした、席を譲られた老紳士の優美な仕種。我が家に家出娘を迎えに来た父親が農村の事情を語る言葉の奥深さ。結核による死を覚悟した頃を思えば感じる、今この時に生きる幸せ――。気取らず、気負わず、殊更には憂いを唱えず。いつも心に普段着を着て、本当に知った人生の滋味だけを悠悠閑閑と綴ってゆく。静かなる気骨の人、吉村昭の穏やかな声が聞こえるエッセイ集。

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  • 俺俺
    3.6
    なりゆきでオレオレ詐欺をしてしまった俺は、気付いたら別の俺になっていた。上司も俺だし母親も俺、俺ではない俺、俺たち俺俺。俺でありすぎて、もう何が何だかわからない。増殖していく俺に耐えきれず右往左往する俺同士はやがて――。他人との違いが消えた100%の単一世界から、同調圧力が充満するストレスフルな現代社会を笑う、戦慄の「俺」小説! 大江健三郎賞受賞作。

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  • 素直な戦士たち
    -
    頭の良い男の子を生むには25、6歳、だから24歳の時に見合いをする。相手は知能指数さえ高ければ、むしろ自分の出世をあきらめたような男がいい。――これが千枝が、わが子を東大に合格させるために立てた遠大な計画の第一段階だった。あらゆるものを犠牲にして計画を実行する妻と、それに疑問を感じながらも従わされるサラリーマンの夫を通し、現代の教育と親子関係の断面を抉る。

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  • 生命なき街
    -
    焦熱と砂漠の街、外国人たちから“ライフレス・シティ”と呼ばれるワジバにただ一人で駐在する商社員の、同胞をも敵とした孤独で苛烈な日々を描いた表題作。ほかに『神武崩れ』『挑戦』『老人の眼』『鍵守り男』『白い闇』など、日本経済の高度成長の本当の担い手でありながら、組織や金に裏切られ、むくわれることなく追われてゆく男たちに光をあてた、初期の力作6編を収録する。

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  • ある倒産
    -
    定年を二年後にひかえた調査部長原口は、下請会社へ専務として出向を命じられる。突然の辞令にとまどいながらもはりきる原口。だが、その会社はすでに再建不能の状態であった。倒産の裏面で展開される男たちの息づまる格闘を描いた表題作。ほかに、『絶叫の街』『魔の同伴』『楽天地へ』など、複雑なビジネスの世界に生きる人間の哀歓をリアルに描き出した作品八編を収録する。

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  • 無所属の時間で生きる
    5.0
    どこにも関係のない、どこにも属さない一人の人間としての時間──それは、人間を人間としてよみがえらせ、より大きく育て上げる時間となるだろう。「無所属の時間」を過ごすことで、どう生き直すかを問い続ける著者。その厳しい批評眼と暖かい人生観は、さりげない日常の一つ一つの出来事にまで注がれている。人と社会を見つめてきた作家の思いと言葉が凝縮された心に迫る随筆集。

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  • 満潮の時刻
    4.1
    突然の喀血により結核に冒されていることを知った明石。四十代の働き盛りで療養生活を余儀なくされ消沈する明石が入院先で出会ったのは、自分よりもさらに死に近い病人たちと、その儚い命の終焉だった。結核がまだ致命的な病であった時代、死の淵を彷徨い絶望と虚無に陥った男の心はどこへ向かったのか。生と死、信仰と救済。遠藤文学を貫くすべてのテーマが凝縮された感動の長編。

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  • 白い人・黄色い人
    -
    『白い人』は、醜悪な主人公とパリサイ的な神学生との対立を、第二次大戦中のドイツ占領下リヨンでのナチ拷問の場に追いつめ、人間実存の根源に神を求める意志の必然性を見いだそうとした芥川受賞作。『黄色い人』は、友人の許婚者をなんらの良心の呵責も感じずに犯す日本青年と、神父を官憲に売った破戒の白人僧を描いて、汎神論的風土における神の意味を追求する初期作品。
  • ファーストレディ(上)
    -
    1~2巻605円 (税込)
    戦争末期、空襲下の東京で、女学生の百合子と愛子は二人の大学生と出会った。その一人、渋谷と戦後再会した百合子は、もう一人の大学生、辻を慕いながら、渋谷の求婚を受け入れる。議員の家系に繋がる百合子との結婚によって、渋谷は政治家としての第一歩を踏み出した。一方、シベリア抑留から病んで帰った辻は、医者を目指す愛子と結ばれる。かくて二組の夫婦の戦後が始まった……。

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  • 月光のドミナ
    -
    暗い波間から現われた全裸の金髪女性に頬を打たれ、自己のマゾヒストとしての運命を確認する画学生千曲の暗い欲望に迫る「月光のドミナ」。外国旅行中、結核が再発した夫に南仏見物を同意させる妻のわがままを描く「再発」。ほか「シラノ・ド・ベルジュラック」「あまりに碧い空」「パロディ」「寄港地」「宦官」「松葉杖の男」「地なり」「イヤな奴」「葡萄」を収録。作中人物の心に潜む暗い衝動やエゴイズムや恐怖を、そのまま描き出す誠実な筆致と明確な構成を持つ初期短編11作。

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  • 雪の花
    4.1
    数年ごとに大流行して多くの人命を奪う天然痘。それに絶対確実な予防法が異国から伝わったと知った福井藩の町医・笠原良策は、私財をなげうち生命を賭して種痘の苗を福井に持ち込んだ。しかし天然痘の膿を身体に植え込むなどということに庶民は激しい恐怖心をいだき、藩医の妨害もあっていっこうに広まらなかった……。狂人とさげすまれながら天然痘と闘った一町医の感動の生涯。

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  • 海馬(トド)
    -
    1巻605円 (税込)
    雪と流氷に閉ざされる羅臼の町で、トド撃ちに執念を燃やす老人と、町を捨て上京した娘との確執を描く表題作。浮気をした妻を刺した過去を背負い天然鰻漁でひっそりと暮らす男と、彼に寄り添おうと静かに情熱を傾ける女の物語「闇にひらめく」など全7編。動物を仲立ちに自然とともに生きる人びとを、動物の生態や習性の綿密な取材に基づいて、愛情をこめて描き出した動物小説集。

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  • 隠花の飾り
    4.0
    妻子ある男を好きになってしまった銀行勤めの伴子。男と結婚するのに必要となる三千万円を横領するが、たった一枚の百円玉が、その運命を反転させる「百円硬貨」。毎日弁当を作り、ボーナスで洋服を仕立てて、年下の男に尽くす滝子。男が若い女と結婚することが決まり潔く身を引くが、結婚前夜に男が訪ねて来て……「記念に」。愛を求めるあまり転落してゆく女たちを描く傑作短編十一編。

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  • 半生の記
    5.0
    日本が破滅に向って急速に傾斜していった時代、金も学問も希望すらもなく、ひたすら貧困とたたかっていた孤独な青年松本清張。印刷所の版下工としてインクにまみれ、新聞社に勤めてからも箒の仲買人までしながら一家八人の生活維持に苦しんだその時代が今日の松本文学を培(つちか)ったのであった――。本書は、社会派推理小説の第一人者である著者が若き日を回想して綴る魂の記録である。

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  • すれ違う背中を
    3.7
    パン職人を目指して日々精進する綾香に対して、芭子はアルバイトにもなかなか採用されない。そんなある日、ビッグニュースが! 綾香が商店会の福引きで一等「大阪旅行」を当てたのだ。USJ、道頓堀、生の大阪弁、たこ焼き等々初めての土地で解放感に浸っていた彼女たちの前に、なんと綾香の過去を知る男が現れた……。健気な女二人のサスペンスフルな日常を描く人気シリーズ第二弾。

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  • 菊月夜
    3.6
    四年間の江戸詰めの間に許婚・小房の父が狂死し家族は追放されるという運命に遭った信三郎が、事件の決裁に疑問をいだいて真相をさぐり、小房と劇的に再会するまでを描いた「菊月夜」。周五郎が年少の読者に向けて、母の愛とは何かを感動的に語りかけた「花宵」「おもかげ」。ほかに「柿」「一領一筋」「蜆谷」や、名作「青べか物語」の原型となった「留さんとその女」「蛮人」など全10編。

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  • 白い服の男
    3.9
    1巻605円 (税込)
    横領、強盗、殺人……こんなたぐいの犯罪は一般の警察にまかせておけばよい。わが特殊警察の任務はただひとつ――人間が作り出す平和の虚妄性を痛烈な皮肉をこめて描く表題作。男っぽく言葉づかいのぞんざいだった妻が一夜あけるとすっかりしとやかな女になっていた――軽妙なタッチで医学の進歩の盲点を衝いた『月曜日の異変』。ほかに、『老人と孫』『テレビシート加工』など全10編。
  • 映画を見ると得をする
    -
    なぜ映画を見るのかといえば……人間はだれしも一つの人生しか経験できない。だから様々な人生を知りたくなる。しかも映画は、わずか2時間で隣の人を見るように人生を見られる。それ故、映画を見るとその人の世界が広がり、人間に幅ができ灰汁がぬけてくる。その逆に映画を見ようとしない人は……。シネマディクト(映画狂)の著者が映画の選び方から楽しみ方、効用を縦横に語りつくす。

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  • 魔羅節
    3.8
    それは百年ほど前の、岡山でのこと。腐臭たちこめる茅屋に、行き場のない者たちが吹き溜まり、夜昼なくまぐわい続ける、禍々しい世界。男と女はもちろん、人とけだものから、死者と生者まで、相手かまわぬ嬲り合いの果て、幻想が現実を侵食し、すべては地獄へなだれこむ――。血の巫女・岩井志麻子が、呪力を尽くして甦らせた、蕩けるほど淫靡で、痺れるほど恐ろしい、岡山土俗絵巻。

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  • 蒲団・重右衛門の最後(新潮文庫)
    -
    赤裸々な内面生活を大胆に告白して、自然主義文学のさきがけとなった記念碑的作品『蒲団』と、歪曲した人間性をもった藤田重右衛門を公然と殺害し、不起訴のうちに葬り去ってしまった信州の閉鎖性の強い村落を描いた『重右衛門の最後』とを収録。

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  • ぬばたま(新潮文庫)
    3.4
    ときどき、こんな人がいるのです。山に入ったまま、帰って来られなくなってしまった人が──。仕事も家族も失い、絶望のうちに山を彷徨う男が見た恐ろしい幻影。少女の頃に恋した少年を山で失った女の、凄絶な復讐。山で見たおぞましい光景が狂わせた、幼なじみ三人の運命。死者の姿が見える男女の、不思議な出会い。闇と光、生と死、恐怖と陶酔が混じり合う、四つの幻想的な物語。
  • 美酒一代―鳥井信治郎伝―(新潮文庫)
    3.5
    世界に冠たる洋酒メーカー“サントリー”創業者・鳥井信治郎。優れた経営感覚と湧き出るアイディア、それらを実行する行動力と、「スコッチに負けないウイスキーを」という執念が数々の銘酒を生み出した。赤玉ポートワインから、サントリー・オールドへ、現代に通じる鳥井イズムを伝記文学の第一人者が生き生きと描き出す。大阪に生まれ、一介の奉公人から身を起こした男の物語。
  • さらば雑司ヶ谷(新潮文庫)
    4.0
    中国から久しぶりに戻った俺を出迎えた友の死。東京、雑司ヶ谷。大都会に隣接するこの下町で俺は歪んだ青春を送った。町を支配する宗教団体、中国マフィア、耳のない男……。狂いきったこのファックな人生に、天誅を喰らわせてやる。エロスとバイオレンスが炸裂し、タランティーノを彷彿とさせる引用に満ちた21世紀最強の問題作。脳天、撃ち抜かれます。
  • 君はこの国を好きか(新潮文庫)
    4.0
    1巻594円 (税込)
    わたしはハングルに感電した―。アメリカで出会った友人に影響され、雅美は韓国語に魅せられて、ついに留学を決意する。ところが文化の違いから、いらだちと挫折感を味わうようになって……。東京とソウルを行き来する青春の日々を新しい感性で描く『君はこの国を好きか』に、ふとしたことから、在日であることを自覚させられる男子大学生を主人公にした『ほんとうの夏』を併録。
  • 駱駝の夢 上巻
    -
    1~2巻594~638円 (税込)
    いつも信じあって生きてきたはずの妻が、突如、得体の知れない存在に変貌するとき、夫は……。心の歯車が微妙にくるってゆく夫婦の危機を描く1200枚。上巻。昭和47年~48年、日本経済新聞夕刊連載。
  • 雪の音 雪の香り―自作への旅―
    -
    故郷を舞台にした作品の多さが、故郷への思いの深さを物語る―自作の中から、郷里・八戸市周辺を舞台にした作品23篇を選び、一篇一篇、著者自らが愛情を込めて回顧する。作品が描かれることになった経緯は。執筆中の思いは。“創作の秘密”を惜しげもなく披露して、おのずと自伝的小説のような趣をなす小文集。独特の透明な世界へと読む者をいざなう、三浦文学最良の案内書。
  • 夢のように日は過ぎて
    3.5
    会社勤めのデザイナーとしてキャリアを積んだ芦村タヨリさんは、今が娘盛り。日本酒で作った自家製化粧水でお肌はピカピカ、相手の男次第でハタチから三十五まで幅広く年齢のサバも読めます。ちょっぴり落ち込んだりしても、「アラヨッ」の掛け声もろとも、優雅に軽やかにピンチを乗りこえてしまう、その素敵に元気な独身生活の秘訣とは? ハイミスの魅力あふれる連作長編小説。
  • 佐賀北の夏―甲子園史上最大の逆転劇―
    3.9
    2007年、夏。甲子園は奇跡に揺れた。前年県大会初戦敗退の公立校が、全国制覇を成し遂げたのだ。その名は佐賀北。スター選手を一人も抱えることなく、宇治山田商、前橋商、帝京、広陵など常連強豪校を次々と破った裏には、いかなる練習と秘策があったのか。対戦校の監督たちが体験した怖さ、監督・選手間で交された日誌の存在など、綿密な取材から、最大の逆転劇が起きた必然に迫る。
  • 二十歳の原点ノート
    4.0
    自己、家族、友だちについて語る断面からは、明るく多感で利発な少女の素顔がうかがえる。高校へ進学し、バスケットクラブと受験勉強の両立に苦悩しながら、精一杯に努力し真剣に生きた姿は、同じ悩みを知る多くの人々の心に深く刻まれるであろう。
  • 夜あけのさよなら
    3.8
    「人に取られたくない」という独占欲が、愛のかたち―やわらかに耳を打つ、心を撫でられそうな篠崎サンの声。安心してよりかかれる気がするけど、どうしてそうやさしくするの?田辺聖子の恋愛小説。
  • 思い出コロッケ
    3.6
    美人でもなく、賢そうでも若くもない女に惹かれ、家を出た夫。あの人となら温かい家庭を築けると思ったのに、なぜ──。知人の電話から、夫婦関係の冷たさを思い知る(「コロッケ」)。不倫に疲れ、帰省した先で出会った事件から、まっとうな家族の温かさと女の独り身の侘びしさに気づかされる(「黒豆」)。昭和を舞台に大人の恋、男女の情愛、そして家族の真実を描いた静謐な七篇。
  • 居酒屋道楽
    3.7
    全国の居酒屋を制覇した達人・太田和彦が、もっと贅沢な居酒屋の愉しみを求めて再び旅立つ――。東京から東北へ、横浜から大阪へ、訪ね歩いた古き良き居酒屋には、人を酔わせる歴史があり、歌があり、物語があった。さらに創業八十周年を迎えた「シンスケ」始め名居酒屋ひしめく東京下町では、伝統を受け継ぐ若手が育っている。文庫書き下ろしエッセイも入った上級者向け居酒屋案内。
  • 美しい心臓
    3.5
    DVに憑かれた冷酷な夫から逃げ出したわたしが、職場で偶然知り合った既婚者の彼。その導きで始まった密会のたわむれは、わたしを絶望の淵から救った。甘い官能に溺れるふたつの魂は、秘密の部屋を抜け、やがて緑滴る中米の地を目指す。生命が躍動する新世界で、わたしが望んだのは、しかし、欲して止まない彼の死だった。悪魔的に美しく、愛と見まごうほどに純粋な感情の行方。
  • 姫神の来歴―古代史を覆す国つ神の系図―
    3.3
    記紀によれば須佐之男は大国主命の父であったり、何代か前の先祖であったりする。混乱した神々の系図を著者は二柱の姫神を軸に解読していく。神社の由緒、考古学の成果、朝鮮の史料等を渉猟し、大胆な推理で記紀の隠蔽し続ける事実をあぶり出す。混沌とした神話が一つの大きな歴史となり、卑弥呼や天照大御神の正体さえも浮上する。スリリングで知的好奇心に満ちた傑作古代史論考。
  • シネマの極道―映画プロデューサー一代―
    4.3
    東映入社以来、プロデューサーとして関わった映画は130本以上。深作欣二や五社英雄といった一癖も二癖もある名物監督を盛り立て、高倉健や菅原文太、藤純子や岩下志麻のような名優たちと組んで、「仁義なき戦い」や「極妻」シリーズに代表される昭和の傑作を数多く世に送り出した。さらにカンヌ映画祭をも制した稀代の映画人が明かす激動の半生記にして貴重な戦後映画秘史!※新潮文庫版に掲載の写真の一部は、電子版には収録しておりません。
  • 甦る教室―学級崩壊立て直し請負人―
    4.3
    北九州の地で荒れたクラスを次々に再建し、教育界の熱い注目を集める「日本一忙しい小学校教師」菊池省三。子どもの瞳に輝きが戻り壊れた教室が甦る、その秘密はどこにあるのか。「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」等の指導法で、自立心と他人を敬う心を育てる「菊池式教育観」に、かつての教え子が迫る。『学級崩壊立て直し請負人 大人と子どもで取り組む「言葉」教育革命』改題。
  • 醜い日本の私
    4.0
    頭上には電線がとぐろを巻き、街ではスピーカーががなりたてる、ゴミ溜めのような日本。美に敏感なはずの国民が、なぜ醜さに鈍感なのか? 客への応対は卑屈で、「奴隷的サービス」に徹する店員たち。その微温的「気配り」や「他人を思いやる心」など、日本人の美徳の裏側に潜むグロテスクな感情を暴き、押し付けがましい「優しさ」に断固として立ち向う。戦う哲学者の反・日本文化論。
  • クレーヴの奥方
    3.0
    16世紀、アンリ2世の王宮を舞台に、実在の人物が数多く登場。夫クレーヴ公に詰問された奥方は、他の男への想いを打ち明ける――。17世紀末に匿名で発表されるやベストセラーになった、フランス文学初期の小説にして最初の恋愛心理小説。
  • 極限のトレイルラン―アルプス激走100マイル―
    3.2
    目指すゴールは160キロ先! 己の極限に挑む世界最高峰レースがいま始まる。不眠不休は当たり前。モンブラン山群に立ち向かう地獄の苦しみが、いつしか最高の喜びへと変わる。学生時代は箱根駅伝を目指すも故障で挫折。その後、28歳でトレイルランと出会い、45歳を過ぎても走り続ける国内第一人者のランナーが明かす究極のレース。『アルプスを越えろ! 激走100マイル』改題。※新潮文庫に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
  • 新選組おじゃる
    3.3
    沖田総司の命を狙う、新政府一のワルの正体は、岩倉具視だった! 総司と徳川家を守るため、岩倉が潜む江戸城に乱入する新選組。敵方率いる抜刀隊に負けそう……な危機を助けてくれたのは、ご先祖様のぬらりひょん! 江戸妖怪の総大将と共にオカマのお歯黒べったり、九尾の狐、ろくろっ首や唐傘小僧も参戦。城内で火を吹き剣を操り大騒ぎ。新人隊士・市村鉄之助の戦い、ついに完結。
  • ウロボロス ORIGINAL NOVEL―イクオ篇―(新潮文庫nex)
    3.6
    養護施設まほろばで育ったイクオとタツヤは、最愛の結子先生を殺されるのを目撃したが、その証言を警察にもみ消されてしまう。真相を握る「金時計の男」を探すためイクオは刑事、タツヤはヤクザとなり密かな協力関係を結んでいた。ある夜イクオが潜入調査中に遭遇した謎の少女。同じ現場で発見された男の刺殺体。彼女の正体は果たして何者なのか? 二匹の龍(ウロボロス)が絡み合う事件、イクオ篇。
  • 魔女の1ダース―正義と常識に冷や水を浴びせる13章―
    3.9
    私たちの常識では1ダースといえば12。ところが、魔女の世界では「13」が1ダースなんだそうな。そう、この広い世界には、あなたの常識を超えた別の常識がまだまだあるんです。異文化間の橋渡し役、通訳をなりわいとする米原女史が、そんな超・常識の世界への水先案内をつとめるのがこの本です。大笑いしつつ読むうちに、言葉や文化というものの不思議さ、奥深さがよーくわかりますよ。
  • 新選組はやる
    3.0
    妖怪レストラン「もず亭」の看板娘・蕗(ふき)が誘拐された! 一報を受け、市村鉄之助始め沖田総司ら新選組が結集、救出に向かう。鉄之助のご先祖様・ぬらりひょん率いる妖怪軍団も作戦に参加し大騒動に。冷気を出す雪女、刀を振り回すカマイタチ。火の玉は炎を放ち、お歯黒べったりは逃げ回る……。姿を現した黒幕は新政府一のワルだった!
  • 持ち重りする薔薇の花
    -
    薔薇の花束を四人で持つのは、面倒だぞ、厄介だぞ、持ちにくいぞ――世界的弦楽四重奏団(クヮルテット)の愛憎半ばする人間模様を、彼らの友人である財界の重鎮が語り始める。互いの妻との恋愛あり、嫉妬あり、裏切りあり……。クヮルテットが奏でる深く美しい音楽の裏側で起きるさまざまなできごと、人生の味わいを、細密なディテールで描き尽くした著者最後の長編小説。
  • 新選組ござる
    3.1
    実家はインチキ拝み屋。ご先祖様は江戸妖怪の総大将ぬらりひょん。14歳の市村鉄之助は剣の才能皆無なのに、愛犬モモと共に新選組に入隊。源義経の亡霊に取り憑かれて滅法強い剣士と化す。将軍家の重大な秘密を握るため、暗殺者に狙われる沖田総司を絶対に守ってみせる! ご先祖様のお仲間の、お歯黒べったり&お岩さん・お菊さんも大きに応援。新感覚時代小説、堂々開幕。
  • ミカドの淑女
    3.8
    その女の名は下田歌子。女官として宮廷に出仕するや、その才気によって皇后の寵愛を一身に集め、ついには華族子女憧れの的、学習院女学部長となった女。ところが平民新聞で、色恋沙汰を暴露する連載記事が始まり、突然の醜聞に襲われる。ここに登場するのは、伊藤博文、乃木希典、そして明治天皇……。明治の異様な宮廷風俗を描きつつ、その奇怪なスキャンダルの真相を暴く異色の長編。
  • 恋情からくり長屋
    4.0
    「治兵衛さん、しぼり尽させてもらいますえぇ」。島原女郎の請け出しに身代賭けた大店の旦那。菊の香りを懐かしむ消えた恋女房に瓜二つの歌比丘尼。国もとの妻の胸を騒がす不思議な夢が暴く、見てはならないこの世の闇……。浪花で恋に焦がれ、江戸で情けに溺れる女と男。西鶴もかくや、の情念にじむからくり話を自在に操る名うての著者の絶品世話物競演! 『夢からの手紙』改題。
  • 徒然草REMIX
    3.7
    「人間、やっぱり容姿でしょう」「男が持つべきでないもの、それは妻」「過去の逢瀬をしのぶ時間っていうのが恋の真髄じゃない?」日本人なら誰もが一度は教科書で学んだ古典的名作『徒然草』は、兼好法師の毒舌と自意識にまみれたエッセイだった!? ――同業者(エッセイスト)の視点で、酒井順子が大胆解釈。平成の世にも通じる本音の数々に思わず笑って頷ける、清少納言との「仮想対談」も収録。
  • ビッチマグネット
    3.7
    すべてを分かち合う仲が良すぎ? な香緒里と友徳の姉弟。夫の浮気と家出のせいで、沈み込みがちな母・由起子。その張本人である父・和志は愛人・佐々木花とのんびり暮らしている。葛藤や矛盾を抱えながらもバランスを保っていた彼らの世界を、友徳のガールフレンド・三輪あかりが揺さぶりはじめて――。あなた自身の「物語」っていったい何? 優しくて逞しい、ネオ青春×家族小説。
  • 香乱記(一)
    4.2
    悪逆苛烈な始皇帝の圧政下、天下第一の人相見である許負は、斉王の末裔、田氏三兄弟を観て、いずれも王となると予言。末弟の田横には、七星を捜しあてよという言葉を残す。秦の中央集権下では、王は存在しえない。始皇帝の身に何かが起こるのか。田横は、県令と郡監の罠を逃れ、始皇帝の太子・扶蘇より厚遇を得るのだが……。楚漢戦争を新たな視点で描く歴史巨編、疾風怒濤の第一巻。
  • 夜離れ
    3.8
    甘えん坊の摩美としっかり者の朋子。摩美の彼氏に一目惚れしてしまった朋子が、摩美の結婚式で行なった禁断のスピーチとは……「祝辞」。銀座のホステスから地味なOLに戻り、着実な結婚をめざした〈私〉を襲った突然の不幸……「夜離れ」。結婚に憧れる女性たちが、ふと思いついた企みとは? ホントだったら怖いけど、どこか痛快な気分にも。微妙な女心を描く6つのサスペンス。
  • 狂気という隣人―精神科医の現場報告―
    3.6
    人口の約1%が統合失調症という事実。しかし、それが我々に実感されることがないのはなぜか。殺人、傷害にかかわりながら、警察から逮捕もろくな保護もされず、病院さえたらい回しにされる触法精神障害者。治癒して退院したはずなのに、再び病院へ戻ってくる精神病患者。疲弊する医療関係者。社会の目から遮蔽されてきた精神医療の世界を現役の医師がその問題点とともに報告する。
  • 文明の憂鬱
    3.7
    AIBO、皇太子妃ご懐妊報道、略字体、口蹄疫、ピッキング、大リーグ、臓器移植、世界同時多発テロ、加工食品……。私たちを取り囲んでいるモノ、技術、現象、事件、情報……そうした文明のちっぽけなしっぽの一端から、巨大な憂鬱が見えてくる。明晰な論理と非凡な視点、そして鋭い感覚で日常に潜む微細な欺瞞をも見抜いてゆく。単行本未収録の24編を加えた全49編の文明批評エッセイ。※文庫版に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。
  • 岐阜羽島駅25時
    -
    東京、横浜と、相次いで起こった高齢資産家の殺人事件。唯一の手掛りは、被害者の書斎に残された、『あなたは百五十歳まで生きられる そして不老不死へ』という、謎の医師ドクター朝倉の著書だった。十津川警部と亀井刑事は、江戸時代から不老不死の探究が続けられ、現在はドクター朝倉の研究所がある岐阜羽島に向かう……。十津川警部が禁断の研究に挑む、長編トラベルミステリー。
  • 宮島・伝説の愛と死
    2.7
    癌で余命三ヶ月と宣告された一乗寺多恵子が殺された。必死の捜査にもかかわらず、手掛かりは得られない。十津川警部は、多恵子が死に際して最期の旅行を計画していた宮島に事件解決の鍵が隠されていると睨んだ。そして、厳島神社の大鳥居をくぐる夜間の遊覧船で、偶然にも発生した転落事故。それが、多恵子の身に起きた21年前の忌わしい過去を呼び覚ました。十津川警部、渾身の捜査!
  • 赤まんま―慶次郎縁側日記―
    4.0
    不治の病に逝った幼な馴染みの霊前で、誓いを立てた簪を独り見つめる材木問屋の心のうちも、容色盛んな若後家がなお胸に秘める亡くした夫との思い出も、秋風にひっそり揺れる赤まんまの花しか知らない。折檻、密通、盗癖だと町の騒ぎをはやす輩も、心のわるさに弄ばれ道を外した人々の苦い涙に気付かない。ゆえに仏の慶次郎は、苛む心の苦しみと忍ぶ心の悲しみに、今日も静かに耳をすます。
  • やさしい男―慶次郎縁側日記―
    -
    無慈悲な理由で仕事を失くし、女房子供を泣かす食い逃げ者に身を落とす。腹の虫も治まらぬうちに、鳴くのは同じ腹の虫とは洒落にもならない。生き馬の目を抜く江戸の暮らしは、負けるものには容赦ないが、町にあふれる食い詰め人も裏の事情は十人十色。ご存じ「仏」の慶次郎の目に映るのは、罪を背負ってなお憎みきれない人間ばかり。庶民の現実を円熟の筆で描く大人気シリーズ第七弾!
  • 脇役―慶次郎覚書―
    3.5
    元定町廻り同心、我らが森口慶次郎に心底惚れ込み、陰に日なたにその活躍を支え続ける「縁側日記」の登場人物たち。岡っ引の辰吉に吉次、飯炊きの佐七や嫁の皐月……こみ入った過去を背負い、一筋縄ではいかぬへそ曲がりもいるけれど、他人の涙を見過ごせない心根の出来のよさなら慶次郎にも負けやしない。いつも脇役、今日は主役の彼らが語る粋で優しい八つの江戸人情譚!
  • 隅田川―慶次郎縁側日記―
    3.3
    あの頃は良かった。長屋で仲良く遊んでいた男の子二人、女の子二人。しかし、長じて男二人が女一人に惚れたのが運の尽き。おとよはあいつの嫁になり、俺は今あいつを殺そうとしている……。この四角関係に、さあどう片を付けるのか、晃之助! そして、義理の息子の奮闘を、隠居の余裕で暖かく見守る、元同心のおなじみ慶次郎。ままならぬ人間模様がせつない、大人気シリーズ第六弾。
  • 黒田如水
    3.9
    うしろ見は武門にない。当ってくだけろ。道は一すじ。「天下を獲れる男」と豊臣秀吉に評された天才軍師・黒田官兵衛(如水)。播州御着城城主・小寺政職の家老・黒田官兵衛は、織田信長と盟を結ぶため、岐阜へ赴き、秀吉の知遇を得る。織田家の重臣・荒木村重が、反織田の旗頭・毛利氏に呼応して叛旗を翻した。伊丹城に籠城する村重を翻意させるため、官兵衛は、単身、敵地に向かうが……。天下無双の軍師・黒田官兵衛の半生を描く歴史小説。
  • 浅草鳥越あずま床
    -
    下町浅草鳥越に、生れ育って六十年、幼なじみの六人の、いずれ劣らぬ老悪童、寄ればたちまち持ち上がる、思いもかけぬ珍事件。色と欲には目もくらみ、甘い話に乗せられて、いつも騙されコケにされ、それでも懲りないくじけない。恥も喜びも分ちあい、清く正しく生きて……いるかどうかは知らないが、情あふれるこの男たち、笑ってやって下さい、しめて八編連作滑稽譚。
  • 道元の冒険
    -
    お互いの夢の中の存在である禁欲の仏教者道元と現代の色情狂患者。夢の二重構造をみごとに劇化しつつ、日本の精神風土を痛烈に笑いとばした表題作。人間に頼るよりも自由気ままに生きようと放浪する野良猫たちが、自分たちの楽園を築くまでとその行きつくさきを描く『十一ぴきのネコ』――ことばのもつ生命力を十二分に駆使して、日本語に新しい響きを甦らせた抱腹絶倒の喜劇2編。
  • どうしてもコメの話
    -
    日本のコメが危ない。押し寄せる関税化・自由化の波に、現実になった大凶作、緊急輸入――。いまこそ日本のコメや農村の重要性を認識し、地球に優しい水田を守っていくときである。一粒のコメをつぶさに見つめ、児孫のために美田を残す道を探る。コメをめぐるあらゆる迷信を覆し、日本の進むべき新たな指針を示す。

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