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昭和30年代初頭、東京は上野駅前の団体旅館。子供のころから女中部屋で寝起きし、長じて番頭に納まった主人公が語る宿屋稼業の舞台裏。業界の符牒に始まり、お国による客の性質の違い、呼込みの手練手管……。美人おかみの飲み屋に集まる番頭仲間の奇妙な生態や、修学旅行の学生らが巻き起こす珍騒動を交えつつ、時代の波に飲み込まれていく老舗旅館の番頭たちの哀歓を描いた傑作ユーモア小説。
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Posted by ブクログ
個人的名作です。 番頭さんや女中と、お客様のやり取りに風情があり味わい深い作品です。 小説全体から旅情が溢れだし、旅好きでお酒好きな私としては場面毎の風景が頭の中で浮かんできました 笑 コロナ禍のいまだからこそ家で旅行気分に浸れる小説かと思います。
やっぱり井伏鱒二ですね。番頭の身の回りに起こったこと、訪れた客のこと、お色気な展開に発展しそうで特に何もなかったこと。感情の起伏は乏しく、一歩引いたところから見た光景をただただ書き記したもの。落ち着いて読めます。最高でした。
今は少し懐かしいものとなってしまった駅前旅館。私たちの世代からすると、古き良き時代の旅館、というイメージです。 そんな上野駅ちかくの旅館の番頭がこの物語の語り部。 この主人公の番頭、めちゃくちゃ女たらしの助平みたいな行動ばかりしていながら、じつはちょっと肝心なところでヘタレ。でもそのキャラがいい。...続きを読む何より、幼い頃からずっと宿屋と親しみがあるだけあって、宿屋の規律不文律がすべてしっかりと身に付いている。そういう、けじめがきちんとあるところが、お客や同業者になめられず敬意をもって接してもらえるゆえんなのだと思う。 この番頭を中心とする「慰安旅行会」のメンツがなかなかの個性派揃いで面白い。このメンバーが集まるとたいていろくなことがない…というよくある話の典型は、昔からあったものなんですね。
とうとう我が愛する森繁久彌が逝ってしまいました。96歳で老衰といいますから大往生ですね。 小さい頃から日本の古い映画も大好きでよく見ていましたが、ことに駅前シリーズ24本は、私にとっては寅さんや釣りバカ以上に親しみ深いものとして記憶の底にあります。 駅前シリーズの森繁久彌と伴淳三郎とフランキー堺...続きを読むは、喜劇というものがどんなにすばらしいものかということを、骨の髄まで私に教えてくれた人たちでした。 正直言って、その後、中学生で漫才に目覚め、高校で落語に開眼しと、お笑いの世界の拡張は著しいものがありましたが、これ以上のものにお目にかかったことがありません。 あっ、それと、この本ですが、たまたま高校生の時に、原作が気になって手に入れてみると、それまで、どうも感じでは獅子文六っぽいと思っていたのが、意外や意外、なんと大作家・井伏鱒二ではありませんか、随分おどろいて、なんだか拍子抜けした覚えがあります。 モリシゲは、私にとって最高の喜劇役者だったのですが、本人はシリアスな俳優を指向して、『夫婦善哉』や『警察日記』を境に、喜劇役者の名を返上してしまった感があります。 あ、思い出しました、あと源氏鶏太原作の『三等重役』というサラリーマンものも面白かった記憶があります。 ただ私は残念ながら、世評高い『屋根の上のバイオリン弾き』は、見苦しくて滑稽なだけだと思って、まったく評価しません。もっとも、あまたの有名無名の日本のミュージカルを見てきましたが、キャッツも宝塚もすべて失格、いまだ日本のミュージカル現われず、という気でいるのですからどうしようもありません。 ともかく、モリシゲさん、お疲れさまでした、喜劇をどうもありがとう。
井伏鱒二を読むと、普段の生活やいつも読んでいる本からは得られない何か微量栄養素みたいなものを得られる気がする 駅前旅館の番頭の風俗などこちらは知る由もないのだが、いかにも本物らしくありありと描き出される。かならずしも堅気の商売ではないらしい。子供の頃にウチの母親が少し眉をひそめていたあたり、よく覚...続きを読むえていないのだが祭りのテキヤとか上野駅前で托鉢していた虚無僧とか、そのへんの人々に近いか。要は勤め人とは違う世界。なぜこんなものを読んで面白いのか言葉にしがたいのだが面白い
いつまでも感想を空白にしておくのもしゃくなので、他の方の感想も見ながら少しだけ記録。 読み終えたら、その本をぱらぱらとめくって内容を思い出しながら感想を書く性質なのですが、どういうわけか、引っ越しのあわただしさに巻き込まれ、本書が見つからないのです。 引っ越し前に読んだのが悪かったか… 語り口は、と...続きを読むても軽妙だったことを覚えています。 井伏鱒二というと、『黒い雨』が有名ですし、みんな大好き太宰治が「師匠、描写力が半端ない」とはしゃぐくらい写実的な方だと思うのですが、だからと言って決して重くはなく、廃墟同然の姿しか見たことのない駅前旅館の風景に、知らないはずなのにノスタルジーを感じてしまうくらいでした。 それにしても、本当に、どこに紛れてしまったのか…
最初 19771201 観光業の可笑しさと面白さがギューッと詰まってます。 その方面の方、 仕事に疲れたら、これお薦めです。
堅気な商売のようだが実は江戸前の粋な世界に浸りながら、駅前旅館の番頭におさまる主人公の、活き活きとした立ちまわりを回想体の文章により表現した著者ならではの面白小説。 まず、その語り口が「古き良き」昭和の旅館とその周辺を再現していて面白い。べらんめい調だったのが、語り調になったり、旅館の隠語がみだり飛...続きを読むんだりと変幻自在だ。 ひとつの話も脱線して別の話になっていきそれがまた面白く、実はさっきの話の前振り話だったのかと戻ってくることもしばしば。なかなかついていくのも大変です。(笑) 番頭仲間でつるんだりとぼけたりする話や、旅館の泊まり客の様子も面白いが、主人公の派手だが結局はしぼむ淡い恋愛模様もそこはかとなく彩りを加えます。数々の与太話!も微に入り細に入る説明でついつい笑みがこぼれてしまいます。(笑) 話が唐突に終わったような感じだったが、もっと続いていても良かったな。
旅館の番頭、生野次平が主人公。 旅館にくるさまざまな客、あるいは旅館の女中や板前、番頭同士のドタバタ人情劇。 戦後、敗戦の憂鬱を吹き飛ばすかのような、上を下への、多忙を極めた番頭仕事。小気味良くテンポよく、読み手の心を楽しませる。 あるときは旅館の女将と。またあるときは芸者上がりの女工と恋の駆け引き...続きを読むがあったりする。笑 それにしても、読みながら感心したのは、やはり日本人という民族は接客業に対してたぐいまれなる熱意をもってして、さまざまな趣向をこらしたおもてなしを、昔から徹底してたんだな…。てことですかね。
脳死で読めました。気楽な感じです。 井伏鱒二は土着の民俗学に通ずるところがあり、好きなのかなと思います。
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