野火

野火

605円 (税込)

3pt

敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。

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野火 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     映画は市川崑監督版と塚本晋也監督版を両方とも観ている。戦場の悍ましさの表現に身震いしたものだが、原作は文字だけなのに映像以上の惨さを感じさせるからすごい。
     作者さんの実体験が反映されているからこその力強い文章のせいかもしれない。田村一等兵の心理描写の巧みさに唸り、彼の目を通した戦場の実相に目を背

    0
    2025年08月26日

    Posted by ブクログ

    敗戦間近のフィリピン、レイテ島で。
    結核にかかった田村一等兵は、中隊も病院も追い出される。理由は食糧不足である。
    もう一回病院に行ってこい、入れてもらえなかったら死ね、何のために手榴弾を渡してあるのか、と中隊長。わずかな芋を渡されて田村は中隊を出た。
    いずれ死ぬしかないだろう。
    しかし、死ぬまでは自

    0
    2025年08月08日

    Posted by ブクログ

    ベルクソンは内的世界に純粋記憶なる制約を与えて、自由を外的世界に見い出した。
    この知性主義ともとれる考えを、死を認識した主人公は、本能による動物的な嗅覚でこれを単なる美徳だと感じたらしい。

    対して主人公は不自由な外的世界を偶然と言い換え、そこから生まれる思考を自由のままにした。権威に対する思想、現

    0
    2025年07月17日

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争アジア戦線における、旧日本軍兵の過酷な戦争体験が生々しく描かれている。

    病、飢餓、腐敗した屍など常に死と隣り合わせの極限状態が伝わってくる内容で、「戦争は良くない」といった陳腐な言葉では片付かない重すぎる歴史を感じられた。

    0
    2024年12月30日

    Posted by ブクログ

    過去にタイトルを知っていたのだけれど、これまで読んだことのなかった作品。
    非常に良かった。戦争における極限状態がどのようなものかを克明に描き出す。
    戦争においては優秀な頭脳を戦場に送り出す非合理さがあるが、そこでの経験がこのような作品として昇華されることの意味、必然性を感じた。
    読みごたえがあった。

    0
    2024年08月18日

    Posted by ブクログ

    8万人の死者を出したという太平洋戦争末期フィリピンのレイテ島で、部隊が壊滅し食料のない中彷徨う一人の日本兵が、戦闘行為と無関係に人を殺してしまいながら、なおも人肉を食うか食わぬかに逡巡する姿を通して、戦争や生存について問いかける。映画は市川崑監督作品と塚本晋也監督作品の2本とも観ていて、今回この原作

    0
    2024年08月10日

    Posted by ブクログ

    野火
    著:大岡 昇平
    新潮文庫 お-6-3

    ヤマザキマリの「国境のない生き方」にお薦めがあったので、一読させていただきました。第二段

    比 レイテ島の密林で繰り広げられる日本兵と米軍の戦い、そのはざまに入る現地の人々。

    結核となり、部隊からも、軍病院からも見放された「私」

    米軍の攻撃から、軍病

    0
    2024年07月09日

    Posted by ブクログ

    太平洋戦争、フィリピン戦線でサバイバルする日本軍兵士を主人公とした小説。(大岡昇平の体験に基づき書かれているが、この小説はフィクション)
    戦争文学の代表作品と評されるだけあり、特に主人公の生死を彷徨う状況の中での深層心理の描写が印象に残る。(時には哲学的な表現もあり)

    このような戦争小説を読むにつ

    0
    2024年04月06日

    Posted by ブクログ

    小説の中に書かれていることは基本的に虚構であって、したがってそれを読んだときに自分の中に生まれる感触も幻のようなものだと言えるでしょう。しかし、小説は人間が書いているものである以上、それが虚構であっても、人間の世界の現実に触れています。人間が人間の世界を描くのである以上、まったくの虚構ではあり得ませ

    0
    2024年05月13日

    Posted by ブクログ

    気になりつつも敬遠していた一冊。この本を読んだ後だとどれだけお腹がすいてなくても何も食べないという選択をとることが躊躇われてしまう。戦争という特殊な環境下ではあるが本当に食べるものがないという状況になった時、人間はどうなってしまうのかをよく考えさせられた。

    0
    2025年09月14日

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