野火

野火

396円 (税込)

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敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。

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野火 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年10月16日

    聖書の引用を調べたり言い回しを調べたり……理解が追いつかず難しい部分も多々ある。
    書評読んだり100分で名著見たり……

    出会いは塚本監督の劇場版であるがやはり原作で読む迫力は凄まじい。
    聖書の要素は重要で、原作は必ずセットにしておかないと。そう思うと同時に映画版はリアルに田村の隣を歩いているような...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年09月19日

    高橋源一郎の本で紹介されていた戦争を描いた戦後に書かれた名著である。読んだつもりでいたが全く忘れてしまっていた。フィリピンの戦場で人を食べるかどうかの話とばかり思っていたがそれはテーマの一つであり全体ではなかった。捕虜となり帰国して最後は精神病院に入りその時にフィリピンの教会の場面を思い出すという最...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月09日

    私は道徳的に生きてきたと思っていた。しかし、それは、たまたま道徳に反する必要がなかっただけだ。人生の分かれ道はたくさんある。その選択の数だけ人生はある。それが必然なのか偶然なのかわからない。ただ、この小説を読むと、私の人生や価値観は偶然でしかないように思われる。

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    Posted by ブクログ 2022年10月06日

    小説の中に書かれていることは基本的に虚構であって、したがってそれを読んだときに自分の中に生まれる感触も幻のようなものだと言えるでしょう。しかし、小説は人間が書いているものである以上、それが虚構であっても、人間の世界の現実に触れています。人間が人間の世界を描くのである以上、まったくの虚構ではあり得ませ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年12月12日

     日本軍は、病気になった兵士を、病気になったからというそれだけの理由で、追放しちゃうのか、というのが何よりも衝撃。しかもたった六本の芋と銃と自殺用の手榴弾だけを持たせて。命を預けていた軍に最後の最後でそんな仕打ちをされて、病気と飢餓と敵の襲来の恐怖の中で森の中を彷徨い続け、たった一人で死んでいった兵...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年09月04日

    戦争文学。
    「戦争は怖いよね、惨いよね、やめようね」といった一言では到底片付けられない、常識と善悪の判断を超越する、運命の流れと人間の命について書き綴られた文学だった。

    自分が病を抱えて戦争と飢餓の真っ只中におり二重に死につつ、南国の太陽と樹々の下にいるという奇妙な事実、兵隊なのに肺病で食糧調達に...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月22日

    戦争体験はしてませんが、
    昔の日本の兵隊さんがどんな思いで戦いに行ったのか、知る事が大事な事だと思います。誰もが自分の先祖のことを考え、子孫である我々が生きているのは、彼らの時代があったからと考えてもおかしくないと思います。

    読み進めていくと、米国映画さながら、『死』『飢え』が脈々と描かれていて、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月19日

    無言館の戦没画学生には、フィリピン・ルソン島で戦死している学生が少なからずいる。たとえば山之井龍郎「昭和16年に出征し、シンガポール、サイゴンなどを転戦したのち、一時帰国するが、すぐに再び出征、20年5月フィリピンルソン島で24歳で戦死」。日本の自然や可憐な少女を描き、人一倍「美しさ」を感じ取ること...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年08月09日

    野火の燃え広がる比島をさまよう田村一等兵。人間嗜食を生々しく表現。
    戦争を知らない人間は半分子どもである。

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    Posted by ブクログ 2021年06月20日

    たまに無性に文学が読みたくなる。現代の受賞作を漁るのも良いけどやっぱり名作を読みたいなと思う。そこでNHKの「100分de名著」のアーカイブから見つけ出したのが、大岡昇平の「野火」。

    1944年、既に戦争の主導権を失ってしまっていた日本。「決戦」などと謳いながら無謀な抵抗を続け、最後の1年間だけで...続きを読む

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