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喋り慣れた日本語も、書くとなると話が違う。文章を上手に書くことができたら……。だが、「話すように書け」と人は説くけれど、「話すように書け」ばいい文章が書けるのか。いや、そんな単純なものじゃない。文章術の極意は奈辺にありや。文学史にのこる名作から現代の広告文までを縦横無尽に駆使して、従来の文章読本の常識を覆す井上ひさし式文章作法。
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Posted by ブクログ
1984年刊。 谷崎、志賀、川端、三島、野間、鶴見、丸谷……。井上ひさしがいろんな文章読本を読みながら、文章について考える。いわばメタ文章読本。 随所で出てくるのは、格調の高い文章を重んずる三島由紀夫。メインターゲットはこの読本。たとえばオノマトペ。三島は、鷗外がオノマトペを極力使わなかったので、文...続きを読む章が格調高いものになったと主張するのだが、井上は鷗外が効果的にオノマトペを使っている例をいくつもあげている。 認識や記憶のプロセス、注意容量、短期記憶のスパンなどの点から、文章を考察している章はみごと。当時の専門的な研究者(認知心理学者)でも、ここまでわかりよくは書けないかも。 丸谷才一の文章読本には詳しく触れてはいないが、ベタ褒めしている。
文章読本として三島丸谷はじめこき下ろしてるくせにその実用性は足元にも及ばないという感想を見受けたが、そもそも井上ひさしは文章読本など書く気はまるでなく、文芸作品として他の文章読本をいじり倒し、茶化し、弄び。そしてそれらを書いた作家たちを最大限にリスペクトを現してしているのだ。特に丸谷才一版の多岐にわ...続きを読むたる引用をパロディにして、その上で既存の文章読本に内容をなぞらえて新解釈を加える力業。エッセイというよりも読み物としてとてもスリリングだ。
話すように書け、透明な文章がよい、オノマトペは使うな・・・などなどの、文章法の「常識」に次々と疑問が投げかけられる。 代々の文豪や学者の言説が、一つ一つ取り上げられ、検討されていく。 猛烈な勉強に裏付けられているため、議論に迫力がある。
想像していたよりも難しい内容だった。 「文章読本」は、谷崎、三島、丸谷など大家が著しておられる。本書井上本はそれらも引用しながら展開されてゆく。 しかし文章の形態を定義づけたり、日本語との関連、そして書き手側と読み手側の違い……。 このような本を書ける作家は、文章や日本語を本当に真面目に考えていると...続きを読むいうことがよく分かる。 数ある「文章読本」だが、きっとどれも素晴らしいものなのだろう。
「私家版 日本語文法」が面白かったのでこちらも購入した。「日本語文法」ほどの読みやすさはなかったが、他の著者の「文章読本」・小説・評論などが多数引用され(海外の文献も豊富に扱われている)、より深い内容となっている。自分の文章にこの本の教えを生かすには二読・三読が必要なように思う。
既存の文章読本を批判しながら、古今東西の名文をもとに日本語の文章について考察していく様子は、実用的かはともかく読み物として面白い。なにしろ最後の2ページで、まんまとあっけに取られた。一筋縄ではいかないな井上ひさし…
若干読みづらさがあったけど、文章の書き方の本質を書いた作品であったと思う。文章読本系はこの本が初めてだったが、日本語の特徴であったり、表現方法の工夫などを学ぶことが出来て、三島由紀夫など他の作家の文章読本も読んでみたくなった。 また、文章のみに関わらず、映像、デザインなど、表現全般においても参考にな...続きを読むる方法を学べると思う。
人は、読書により過去とつながり、文章を綴ることで未来へとつながろうとしている、という言葉が一番、印象的だった。 文体や修辞、擬音語などなど、さまざまな角度から、日本語と文章というものについて分析がなれていく、というのが主な内容。学問的な色合いがやや強く、正直なところ初めは少しとっつきにくかった。 し...続きを読むかし、ありとあらゆるジャンルの文章例を挙げながらのユーモアあふれる語り口は、引用されている学説を100%理解できていなくても十分楽しい。 「では、言語の目的とは・・・」という最後のところまで、飽きることない、読み応えのある一冊だった。
最初に読んだときは新しい視点に感心した 途中から眠くなる 文章読本て、例文のなんだか主観的な分析読んでいると目が閉じます
川端、谷崎、三島、丸谷才一版「文章読本」をふまえた一冊なので、お得感たっぷり。 井上ひさしさんの言葉に対する感性、そしてこだわりはすごいです。
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