東京創元社 - ドキドキハラハラ作品一覧

  • 紙魚の手帖Vol.01
    続巻入荷
    5.0
    「ミステリーズ!」の後継誌ついに創刊。コンセプトは、国内外のミステリ、SF、ファンタジイ、ホラーを刊行してきた東京創元社による「総合文芸誌」。『蝉かえる』で第74回日本推理作家協会賞、第21回本格ミステリ大賞W受賞の櫻田智也が贈るシリーズ最新作。第21回本格ミステリ大賞の全選評も一挙掲載。さらに、第18回ミステリーズ!新人賞受賞作「三人書房」ほか、充実の創刊号。/【目次】『紙魚の手帖』創刊にあたって/【創刊記念特別エッセイ】投げ込みマガジン〈紙魚の手帖〉戸川安宣/【受賞作決定!】第31回鮎川哲也賞 選評  辻 真先・東川篤哉・麻耶雄嵩/第18回ミステリーズ!新人賞 選評 大倉崇裕・大崎 梢・米澤穂信/【第18回ミステリーズ!新人賞受賞作】三人書房 柳川 一●第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。若き日の江戸川乱歩を描く、流麗な謎解き譚/【第21回本格ミステリ大賞全選評】第21回本格ミステリ大賞受賞作決定!/第21回本格ミステリ大賞選考経過/受賞の言葉 [小説部門] 櫻田智也 [評論・研究部門] 飯城勇三/選評 小説部門/選評 評論・研究部門/【日本推理作家協会賞&本格ミステリ大賞受賞第一作】白が揺れた 櫻田智也●ハンターたちが狩りをしていた山で起きた、悲劇の真相は?〈エリ沢泉〉シリーズ最新作!/【読切】ゼロ 加納朋子●私の元にやってきたのは、カフェオレ色の天使だった。少女と犬の絆を描く最新ミステリ!/スフレとタジン 近藤史恵●コロナ禍の影響で志村さんが講師で始めた〈パ・マル〉の料理教室。タジン鍋を使うモロッコ料理を……。/フォトジェニック 秋永真琴●カメラを構える彼女の目に、この世界は、僕は、どんなふうにうつっているんだろう? 気鋭が贈る傑作掌編。/108の妻 石川宗生●点描の妻、夢見る妻、革命家の妻、お品書きの妻……様々な「妻」をお楽しみください。/セリアス 乾石智子●ひっそりと暮らす魔道師夫婦、彼らの秘密とは……/魚泥棒は誰だ? ピーター・トレメイン 田村美佐子 訳●修道院の厨房で起きた二件の事件をフィデルマが解き明かす/【INTERVIEW 期待の新人】千田理緒『五色の殺人者』/大島清昭『影踏亭の怪談』/【BOOKREVIEW】[文芸全般]瀧井朝世/[国内ミステリ]宇田川拓也/[翻訳ミステリ]村上貴史/[SF]渡邊利道/[ファンタジイ]三村美衣/『紙魚の手帖』創刊記念読者プレゼントキャンペーン/執筆者紹介/編集後記・次号予告
  • 死が内覧にやってくる
    4.0
    スウェーデン南部スコーネ地方の風光明媚なエステリエンで、不動産開発を目論んでいた不動産ブローカーでテレビタレントの女性が死亡した。開発に反対する地元住民を懐柔するために購入した彫刻の上に転落したのだ。事故かはたまた殺人か。事件を担当するのは、原因不明の失神発作の療養のために現地に滞在していたストックホルムの国家殺人班の敏腕捜査官と地元警察署の駆け出し女性刑事。お洒落な都会のエリート刑事と、やる気はあるが経験の足りない田舎の刑事。馬は合わないのに意見は合ってしまう二人は、容疑者だらけの事件を解決できるか。
  • 群狼
    4.2
    猟区管理官ジョー・ピケットは、隣の地区の猟区管理官から、ドローンがミュールジカの群れを追い立てている件で協力を要請される。ドローンを使う狩猟は違法だ。情報を集めていくうちに、ドローンの所有者が2年前に東部から来た男で、ジョーの三女ルーシーのボーイフレンドの父親らしいとわかるが、なぜか捜査にFBIが絡んでくる。一方、鷹匠のネイトは、アリゾナ州ナンバーの車に乗ったガン・ケースを持つ男女を目撃し、不穏な予感を抱くが……。ジョー・ピケットVS.冷酷非情な暗殺者チーム! 大人気冒険サスペンス・シリーズ待望の最新作。/解説=吉野仁
  • 妖怪奉行のとんでもない一日
    4.0
    妖力を分け与えるためとはいえ、妖怪奉行所東の地宮のお奉行月夜公が犬猿の仲である朔ノ宮に口づけしたという事件は、あっというまに噂好きの妖たちの間に広まった。そこで黙っていられなくなったのが、日頃朔ノ宮に熱をあげていたやもりの妖怪白守だ。月夜公に果たし状を送っても相手にされず、送りつけた大量の文もすべて黙殺され、怒り心頭に発した白守はついに最終手段にでることに……。果たしてその顛末は? 妖怪の子預かり屋の青年弥助、養い子の千吉と妖たちの、愉快でほろ苦く心に響くエピソードをつないだ、人気シリーズ第6弾。
  • 新・黄色い部屋 犯人当て小説傑作選
    4.7
    ミステリ作家たちが工夫を凝らし、読者と頭脳戦を繰り広げる犯人当て小説。その傑作の数々から“読者への挑戦”ものを中心に精選し、全3巻のアンソロジーに集成した。第1巻には名探偵・神津恭介がホテルの密室殺人に遭遇する高木彬光「妖婦の宿」、チーム移籍を控えたプロ野球投手が殺される坂口安吾「投手(ピッチヤー)殺人事件」、黄色い窓の部屋で起きた変死事件を描く陳舜臣「新・黄色い部屋」など全10篇を収録。謎を解く手掛かりは、本文中のあちこちに隠されています。あなたは巧妙な罠に騙されずに推理力を働かせ、真相を見抜くことができますか?/【目次】序文=福井健太/「妖婦の宿」高木彬光/「投手(ピッチヤー)殺人事件」坂口安吾/「民主主義殺人事件」土屋隆夫/「文学クイズ「探偵小説」」江戸川乱歩/「車中の人」飛鳥 高/「土曜日に死んだ女」佐野 洋/「追悼パーティ」菊村 到/「高原荘事件」山村正夫/「新・黄色い部屋」陳 舜臣/「愚かなる殺人者」笹沢左保
  • サスペンス作家が殺し屋を特定するには
    4.0
    作家のフィンレイは、またも窮地に陥っていた。ある事件がきっかけで、ロシアン・マフィアからEasyCleanという殺し屋の正体を突き止めろと脅されているのだ。期限はたったの2週間。殺し屋は警官だとしかつかめておらず、フィンレイは手がかりを得るために、1週間の市民向け警察学校体験入学に参加することにする。協力者である同居人のヴェロと警察学校の授業を受けながら、怪しい人物を特定すべく調査を始めるが……。殺し屋の正体を暴かなければ自分や家族が危険に! 命がけの任務に挑む、予測不可能のジェットコースター・サスペンス。/解説=貝谷郁子
  • 無常商店街
    3.6
    姉から猫の世話を頼まれ、 見知らぬ町に滞在することになった翻訳家の宮原。ある日、 近づかないように忠告されていた商店街にうっかり足を踏み入れてしまう。常に景色が変容し、 重なりあった異界が垣間見える商店街の深淵から、アリアドネの伊藤と名乗る人物に救出されるも、姉が異界の町の御神体にされたという事実を知らされる。事態を打開するには、 来たる 「掌紋祭」 の 「踊り合い」 で異界に近づく必要があるという。宮原は祭りに参加するべく、 町のダンス教室で猛特訓を積むことに。言葉とイメージの奇術師・酉島伝法が贈る往(ゆ)きて踊りし物語!/【目次】無常商店街/蓋互山、葢互山/野辺浜の送り火/巻末特別対談 カシワイ×酉島伝法
  • アウシュヴィッツの恋人たち
    4.5
    23歳で強制収容所に移送されたツィッピ。グラフィックデザインの腕を見こまれ事務職に就き、さまざまな手段で大勢の収容者の命を救う。16歳のダヴィド。家族を殺害され、同じ収容所に到着した彼は、音楽の才を活かして極限の環境を生き延びる。初めて会った瞬間からふたりは恋に落ち、命がけの逢瀬を重ねる。やがて解放のときがきて、ツィッピはダヴィドと再会を約した地に向かうが──。アウシュヴィッツで出会ったふたりの70年の軌跡を描く傑作ノンフィクション!
  • 午後
    4.0
    台北、東京、マラケシュ、ウィーン、チューリヒ、パリ……。弁護士で作家の「私」は講演会や朗読会で世界各国を訪れ、さまざまな過去を抱える人々と出会う。16年前に弁護したかつての依頼人がマラケシュで語った、当時明かさなかった事故死の事情。イタリアの古い館に滞在中、怪我をした隣人の女性から聞いた衝撃的な身の上話。ベルリンで亡くなった知人の遺言執行者に指名されて知った、彼の唯一の遺産相続人との愛憎半ばする関係──。死や罪悪感に翻弄される純粋で奇妙な人々の物語と、ところどころに挿入された歴史上のエピソードによる全26章は、ページを閉じたあとに、深く鮮烈な余韻を残す。クライスト賞受賞、日本で本屋大賞「翻訳小説部門」第1位に輝いた『犯罪』の著者が贈る新たな傑作短編集!
  • 百十三代目の司書見習い
    4.0
    13歳になった子どもがどの職業の見習いになるかが決まる〈召命(しょうめい)〉の日。オリバーを採用したのは図書館の司書だという偏屈そうな老人だった。ところが翌朝出勤すると、師匠になるはずの老司書が発作を起こして死んでしまった。利用者たちは押しかけるし、図書館の本はとんでもない秘密を抱えているし……右も左もわからず途方に暮れるオリバーを助けてくれたのは、謎の少女と何匹もの猫だった。見習い司書の奮闘を描く図書館ファンタジイ。
  • 夜色表紙の本
    4.6
    それは濃紺の革表紙に星座が型押しされた、薄い小さな冊子だった。父が文字を書き、意匠と飾り文字は叔父が、細密画は母が描いた。〈夜の写本師〉である三人が彼のために書いてくれたものだ。その『夜色表紙』が消えた。戦争に行くといって家を出た息子が持っていったのか? 訃報のみがもたらされた息子。『夜色表紙』には必ず自分のもとに戻ってくるという魔法がかけられているはず。戻ってこないのなら息子は生きているかもしれない。息子の消息を求め〈護符師〉ヴァニバスは旅立った……。人気の〈オーリエラントの魔道師〉シリーズ。/【目次】夜色表紙/影の馬/森林監督官/大地女神(イルモア)の罠/あとがき
  • 事件現場をドールハウスに
    3.5
    第二次世界大戦で戦死した夫の遺産が12ドルと知り、メープル・ビショップは絶句した。医師だった夫は慈悲深かったが、診療所は赤字だったのだ。バーモント州の家を守るためにメープルが選んだ仕事は、趣味を生かしたドールハウスの制作と販売。スタートは上々だったが、商品の配達先で農場経営者の死体を発見してしまう。自殺と見ているらしい警察に納得できない彼女は、保安官を説得しようと事件現場を得意の記憶力と技術で再現する――。才気煥発な主人公が活躍するコージー・ミステリ・シリーズ開幕!/解説=大津波悦子
  • ロンドン謎解き結婚相談所
    4.0
    1946年の戦後ロンドンで、ある女性たちが結婚相談所を設立した。ケンブリッジ大卒で戦時中にスパイ活動のスキルを得たアイリスと、人の内面を見抜く優れた目を持ち、戦争で夫を亡くした上流階級出身のグウェン。対照的なふたりが営む相談所に、若い美女ティリーが入会する。奥手だが誠実な会計士を紹介したところ、ティリーが殺され、会計士の青年が逮捕されてしまう。彼が犯人とは思えないふたりは、能力や人脈を駆使して真犯人さがしに乗りだす。魅力たっぷりの女性コンビの謎解きと、人生を切り拓こうとする勇姿を描いた爽快なミステリ!
  • ときときチャンネル ない天気作ってみた
    4.4
    マッドサイエンティスト・多田羅未貴(たたらみき)の発明を配信サービス《ときときチャンネル》で紹介する十時(ととき)さくら。収益化条件の登録者数五〇〇人を達成したけれど、チャンネル存続の危機に直面!? 電気をDIYして、天気を操作して、ブラックホールで筋トレも! 全編配信口調と視聴者コメントで語られる、配信者SF第二弾。/【目次】#7【電気DIYしたら気持ち悪いことになった】/#8【ない天気作ってみた】/#9【高次元で収益化してみた】/#10【ブラックホールで手首鍛えてみた】/#11【宇宙からの荒らしとバトってみた】
  • 刹那の夏
    3.6
    1巻2,200円 (税込)
    災害により甚大な被害を受けた地にボランティアとして訪れた女性二人組。宿の娘は、生涯独身を貫いた伯父の遺品であるミニチュアの文机と本が入れられたボトルを彼女たちに見せる。ボトルの中の本の開けない頁に記されているはずの言葉をみつけるため、三人は伯父が少年時代の夏の追憶を綴ったノートから、隠された秘密を探っていく――表題作ほか、通り魔殺人が連続して起きている北の果ての町で、アパートの隣室同士になった孤独な男女の交流が思わぬ展開を遂げる「地の涯て(ランズ・エンド)」など五編を収録する。〈七海学園シリーズ〉の名手が満を持して贈る、技巧と叙情が紡ぐミステリ短編集。/【目次】刹那の夏/魔法のエプロン/千夜行/わたしとわたしの妹/地の涯て(ランズ・エンド)
  • 三人書房
    3.5
    大正8年(1919年)東京・本郷区駒込団子坂、平井太郎は弟二人とともに《三人書房》という古書店を開く。二年に満たない、わずかな期間で閉業を余儀なくされたが、店には女優・松井須磨子の遺書らしい手紙をはじめ、奇妙な謎が次々と持ち込まれた──。同時代を生きた、宮沢賢治や宮武外骨、横山大観、高村光太郎たちとの交流と、数々の不可解な事件の顛末を、若き日の平井太郎=江戸川乱歩の姿を通じて描く。第18回ミステリーズ!新人賞を史上最高齢の69歳で受賞した著者による、滋味深い連作集。/【目次】三人書房/北の詩人からの手紙/謎の娘師/秘仏堂幻影/光太郎の〈首〉/文庫版あとがき/解説=辻真先
  • 小路の奥の死
    4.0
    ロンドンのマナーパーク校の同窓会で、下院議員が殺害された。彼の友人たちは女優や人気バンドのリードシンガーなど個性的な有名人ばかり。だが、現場に到着した刑事ハービンダー・カーは、部下のキャシーも友人のひとりだったと知る。下院議員の死因はインスリン中毒で、糖尿病患者であるキャシーは注射器を持ち歩いていた。捜査が始まると、被害者は「血を流す心臓(ブリーディング・ハート)」と書かれた手紙を何通も受け取っており、21年前に起きたある生徒の死亡事故の目撃者だったと判明する──。巧みな伏線の妙を味わえる『見知らぬ人』の著者の傑作謎解き長編。/解説=若林踏
  • フルハウス
    3.3
    1巻1,899円 (税込)
    ラグビーにおける「フルハウス」とは、一試合で同じ選手が、トライ、コンバージョンゴール、ペナルティゴール、ドロップゴールをすべて決めることを言う。本書は、日本人として初めてニュージーランド代表チームのオールブラックス入りしたラガーマン、早見剛大の物語である。2027年ラグビー・ワールドカップ、プール戦でオールブラックスは日本代表とぶつかる。かつて日本で一緒にプレーしていた仲間との激突! ラガーマンの孤独、友情、絆、葛藤……。自らもラガーマンであった著者が、そのラグビー愛のすべてを込めて書き上げた究極のラグビー小説。堂場瞬一スポーツ小説の頂点とも言うべき傑作!
  • 兇人邸の殺人
    4.3
    “廃墟テーマパーク”にそびえる「兇人邸」。3月の深夜、班目機関の研究資料を探すグループとともに、その奇怪な屋敷に侵入した葉村譲と剣崎比留子を待ち構えていたのは、無慈悲な首斬り殺人鬼だった。逃げ惑う狂乱の一夜が明け、同行者が次々と首のない死体となって発見されるなか、比留子が行方不明に。惨劇を眼前にしても、思惑を抱えた生存者たちは、この迷路のような屋敷から脱出する道を選べずにいた。さらに別の殺人者がいる可能性が浮上し……。葉村は比留子を見つけ出し、ともに謎を解いて生き延びることができるのか?! 『屍人荘の殺人』の衝撃を凌駕するシリーズ第3弾。/特別対談=綾辻行人×今村昌弘
  • 神の光
    4.0
    1巻1,899円 (税込)
    一攫千金を夢見て忍び込んだ砂漠の街にある高レートカジノで、見事大金を得たジョージ。誰にも見咎められずにカジノを抜け出し、盗んだバイクで逃げだす。途中、バイクの調子が悪くなり、調整するために寄った小屋で休むが、翌朝外へ出ると、カジノがあった砂漠の街は一夜のうちに跡形もなく消えていた──第76回日本推理作家協会賞短編部門の候補に選ばれた表題作を始め、奇跡の如き消失劇を5編収録。稀代のトリックメーカー・北山猛邦の新たな代表作となる、傑作推理短編集。/【目次】一九四一年のモーゼル/神の光/未完成月光 Unfinished moonshine/藤色の鶴/シンクロニシティ・セレナーデ
  • ペンギンにさよならをいう方法
    4.3
    ヴェロニカ・マクリーディは八十五歳の気むずかしいおばあちゃん。スコットランドの大きな屋敷にひとりで暮らし、お茶をしたり動物番組を見たりしながら、自分の遺産をどこへやろうかと考えている。ある日、南極でおこなわれている資金不足のアデリーペンギン研究を知った彼女は、遺産をゆずる相手としてペンギンがふさわしいかを見極めるべく、はるか南の大陸へと一世一代の旅に出た──。世界16か国以上で翻訳刊行、明日を生きる希望に満ちた傑作ペンギン文学!
  • 宮廷医女の推理譚
    4.2
    1758年、朝鮮王朝期。18歳のベクヒョンは、難関試験を突破し王族を診察する内医女(ネイニョ)になった。だがある夜、ベクヒョンが医術を学んだ恵民署(ヘミンソ)で、4人の女性が殺害される。3人は医女、最後のひとりは外出を禁じられている宮廷女官だった。事件を捜査する捕盗庁(ポドチョン)の役人は、怪しい供述をしたベクヒョンの師、ジョンスを殺人犯と断定した。彼女が犯人だと信じられないベクヒョンは、独自に事件を調べはじめ、捕盗庁の青年オジンの協力を得る。師の処刑を防ぐために、なんとしても真相を解明しなければ――。聡明な医女が謎解きに挑む爽快なミステリ。
  • 九年目の魔法
    3.5
    ため息をつき、本をベッドに伏せる。前に読んだはずだけど、こんな題名だったろうか? 壁にかかった写真の額を見上げる。これもこんな写真じゃなかったはず。この九年間で本当にあったことと、今おぼえていることが喰い違っている。まるで過去が変えられてしまったかのよう。大学生のポーリィは、十歳のころの思い出をたぐり寄せた。そうだ、近くの屋敷でお葬式が! そこで、あの人、リンさんと出会って、ずっと歳上の男の人なのに仲良しになって、それから……それから、とても恐ろしい何かが起こりはじめた……失われた時を求める少女の、愛と成長と闘いをつづる現代魔法譚!/解説=三村美衣
  • ときときチャンネル 宇宙飲んでみた
    4.0
    十時さくらは配信サービス《ときときチャンネル》で同居人のマッドサイエンティスト・多田羅未貴の発明を紹介し、収益化して生活費の足しにすることを目指す。マグカップで宇宙を飲む? 時間の結晶を飼う? 無限に拡張していく家の中で迷子? 外ロケに出たら異世界へ入り込み、通販でエキゾチック物質をお取り寄せ! 多田羅の発明品が巻き起こすトラブルもこみで、ゆるやかに楽しくお届けします。目指せチャンネル登録者数1000人! 全編配信口調と視聴者コメントで語られる新感覚の百合配信者SF。/【目次】#1【宇宙飲んでみた】/#2【時間飼ってみた】/#3【家の外なくしてみた】/#4【近所の異世界散歩してみた】/#5【エキゾチック物質雑談してみた】/#6【登録者数完全破壊してみた】
  • 禁忌の子
    4.1
    1~2巻1,799~1,899円 (税込)
    【第34回鮎川哲也賞、満場一致の受賞作】【デビュー作にして2025年本屋大賞ノミネート!】救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは――。過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリ! 第34回鮎川哲也賞受賞作。/第34回鮎川哲也賞選考経過、選評=青崎有吾 東川篤哉 麻耶雄嵩
  • 山伏地蔵坊の放浪
    3.0
    洒落者の猫井は紳士服店の若旦那、禿頭が眩しい藪歯医者の三島に写真館の床川夫妻、そしてレンタルビデオ屋の僕、青野良児。年齢も職業もまちまちな僕らは、土曜の夜になるとダンディなマスターの店『えいぷりる』に集い、地蔵坊先生の話を聴く。この先生、鈴懸に笈を背負い金剛杖や法螺貝を携え……と十二道具に身を固めた正真正銘の山伏なのだ。放浪中の体験談といって披露してくれるのは、およそ実話とは思えない怪しい事件揃い。額面通りに受け取れば、彼はさながら遍歴する名探偵だが。さて、眉に唾をつけつつ今宵も幕を開けるとしよう――「面白そうですね。ぜひ聞かせてください」/【目次】第一話 ローカル線とシンデレラ/第二話 仮装パーティーの館/第三話 崖の教祖/第四話 毒の晩餐会/第五話 死ぬ時はひとり/第六話 割れたガラス窓/第七話 天馬博士の昇天/あとがき/文庫版あとがき/解説=戸川安宣
  • 死体埋め部の悔恨と青春
    3.8
    英知大学の新入生・祝部浩也は帰宅中に暴漢に襲われ、格闘の末に誤って男を殺してしまう。「助けてやろうか?」そこへ通りかかった大学の先輩・織賀善一の提案で、いったん死体を埋めに行くことに。だが死体を運ぶために乗り込んだ織賀の車の後部座席には、すでに“左手の指をすべて骨折した死体”が座っていた。死体処理で生計を立てる織賀になかば脅され、祝部はその手伝いをしながら奇妙な死体の謎を解くことに。ふたりだけの歪な部活動が行き着く先とは――。気鋭の著者による初期傑作ミステリ、全面改稿の上、書き下ろしを加えて待望の復刊。
  • ダブル・ミステリ 月琴亭の殺人/ノンシリアル・キラー
    3.3
    「月琴亭の殺人」数々の不可能犯罪を解決してきた元新聞記者の弁護士・森江春策。彼は幻の映画上映会に招かれ、潮が満ちると孤島と化す地・天眼峡に建つホテル《月琴亭》にやってきた。しかしそこに集った他の四人は、それぞれ異なる理由で何者かに呼び出されたことが判明する。かくしてクローズド・サークルと化した閉鎖空間では殺人が起き……「月琴亭の殺人」ののち、「ノンシリアル・キラー」を経て、物語は怒濤の「解決篇」へ。/「ノンシリアル・キラー」元恋人の磯島健太が死んだ。いい加減なのに憎めない、お腹の子供の父親が──。頼りない恋人を見限って、シングルマザーになるという選択肢を選んだライターの「わたし」は、妊婦が電車内でトラブルに見舞われて急死した事件の取材中に、奇妙な違和感を覚えた。被害者女性の周辺では事故死が相次いでいるのだ。この不気味な事実に着目した「わたし」は調査を進めるが……「ノンシリアル・キラー」ののち、「月琴亭の殺人」を経て、物語は怒濤の「解決篇」へ。あなたはどちらから読みますか?※収録しております「ノンシリアル・キラー」「解決編」は、電子書籍版収録にあたり、紙書籍版と仕様が異なる部分がございます。
  • 夜明けまでに誰かが
    4.2
    高校生のレッドは、キャンピングカーで友人3人、お目付け役の大学生2人と春休みの旅行に出かけていた。だが人里離れた場所で車がパンク。携帯の電波は届かない。そして何者かに狙撃され、残りのタイヤと燃料タンクを撃ち抜かれてしまう。午前零時、サイドミラーにかけられたトランシーバーで、狙撃者から連絡が。その人物は6人のうちのひとりが秘密をかかえている、命が惜しければそれを明かせと要求してきた。制限時間は夜明けまで。閉ざされた空間で展開される極限の探り合いと謎解き。『自由研究には向かない殺人』の著者の新たな傑作!/解説=大矢博子
  • 魔術師ペンリックと暗殺者
    3.0
    愛する妻と可愛い娘と共にオルバスで平和に暮らしていたペンリック(とデス)。だが、そんなささやかな平和も、妻の兄アリセイディア将軍に、かつての故郷セドニアから暗殺者が差し向けられたことで、もろくも崩れ去った。“魔”を使っての暗殺を阻止したペンリックだったが、故郷の政争に否応なく巻きこまれてしまった義兄とは別ルートでセドニアに向かうことに……。長編「ササロンの暗殺者」に、遺体安置所に収容された死体が動き出した事件解決にペンリックが駆り出される短編「影の結び目」を併録。ヒューゴー賞シリーズ部門受賞シリーズ第四弾。/【目次】ササロンの暗殺者/影の結び目/訳者あとがき
  • 新釈 小泉八雲『怪談』
    3.5
    1巻2,200円 (税込)
    会社員の森下は、単独登山中に滑落死した同僚・能見香織の慰霊のため、上司と先輩の三人で雪山に赴く。山荘の主人から、「この山には遭遇した人間に〈問いかけ〉をする雪女の伝説がある」と聞かされた翌日……(白い吐息 新釈「ゆきおんな」)。大勢の死者を出したツアーバスの事故から、奇跡的に生還した芳一。後遺症で視力を失うも、一躍脚光を浴びて……(午前零時の講演会 新釈「耳なし芳一」)。その他「ろくろ首」「水飴を買う女」「貉(むじな)(のっぺらぼう)」と、有名作をモチーフにした全五編を収録。小泉八雲の代表作『怪談』刊行から約百二十年、妖しくおぞましい世界が令和に蘇る!/【目次】「白い吐息――新釈「ゆきおんな」」慰霊登山に向かった会社員たち。山荘で「この山には雪女の伝説がある」と聞かされた翌日……/「デラシネの頭骨――新釈「ろくろ首」」不可解な殺人事件と二つの失踪事件を、刑事が追うが……/「マイ・ファミリー――新釈「水飴を買う女」」仲が冷え切った夫婦。妻が夫に、「勤め先に水飴を買う女の幽霊が来る」と言い出し……/「午前零時の講演会――新釈「耳なし芳一」」多くの死者を出したバス事故の生還者が、次々に事故死し……/「『贖罪(しょくざい)』という名の人形――新釈「貉(むじな)(のっぺらぼう)」急逝した人形作家の追悼展に、夜な夜な幽霊が現れて……
  • 仕掛島
    3.7
    岡山の名士が遺した二通の遺言状。一通目の遺言に従って、一族の面々は瀬戸内の孤島・斜島に集められた。行方を晦ましていた怪しげな親族も姿を見せるなか、巨大な球形展望室を有する異形の館・御影荘でもう一通の遺言状が読みあげられた翌朝、相続人の一人が死体となって発見される。折しも嵐によって島は外界から隔絶される事態に。館に招かれた私立探偵・小早川隆生と弁護士・矢野沙耶香の二人を奇怪な事件が待ち受ける。鬼面の怪人物の跳梁、密室から消える人影、二十三年前の悲劇――続発する怪事の果てに明らかとなる驚愕の真相は。謎解きの興趣を隅々まで凝らした本格推理長編。/解説=大山誠一郎
  • 反転領域
    3.9
    時は19世紀。イギリス人外科医師サイラス・コードが乗船する小型帆船デメテル号は、ノルウェー沿岸の極地探検にむかっていた。北緯68度線付近にある目的地のフィヨルドには、古代に建造されたとおぼしき未知の大建築物が存在するのだという。さまざまな苦難を経て、ようやく現地に到達したサイラスたち探検隊一行は、先着したライバル船のたどった運命を知る。そして目的の建築物を発見したとき、予想もしなかった事態が起こる……星雲賞作家が放つ、読者の予測を鮮やかに反転させる、超絶展開の傑作SF! ローカス賞、ドラゴン賞候補作。/解説=渡邊利道
  • 9人はなぜ殺される
    3.7
    ある日、アメリカ各地の9人に、自分の名を含む9つの名前だけが記されたリストが郵送されてくる。差出人も意図も不明。受け取ってすぐに捨てた者もいた。だがその後、リストの人々が次々と死に始める。まずホテル経営者の老人が溺死。そして翌日、またひとり、男性がランニング中に射殺される。FBI捜査官のジェシカは、残りの人々の特定を進める。自分も、死んだふたりと同じリストを受け取っていたのだ。次は誰が殺されるのか? 職業も居住地も違う9人のつながりは何なのか? 驚愕の展開の連続で読者を翻弄しつづける極上のサスペンス!/解説=古山裕樹
  • 深淵のテレパス
    4.2
    1~2巻1,599~1,799円 (税込)
    「変な怪談を聞きに行きませんか?」会社の部下に誘われた大学のオカルト研究会のイベントでとある怪談を聞いた日を境に、高山カレンの日常は怪現象に蝕まれることとなる。暗闇から響く湿り気のある異音、ドブ川のような異臭、足跡の形をした汚水──あの時聞いた“変な怪談”をなぞるかのような現象に追い詰められたカレンは、藁にもすがる思いで「あしや超常現象調査」の二人組に助けを求めるが……選考委員絶賛、創元ホラー長編賞受賞作。
  • 朝からブルマンの男
    3.5
    一杯二千円もするコーヒーを週に三度注文しては、飲み残していく客「朝からブルマンの男」、途中下車して遅刻しそうだった友人が、先に行った自分となぜか同時に高校入試の会場に到着した「受験の朝のドッペルゲンガー」、単身赴任中の父親が帰宅する金曜日の夕食だけ味が落ちるという、郷土料理研究会の会員宅のご飯の秘密「ウミガメのごはん」など、桜戸大学ミステリ研究会の二人組が出合った謎を描く全五編を収録。謎の魅力、推理する楽しみを詰めこんだデビュー短編集。※本電子書籍は、『朝からブルマンの男』(ミステリ・フロンティア 2025年6月初版発行)を電子書籍化したものです。/【目次】朝からブルマンの男/学生寮の幽霊/ウミガメのごはん/受験の朝のドッペルゲンガー/きみはリービッヒ
  • 屋上物語
    3.5
    デパートの屋上、それはかつて人々の憩いの場であった。遊園地あり、レストランあり、舞台でのショーありと、まさにエンターテインメントの集う場所だった。とあるターミナル駅に隣接する有名デパートの屋上には、知る人ぞ知る讃岐うどんの名店がある。老若男女のファンが、安くてうまいうどんの味を求めてやって来るが、同時に不思議な謎や事件も集まってくるのだ。うどんを提供するのと同様に、素早く謎解きするのは、通称「さくら婆ァ」。デパートの屋上で繰り広げられる様々な人間模様を、魔術師・北森鴻が丁寧に描いた8篇を収録した、連作ミステリ。装いも新たに贈る、決定版。/【目次】はじまりの物語/波紋のあとさき/SOS・SOS・PHS/挑戦者の憂鬱/帰れない場所/その一日/楽園の終わり/タクのいる風景/解説=愛川晶/創元推理文庫版解説=村上貴史
  • 頂点都市
    4.0
    荒廃した世界から浮上したかつてのベンガルールの街は、徹底した能力主義のテクノクラシー統治体制がしかれ、“頂点都市”と改名して繁栄を極める。この街の住民は生産性とソーシャルメディアのスコアに基づき厳格に評価され、上位二割と中間七割の“ヴァーチャル民”は最新テクノロジーを駆使した豊かな特権生活を享受している。だが、そこから排除されて都市外に追いやられた下位一割の“アナログ民”のあいだでは叛逆の胎動が……両者の視点から衝撃の近未来社会を描き、ローカス賞・クラーク賞ファイナリストとなったインド発の傑作SF!/解説=鯨井久志
  • 不等辺五角形
    3.7
    1巻1,899円 (税込)
    避暑地の別荘で、事件は起こった。三十歳を間近に控え、久しぶりに顔を揃えた五人の男女。インターナショナルスクールで出会って以来二十年以上の付き合いになる重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は、海外赴任が決まった重成の送別も兼ねて、葉山にある聡也の別荘で旧交を温めていた。ところが深夜、雛乃が頭から血を流した状態で死体となって発見される。続けて梨愛が「私が殺したの」と告げ、警察に連行されてしまう。五人の関係は、一夜にしてひとりが被害者に、ひとりが被疑者になる悲劇へ転じた。幼馴染みの面会も拒否し、殺害の動機を語ろうとしない被疑者。弁護士は、残された関係者三人の証言をあつめる。しかし、同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく。果たして五人の間には何があったのか。あの夜、なぜ事件は起きたのか。関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇の結末は――。
  • 雪山書店と嘘つきな死体
    3.8
    美しい雪山の書店、ブック・シャレー。故郷に帰ってきたエリーは、姉のメグと看板猫のアガサとともに、ミステリ好きの集うこの書店を切り盛りしている。ある日、山腹と麓をつなぐゴンドラの中で男の刺殺体が発見された。男は死の直前に書店を訪れ、アガサ・クリスティ『春にして君を離れ』のサイン入り初版本と、不可解なメモ書きを残していた。時を同じくして、店からは従業員の女性が姿を消す。ふたつの事件には関係が? エリーとメグは、ミステリ好きたちの知恵を借りて推理を働かせることに――謎と雪が降り積もる書店が舞台の新シリーズ!
  • 電報予告殺人事件
    3.6
    1巻2,200円 (税込)
    ヴィクトリア朝大英帝国の巨大情報網の核となった電信事業。それを担う一員である電信士ローラ・テンパートンは、仕事と家庭を持つという夢の間で悩む日々を送っていた。ある晩、彼女は電信局を訪れた局長アクトンの甥ネイト・ホーキンスを案内するが、アクトンは密室と化した局長室で死体となって発見された。容疑者と目されたネイトの無実を確信したローラは、自らの職能を活かして調査に乗り出す。翌日、警察署には謎めいた電報が届くが、そこには被害者アクトンともう一つ別の名が記されており……。本格ミステリならではの趣向を随所に凝らした第三十三回鮎川哲也賞受賞第一作。
  • 吸血鬼と精神分析
    4.0
    パリのアパルトマンでルーマニアからの亡命将校の射殺体が発見された。傍らに残されたDRACという血文字。その後、女性が全身の血を抜かれて殺される猟奇殺人が続き、〈吸血鬼(ヴァンピール)〉事件としてパリ市民を震えあがらせる。矢吹駆は事件の犯人が遺体に動物の徴(シーニュ)を残していることに着目する。ミノタウロス島での凄惨な事件のショックから精神的に不安定な日々を送るナディアは、この連続猟奇事件に巻き込まれていく。脱血と動物の徴(シーニュ)は何を意味するのか? 亡命将校射殺事件と〈吸血鬼(ヴァンピール)〉事件の接点は? 矢吹駆の現象学的推理が暴く驚愕の真相とは。/解説=中村大介
  • ぼくらはアン
    4.0
    弁護士事務所で働く青年・諒佑のもとに、幼馴染みである誠の捜索依頼がもたらされた。少年時代の出来事をきっかけに毎年必ず集まると約束していた日──クリスマスを目前に、誠はなぜ失踪したのか。諒佑は誠たちと出会った18年前の夏を回想する。無戸籍の諒佑と双子の妹の美子、ヤクザの家に生まれた誠、不法滞在の両親と暮らす姉弟マヨンチットとククリン。学校には行けずとも、楽しく豊かだった5人の生活は、殺人事件を機に一変する。誠の行方を追う諒佑は、奇しくもその事件の真相に迫ろうとしていた。警察小説の旗手、新境地たる傑作長編。/解説=若林踏
  • 骨と作家たち
    3.5
    著名な作家でもあった大学教授が悲劇的な死を遂げてから25年。その追悼式がひらかれる前日、教授の教え子たちが大学の施設に宿泊することになった。かつて作家を志し、教授の下で創作に鎬を削った彼らが旧交を温めるなか、激しくなっていく吹雪。ある部屋のベッドではカラスの死骸が発見され、ベストセラーを生んだ同窓生のひとりは姿を見せようとしない。そして翌朝、階段の下で首の骨を折った死体が見つかり──。実力派作家がミステリファンの心をくすぐるあの設定を、練達のテクニックで描く傑作!/解説=三橋曉
  • 記憶の対位法
    4.3
    1巻2,400円 (税込)
    二〇一七年、フランス中部に位置する都市リモージュの新聞社に勤める事件記者ジャンゴ・レノールトは、亡き祖父マルセルの遺品整理のため、彼が晩年を暮らした寒村を訪れる。戦後、対独協力者として断罪された祖父は、一族から距離を置いてこの地に隠れ住んでいた。生前会うことがなかった祖父が遺したのは古書の山と、二十あまりの黒檀の小箱──そこに隠された意味とは何か? ジャンゴは西洋古典学を研究する大学院生ゾエ・ブノワの協力のもと、祖父が希求した真実を求め歴史の迷宮へと足を踏み入れる。〈図書館の魔女〉シリーズの俊英が満を持して贈る、知的探究の喜びに満ちた長編ミステリ。
  • 天網恢々アルケミー 前崎中央高校科学部の事件ファイル
    4.0
    2年生に進級のタイミングで、東京の男子校から群馬県立前崎中央高校に転校してきた安井良。特別教室で活動している部活でも見学に、と思った放課後、化学室で奇妙な女子生徒を見かける。着崩した制服の上に白衣を羽織った金髪ギャルは、何と牛タンを焼いていた!? その女子生徒は、理系クラスのトップで科学部の2年生・木暮珠理だった。こんな強烈な出会いから科学部の面々と交流することになった良は、図書室の呪いの忌書事件、黄泉からの手紙事件、トンネルの悪霊事件に巻き込まれていく――。「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」優秀賞を受賞した、学園化学ミステリ!/【目次】#33 図書室の忌書事件……図書室である本を手に取ると呪われる!?/#34 黄泉からの手紙事件……下駄箱に届く白紙の手紙は黄泉からのメッセージ?/#35 トンネルの悪霊事件……丑三つ時にトンネルのまん中で手を叩くと悪霊に憑かれる!?
  • こうしてぼくはスパイになった
    3.5
    1944年2月、ナチス・ドイツの空襲がつづいているロンドン。13歳のバーティは空襲警報を受け、民間防衛隊の伝令係としてはじめての任務のため、街へ飛びだしていった。自転車のかごにのっている相棒は、救助犬のリトル・ルーだ。大あわてで自転車をこいでいたバーティは、女の子にぶつかってふたりとも転んでしまった。女の子が立ち去ったあと、バーティは通りで一冊のノートを拾う。それは秘密諜報員になるための訓練を受けた女性のもので、文章の後半は暗号になっていた。ノートを道に落としていったアメリカ人の少女エレノアに再会したバーティは、ノートを書いたフランス人女性・ヴィオレットが行方不明になったと知る。彼女を探すため、エレノアと探偵志望の友だち・デイヴィッドといっしょに、ノートの暗号の解読に取り組むが……。数々の文学賞に輝いた児童文学作家が贈る、子どもたちの勇気と謎解きを描くミステリ!
  • あれは子どものための歌
    4.5
    因縁のある旅人と8年ぶりに再会した料理人、飢餓に苦しむ国を救った謎の商人、不思議なナイフで自らの“影”を切り離した男――並行して語られる3人の話が終盤でひとつになり、驚愕の真相が浮かび上がる第七回ミステリーズ!新人賞佳作「商人の空誓文」。どんな賭けにも負けない力を得た少女をめぐる表題作。その他、あらゆる傷を跡形なく消し去る名医の秘密を暴く「対岸の火事」など全5編を収録。“この世の理(ことわり)に背く力”と契約した者たちが起こす事件や陰謀に、人間が知恵と推理で立ち向かう! 架空の異国を舞台に贈る、傑作連作ミステリ。/【目次】「商人の空誓文」3つのエピソードに隠された真相とは?/「あれは子どものための歌」どんな賭けにも負けない力を得た少女の運命は?/「対岸の火事」あらゆる傷を跡形なく消し去る名医の治療法とは?/「ふたたび、初めての恋」宿屋を訪れた男女が抱える秘密とは?/「諸刃の剣」国同士の開戦を止める方法とは何か?/あとがき/解説=宇田川拓也
  • ロンドン・アイの謎
    4.1
    12歳の少年テッドは、姉のカットといとこのサリムとともに、巨大な観覧車ロンドン・アイに乗りに出かけた。チケット売り場の長い行列に並んでいたところ、見知らぬ男がチケットを1枚だけくれたので、サリムだけがたくさんの乗客に交じって、観覧車のカプセルに乗りこんだ。だが一周して降りてきたカプセルにサリムの姿はなかった。閉ざされた場所からなぜ、どうやって消えてしまったのか?──「ほかの人とはちがう」頭脳で大人顔負けの推理を駆使する少年テッドが謎解きに挑む! カーネギー賞受賞作家が贈る、清々しく胸を打つ長編ミステリ。/解説=千街晶之
  • 駅と旅
    3.3
    日々のなかで当たり前のように行き来する駅という場所は、なんでもない日も旅立ちの日も、変わらずそこで私たちを迎えてくれます。旅の始まりと終わりをいつも見届けてくれて、行く場所であり帰る場所となる、駅とは不思議な存在です。浜松、西宮、札幌、唐津、明洞、ポルト──六つの都市へ向かう列車で、あるいは辿り着いた先で、どのような景色が待っているでしょうか。新しい物語への切符は今、あなたの手のなかにあります。六人の作家、六つの駅が旅の非日常へと誘う、文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】砂村かいり「きみは湖」/朝倉宏景「そこに、私はいなかった。」/君嶋彼方「雪花の下」/松崎有理「東京駅、残すべし」/額賀澪「明洞発3時20分、僕は君に撃たれる」/鳥山まこと「辿る街の青い模様」
  • 平凡すぎて殺される
    3.3
    28歳のポールの特徴は“平凡すぎる”顔だ。わけあって無職のまま、ボランティアで病院を訪れて、彼を自分の息子や甥と思いこんだ老人たちを癒す日々を送っている。ある日、末期ガンの老人を見舞うと、錯乱した彼に誰かと間違われてナイフで肩を刺されてしまう。老人は亡くなり、警察は恐ろしい事実に気がついた。彼は悪名高いギャングで、有名な誘拐事件の関係者だったのだ。警察に衝撃が走る一方、ポールは爆弾で命を狙われ、さらに……。身を守るには逃げながら誘拐事件の真相を探るしかない!? 巧みな構成が光るノンストップ・ミステリ!
  • 馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
    3.5
    昭和36年のテレビ草創期、中央放送協会(CHK)でプロデューサーとなった大杉日出夫の計らいで、ミュージカル仕立て、生放送のミステリドラマの脚本を手がけることになった風早勝利。四苦八苦しながら脚本を完成させ、ようやく迎えた本番。アクシデントを乗り切り、さあフィナーレという最中に主演女優が刺殺体となって発見された。現場は衆人環視下の放送中のスタジオ。駆け出しミステリ作家・風早と那珂一兵が、テレビ局内の殺人事件の謎解きに挑む。『深夜の博覧会』『たかが殺人じゃないか』に続く、“昭和ミステリ”シリーズ完結篇。/解説=小山正
  • 壁から死体?
    3.8
    “ひらけごま”と唱えると現れる秘密の読書室や、秘密の花園に通じるドアが隠された柱時計。だれもが一度は夢見た仕掛けに特化した工務店〈秘密の階段建築社〉がテンペスト・ラージの家業だ。イリュージョニストとしてラスヴェガスで活躍していた彼女だったが、ある事故の責任をとらされて、サンフランシスコに帰郷せざるをえなくなり、この家業を手伝うことに。だがその初日、仕事先の古い屋敷の壁を崩したところ、そこから死体が見つかる騒ぎが……。ラージ家に伝わる、あの呪いと関係があるのか? 楽しい不思議が満載のシリーズ第1弾!
  • ボニーとクライドにはなれないけれど
    4.5
    コンビニ店員のルイーズは、学費のためにその店へ強盗に入った青年デルと恋に落ちた。ふたりはトレーラーハウスで暮らしていたが、デルの学位取得をきっかけに、デルの姉の仕事を手伝うという犯罪とは無縁の人生を始めることにする。だが旅に出たふたりには次々に事件が降りかかり、そのたびにあらたな土地へ向かう羽目に……。窃盗を疑われたり、ワイン泥棒に加担したり、結婚式を挙げようとした教会では強盗の人質にされてしまう。はたしてデルとルイーズは安住の地を見つけられるのか? チャーミングな恋人たちを描く連作ミステリ短編集。/【収録作】ルームミラー/手数料/来歴/女王さまのパーティ/極寒/ウェディングベル・ブルース
  • パラドクス・ホテル
    3.4
    過去へのタイムトラベルが実現した世界。時間犯罪取締局(TEA)の元調査官ジャニュアリーは、タイムトラベラー特有の病気である時間離脱症(アンスタック)を患い、今は時空港(タイムポート)併設ホテルの警備主任をしている。アンスタックの症状で未来や過去を幻視してしまう彼女は、ある客室で時間の止まった男の死体を目撃し、さらに自らの銃殺シーンも幻視する。時空港買収の入札のためホテルに集まった四人の大富豪を狙った事件が次々に発生する中、ホテル内で時間の流れがおかしくなるなどの異常事態まで発生し……カーカスレビュー誌ベストSFF/NPRベストブック2022選出作。/解説=渡邊利道
  • 19号室
    4.0
    2019年2月。ベルリン国際映画祭の開会式場に悲鳴が響き渡った。オープニングで、女性が殺害される瞬間を撮った予定外の映像が上映されたのだ。金髪の女性が何者かに襲われ、大きな釘で心臓をひと突きされていた。しかも、彼女は市長の娘で女優の卵だと判明。映像はあまりにもリアルで、目出し帽の人物が上映を強要したという。トム・バビロン刑事は捜査を始めるが、相棒の臨床心理士のジータは、映像内の壁に残されていた「19」に自分との共通点を見つけて戦慄する。そして新たな惨劇が!『17の鍵』につづく、疾走感抜群のシリーズ第2弾。/解説=吉野仁
  • 車井戸は何故軋る 横溝正史傑作短編集
    4.0
    ミステリ界の巨匠・横溝正史。本格推理、耽美小説、時代小説など多岐にわたるジャンルで活躍した著者の軌跡を堪能できる傑作十七編を、入手困難な初出誌と初刊本をもとにして執筆順に収録。寄宿舎内で起きた、死体のない殺人を描くデビュー作「恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)」。かつて亡き姉と過ごした蔵の中で、少年が遠眼鏡で見たある光景が語られる「蔵の中」。河を流れてきた、胸に短刀が刺さった蝋人形が悲劇の幕開けを告げる、〈由利麟太郎〉シリーズ「猫と蝋人形」。『犬神家の一族』の原点ともいうべき名品の雑誌掲載版「車井戸は何故軋る」。殺人の濡れ衣を着せられた男が隣人・金田一耕助に救われる、「蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)」。著者没後に発表された、記憶喪失の女性の正体をめぐる「空蝉処女(うつせみおとめ)」などを精選して贈る、珠玉のベスト短編集!/【目次】恐ろしき四月馬鹿(エイプリル・フール)/河獺(かわうそ)/画室(アトリエ)の犯罪/広告人形/裏切る時計/山名耕作(やまなこうさく)の不思議な生活/あ・てる・てえる・ふいるむ/蔵の中/猫と蝋人形/妖説孔雀樹(ようせつくじゃくのき)/刺青(いれずみ)された男/車井戸は何故軋る/蝙蝠(こうもり)と蛞蝓(なめくじ)/蜃気楼島(しんきろうとう)の情熱/睡(ねむ)れる花嫁/鞄の中の女/空蝉処女(うつせみおとめ)/編者解説=末國善己
  • ヘビイチゴ・サナトリウム
    3.4
    「なんでもない透明なものになるの」「なんでもない透明なもの?」「世界に身をまかせればいいのよ。自分が自分でいられるにはどうしたらいいか考え続けていく方が、ずっとたいへんじゃない?」夏休みが明けてすぐ、次いで年が明けた二月に、少女が校舎の屋上から墜落死する。ふたりは中高一貫の女子校で同じ美術部に所属する高校三年生だった。時を置かずして、学園では三度目の墜死が。遺された未発表の小説、アルファベット・ビスケット、密室殺人、そして「ヘビイチゴ・サナトリウム」――少女期の心理のゆらぎを鮮烈に描出する長編ミステリ。/解説=笠井潔・久美沙織
  • 願わくば海の底で
    4.1
    1巻1,699円 (税込)
    東北地方沿岸部のとある高校。そこで起こるささやかな謎の中心には、いつだって彼がいた。校舎が荒らされた前夜に目撃された青い火の玉。プールサイドで昼食を取っていたとき、話しかけてきた同級生を水中に突き飛ばしてしまった女子生徒の真意。テーマ不明の、花瓶に生けられた花の絵。そして、高校卒業後大学に入学するまでの何者でもなかった二〇一一年の“あの日”以来、私たちの前から姿を消してしまった彼自身──。これは大切なものほどなくしてしまう悪癖に悩まされ、それでも飄々と振る舞う青年が歩んだ、高校生活三年間の軌跡を辿りなおす物語。
  • トリカゴ
    4.2
    蒲田署刑事課強行犯捜査係の森垣里穂子は、殺人未遂事件の捜査中に無戸籍者が隠れ住むコミュニティ“ユートピア”を発見する。容疑者のハナはコミュニティのリーダーであるリョウの妹だった。捜査によって彼らが唯一安心して暮らせる場所を壊してしまうのではないか──里穂子は苦悩しながら調べを進めるうち、かつて日本中を震撼させた未解決の“鳥籠事件”との共通点に気づく。特命捜査対策室で同事件を担当する専従捜査員・羽山圭司とともに執念の捜査の果てに辿りついた衝撃の真実とは。社会問題への真摯なまなざしとミステリの企みが見事に融合した、第24回大藪春彦賞受賞作。/解説=千街晶之
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上
    3.9
    銀と、ふたつの言語における単語の意味のずれから生じる翻訳の魔法によって、大英帝国が世界の覇権を握る19世紀。英語とは大きく異なる言語を求めて広東から連れてこられた中国人少年ロビンは、オックスフォード大学の王立翻訳研究所、通称バベルの新入生となり、言語のエキスパートになるための厳しい訓練を受ける。だが一方で、学内には大英帝国に叛旗を翻す秘密結社があった。言語の力を巡る本格ファンタジー。ネビュラ賞、ローカス賞受賞作。
  • 17の鍵
    3.7
    早朝のベルリン大聖堂に、深紅の血が降り注いでいた。丸天井の下、頭上10メートルほどの位置に、女性牧師が吊り下げられていたのだ。通報を受けて殺人現場に駆けつけたトム・バビロン刑事は、信じがたいものを目撃する。被害者の首には、カバーに「17」と刻まれた鍵がかけられていた。それはかつて、トムが少年の頃に川で見つけた死体のそばにあった物と同じだった。鍵は10歳で失踪した妹が持ちだしていたのだが、なぜ今、ここに現れたのか。謎を追ううちに、トムは恐るべき真相を暴きだす。圧倒的スピードで疾走するドイツ・ミステリ!
  • 行方知れずの仲人屋
    4.2
    妖怪をさらうやつらの手から力弱い妖怪達を護るために、四人の大妖の妖力を集めて作った貴重な結晶を、仲人屋の十郎が奪って行方をくらましてしまった。なぜ自分に何も言ってくれなかったのか? 残されたあせびは信じていた恋人の裏切りに打ちのめされ、仕事もできず家にこもってしまう。月夜公率いる妖怪奉行所東の地宮の烏天狗達も、必死で十郎の行方を捜したが、もと人間の十郎のこと、人界に潜んでしまうと妖怪達にはなかなか見つけられない。一方千吉は師匠朔ノ宮のもとで、千里眼の術の修業をしていたが……。人気シリーズ第5弾!/【目次】行方知れずの仲人屋/十日の記憶/思わぬ助っ人
  • スケープゴート
    4.3
    ジョンはフランス史を教える英国人の歴史学者。空虚な人生に絶望していた彼は、旅先のフランスで自分と瓜ふたつの男ジャン・ドゥ・ギに出会う。相手に引っ張られるままに飲んだ翌朝、ジョンが目覚めるとジャンの姿はなく、車や持ち物のすべてが消えていた。呆然とするジョンは、彼を主人と信じて疑わない運転手に促されるまま、ジャンの家に連れていかれる。ジャンは伯爵だが所有するガラス工場は経営が危うく、家族間はぎくしゃくしていた。手探りでジャンになりすますジョンだったが、事態は思わぬ方向に……。名手による予測不能なサスペンス。/解説=杉江松恋
  • 死者を動かすもの
    5.0
    アレックス・イーストンはヨーロッパの小国ガラシアの退役軍人だ。旧友マデリン・アッシャーから病気だという手紙をもらい、アッシャー家の館を訪ねてきた。不気味な沼のほとりに立つ館は陰気で憂鬱で、久しぶりに会ったマデリンの兄ロデリックはやせ衰え、目は落ちくぼみひどい有様だった。マデリンも見るからに病が重そうで、今にも息絶えそうなのにもかかわらず、夜には夢遊病者のように歩き回る。そして悲劇が……。ヒューゴー賞、ローカス賞、ミソピーイク賞などを受賞した著者がポオの「アッシャー家の崩壊」に捧げた傑作ゴシックホラー。
  • 罪なくして 上
    4.1
    ロンドン警視庁を辞め、ケイレブ警部のいるヨークシャーのスカボロー署に移籍しようと向かう列車のなかで、ケイトは見知らぬ男に銃で狙われた女性を助けることになった。犯人は乗客に紛れ逃走したが、ケイトは足を負傷する。その頃高校の女性教師が自転車で走向中に、転倒させられ、さらに銃撃される事件が起きた。銃弾はそれたが、転倒で脊髄を損傷した彼女は四肢麻痺となり、話すこともできなくなってしまう。そして、驚くべきことに、列車内で使われた銃と、彼女を狙った銃が同一ということが判明。ふたりには何の接点もないというのに……。ケイト・リンヴィル・シリーズ第3弾!
  • ファミリー・ビジネス
    3.8
    チャイナタウンに多大な影響力を持つギャングのボス、チョイが病没する。彼は遺言で、自らの所有する古い会館を堅気の姪メルに譲っていた。そこは再開発計画でタワーマンションが建つ予定の場所で、この相続が利害関係者のあいだに波風を立てることは必至だ。私立探偵のリディアは相棒ビルと、事態が片づくまでメルの護衛を務めることになるが、チョイの葬儀が終わった次の日、ギャングの幹部が何者かに殺されてしまう……。チャイナタウンを揺るがす一大事に最高のコンビが挑む現代ハードボイルド〈リディア・チン&ビル・スミス〉シリーズ!/解説=若林踏
  • ミネルヴァ計画
    4.1
    エントヴァースの事件を解決して地球に戻ってきたハント博士を、驚愕の事態が襲う。並行宇宙に存在する、別バージョンの自分自身から通信が入ってきたのだ。ハントたち地球人とテューリアンは協力し、マルチヴァースを横切る時空間移動の可能性を探る。一方、かつてクーデターに失敗して逃亡し、5万年前の惑星ミネルヴァ近傍で再実体化したジェヴレン人ブローヒリオたちは、ひそかに再起を図っていた……月面で発見された宇宙服姿の遺骸は5万年前のものだった、という壮大な謎を端緒とする不朽の名作『星を継ぐもの』に続く、シリーズ最終巻!/解説=渡邊利道
  • この恋だけは推理らない
    3.8
    1巻1,899円 (税込)
    上城北高校二年二組、窓際一番後ろの席には『恋愛の神様』がいる。「彼女いない歴=年齢」なのに『恋愛の神様』として様々な恋愛相談を受ける、岩永朝司、十七歳。放課後やってきた二年三組の小井塚咲那は、「私に小説のネタになりそうなコイバナを教えてください!」と真剣な眼差しで頼みこんできた。恋愛小説家だというのに恋を知らない咲那は、コイバナと交換に『神様』の助手となり、恋愛相談を二人で解決していくのだが……。爽やかな余韻も美しい「東京創元社×カクヨム 学園ミステリ大賞」大賞受賞作。
  • 大鴉の啼く冬
    3.8
    新年を迎えた凍てつく夜、孤独な老人マグナスを訪れたのは、ふたりの女子高校生だった。ひとりは金髪、もうひとりは黒髪――そう、まるで彼が助けた、傷ついた大鴉の羽根のようにつややかな。だが、四日後の朝、黒髪のキャサリンは死んでいた。大鴉の群れ飛ぶ雪原で、赤いマフラーを喉に食い込ませて……。地元のペレスと本土のテイラー、二人の警部が見いだしたのは、八年前の少女失踪事件との奇妙な相似。誰もが顔見知りの小さな町で、誰が、なぜ、彼女を殺したのか? 試行錯誤の末にペレスが掴んだ悲しき真実とは? 英国本格派の新旗手が、冬のシェトランド島の事件を細密な筆致で描き出す、CWA最優秀長篇賞受賞作。/解説=川出正樹
  • マーダー・ミステリ・ブッククラブ
    3.8
    ミステリが大好き、クリスティが大好きなアリシアとリネットの姉妹が出した読書会──ブッククラブのメンバー募集の告知に応えてきたのは、古着ショップの女性オーナー、毒薬ミステリ好きの医師、平凡な主婦、図書館員の女性に博物館勤務のゲイの男性といった面々。はじまりは順調だったが、二回目の読書会で早くもトラブルが。主婦のバーバラが会場に現われなかったのだ。どうやら前日から家にも帰っていないらしく、事件に巻きこまれたのかもしれない。アリシアはブッククラブのメンバーの協力のもと、彼女をさがし始めるが……。〈マーダー・ミステリ・ブッククラブ〉シリーズ開幕。
  • ロンドンの姉妹、思い出のパリへ行く
    4.0
    1巻2,999円 (税込)
    「さて、今日の“お楽しみ(エクサイトメンツ)”は何かしら?」ロンドンに住む99歳のジョゼフィーンと97歳のペニーの姉妹は、ただ者ではない。第二次世界大戦中、姉は海軍婦人部隊に、妹は応急看護婦部隊に所属していた。戦後もそれぞれ社会に貢献する日々を送り、現在は退役者として講演をしたり、インタビューを受けたりして暮らしている。そんなとき、戦時中のフランスへの働きに対して、姉妹にレジオン・ドヌール勲章が授与されることに。二人は甥の息子アーチーと一緒にパリへと向かうことにするが、ペニーには別の思惑があった。パリでの勲章授与式の裏で、長年心に秘めてきたある計画を成し遂げなくては――。モールス信号での会話が得意で格闘術の心得もあり。“いつも機嫌よく(トゥージュール・ゲ)”を合言葉に、第二次世界大戦から現在まで激動の時代をたくましく生きる最高の姉妹を描いた、勇気をもらえる感動作!
  • その時鐘は鳴り響く
    3.9
    東京・赤羽の路上で資産家が殺害された。赤羽署初の女性刑事・黒光亜樹は、本庁から来た癖の強い先輩刑事とコンビを組まされ、彼と対立しながらも懸命に捜査を続けるが、なかなか容疑者は浮かんでこない。同じ頃、松山大学マンドリンクラブのOG・国見冴子は、仲間二人と母校の取り壊し予定の部室棟を訪れていた。すると部室の黒板に、三十年前に失踪したクラブのメンバー・高木圭一郎が最近書き残したと思しき「その時鐘は鳴り響く」を見つけて驚く。それは四年生の夏合宿で事故死した篠塚瞳を含め、五人の間で頻繁に言い交わしていた言葉だった。瞳の死後に失踪した高木は、なぜ今になって部室を訪れ、この言葉を残したのか? 冴子たちは当時の事故について調べ始めるが……。日本推理作家協会賞受賞作家の新境地、慟哭と郷愁のミステリ。
  • 月影の乙女
    3.7
    〈月影ノ乙女〉は、〈月の獣〉を身の内に住まわせている。それはことあるごとに、人は独りで生まれて独りで生き、独りで死んでいくのだと囁くのだ……。精霊の恵み深き国ハスティア。ジルは幼い頃から卓越した魔法の力を発揮し、国に仕える魔法師(フォーリ)となった。だが、平和で豊かな国ハスティアを虎視眈々と狙う者がいた。竜に変じる王を戴くドリドラヴの侵略を受け、戦火に踏みにじられるハスティアの町々。掟によって魔法での攻撃を禁じられているフォーリたちは苦悩を深める。無辜の民の命を救うためにジルたちの選んだ道は……。『夜の写本師』でデビューした異世界ファンタジイの紡ぎ手が今放つ渾身の大作。/解説=小出和代
  • 死念山葬
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    やむを得ない事情で、殺し屋の遺体運搬係となった日置学。浅木というその男の指示のもと、遺体を見捨てられた別荘地の奥に埋めてきたが、そこもそろそろ手狭だという。裏社会では、学の祖母の出身地にある山に遺体をこっそり処理できるという噂があり、浅木に命じられた学は恋人の夢花と共に、祖母が六十年以上前に出たきりの山奥の集落を訪れるが……。集落の神社で祀られている山の頂では、御神体とされる巨石と地面に刺さる無数の風車が異様な雰囲気を纏い二人を誘う。一度は東京に戻った二人だが、山に心を囚われた夢花を救うために学は再び彼の地に向かう。
  • 時計島に願いを
    4.1
    【新しい本を書きました。今回の本は世界に一冊しかありません。とても勇敢で、賢く、願いを叶える方法を知っている人に差し上げます。遠い昔、最も勇敢だった読者のみなさん数名に、本日特別な招待状をお送りします。】ルーシーは大好きな作家ジャックからの招待状を手に〈時計島〉に渡った。そこには彼女を含め四人の男女が招待されていた。ジャックの出す問題に答えて優勝した者が〈時計島〉シリーズ最新作の版権を得られる。ルーシーはゲームを勝ち抜くことができるのか、そして心からの願いを叶えることができるのか? 現代版『チャーリーとチョコレート工場』、本があなたを幸せにする、心あたたまる物語。
  • マーダーボット・ダイアリー 上
    4.1
    かつて大量殺人を犯したとされたが、その記憶を消されている人型警備ユニットの“弊機”は、自らの行動を縛る統制モジュールをハッキングして自由になった。しかし、連続ドラマの視聴をひそかな趣味としつつ、人間を守るようプログラムされたとおり所有者である保険会社の業務を続けている。ある惑星資源調査隊の警備任務に派遣された弊機は、ミッションに襲いかかる様々な危険に対し、プログラムと契約に従って顧客を守ろうとするが……。ノヴェラ部門でヒューゴー賞・ネビュラ賞・ローカス賞3冠&2年連続ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作!
  • 町の悪魔を捕まえろ
    4.3
    先の事件で心に傷を負ったフォーチュン。それでもシンフルは平常どおり──なのに、またもや事件が起こった。今度は町の中年女性が、ネット上でロマンス詐欺に遭ったのだ。こんな卑劣な犯罪は許せない! 犯人はたぶん町の住民とふんだフォーチュンとスーパーおば(あ)さまふたりは、義憤にかられて立ちあがる。さらに、町一番の善人に予想だにしない悲惨な出来事が起こった。保安官助手のカーターは激怒中、三人は慎重に探りはじめる……はずだったのだけれど。シンフルのパワフルトリオが懲りずに大暴れ、好評〈ワニ町〉シリーズ、待望第8弾!/解説=大津波悦子
  • ミゼレーレ 上
    4.3
    採譜が禁じられていた、システィーナ礼拝堂だけのための聖歌『ミゼレーレ』。少年モーツァルトが聴き覚えて楽譜を起こし世に広まった、喩えようもなく美しい聖歌と、パリのアルメニア使徒教会で起きた聖歌隊指揮者の謎に満ちた殺害事件にはいかなる関わりがあるのか? 遺体は両耳の鼓膜が突き破られていた。凶器は? 遺体のそばには子供の足跡……定年退職した元警部と、優秀だが薬物依存で休職治療中の青少年保護課の若い刑事が、それぞれのこだわりのもと、バディを組んで事件に挑む。『クリムゾン・リバー』の著者による圧巻のミステリ!
  • 弟、去りし日に
    4.2
    弟の訃報が届いたのは朝食後すぐのことだった。車で何度も轢かれて殺されたのだという。保安官のヴィクターは、弟とは憎しみ合った末に疎遠になり、12年近く会っておらず、悲しみは湧かなかった。だが唯一の肉親となった弟の10歳の娘から、真相を調べてほしいと頼まれる。ヴィクターは捜査中の少女殺人事件に取り組みながら、弟の死の謎へも踏み込んでいくが……。まっすぐで聡明な姪との交流と真実を追う旅路が、孤独な日常を送るヴィクターの灰色の人生を、切なくも鮮やかに彩っていく。実力派作家が贈る、一人の男の再生を描くミステリ。/解説=三橋曉
  • リスボンのブック・スパイ
    3.8
    1942年、第二次世界大戦下。ニューヨーク公共図書館で働く司書のマリアは、大統領令に基づく任務を帯び、ポルトガルのリスボンに旅立つことになった。その任務とは、身分を偽り、戦略分析のため枢軸国の刊行物を収集すること。報道写真家の母をスペイン内乱で亡くしたマリアは、危険を冒してでも戦争を終わらせたいという強い想いを抱いていたのだ。同時期、リスボン。書店を営む青年ティアゴは、書類偽造の天才である書店員ローザとともに、迫害から逃れようとするユダヤ人避難民を命懸けで援助していた。マリアは街で本や新聞を集めるうちにふたりと出会い、戦争を終わらせるためのさらなる任務に臨むことに――。戦時のヨーロッパで活躍した実在の図書館司書に材をとり、本を愛する者たちの闘いを描き上げた、心揺さぶる傑作長編!
  • 豪華客船オリンピック号の殺人
    4.0
    実は英国政府の情報員(エージエント)であるレドヴァースの依頼で、夫婦のふりをして豪華客船オリンピック号に乗りこんだジェーン。目的はドイツのスパイを捜しだすこと。ジェーンは初めての捜査(?)にやる気満々だ。そんなとき、乗客の女性が、新婚の夫が消えてしまったと騒ぎはじめた。おまけに夫の荷物まで部屋からきえてしまったのだという。船長は彼女の訴えをまともにとりあおうとしなかったが、出港するときに女性とその夫の姿を目撃していたジェーンは、彼女の主張を信じて勝手に調べはじめる。好評アガサ賞最優秀デビュー長編賞受賞シリーズ第3弾!
  • そして誰もいなくなるのか
    3.6
    1巻1,799円 (税込)
    ミステリ作家デビューを夢見る小松立人は、学生時代にとある犯罪に手を染めた。家庭教師先のタンス預金二千万円を、知人同士四人でこっそり盗み出したのだ。ほとぼりの冷めた十年後、盗んだ金を掘り起こすために集まった小松たちは、崖崩れに巻き込まれて命を落とした。――はずなのに彼らは、死神から一週間の猶予期間を申し渡され、事故の七日前に戻る。期間中は仲間を殺害することで相手の残りの寿命を奪うことも可能だという。死までの一週間、小松はこの奇妙な出来事を小説に仕立てて新人賞への投稿を目指すことに。しかし、仲間たちは次々と……。独特な感性で描く、“特殊設定×サスペンス”長編。
  • 明治殺人法廷
    4.3
    1巻2,400円 (税込)
    明治20年12月。藩閥専制政府が自由民権活動家一掃のため発令した保安条例により、東京からの退去を命じられて大阪に流れた、幕臣の息子にして探訪記者の筑波新十郎。被告人に対して絶対不利に運用される法廷で苦闘を重ねる、大阪の商家に生まれた駆け出し代言人・迫丸孝平。推理の曙光いまだ届かぬ時代に質屋一家殺人事件の「正しき真相」を求め、出会うはずのなかった東西の二青年が協力して奔走する。『大鞠家殺人事件』に続いて贈る近代大阪グランド・ロマン!
  • 新・日本の七不思議
    4.0
    大昔、日本は北と南でアジア大陸と地続きだったが、温暖化によって……。ところで「日本」はニホンかニッポンか、日本人の要件って何だろう? バーのカウンター席で始まった歴史談義は、漠然と受け止めていたけれど実は全然知らなかったんだと気づかされることのオンパレード。八幡平や桶狭間などの現地踏査も交え、数々の不思議に理論で迫る。原日本人、邪馬台国、柿本人麻呂、空海、織田信長、東州斎写楽、太平洋戦争――日本人なら知っておきたい七つのテーマに、鯨史観は如何なるアプローチを試みるか。好評を得た『邪馬台国はどこですか?』『新・世界の七不思議』に続く、第3弾。/【目次】原日本人の不思議/邪馬台国の不思議/万葉集の不思議/空海の不思議/本能寺の変の不思議/写楽の不思議/真珠湾攻撃の不思議/*本電子書籍は『新・日本の七不思議』(創元推理文庫 新装新版 2024年8月30日初版発行)を底本としています。
  • 邪馬台国はどこですか?
    4.0
    カウンター席だけの地下一階の店に客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。初顔合わせとなったその日、「ブッダは悟りなんか開いてない」という宮田の爆弾発言を契機に歴史談義が始まった……。回を追うごとに話は熱を帯び、バーテンダーの松永も教科書を読んで予備知識を蓄えつつ、彼らの論戦を心待ちにする。ブッダの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、光秀謀叛の動機、明治維新の黒幕、イエスの復活――を俎上に載せ、歴史の常識にコペルニクス的転回を迫る、大胆不敵かつ奇想天外なデビュー作品集。/【目次】悟りを開いたのはいつですか?/邪馬台国はどこですか?/聖徳太子はだれですか?/謀叛の動機はなんですか?/維新が起きたのはなぜですか?/奇蹟はどのようになされたのですか?/*本電子書籍は『邪馬台国はどこですか?』(創元推理文庫 新装新版 2024年8月30日初版発行)を底本としています。
  • ほんとうの名前は教えない
    4.0
    生きるために、他人になりすまして“仕事”をしてきた“わたし”。今回はボスから、エヴィという女の経歴を使い、ルイジアナ州の小さな町に住む男ライアンの裏稼業について調べろと指令を受けた。偶然を装ってライアンと出逢い、同棲にこぎつけ、順調に調査をつづけていたある日、状況が一変。パーティで紹介された女性が、自分そっくりの外見で、自分の本名を名乗り、自分自身が経験した出来事を語ってきたのだ。“わたし”になりすましている彼女は何者なのか? 目的は? 〈ニューヨーク・タイムズ〉ベストセラー第1位の大型サスペンス!/解説=若林踏
  • 極夜の灰
    4.3
    1967年末。精神科医のジャックはワシントンDCの陸軍病院で、顔と両手を包帯で覆われた男と向かいあっていた。旧知のCIA幹部から、北極圏にある陸軍の極秘基地で発生した火災の調査を依頼されたのだ。発電室で出火し、2名が死亡。重度の火傷を負って昏睡から目覚めたコナーは、唯一の生き残りで、何が起きたのか思いだせないという。同じ火災現場で発見された遺体は、一方はかろうじて人間の形を残していたが、もう一方は灰と骨と歯の塊だった。なぜ遺体の状態にこのような差が出たのか? 幾多の謎と陰謀が渦巻く衝撃のミステリ長編!/解説=村上貴史
  • ムーンシャイン
    3.8
    曾祖父の遺したノートに記された八つの■をめぐる物語「パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語」、〈ムーンシャイン予想〉を下敷きに繰り広げられる軽快な算術SF「ムーンシャイン」、生まれ変わりを教義の中心におく〈エルゴード教団〉の奇怪な歴史を描く「遍歴(エルゴディック)」など全四篇。SFと純文学の世界で大きな注目を集める著者の短篇集。/【目次】パリンプセストあるいは重ね書きされた八つの物語/ムーンシャイン/遍歴/ローラのオリジナル/あとがき
  • バラバラ屋敷の怪談
    3.6
    1巻1,899円 (税込)
    栃木県北西部の田舎町で、八人の女性が殺害された挙げ句、解体・遺棄されるという事件があった。その十五年後、現場だった犯人の元自宅、通称「バラバラ屋敷」へ肝試しに訪れた五人の中学生は、鍵の掛かった屋敷内を覗いたところ、卓袱台に同級生の生首が置かれているのを発見し……密室化した幽霊屋敷を巡る謎を描く表題作ほか、異界駅に迷い込んだ大学生グループが、密室からの殺人犯消失に遭遇する「にしうり駅の怪談」など、怪談作家・呻木(うめき)叫子が採集した四つの怪奇犯罪譚を収める。/【目次】「バラバラ屋敷の怪談」八人の女性が殺害され、解体された猟奇殺人事件。犯人の死後、施錠されたその自宅から生首が発見される。/「青いワンピースの怪談」博物館に度々現われる謎めいた十代の少女。彼女が目撃される先では、怪死事件が続いていた。/「片野塚古墳の怪談」人体に似た数十体の石像が並ぶ災厄の古墳。そこで新たな不可能犯罪が発生する。/「にしうり駅の怪談」異界駅の噂を調べるうちに消えてしまった友人をさがす大学生グループは、想像を絶する光景を目にし……。
  • 風に散る煙 上
    4.0
    よきワトスン役であるエイダルフに同行して海路カンタベリーに向かっていたフィデルマは、途中時化(しけ)のためダヴェド王国への上陸を余儀なくされる。先を急ぎたいふたりだったが、フィデルマの評判を聞きつけた国王から、小さな修道院の修道士や家畜がすべて消え失せるという不可解な出来事の謎を解いてほしいとの要請を受ける。じつはその修道院には王の息子がいたというのだ。捜査を引き受けたフィデルマとエイダルフは、ダヴェド王国の判事とともに問題の修道院へと向かうが……。王の妹にして弁護士、美貌の修道女が活躍するシリーズ第10弾。
  • 白薔薇殺人事件
    3.6
    ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母の住むキャッスルノール村に招かれた。大叔母は16歳のときに占い師から告げられた、いつかおまえは殺されるという予言を信じつづけており、大邸宅に住む奇妙な老婦人として知られている。屋敷を訪れると、大叔母は図書室で死んでいた。両手には血の痕があり、床には茎の長い白薔薇が落ちていた。予言が的中して自分が殺されてしまったときのために、大叔母は約60年をかけて親族や村人たちを調査していた。その膨大な調査記録を手がかりに、アニーは犯人探しに挑む。新鋭が贈る犯人当てミステリの大傑作!/解説=千街晶之
  • 明智恭介の奔走
    3.7
    1巻1,799円 (税込)
    神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介。小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩く彼は、はたしてミステリ小説のような謎に出合えるのか――大学のサークル棟で起きた不可解な盗難騒ぎ、商店街で噂される日常の謎、夏休み直前に起きた試験問題漏洩事件など、書き下ろしを含む全五編を収録。『屍人荘の殺人』以前、助手であり唯一の会員・葉村譲とともに挑んだ知られざる事件を描く、待望の〈明智恭介〉シリーズ第一短編集!/【目次】最初でも最後でもない事件/とある日常の謎について/泥酔肌着引き裂き事件/宗教学試験問題漏洩事件/手紙ばら撒きハイツ事件
  • 失われたものたちの国
    4.0
    邪悪な魔女や人間を襲う人狼。クロスボウを構えたラプンツェル。人間を憎む恐ろしい妖精(フェイ)。――「めでたしめでたし」なんて、無縁の世界。ロンドンに暮らすセレスは、ひとりで8歳の娘を育てていたが、ある日、娘が交通事故で昏睡状態となってしまった。医師の勧めで、セレスは田舎にあるケア施設に娘を移すことにする。その施設の敷地には、『失われたものたちの本』という物語を書いた作家の古い屋敷があった。娘の看病を続けるセレスが限界を迎えた日、彼女は何者かに呼び寄せられるようにして屋敷の屋根裏部屋に入り込み、さまざまな本が呼びかけてくる声を聴いた。そこに突然現れた怪物に襲われ、屋敷から逃げ出すが、気がつくと知らない場所に迷い込んでいた。そこは魔女や人狼、巨人たちが存在する、美しくも残酷な世界だった。セレスは元の世界に戻れるのか? 異世界冒険譚『失われたものたちの本』続編!
  • ボーンヤードは語らない
    4.1
    U国A州の空軍基地にある『飛行機の墓場(ボーンヤード)』で、兵士の変死体が発見された。謎めいた死の状況、浮かび上がる軍用機部品の横流し疑惑。空軍少佐のジョンは、士官候補生時代のある心残りから、フラッグスタッフ署の刑事・マリアと漣へ非公式に事件解決への協力を請う。実は引き受けたマリアたちにも、過去に対峙した事件への苦い後悔があった。高校生の漣が遭遇した雪密室の殺人。ハイスクール時代のマリアが挑んだ、雨の夜の墜落事件の謎。そしてバディを組んだ二人が初めて捜査した、緊急通報があった家庭での悲劇の真相は? シリーズ初短編集。/【目次】ボーンヤードは語らない/赤鉛筆は要らない/レッドデビルは知らない/スケープシープは笑わない/解説=香山二三郎
  • グッド・バッド・ガール
    4.2
    ロンドンのケアホームで暮らす80歳のエディス。ここにエディスを押し込んだ娘クリオとは、当然ながらうまくいっていないものの、介護スタッフで18歳のペイシェンスとは、世代はちがえど友情を築いている。そして、ペイシェンスも、一緒に暮らしていた母親と喧嘩して家出してきた身であった。そんなある日、エディスがホームから失踪。時を同じくして施設の所長の奇妙な死体が発見されて……。冒頭から企みが始まる、母と娘をめぐる傑作サスペンス! 『彼と彼女の衝撃の瞬間』『彼は彼女の顔が見えない』のどんでん返しの女王が見せる新境地!/解説=古山裕樹
  • 暁の報復
    4.3
    猟区管理官ジョー・ピケットの留守電に、知人のファーカスから伝言が残されていた。ダラス・ケイツと仲間が、ジョーを襲う密談をしているのを盗み聞いたという。ジョーの娘の元恋人ダラスは、1年半前の事件で家族ともども破滅し、その一因となったジョーに強烈な恨みを抱いていた。ほどなくファーカスが行方不明になり、空からの捜索に同行したジョーは、ファーカスらしき男が3人に発砲された場面を赤外線装置で目撃する。その後遺体が発見され、捜査が始まるが、ピケット一家にも次々と危機が襲いかかる。サスペンスみなぎる人気シリーズ!
  • 九人のレジェンドと愚か者が一人
    3.7
    1巻1,999円 (税込)
    26年前、パ・リーグのペナントレースを制した阪和バーバリアンズ。6回2死まで0封された後、満塁ホームラン3本が飛び出して9点差をひっくり返すという史上稀に見る逆転試合をきっかけに、リーグ優勝、そして日本一へと駆け上った。その後の低迷期を経てこの夏、来季の新監督に抜擢されたのは、当時4番を務めた夏川誠だ。大阪毎朝放送がレジェンドと呼ばれたメンバーたちのインタビューと再現試合で構成する特別番組を企画。取材を進める中で、10人目のレジェンドともいえるマネージャーの存在が浮かび上がる。ところが、あの試合中に盗難事件があり、疑われたマネージャーは退団、そののち非業の死を遂げたという……。チーム思いのマネージャーがなぜ盗難を行ったのか? 主要メンバー9人の中に、嘘をついた人物がいるのではないか? そして仲間を裏切った愚か者は誰なのか――。吉川英治文学新人賞作家が贈る、企みに満ちた長編ミステリ。
  • 精霊を統べる者
    4.2
    19世紀後半、伝説の魔術師アル=ジャーヒズがジン(精霊)の世界の扉を開き、世界は一変した。ジンの魔法と科学の融合によりエジプトは急速な発展を遂げるが、アル=ジャーヒズはなぜか姿を消す。それから40年後、カイロに彼の名を名乗る謎の男が現れ、彼を崇拝する人々を焼きつくした。エジプト魔術省の女性エージェント・ファトマは、恋人の女性シティらと共に捜査に乗り出す。ネビュラ賞、ローカス賞、イグナイト賞、コンプトン・クルック賞の4冠に輝いた新鋭の第一長編!/解説=渡邊利道
  • 鼓動
    3.8
    P分署近くに捨てられていた赤子の親を探して奔走する捜査班の刑事たち。だが事態は次第に思わぬ展開へ……イタリア発の人気警察小説、〈21世紀の87分署〉シリーズ最新刊!

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