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新年を迎えた凍てつく夜、孤独な老人マグナスを訪れたのは、ふたりの女子高校生だった。ひとりは金髪、もうひとりは黒髪――そう、まるで彼が助けた、傷ついた大鴉の羽根のようにつややかな。だが、四日後の朝、黒髪のキャサリンは死んでいた。大鴉の群れ飛ぶ雪原で、赤いマフラーを喉に食い込ませて……。地元のペレスと本土のテイラー、二人の警部が見いだしたのは、八年前の少女失踪事件との奇妙な相似。誰もが顔見知りの小さな町で、誰が、なぜ、彼女を殺したのか? 試行錯誤の末にペレスが掴んだ悲しき真実とは? 英国本格派の新旗手が、冬のシェトランド島の事件を細密な筆致で描き出す、CWA最優秀長篇賞受賞作。/解説=川出正樹
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Posted by ブクログ
北欧ミステリとは、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの主に5か国が舞台となるミステリー作品のこと。このジャンルでは、アイスランドを舞台にした「湿地」が有名になりましたね。本書もそんな北欧ミステリです。
舞台となるのは、アイルランドとノルウェーの中間くらいの海洋に位置するシェットランドの孤島。この地で大晦日の夜、長年の間家に閉じこもる老人を2人の女子高生が訪問するところから物語は始まります。翌朝、2人の女子高生のうちの1人の遺体が近くで発見されました。シェトランドでは数年前にも別の少女少女が疾走する事件が起きています。その過去の事件の容疑者でもあったマグナスは、当然今回の殺人でも皆から疑われます。噂やゴシップで非難されることとなったマグナス。状況証拠に基づいてマグナスを逮捕した島の警部のジミー・ペレスですが、彼は別の未知の殺人者を示す手がかりを見つけ、誰もが行きたがらないシェットランド諸島の過去に深く迫る捜査の迷路に入っていくというのがストーリーのあらすじです。プロットの中には様々な紆余曲折が盛り込まれており、最後まで犯人はなかなか本性を現しません。
そのせいか、最初の内はローカルな人間関係の事情の説明が主で、とにかくまともにストーリが動き出すのがかなり後の方になるため、読む人を選びそうな感じの一冊です。
Posted by ブクログ
イギリスの作家「アン・クリーヴス」の長篇ミステリ作品『大鴉の啼く冬(原題:Raven Black)』を読みました。
「P・G・ウッドハウス」、「セバスチャン・フォークス」の作品に続き、イギリス作家の作品です。
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【CWA最優秀長編賞受賞作】
新年を迎えたシェトランド島。
孤独な老人「マグナス」を深夜に訪れた黒髪の少女「キャサリン」は、4日後の朝、大鴉の舞い飛ぶ雪原で死んでいた。
真っ赤なマフラーで首を絞められて。
住人の誰もが顔見知りの小さな町で、誰が、なぜ彼女を殺したのか?
8年前の少女失踪事件との奇妙な共通項とは?
「ペレス警部」の前に浮かびあがる、悲しき真実。
現代英国本格派の旗手が、緻密な伏線と大胆なトリックで読者に挑戦する!
解説=「川出正樹」
*第3位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/翻訳家・評論家部門
*第4位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/総合部門
*第4位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/作家部門
*第6位『週刊文春』「2007ミステリーベスト10」/海外部門
*第6位『2008 本格ミステリ・ベスト10』/海外ランキング
*第8位『IN★POCKET』文庫翻訳ミステリーベスト10/読者部門
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ロンドンから北へ遥か960キロメートル… イングランド本島とノルウェーを橋渡しするかのように、北海の北辺に浮かぶ島々――シェットランド諸島、、、
そこを舞台とした「ジミー・ペレス警部」シリーズの第1作目… 2006年(平成18年)に発表された作品で、最初の4作品は四季がテーマ(冬→夏→春→秋の順)となっており<シェットランド四重奏(カルテット)>とも名付けられているようですね。
2006年度(平成18年)CWA(英国作家協会)最優秀長編賞受賞作で、冬のシェトランド島を舞台に、厳しい自然環境の中で不吉な大鴉を象徴的に配して、村の因習や余所者を巡る人間関係を丹念な筆致で描き上げた重厚な傑作に仕上がっています… 絶妙な舞台設定と計算されつくした視点採用が両輪となり、読む者の心をとらえて離さない、謎解きと人生のドラマが融合した味わい深い、そして、オーソドックスなミステリで、しっかり愉しませてもらえました。
凍てつく元日の夜、パーティー帰りの二人の女子高生「キャサリン・ロス」と「サリー・ヘンリー」が、母親に死に別れ独り暮らしの老人「マグナス・テイト」を訪ねる… 「マグナス」は知的障害者で、数日後町へ出掛けたバスの帰りに偶然「キャサリン」と出遭い、再び家に招く、、、
翌朝、ロンドンからシェトランドへ移り住んできたシングル・マザーの画家「フラン・ハンター」は、娘の「キャシー」を学校に送る途中、雪原で無残な死体と化した「キャサリン」を発見する… 彼女は赤いマフラーで絞め殺され、打ち捨てられていた。
地元のシェトランド署の警部「ジミー・ペレス」は捜査を開始し、偏見を捨てなければと思いつつも、8年前に起こった少女失踪事件の時も疑われた老人「マグナス」に疑惑の目を向ける… 島外から応援に来たインヴァネス署の警部「ロイ・テイラー」と協力して捜査に当る「ペレス警部」が決め手を欠く内に、8年前に失踪した少女「カトリオナ・ブルース」の遺体が泥炭の中から、傷んでいない状態で発見される。
少女の遺体を発見したのは、またもや「フラン」だった… やがて、「キャサリン」がシェトランドの人々を題材に制作中だった映画が消えていることが判明し、事件と何らかの関わりがあると思われたが、その謎の解明を待たず、「カトリオナ」が行方不明になる前に髪を結わえていたリボンを持っていたことが決め手となり「マグナス」は逮捕される、、、
事件は解決したかに見えたが、村の祭り〈アップ・ヘリー・アー〉の夜に新たに少女が姿を消す… 行方が分からなくなったのは、「フラン」の娘「キャシー」だった。
同一犯の犯罪なのか!? そうであれば8年前の犯行は「マグナス」の手によるものではないのか!? 「ペレス警部」は「テイラー警部」の協力を得ながら衝撃の事実を抉り出す。
本作品の最大の特質は、四人の何処かに悩みを抱える登場人物… 母の過去の思い出に捕えられる老人「マグナス」、殺された「キャサリン」の親友で学校と恋に悩む「サリー」、富豪と結婚しながら夫の浮気の為に離婚して一人娘を育てる「フラン」、親の暮らす島の農業を継ごうか迷っている「ペレス警部」のそれぞれの視点で交互に語られている点ですかね、、、
「ペレス警部」は粘り強い捜査で、村のあらゆる人間関係を解きほぐしますが推理力で解決するには至らず、結局決め手となったのは「マグナス」への尋問・証言でした… まだ少女とはいえ、女性間の嫉妬は怖いですねぇ。
予想し難い結末でしたが、その分だけ愉しめました… 面白かったです。
以下、主な登場人物です。
「キャサリン・ロス」
高校生
「ユアン・ロス」
キャサリンの父。高校の英語教師
「サリー・ヘンリー」
高校生。キャサリンの友人
「アレックス・ヘンリー」
サリーの父。自然保護係官
「マーガレット・ヘンリー」
サリーの母。小学校の教師
「マイクル・イズビスター」
実業家
「シーリア・イズビスター」
マイクルの妻
「ロバート・イズビスター」
マイクルの息子
「ダンカン・ハンター」
富豪
「フラン・ハンター」
画家。ダンカンの元妻
「キャシー・ハンター」
フランの娘
「マグナス・テイト」
知的障害のある老人
「メアリー・テイト」
マグナスの母。故人
「アグネス・テイト」
マグナスの妹。故人
「デヴィッド・スコット」
高校の英語教師
「カトリオナ・ブルース」
八年前に失踪した少女
「ケネス・ブルース」
カトリオナの父
「サンドラ・ブルース」
カトリオナの母
「ブライアン・ブルース」
カトリオナの弟
「ジミー・ペレス」
シェトランド署の警部
「モラグ」
シェトランド署の巡査
「サンディ・ウィルソン」
シェトランド署の巡査
「ロイ・テイラー」
インヴァネス署の警部
「ジェーン・メルサム」
インヴァネス署の犯行現場検査官
Posted by ブクログ
イギリス最北端にあるシェトランド諸島を舞台に、それぞれの人生でこの諸島と何らかの関係を持ち続ける人々の間で発生する事件。ある女学生が死体で発見され、8年前に発生した少女失踪事件(その後死体で発見される)が想起されるなか、両方の事件の容疑者として知的障害のある老人が逮捕される。
事件の謎がクリアに解き明かされないなか、新たに少女失踪事件が発生する。犯人は誰だ?第三の連続事件か?と謎を膨らませて最終章へと向かう。
派手さはないが、事件の真相へと地道に捜査を進める地元の警部ジミー・ペレス。静かに進行していた犯人探しが、第三の事件発生と同時に急展開する。
犯人として絞り込まれた人物を追い求め、たどり着いたと思った矢先に待ち受ける、どんでん返し。
事件の背景にある人間関係、そこから生まれた犯人の心理、よく考えられた謎解きとして楽しめる。
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