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Posted by ブクログ
これまでさんざんアホの子扱いされてきたサンディが大人になった回。
ロンドン出張を一人で行かなくてはならなくなって、都会にドキドキして早く帰りたくなるサンディ。
自信もないし、勉強ができたこともない。だけどペレスを尊敬し、必死に期待に応えようとするサンディが愛おしい。
毎回この作者の描く、家族に対する複雑な感情は、世界共通に共感できる人たちがいるのではないかと思う。上は殺人事件の犯人探しをするミステリだが、下は悩みながら生きる人たちの心理描写が流れている。
みんな一緒だ。仕事をしながら家族や恋人のことを考える。それが当たり前で、みんな行き来しながら毎日を生きている。それがものすごく自然に描写されているから、アン・クリーヴスの作品は好きなんだ。
Posted by ブクログ
シェトランド署のサンディ刑事は、帰省したウォルセイ島で、祖母ミマの遺体の第一発見者となってしまう・・・。ウサギを狙った銃に誤射されたように見えるその死に、漠然とした疑惑を抱いたペレス警部はサンディ刑事と共に彼の親族や近くで遺跡を発掘中の学生らに接触し、事情を探りだす。果たして小さな島で起きた死亡事件にはどんな真相が隠されているのか?本当にウサギを狙った銃に誤射されたのか?それともそれはカモフラージュで大きな闇が隠されているのか?
現代英国ミステリー珠玉「シェトランド四重奏」第三弾!とのことですが、私は初めてこの作品を読みました。読んだのは第三弾ですけど、これだけでも十分面白いです。
私は英国ミステリーの雰囲気が何故か好きなんですが、この「野兎を慎む春」にも英国風を強く感じました。また展開もミステリーらしい展開の仕方なので、推理系やミステリー系が好きな人には是非お勧めしたいですね!
個人的に魅力はやはりサンディとべレスの捜査でしょうか。ミステリーでは捜査は一番大事な点だと思いますし、捜査の部分がぴんとこなかったら作品の魅力が減るとも思います。ですがこの作品における捜査とそれを行う刑事は非常に読者をひきつけます。
この第三弾を読んで前2作も読んでみようと思わせる作品でした。
Posted by ブクログ
ジミー・ペレスの同僚(部下)、サンディ刑事が帰省したウォルセイ島で、祖母ジェマイマ(ミマ)の遺体の第一発見者となってしまう。ウサギを狙って誤射されたように見え、容疑者はすぐに発見されるが、ペレス警部は疑惑を抱き、サンディとふたりで真実を探ることに…。奔放な人生を送ったミマ、その息子であるサンディの寡黙な父、活動的だけれどクセのある母イヴリンと伯母ジャッキー。さらに赤ん坊を生んだばかりのアンナとウォルセイ島で遺跡発掘をしている若いハティ、ソフィ。たくさんの女性が生き生きと描かれ、逆に男性たちは内向的でナイーヴ。今回はとくにペレス警部が「俺は単に詮索好きなだけの男じゃないのか」と自問自答する場面が多くて、そこがわりと好きだった。
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シリーズ3作目。
これまでで一番おもしろかった。
今回の主役はなんと言ってもペレスの部下、サンディだ。
上司であるペレスの評価は毎回かなり低めで、
けっこう辛辣な言われようをされてきた、この頼りなげな青年。
その彼が生まれ故郷で起きた連続殺人事件の目撃者となり、被害者のうちひとりは彼の祖母だった。
これまでの印象は、ちょっといい加減で適当で、いいところなしな感じだったのが、今作では心優しく気遣いができ、家族思いで、ちょっとうぶな所もかわいくて、
一人きりでの出張シーンではまるで彼の母親にでもなってしまったかのように心配してしまった。
また、他のキャラクターも魅力的に描かれていて、
特に被害者となってしまったふたり、
自由奔放で快活な祖母や、その祖母と心を通わせる大学院生のハティもとても気になる存在だった。
登場したそれぞれの家族の人間模様もおもしろく描かれており、結末に驚きはそれほど感じられなかったものの、全体的としてはとても良かった。
いよいよラストの次巻も楽しみ。
Posted by ブクログ
シェトランド四部作の三作目。最終作が出たのを知り、慌てて読む。「本の雑誌」で矢口誠さんがその最終作について「予想を遙かに超える衝撃度」「ある意味これは究極の反則技」と紹介していた。うーん、期待しちゃうなあ。
本作は、シリーズ前作と同じくエキゾチックな大人のミステリ。シェトランドの小さな島で起きた事件をめぐって、おなじみペレス警部が錯綜する人間関係に分け入っていく。この警部が突飛なところのないじっくりした人柄で、好感を持って読んでいけるところがいい。また、今回特に感じたのが、女性の描き方が丁寧で、ミステリによくあるステロタイプなパターンに陥っていないことだ。これはそんなにたやすいことではないと思う。
さあ、この四部作はどんなふうに幕切れを迎えるのか。楽しみだ~。
Posted by ブクログ
シェトランド四部作の三作目。今回フランはロンドンヘ行っていてほとんど出てこない。テイラーも出番なし。代わりに出ずっぱりなのがサンディ。前作までは幼稚で浅はかなお荷物くんという描かれ方でしたが、今回故郷の島で祖母の死んでいるのを発見し、事件の当事者関係者がみな自分の近親者であるというむつかしい立場に身を置くことになり、ペレスだったらどうふるまうだろうかと想像しながら対応しているうちに身の処し方がわかってきて、ペレスをして「新しいサンディ」と言わしめる成長を見せます。一度も島を出たことがないが個性的で発展的だったサンディの祖母ミマと、ミマの敷地で遺跡の発掘作業をしていた内向的な本土の学生ハティの二人の女性の対比が印象的。人間ドラマが相変わらず読み応えがありましたが今回謎解きはやや後味が良くなくて残念でした。
Posted by ブクログ
シェトランド四重奏の3作目。
独特な雰囲気が魅力的。
日本紹介は最近だけど、実はベテランの実力派。
スコットランド最北端の島で起きる事件が、綿密に描かれます。
ペレス警部はスペイン人が漂着した子孫で、浅黒い肌とスペイン系の名前を持っています。
今回は、若い部下サンディ刑事が故郷ウォルセイ島に帰っているときに事件が起きて…
霧の深い夜、いつになく農場に出ていた祖母ミマが射殺されたのです。
兎を狩りに出ていた隣人の誤射らしいということにはなりますが、それにしても不自然。
その隣人も、サンディにとっては親戚で、子供の頃からの友達一家なのです。
祖母ミマは個性的で奔放、若いときに何か事件があったという噂もありました。
ミマの息子であるサンディの父親はミマと仲が良く、母の死を深く悼みます。
サンディの母親は主婦ながらやり手で面倒見が良く、ミマとは対照的な性格でした。
ペレス警部も、捜査に訪れます。
島の古代遺跡は何度か調査され、今はミマの農場の一隅を発掘するために、村には考古学を学ぶ大学生らが滞在していました。
骨が発見され、考古学的な発見かと色めき立っていたのですが。
研究に打ち込んでいる女性も、いきいきと描かれています。
長年にわたる村の人間関係が濃密。
狭いけれど、互いによくよく知っているようで、どこかすれ違ってしまう所もあって。
のんきな若者が身近な事実に直面して、成長する話でもあります。
ペレス警部は今回は恋人にあまり会うこともなく、一人で捜査に当たる時間が長いのですが。
その間に思いを募らせて、それなりに進展が…?
単純でない読み応えを楽しめるシリーズです。
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