作品一覧

  • 三人書房
    3.5
    1巻850円 (税込)
    大正8年(1919年)東京・本郷区駒込団子坂、平井太郎は弟二人とともに《三人書房》という古書店を開く。二年に満たない、わずかな期間で閉業を余儀なくされたが、店には女優・松井須磨子の遺書らしい手紙をはじめ、奇妙な謎が次々と持ち込まれた──。同時代を生きた、宮沢賢治や宮武外骨、横山大観、高村光太郎たちとの交流と、数々の不可解な事件の顛末を、若き日の平井太郎=江戸川乱歩の姿を通じて描く。第18回ミステリーズ!新人賞を史上最高齢の69歳で受賞した著者による、滋味深い連作集。/【目次】三人書房/北の詩人からの手紙/謎の娘師/秘仏堂幻影/光太郎の〈首〉/文庫版あとがき/解説=辻真先
  • 中山民俗学探偵譚
    3.3
    1巻1,980円 (税込)
    昭和21年、栃木県足利郡にてひっそりと暮らす中山太郎の元を、下野新聞の記者が訪れる。探偵小説執筆の参考に、かつて柳田国男に師事し異端の民俗学者として知られる中山の、同時代を過ごした偉人達との交流について話を聞きたいという。明治、大正から昭和初期にかけて、柳田のほか、種田山頭火、宮武外骨、南方熊楠、そして平井太郎らと過ごした日々は、謎に満ちていた――。話を脱線させつつも、中山太郎は奇妙な出来事の数々をゆるりと語っていく。『三人書房』で鮮烈なデビューを飾った著者による、滋味溢れる連作ミステリ。/【目次】「オシラサマ」東北へ向かう汽車の中で柳田国男は奇妙な男と出会う。/「外法頭」宮武外骨と中山は二人で《明治文化探偵会》を立ち上げる。/「百物語」森鷗外も出席したという百物語の会場で高価な首飾りが消失する。/「秘薬」高橋お伝処刑の際に起きた椿事の背景を、若き日の江戸川乱歩が解き明かす。/「生人形」忘れられた生人形師の作品にまつわる不思議な現象。/「忘れない熊楠」南方熊楠が遺した謎の言葉の意味を下野新聞の記者とともに紐解く。
  • 三人書房
    -
    1巻110円 (税込)
    若き日の江戸川乱歩を描く、流麗な謎解き譚。第18回ミステリーズ!新人賞受賞作。/第18回ミステリーズ!新人賞選考経過、選評=大倉崇裕 大崎梢 米澤穂信/(本電子書籍は『紙魚の手帖vol.01』(2021年10月初版発行)に掲載の同作品を電子書籍化したものです。)

ユーザーレビュー

  • 三人書房

    Posted by ブクログ

    江戸川乱歩がデビューする前に古本屋を営んでいたことは知っていた。
    けれどその当時の事は良く知らない。
    なので江戸川乱歩が古本屋を営んでいた時代を舞台にした作品ということで大いに興味を惹かれ手に取った作品。
    この三人書房という古本屋を営む平井太郎がいかに探偵小説会の祖となる江戸川乱歩に変化していったのか?早く読みたくてたまらない。

     まず本名が平井太郎という平凡な名前が意外だった。
    江戸川乱歩というペンネームは敬愛するエドガー・アラン・ポーをもじったのと日本のエドガー・アラン・ポーになるという意気込みがあったようだ。
    子供の頃、江戸川乱歩の本は表紙が不気味なのもあって怖い物語というイメージが強

    0
    2025年11月02日
  • 三人書房

    Posted by ブクログ

     江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』および、あの作品の背景をもとに書かれた連作集。高村光太郎、宮沢賢治、宮武外骨、横山大観といった人たちが作中に登場し、乱歩とともに大正から昭和二十年代までの東京の謎に挑む。モデルにされている人物達の著作をもう一度手に取ってみたいという気持ちになる。著者の人柄が滲みでている『文庫版あとがき』(pp267-269)も良い。

    0
    2025年11月02日
  • 中山民俗学探偵譚

    Posted by ブクログ

     この数年、大正から昭和にかけての実在の人物達を登場人物にしたフィクションが次々に刊行され、気になったものは手にとり楽しませてもらっている。この連作集の中心人物は中山太郎。取り巻く人物達は種田山頭火や江戸川乱歩や三遊亭円朝や宮武外骨。そして、中山太郎を「軽薄なる人」と痛罵した南方熊楠。作者は、作中で、この熊楠の言葉の真意を、想像を膨らませて語ることで、あの世での中山太郎との和解を願っているようにみえる。実際にはどうだったのか、誰にもわからないけれども。

    0
    2025年10月07日
  • 三人書房

    Posted by ブクログ

    創元推理文庫の新刊

    若き江戸川乱歩を描いた連作ミステリー短編集

    実在した登場人物や史実に基づいており、謎や展開はやや穏やかなものの、事件から得た発想が江戸川乱歩の有名タイトルに繋がっていく結末が面白かった

    語り手がコロコロ変わる構成は良い
    惜しむらくは文章が一辺倒でキャラクターも立っていないため全員が同じように読めてしまう点

    著者は69歳でデビューとのこと
    滋味深い連作推理とは、なかなか良いフレーズだなと感心した

    あとがきにて次作への意欲も書かれているが、せめて軸となる人物にはぶっ飛んだキャラ立てをして欲しいなと勝手に希望

    0
    2025年11月08日
  • 三人書房

    Posted by ブクログ

    江戸川乱歩が小説家としてデビューする前のお話。
    謎はお、なんだ?どーゆーことだ?と好奇心を刺激されるんだけどどの話もオチが弱い気がする。

    0
    2025年11月06日

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