柳川一のレビュー一覧

  • 三人書房

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    江戸川乱歩がデビューする前に古本屋を営んでいたことは知っていた。
    けれどその当時の事は良く知らない。
    なので江戸川乱歩が古本屋を営んでいた時代を舞台にした作品ということで大いに興味を惹かれ手に取った作品。
    この三人書房という古本屋を営む平井太郎がいかに探偵小説会の祖となる江戸川乱歩に変化していったのか?早く読みたくてたまらない。

     まず本名が平井太郎という平凡な名前が意外だった。
    江戸川乱歩というペンネームは敬愛するエドガー・アラン・ポーをもじったのと日本のエドガー・アラン・ポーになるという意気込みがあったようだ。
    子供の頃、江戸川乱歩の本は表紙が不気味なのもあって怖い物語というイメージが強

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    2025年11月02日
  • 三人書房

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     江戸川乱歩の『D坂の殺人事件』および、あの作品の背景をもとに書かれた連作集。高村光太郎、宮沢賢治、宮武外骨、横山大観といった人たちが作中に登場し、乱歩とともに大正から昭和二十年代までの東京の謎に挑む。モデルにされている人物達の著作をもう一度手に取ってみたいという気持ちになる。著者の人柄が滲みでている『文庫版あとがき』(pp267-269)も良い。

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    2025年11月02日
  • 中山民俗学探偵譚

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     この数年、大正から昭和にかけての実在の人物達を登場人物にしたフィクションが次々に刊行され、気になったものは手にとり楽しませてもらっている。この連作集の中心人物は中山太郎。取り巻く人物達は種田山頭火や江戸川乱歩や三遊亭円朝や宮武外骨。そして、中山太郎を「軽薄なる人」と痛罵した南方熊楠。作者は、作中で、この熊楠の言葉の真意を、想像を膨らませて語ることで、あの世での中山太郎との和解を願っているようにみえる。実際にはどうだったのか、誰にもわからないけれども。

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    2025年10月07日
  • 三人書房

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    創元推理文庫の新刊

    若き江戸川乱歩を描いた連作ミステリー短編集

    実在した登場人物や史実に基づいており、謎や展開はやや穏やかなものの、事件から得た発想が江戸川乱歩の有名タイトルに繋がっていく結末が面白かった

    語り手がコロコロ変わる構成は良い
    惜しむらくは文章が一辺倒でキャラクターも立っていないため全員が同じように読めてしまう点

    著者は69歳でデビューとのこと
    滋味深い連作推理とは、なかなか良いフレーズだなと感心した

    あとがきにて次作への意欲も書かれているが、せめて軸となる人物にはぶっ飛んだキャラ立てをして欲しいなと勝手に希望

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    2025年11月08日
  • 三人書房

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    江戸川乱歩が小説家としてデビューする前のお話。
    謎はお、なんだ?どーゆーことだ?と好奇心を刺激されるんだけどどの話もオチが弱い気がする。

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    2025年11月06日
  • 中山民俗学探偵譚

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    新聞記者が民俗学者の中山太郎を訪ねて、彼の同時代の偉人たちのエピソードを聞き出すというスタイルの連作短編集。柳田國男、種田山頭火、南方熊楠などが登場する。
    一見怪異のように見える話も実は…という種明かしがいまひとつインパクトに欠けるので地味な感じだが、柳田國男がオシラサマにビビっているところなど面白かった。

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    2025年03月14日
  • 中山民俗学探偵譚

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    言うほど民俗学してたか?地方を扱っているのはオシラサマくらいじゃない?
    著者は69歳でデビューだそうで、幾つになっても希望を捨ててはいけないという一例。

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    2024年12月16日
  • 中山民俗学探偵譚

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    ネタバレ

    地の文が極端に少ない、半分以上が会話劇な一冊。
    これだけで好き嫌いが分かれそうだなと思うんですが、私はこの「登場人物達の会話をただぼんやり聞いてる」ような空気感が好みだったので、面白かったです。
    ただ探偵っていうほど探偵してたかな?(まあ話は謎解きだったけど)とも思うので、なんとも言いがたい気もします。

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    2024年12月02日