吉野弘人の作品一覧
「吉野弘人」の「悪魔が唾棄する街」「嘘と聖域」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
これは普通に面白い!
半分くらい読んだところで、あぁこれシリーズ化できそうな感じだなー、てかしてくんないかなーと思っていたら、してた。
本書日本刊行時点で本国では4作目が出版間近という状況らしい。しかも4作目で完結の見込みとのこと。それは楽しみだー、東京創元社さん是非続編頑張って頂きたい。
AIに警察の事件捜査は任せられるのか。
そのパイロットプロジェクトの責任者に任命された主人公のキャット。
夫との死別により2年間の休職明けのこと。
人間と機械の対立、感情と理論、直感と確率、決して真新しい対立構造ではないのだが、近年のAI浸透の世の中にあってこそAIの言うことがいちいちそれっぽくリアルで、またそれに反駁する長年の経験ってやつも今まで以上に古臭い価値観にしがみついているだけのように見えてくる。
そして、それぞれが仄かに笑える滑稽さを抱えている。
冷静に考えれば笑ってばかりもいられない冷徹な棲み分けだったり、不条理で理不尽な人間模様を感じるのだが、この滑稽さがその深刻さを中和しつついろんな思索に導いてくれる。
そんなこんなで痛み抱える主人公キャットがAIやチームのメンバー達とぶつかりあいながら、AIの有効性を検証すべく選ばれた2件の未解決失踪事に立ち向かっていく話。
まあなんていうか筋道的にはそういう交じり合いをするよねっていう話だし、黒幕の後出し感はあるにはあるんだけど、話を運ぶテンポだったり、ベースにある設定が秀逸で物語として自分的に大いに楽しめた一作。
これは年末ランクインするだろうなぁ。
Posted by ブクログ
結構一気読み
今や、「SF」というか、かなりリアルなAI捜査官
血の通った人間キャットと、かたや的確・合理性主義のAIロックとの確執がせめぎ合う
「瞬く間に」情報を処理し、捜査を効率化し、その間も常に学習し続けるAIロックに薄ら寒さを感じながらも、物語は行方不明者の捜索に難航する
脇を固める捜査陣キャラも確立していて、何より主人公キャットの公私にまつわる葛藤苦悩が物語に深みを与える
人にはできない高次元な仕事、AIには理解困難な人の不合理な感情
一見、とっつきにくそうなミステリーに思えるが、とても読みやすく、謎が核心に迫る後半はまさにエンタメ
善悪を超越した、人の飽くなき探究心に息を呑む
人とAIは果たして共存共栄できるのか?
今やありふれたテーマにも思えるが、もっと深く刺せば、それは生きた人間、自己を知ることにも繋がるように思えた
寄り添っていてくれる誰かの大切さ
ささやかな希望に満ちたキャットとロックのラストシーンにしんみりした
Posted by ブクログ
大好きなM.Wクレイヴン氏からの激賞を浴びたとあっては読まねばなるまい!
本当は、AIとバディ…うーん、興味が湧いたら…としばらく積んでいたのだが…
でも読んで良かった!
やはりM.Wクレイヴン氏、間違いなし…(笑)
女性として叩き上げで警視正としたキャットはロックという名のAI捜査官とともに失踪事件の捜索をすることになる
青島俊作のように昔気質の「直感」で動くキャットと
一瞬で大量のデーターを分析し数値化するロック
相反するふたつの頭脳が何度もぶつかりながら事件に挑んでいく!というストーリー
人間はどうしてもバイアスのかかった判断をしてしまう…
しかし人間の感情などどうでもよいAI捜査官…
それぞれが足りないところを補い合う
本作ではそれが絶妙に描かれていたと思う…
そしてなんといっても
警視正のキャットやキャットの部下たちも魅力的だ
実はキャットは休職明けで、女性としても妻としても母としても、なんとか折合いをつけて生きている
また部下たちも、それぞれに問題を抱えながらも日々を過ごしている
そんな彼らの心理描写も素晴らしく、人物像が浮かび上がりつい感情移入してしまう
AI捜査官のロックがキャットから学んだことを理解しようとしている姿もとても良かった
物語中盤では私の傍にもホログラムのロックがいたしね…
きっとロックのようなAI捜査官が実用化される時代も遠くない
青島俊作の隣にいかりや長介のホログラムが現れて一緒に捜索をする!「青島くん、その確率は12%だ…」なんてな…
まっ…悪くないか…(笑)
(昨日、踊る大捜査線を鑑賞したところ…)
本国では既に刊行されているという続編の邦訳が楽しみだ