あらすじ
法と正義、師弟愛を描く胸アツ法廷エンタメ。
アラバマ大学ロースクールの老教授トム。学生時代に同大フットボール部で全米チャンピオンとなり、卒業後は弁護士となるも恩師の導きで再びこの大学で教鞭を執り、法学者として順風満帆な人生を過ごしてきた。しかし今は愛する妻を失い、友人の裏切りから不名誉な形で職を追われ、自身も癌を患っていた。絶望の中、彼の前に現れたのはかつての恋人。娘夫妻と孫を大手運送会社のトラック事故で失った彼女は、トムに「法廷で真相を知りたい」という。ある確執から絶縁状態にあった教え子の新米弁護士リックを適任と感じた彼は、弁護の橋渡しをし自分は故郷に身を隠すが、被告である運送会社の隠蔽工作は裁判を予想外の方向へ導き……。
真実と悪、師弟愛、スポーツと友情……挫折を繰り返しながらも最後まで「正義」を諦めない登場人物たちの矜持に胸が熱くなる、痛快法廷エンタテインメント!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
確か土瓶さんがおすすめして下さったような、、、
すみません。あまりにも長く積んでおいたので、どなたがおすすめ下さったのかわからなくなってしまいましたm(_ _)m
おすすめ頂き直ぐに購入したのですが、翻訳モノは苦手意識があって、なかなか読めずにおり、やっとページをめくることが出来ました。
これは、めっちゃ面白かった!!o(^▽^)o
まず面白いのが、敵側が徹底的に悪い奴!
これでもかってくらい憎らしい。
ここまで悪い奴がいるのかってくらいの悪役。
トラック運送会社の経営者も、トムを陥れた弁護士も、どちらもめっちゃ憎たらしい。
何とかこいつらをギャフンと言わせたい!
ギッタンギッタンにしてやりたい!!
そして、味方側はトムと確執があったとされるリック弁護士。トムと不適切な関係だとでっちあげられたトムの生徒、美人のドーンの助けも入り、捜査は順調に思えたのだが、証拠を掴んでも直ぐに邪魔が入る。
これがもどかしいのだが、さらに敵に怒りが湧いてきて、リックたちを応援したくなる。
えげつない攻撃が続く中、私もリックの仲間になったような気持ちで読み進めていった。
裁判の一進一退もかなり臨場感があって面白かったし、愛犬ムッソの活躍も本当に良かった!
自分からは絶対購入することのない本なので、おすすめ頂き、本当にありがとうございましたm(_ _)m
めっちゃ良かったです!!
アラバマ大学を卒業後、弁護士になるが、フットボール部の恩師の導きでこの大学のロースクールで教鞭をとっていた教授のトム。
しかし、友人に陥れられ、職を追われる。
そして、追い打ちをかけるように、自身に癌の宣告がなされる。
そんな時、かつての恋人が
娘夫婦と孫を交通事故で失ったことを聞く。
相手は大手の運送会社のトラックだった。
法廷で事故の真相を知りたいとお願いされる。
トムは自分と確執のあった教え子を彼女に紹介し、自身は一匹の老犬と故郷で引き篭もるのだが、、、
Posted by ブクログ
作者初初読み。法廷ものが好きなので読んで見た。加害弁護士、被害弁護士共に自分の元教え子娘夫婦と孫を事故でなくした被害者が、事故を起こしたトレーラーの経営者から賠償金を取るための訴訟。相手の社長は人を殺してまでも裁判に勝とうとする極悪非道ぶり。白熱ぶりはなかったけど十分楽しめた。
Posted by ブクログ
ジョン・ベイリーは、初めて読む米国の作家。
アラバマ大学の法学教授、60代後半のトムは、元大学フットボールの全米王者。順風満帆に過ごしてきたが、妻を癌で亡くし、濡れ衣により教授職を追われ、自身も癌に冒される。娘一家を交通事故で亡くした昔の恋人から、法的な助言を求められるが、教え子に弁護を頼み、自身は身を引く。昔の恋人は、交通事故の相手の運送会社を相手取り訴訟を起こす。全く勝ち目がなさそうな闘いであるが、教え子とトムは、力を合わせて裁判を戦うことに。
それが合っているかどうかは分からないが、自分自身のイメージとしては、アメリカ人が好きなタイプのストーリーではないかと思った。
■勧善懲悪、最後は悪は滅びる
■勝ち目は薄いが正義のために、自分が大切にしていることのために、決してあきらめずに戦う
■伝説的人物(レジェンド)への敬愛
そのような要素が一杯に詰まった法廷を舞台にした小説。プロットも単純であり、私のこの説明だけを聞くと、つまらなそうであるが、何とこれがとても面白い小説だった。特に後半部分は、ノンストップで読んだ。「アメリカ人が好きなタイプ」と書いたが、こういう設定が好きなのは万国共通なのだろう。
この話はシリーズになっているとのこと。面白いシリーズを知ることが出来てハッピーだ。シリーズを続けて読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
法廷物。アラバマ大学の教授のトムは学長の陰謀で退職に追い込まれ、膀胱癌ということもあって田舎に引きこもる。
かっての恋人からトレーラー事故で死んだ娘達の訴訟を頼まれ教え子だったリックに紹介する。相手は殺人恐喝なんでもやる卑怯な経営者。リックは不利になりトムに協力を依頼。
そしてトム&リックの反撃が始まる。畳み掛けるような裁判の攻防、面白かった。
トムを助ける教え子のポーが魅力的。スーパーマンのよう。
Posted by ブクログ
名前をおぼえられなくて主な登場人物をなんども確認しながら読んだ。
(小学館文庫の製本が悪くてあちこちのページが抜けてくるんで苦労しながら)
まあありがちなお話だったなと思い、エピローグへ。
「ムッソ ”闘う犬”」の文字をみてびっくりした。
そして涙が出てきた。思わぬ感動だった。
シリーズ残り3作を読もうと思った。リー・ロイの活躍をみたい。
Posted by ブクログ
「裁判長、わたしはトーマス・ジャクソン・マクマートリーです」
来たーーーーッ!!
本作最高のクライマックスシーンです!(すっごいネタバレ)
このセリフを読むためだけにこの本を読み始めてもいいくらいです
めちゃくちゃかっこいいのよ!
なんか最近みんみんが高評価の作品を読んで面白い!って思うと口惜しい気持ちになります(天邪鬼か!)
自分は横溝正史が描くような複雑に絡み合った人間関係や一概に悪と断罪できない動機を持った殺人者たちが出てくるような人間の持つ二面性や葛藤を照らすような物語が大好きなんですが
一方で本作のような分かりやすい善と悪の対決も大好きなんです
はい、この線からこっちは良い人チームね、あっち側は悪い奴チームねっていう分かりやすい物語
そうい意味で言うと本作『ザ・プロフェッサー』はもう大好物なわけです
主人公トムのチーム(もちろん愛犬ムッソも含まれる)を応援しっぱなしなわけです
「野郎ども、やっっっておしまい!」って感じですよ(完全に悪人側のセリフ)
そしてピンチに陥ったトムを奮い立たせる存在
この絆がすんごいかっこいい!かつ泣かすのよ!
リーガルサスペンスのツボを抑えつつ、かっこいい男たちそして強い女たちを描ききった大傑作でした
素直に乗っかってみるもんやな
Posted by ブクログ
これは面白い!ホント面白い‼︎
愛する妻、罠に嵌り地位名誉全てを失った老教授トムの法曹界での復活劇\(//∇//)\
最高に気持ちいいストーリー!
敵はもう限りなく悪です。
もう極悪非道。
元教え子との確執、スキャンダル…
一つの交通事故の真相を暴く為に教え子と共に裁判に挑みます。
途中までトムちょっと情けないくらいウダウダしますどん底( ̄▽ ̄)
復活からのトムが凄い!カッコいい!
故に裁判シーンが最高なんです‼︎
これがデビュー作とはビックリ!
あー次が早く読みたい…
Posted by ブクログ
スラスラ読めるリーガルもの。裁判、弁護士、法廷に関して全く知識もない私でしたが、評価が高かったので試しに読んでみたら当たりでした。
あまり知識がなくてもそれなりに理解はできるし、内容自体はわかりやすかったのですが、いかんせん登場人物たちの名前を覚えるのが大変…(笑)
あとやっぱり男って(一部除いて)クズだなと。ちょっと女性目線からだと辛くなる表現もあったし、人が死にすぎて相手(トラック運送会社)のやり方の汚さに絶望しかけました。
だけどそういう見ていてムカムカする部分も含めて、最後スッキリする終わり方をしてくれたので読み応えがありました。
Posted by ブクログ
老教授が同僚に窮地に立たされ、引退するが…
教え子と共に、逆転の法廷劇へ。
トム・マクマートリーは、アラバマ大学ロースクールの教授。
学生時代は全米チャンピオンとなったフットボール・チームの一員で、卒業後は母校で40年教えてきた名物教授。
ところが、同僚の裏切りで、汚名を着せられて追放の身になってしまう。
愛する妻を亡くして3年、自らも病身のトムは田舎で隠遁生活をすることに。
かつての恋人ルースが娘夫妻と孫をトラック事故で失い、大手運送会社を訴え、真相を突き止めたいと願う。トムはこの仕事を、教え子だが確執のある新米弁護士リックが適任と認めて、任せるが。
運送会社の隠蔽工作が激しくなり、トムも弁護に乗り出す。
相手方の弁護士は、トムを追いやった同僚タイラーで、これも実は元教え子。
アラバマ大のフットボール・チームというのは実際に有名らしく、そのあたりの事情は知らないけれども、読んでいる間はその仲間たちの絆と誇りを追体験し、教え子や助手との信頼関係も胸が熱くなります。
いいですよ~68歳の大逆転劇!
Posted by ブクログ
読書備忘録585号。
★★★★★。
これは面白かった!
O社長ありがとうございます!6月にコロナ感染落ち着いたら名古屋行きます。笑
素晴らしいリーガルサスペンス。
リーガルサスペンスというと、証拠が!とか、証人が!とか、どんでん返し!とか、隅々まで神経集中して読まないといけない印象がありますが、この作品は単純明快。
交差点での乗用車と輸送トラック事故の陪審員裁判。乗用車側は家族3人全員死亡。トラック運転手も死亡。乗用車家族の妻の母親が旧知の友人に原告側弁護を依頼する。被告はトラック運送会社。テーマは証拠。証拠を並べたい原告側と、証拠を消し去りたい被告側。勧善懲悪である!笑
主人公トムはアラバマ大学の伝説のフットボールコーチの元全米チャンピオンになったチームのメンバーだった。その後弁護士となったが、コーチの計らいでアラバマ大学ロースクールの教授となる。専門は証拠論。全米の模擬裁判トーナメントで3度の全米チャンピオンにチームを導いた伝説の法学者。
しかし、かつての模擬裁判トーナメントで教え子リックと諍いを起こしてしまい、これを問題視した大学側から追放される。
追放した大学顧問弁護士は、こちらもかつての教え子タイラー。要するに裏切りである。68歳のトムは膀胱がんも患っており引退を決意する。
そんな時、かつての恋人ルースから、娘が事故死した交通事故の裁判の原告側弁護を依頼される。引退を決意したトムは、弁護士としてリックを推薦する。リックはトムとの諍いで大手法律事務所の内定を取り消されていた。トムはリックに対して申し訳ない想いを持っていた訳です。
被告のトラック運送会社は、所謂ブラック企業。ドライバーに慢性的な過重労働を強いており、この交通事故も運搬契約を守る為のスピード違反が原因。
トラック運送会社は、大手の運送会社による買収契約を控えており会社が飛躍するためにこの買収契約は何としても成し遂げたい。この裁判でケチが付くわけにはいかない訳です。
被告側弁護人はなんとタイラー!タイラーと運送会社社長は、ブラック企業であったことを示す証拠を消し、証人を買収し、場合によっては殺す。
リックにとって初めての大きな裁判で、アラバマ州ナンバーワン弁護士タイラーに追い込まれるリック。このままでは負ける。リックはトムに助けを求める。そして膀胱がんを抱えたトムがよろよろと立ち上がる!
シンプルなリーガルサスペンスなので考えることなく楽しめました。
何より、トムが使った"証人の心理的偏向"を知るための喚問で陪審員の心証を良くしていく手法が斬新。
そして伝聞証拠という弱い武器を被告側の自白に持っていく手法!鳥肌が立ちました。
裁判のクライマックスで傍聴席にはかつての教え子、フットボールチームの面々がトムを見守る場面も読んでて熱くなりました。
さてさて、別の一冊を挟んだ後、シリーズ2冊目「黒と白のはざま」に行きたいと思います!
Posted by ブクログ
アメリカの三大スポーツとされる野球・バスケ・アメフトはプロチームは勿論のこと、大学・高校レベルでも地域住民に熱狂的に愛され、選手ばかりでなく監督(コーチ)も尊敬されて、記憶に残るような試合はいつまでも語り草になっている。そんな文化的背景を濃厚に感じさせつつ展開される法廷スリラー。
Posted by ブクログ
一気読み。本書は訳者”持込み”によって出版が実現したと巻末にある。もう…よくぞ見つけて持ち込んでくれました!ありがとうございます。感謝と拍手を贈りたいです。ストーリー自体は至ってシンプルな法定ミステリー。しかし主人公のトム、脇役のリック、ドーン、パウエル、そしてボー。みんなキャラが魅力的で生き生きとしてる中で、極め付けは愛犬のブルドック「ムッソ」、犬はやはり素晴らしい生き物であり人間の一生の友だと実感。中盤からそれぞれの人間性の高潔さにチョイチョイ眼を潤ませたが、ラストでは、やはりそうよね…と…泣いてしまった。まさに胸熱痛快法廷エンタメスリラー。
Posted by ブクログ
ちょっとちょっと、これ最&高なんですけど!!??
リーガルものを小説で読むことないのだけれど(海外ドラマで見るのは好き!)これは読んでよかった。映画を見るようだった。
正義は勝つ、というシンプルなものではあるが、ラストは胸にこみ上げるものがある。
68歳のリタイアしたおじいちゃんが主人公というのもいいよね。
続編もあるのかしらあるのかしら。
わたしはボーが好きだよ。
それにしてもあのリックのピンチのところで、トムがバーンと法廷に現れたときの胸熱感は、キューティブロンドのエル・ウッズが全身ピンクで現れた時に等しいな。待ってたよおおおおおお!と叫びたくなったよ。
Posted by ブクログ
失意の底から立ち上がる主人公や隠蔽工作を図る被告をはじめ、登場する人物の造形が素晴らしい。彼らが織りなす読み応えたっぷりのストーリーが、手に取った読者を陪審員席に誘う法廷スリラーの秀作。泣かせるエピローグや続編に期待を持たせる後日談がまた上手い。
Posted by ブクログ
面白かった❗️オススメです。ミステリーではないし、結末もハッピーエンドになるんだろうなぁと分かっているけど、どうしてそうなるのかが全く分からず、最後までハラハラしっぱなし。結末のカタルシスも大きく、主人公達や古い仲間達との絆なども好みで、久々にとても良い本に巡り会えました。登場人物とも言えないような「ザ・マン」がずーっと存在していて、これが最高でした。超オススメ。
Posted by ブクログ
面白かったぁ〜。
これぞ、パスタ小説!(パスタを茹でてる時間も読んでしまうという村上春樹のたとえ。)
68歳のトーマス・マクマートリー40年もの長きにわたりアラバマ大学のローククールの教授。妻をガンで失い自身も膀胱がんになり、信じてた親友にも(憎っくきジェイムソン・タイラー)手ひどく裏切られる形で大学を追われる。
ここであらすじを書いてもしょうがないよんね。
とにかく私のすきな法廷ミステリー。
リックが絶体絶命の時に現れた時は心の中で喝采。
アシスタントのドーンとは上手くいきそうだね。
最後はめでたく勝訴するんだけど、いったい何人が犠牲になった?
証言しようとしてたミュールは殺されるし、工場長のバラヤードのゲイのことを脅され、自殺に追い込むし、会社の違法なやり方でスピードの出しすぎで事故を起こしたトラック運転手のデューイの妻も脅され身を持ち崩し自殺させるし、
死者が多すぎて気持ちが塞ぐよ。
そうそう愛犬のムッソ(老犬)トムを山猫から守って命を落としたのには泣けた。
でも、トムの元教え子でトムを尊敬してやまないボーセフィスが子犬をプレゼントしてくれたしね。
マクマートリー&ドレイク法律事務所を開設。
シリーズ第2弾が今から楽しみ〜。
Posted by ブクログ
骨のある小説かどうかは、どういうわけか最初のページからわかってしまう。その期待はたいてい裏切られない。ストーリーではなく、作家が書こうとしているものが、文体の後ろからにじみ出てくるような、そう、気配のようなもの、小説の持つ気品のようなものだ。
そうなるとストーリー展開も楽しくなる。なかなかタフな物語になることは、書き出しで摑めているからだ。
南部出身の法律家出身の作家は誰? 大抵の読書子ならば、ジョン・グリシャムと答えると思う。この新手の作家ロバート・ベイリーも実は南部出身の法律家なのである。先人グリシャムの権威を傷つけないばかりか、やはり米南部生まれのリーガル・サスペンスには骨がある、との好印象を深めたのが、この作品だ。
主人公は、元アラバマ大のフットボーラー、法律家として一年間、法廷経験を積んだと思った途端、母校の法律の教授として招かれたため、以後、多くの法律家を世に送り出す役目を果たすことになり、現職を続けている68歳。しかし彼に四十年ぶりの法廷という転機が訪れる。
彼が育てた法律家の、悪い種子のような若手弁護士が彼を大学から追い出した上に、醜聞の熨斗まで付けて世界から追い払おうと試みたのだ。妻に先立たれた上に、膀胱癌まで患ってしまう人生最悪のタイミングの状況下で、一件の訴訟が持ち込まれる。一家が全員巻き込まれてしまった惨たらしい交通事故、その原因となった過重労働を常態化させていた悪徳運送会社を訴訟する遺族は、教授の学生時代の恋人だったのだ。
教授生活で課題を残してしまった青年弁護士リックに託して、世間から隠遁した教授だが、彼の再生は如何に? 悪徳企業が次々と打ってくる卑劣で残酷な包囲網に対し、チームはどう闘ってゆくのか。
人生の再生を賭ける人間たちを骨太に描いて、疾走するストーリー展開が読者を巻き込んでゆくパワフルな小説。こういう小説が読みたかった。しかもこの作家は知っている。どうすれば読者が、悪党どもに怒りを感じるかを。どうすれば読者が犠牲者たちに悲しみの情を抱くかを。どうすれば、悔しさに歯噛みする想いを抱くかを。そういう悪党どもに、どのように闘ってほしいかを。
そしてどうすれば、60代後半の癌治療中の世捨て人が、難関に立ち向かおうという気持ちを再び持つほかを。どうすれば読者が心からのエールを送りたくなるかを。
本書は、翻訳者が出版社に原作本を持ち込んで出版の運びとなった作品だそうである。翻訳者の吉野弘人のグッド・ジョブに深い感謝を。さらに未訳は現時点で三作。すぐにでも次作を読みたい作家がまた一人ぼくのリストに加わった。
最後になるが、世捨人がもう一度頑張ってみることにした、その気になる転換点なのだが、最後の最後に明かされる。粋な構成である。
さらに実在のアラバマ大フットボール・チーム、クリムゾン・タイドの伝説のコーチの登場に始まり、実在のチームメンバーたちも共演する。なるほど。作者のフットボール愛の熱さが、確実に作品の熱さに繋がっていたのだ。
Posted by ブクログ
たまたま
『リッチ・ブラッド』を読んでびっくり
慌てて他のシリーズを読み始めた
ベイリーさん、
こちらもやめられなくて
睡眠時間が減りましたが満足!
法廷での駆け引き
人種差別問題に
老いとの戦い
師弟愛に
シングルマザーの倫理観
アメリカンサクセス…
そして彼らは
どんだけフットボールが好きやねん!
Posted by ブクログ
68才の主人公トムは妻と死別し、癌を患い、アラバマ大学の証拠学教授の地位から不当に追い出される。
学生時代の恋人ルース・アンに夫の交通事故に関する相談を受け、教え子で弁護士のリックに弁護を依頼する。
若く感情的なリックと法務の権威で冷静なトムとの対照的な性格の二人が、被告側による証人抹消や脅迫などの暴力的な証拠隠滅という不利な状況下で裁判に挑む。
裁判でのトムの尋問は蓄積された法知識を縦横無尽に操り巧みに被告の弱みを抉り、卑劣な被告弁護士への鬱憤を晴らす姿に快哉を覚える。教え子のボーの恩師を支える姿も頼もしい。78才の老判事が68才のトムを励ます時に言った言葉、"What does Augustus keep saying in Lonesome Dove? ‘The older the violin, the sweeter the music.’ ” 〈ロンサム・ダブ〉でガスがずっと言ってただろ。『古いバイオリンほど、 甘い音楽を奏でる”ってな」
そして勝訴後のトム、“The old bull still has a little gas in the tank.” 老いぼれにもまだ少しはガソリンが残っているのさ。
Posted by ブクログ
やっとリックは声がしたほうに顔を向けた。そこにいる人物を見たとき、両膝が崩れそうになった。これはいったい……?そしてジェイムソン・タイラーを見たとき、尊大なろくでなしの顔にこれまで見たことのない感情が浮かんでいるのを見た。怖れを。「裁判長、私はトーマス・ジャクソン・マクマートリーです」
Posted by ブクログ
評判どおりの面白さ。ロースクールの教授として順風満帆なキャリアを歩んできた68歳のトム・マクマートリー教授。腹黒い教え子の裏切りから大学を追われるが、窮地を救ってくれたのも、また教え子たちであった…という素晴らしいストーリー。
アラバマ大学のアメフトチームは実際に大層有名なのだね。著者のアラバマ大学愛もまたストーリーを熱くしている。
若き教え子ニックと新たに法律事務所を設立したところで本書は終わるけど、次作でも今回活躍した面々にも会えるらしいので楽しみ。
4.0
Posted by ブクログ
翻訳ものでこんなに涙するなんて…年齢的に涙もろくなっただけなのか。ただ、久しぶりに感動したのは事実。主人公は68歳の大学教授。妻に先立たれ、教え子とのトラブルや捏造された学生との不適切な関係を理由に大学教授の座も追われ、自らも癌に侵されていることが発覚、と徹底的に追い込まれている。一方、敵方は圧倒的財力とギャングとの繋がりなど地方都市を牛耳る運送会社のオーナー。過密スケジュールによって発生した自社の交通事故を隠蔽しようとする彼との訴訟が始まる… ややステレオタイプの悪役描写や被害者家族の苦悩といったイントロに辟易せずに読み進むと大逆転の第5部、法廷シーンが始まります。それからは感動のつるべ落とし。泣かせようとしているのが見え見えでもそこに身を任せれば、幸せな大団円に辿り着きます。お勧めです。
Posted by ブクログ
最近、年齢のせいか、人の名前がすんなり記憶できず、この人誰だっけ?状態で何度も確認しながらでしたが、最後まで楽しく読み切ることができました。
正義が勝って良かった!
☆5にしようかと悩みました。
Posted by ブクログ
おもしろくて、一気に読んでしまった。裁判ものというか弁護士物は海外ドラマで見たことはあっても、読んだことはあまりなかったかも。
優秀なスポーツ選手が引退後、スポーツ以外のキャリアでバリバリ働くことがアメリカでは当たり前?と聞いたことがあったが、小説でもそれを確かめられた気もした。
最終章でのどんでん返しがきもちいい。それまでの章では、味方同士の意思の疎通がうまくいかずぶつかったり、証人が脅迫や金銭で買収されてしまったり、殺されたりとうまくいかないことだらけで、どうやってあと数十ページでひっくり返すのかと思ったけれど、爽快なラストが待っていた。
Posted by ブクログ
訳者の持ち込み企画で実現した翻訳だという。その慧眼が、作中の法廷での結末と同じくらいのクリーンヒットを出した。次作の翻訳も大いに期待しています。
Posted by ブクログ
元フットボール王者、弁護士になりその後は大学教授と地位と名誉を手に入れたトム。60代後半になり親友に裏切られた職を失い、ガンに冒されていることを知る。ひとつの交通事故の裁判を教え子のリックに託す。事故の背後にあるもの、妨害行為とうまくいかないなかで裁判が始まる。そこからが特に面白い。展開の予想はつくけれどそれでもハラハラする。なにを守るのか、大切なのは何かとそれぞれが自問する。60代後半になろうと、病があろうと逃げずに生きるということ。トムの姿に感情が込み上げてくる瞬間がある。誰かの、なにかのために全身全霊で闘う人たちの姿が格好いい。次作もぜひ読みたい。
Posted by ブクログ
この本は小説ではあるが、まるで映画のようなエンターティメント性があって、ストーリーは画面を観ているような錯覚に陥った。特に法廷シーンは必見。いや必読だ。
Posted by ブクログ
謎がなく、全体的に正義真っしぐらでアメリカンな感じが私の好みではなかった。先が読め過ぎだが、痛快さを感じたい向きには面白いのかなぁと。
Posted by ブクログ
アラバマ大学ロースクールの老教授トム。学生時代に同大フットボール部で全米チャンピオンとなり、卒業後は弁護士となるも恩師の導きで再びこの大学で教鞭を執り、法学者として順風満帆な人生を過ごしてきた。しかし今は愛する妻を失い、友人の裏切りから不名誉な形で職を追われ、自身も癌を患っていた。絶望の中、彼の前に現れたのはかつての恋人。娘夫妻と孫を大手運送会社のトラック事故で失った彼女は、トムに「法廷で真相を知りたい」という。ある確執から絶縁状態にあった教え子の新米弁護士リックを適任と感じた彼は、弁護の橋渡しをし自分は故郷に身を隠すが、被告である運送会社の隠蔽工作は裁判を予想外の方向へ導き……。
真実と悪、師弟愛、スポーツと友情……挫折を繰り返しながらも最後まで「正義」を諦めない登場人物たちの矜持に胸が熱くなる、痛快法廷エンタテインメント!
あまりにも善悪がはっきりしすぎて、リアリティが感じられず、そこが残念。でもリーガル物はまだまだ読みたいのです。