あらすじ
法と正義、師弟愛を描く胸アツ法廷エンタメ。
アラバマ大学ロースクールの老教授トム。学生時代に同大フットボール部で全米チャンピオンとなり、卒業後は弁護士となるも恩師の導きで再びこの大学で教鞭を執り、法学者として順風満帆な人生を過ごしてきた。しかし今は愛する妻を失い、友人の裏切りから不名誉な形で職を追われ、自身も癌を患っていた。絶望の中、彼の前に現れたのはかつての恋人。娘夫妻と孫を大手運送会社のトラック事故で失った彼女は、トムに「法廷で真相を知りたい」という。ある確執から絶縁状態にあった教え子の新米弁護士リックを適任と感じた彼は、弁護の橋渡しをし自分は故郷に身を隠すが、被告である運送会社の隠蔽工作は裁判を予想外の方向へ導き……。
真実と悪、師弟愛、スポーツと友情……挫折を繰り返しながらも最後まで「正義」を諦めない登場人物たちの矜持に胸が熱くなる、痛快法廷エンタテインメント!
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Posted by ブクログ
法廷物。アラバマ大学の教授のトムは学長の陰謀で退職に追い込まれ、膀胱癌ということもあって田舎に引きこもる。
かっての恋人からトレーラー事故で死んだ娘達の訴訟を頼まれ教え子だったリックに紹介する。相手は殺人恐喝なんでもやる卑怯な経営者。リックは不利になりトムに協力を依頼。
そしてトム&リックの反撃が始まる。畳み掛けるような裁判の攻防、面白かった。
トムを助ける教え子のポーが魅力的。スーパーマンのよう。
Posted by ブクログ
読書備忘録585号。
★★★★★。
これは面白かった!
O社長ありがとうございます!6月にコロナ感染落ち着いたら名古屋行きます。笑
素晴らしいリーガルサスペンス。
リーガルサスペンスというと、証拠が!とか、証人が!とか、どんでん返し!とか、隅々まで神経集中して読まないといけない印象がありますが、この作品は単純明快。
交差点での乗用車と輸送トラック事故の陪審員裁判。乗用車側は家族3人全員死亡。トラック運転手も死亡。乗用車家族の妻の母親が旧知の友人に原告側弁護を依頼する。被告はトラック運送会社。テーマは証拠。証拠を並べたい原告側と、証拠を消し去りたい被告側。勧善懲悪である!笑
主人公トムはアラバマ大学の伝説のフットボールコーチの元全米チャンピオンになったチームのメンバーだった。その後弁護士となったが、コーチの計らいでアラバマ大学ロースクールの教授となる。専門は証拠論。全米の模擬裁判トーナメントで3度の全米チャンピオンにチームを導いた伝説の法学者。
しかし、かつての模擬裁判トーナメントで教え子リックと諍いを起こしてしまい、これを問題視した大学側から追放される。
追放した大学顧問弁護士は、こちらもかつての教え子タイラー。要するに裏切りである。68歳のトムは膀胱がんも患っており引退を決意する。
そんな時、かつての恋人ルースから、娘が事故死した交通事故の裁判の原告側弁護を依頼される。引退を決意したトムは、弁護士としてリックを推薦する。リックはトムとの諍いで大手法律事務所の内定を取り消されていた。トムはリックに対して申し訳ない想いを持っていた訳です。
被告のトラック運送会社は、所謂ブラック企業。ドライバーに慢性的な過重労働を強いており、この交通事故も運搬契約を守る為のスピード違反が原因。
トラック運送会社は、大手の運送会社による買収契約を控えており会社が飛躍するためにこの買収契約は何としても成し遂げたい。この裁判でケチが付くわけにはいかない訳です。
被告側弁護人はなんとタイラー!タイラーと運送会社社長は、ブラック企業であったことを示す証拠を消し、証人を買収し、場合によっては殺す。
リックにとって初めての大きな裁判で、アラバマ州ナンバーワン弁護士タイラーに追い込まれるリック。このままでは負ける。リックはトムに助けを求める。そして膀胱がんを抱えたトムがよろよろと立ち上がる!
シンプルなリーガルサスペンスなので考えることなく楽しめました。
何より、トムが使った"証人の心理的偏向"を知るための喚問で陪審員の心証を良くしていく手法が斬新。
そして伝聞証拠という弱い武器を被告側の自白に持っていく手法!鳥肌が立ちました。
裁判のクライマックスで傍聴席にはかつての教え子、フットボールチームの面々がトムを見守る場面も読んでて熱くなりました。
さてさて、別の一冊を挟んだ後、シリーズ2冊目「黒と白のはざま」に行きたいと思います!
Posted by ブクログ
翻訳ものでこんなに涙するなんて…年齢的に涙もろくなっただけなのか。ただ、久しぶりに感動したのは事実。主人公は68歳の大学教授。妻に先立たれ、教え子とのトラブルや捏造された学生との不適切な関係を理由に大学教授の座も追われ、自らも癌に侵されていることが発覚、と徹底的に追い込まれている。一方、敵方は圧倒的財力とギャングとの繋がりなど地方都市を牛耳る運送会社のオーナー。過密スケジュールによって発生した自社の交通事故を隠蔽しようとする彼との訴訟が始まる… ややステレオタイプの悪役描写や被害者家族の苦悩といったイントロに辟易せずに読み進むと大逆転の第5部、法廷シーンが始まります。それからは感動のつるべ落とし。泣かせようとしているのが見え見えでもそこに身を任せれば、幸せな大団円に辿り着きます。お勧めです。
Posted by ブクログ
最近、年齢のせいか、人の名前がすんなり記憶できず、この人誰だっけ?状態で何度も確認しながらでしたが、最後まで楽しく読み切ることができました。
正義が勝って良かった!
☆5にしようかと悩みました。