鳥山まことの作品一覧

「鳥山まこと」の「時の家」「駅と旅」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 時の家

    小説・文芸

    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作! ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。 三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。 ********************** いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦! 「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」 ――いしいしんじ 「紐解かれていく「時の家」の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。」 ――松永K三蔵 ********************** 青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。 目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。 幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。 【装幀】水戸部 功
  • 駅と旅

    小説・文芸

    3.3
    1巻850円 (税込)
    日々のなかで当たり前のように行き来する駅という場所は、なんでもない日も旅立ちの日も、変わらずそこで私たちを迎えてくれます。旅の始まりと終わりをいつも見届けてくれて、行く場所であり帰る場所となる、駅とは不思議な存在です。浜松、西宮、札幌、唐津、明洞、ポルト──六つの都市へ向かう列車で、あるいは辿り着いた先で、どのような景色が待っているでしょうか。新しい物語への切符は今、あなたの手のなかにあります。六人の作家、六つの駅が旅の非日常へと誘う、文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】砂村かいり「きみは湖」/朝倉宏景「そこに、私はいなかった。」/君嶋彼方「雪花の下」/松崎有理「東京駅、残すべし」/額賀澪「明洞発3時20分、僕は君に撃たれる」/鳥山まこと「辿る街の青い模様」

ユーザーレビュー

  • 時の家

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    誰も住まなくなって汚れ、荒れてしまった家の前に青年は立っている。
    家に侵入し、リビングに座り、見えるものをスケッチブックに描く。
    家は住んだ人の記憶を刻んでいる。その記憶を少しでも残すために、青年は描く。

    自分が子どもの時、この家を建てた建築家の藪さんが住んでいた。ここで彼にスケッチを教えてもらった。
    次に住んだのは緑と飼い犬のマルタ。彼女はこの家で塾を開いた。
    その次は圭さんと脩さん。夫婦だったと思うのだが…。何やら隙間の空いたような関係性。
    それに、藪さんが家を建てる時の記憶。左官屋さんや大工さんと一緒に作業をしている。

    それぞれのタイミングにそれぞれの生き方がある。
    同じ家を見ていて

    0
    2026年08月28日
  • 時の家

    Posted by ブクログ

     生活の基盤には家がある。家という媒体を通して、そこで人の縁が紡がれていく。家は記憶としてそれを残していく。誰かの記憶は、その人にとってかけがえのないものでも、他の誰かにとってはそうでもない。ただ、家はそんな全てを見続ける。
     死んでしまったことと、長く会えないことの違いはいったいどこにあるのだろう。ぽっかりとそこには穴が空いている。

    0
    2026年08月21日
  • 時の家

    Posted by ブクログ

    衝撃的。
    最近いい小説にたくさん出会っているけど、この小説ほど心の琴線に触れたものはない。
    超おすすめ。
    特に生きる意味とか考えちゃう30代40代の方!

    物語としての起伏がほとんどないうえに、最初に詳しすぎるやろ!というレベルの家の細かい描写から始まるのでとっつきにくい感じがするけど、がんばって読み進めてほしい。

    家の物語。
    空き家となり取り壊される家に、かつて縁があった青年が忍び込みスケッチをする。
    スケッチするたびに四十年前、三十年前、二十年前に住んだ人の記憶がテクストに流れこむ。

    青年は家に住んだ人々のことを知らない。
    住んだ人々もお互いのことを知らない。
    だけど家の記憶を通して、

    0
    2026年08月04日
  • 時の家

    Posted by ブクログ

    異常なまでの建築描写に息を呑む。
    徹底した写実的描写に特化した作風が、最後のシーンを効果的に演出している。建築家ならではの視点、観察力、描写力、そして、構成力。脱帽。

    0
    2026年07月28日
  • 時の家

    Posted by ブクログ

    冒頭の熱を受けて家が膨張していく様子の書き込みは建築家ならではの解像度。そこに立つ家が見えてくるようだった。
    『このままの密度でいくつもりなのか…』と心配になったが、結局最後までその詰まり具合で書き切った感じだった。
    脳内では、勝手に吉村順三→中村好文さんの系譜を想像しながら読んだ。

    0
    2026年07月08日

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