時の家

時の家

小説・文芸
2,090円 (税込)

10pt

第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作!

ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。
三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。

**********************
いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦!

「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」
――いしいしんじ

「紐解かれていく「時の家」の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。」
――松永K三蔵
**********************

青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。
目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。
幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。

【装幀】水戸部 功

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • タイトル
    :
    時の家
  • タイトルID
    :
    2039161
  • ページ数
    :
    144ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年10月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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時の家 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    すごく良かった。
    ゆったりとして、静かで、文章のトーンがいい。
    私の考えや感覚そのものみたいだった。

    建築家の藪さんが建てた自宅の一軒家。
    その家に住んだ藪さんと、藪さんの死後に住んだ緑さん、その後に住んだ圭さん。そして子供の頃藪さんの家に来ていた青年。
    4人の記憶が入り混じった物語。

    .

    若い頃この小説のような絵ばかり描いていた。
    人が去った跡、流れた時間、記憶。
    そういうのが全ての絵のテーマだった。

    0
    2026年09月24日

    Posted by ブクログ

    家がかつてそこで暮らしていた人たちの
    想いや出来事を慈しむように回想し、
    別れを告げていく
    そんな物語だった

    死に逝く人の頭によぎる自分の来し方
    走馬灯のように蘇る記憶
    それと同じように
    その家にかつて住んでいた人たちの姿や想念が
    浮かんでは消えていく

    空き家になったその家で
    一人の青年が絵を描く

    ダイニングの真ん中に立つ丸柱
    漆喰の壁
    洗面台のタイル
    部屋中の取っ手

    それはその家とそこに息づいていた人たちを悼む
    静かな儀式のように思えた

    私が昔住んでた家
    小さな建物の
    シルエット
    部屋の間取り
    家具の配置
    空気感
    明るいところ
    暗かったところ
    父や母の声
    そこにいた私

    覚えてる

    もうなくなってしまったものだけれど
    記憶には鮮やかに残ってる

    永遠に残るものなんてないから
    私はそれで十分

    0
    2026年09月20日

    Posted by ブクログ

     生活の基盤には家がある。家という媒体を通して、そこで人の縁が紡がれていく。家は記憶としてそれを残していく。誰かの記憶は、その人にとってかけがえのないものでも、他の誰かにとってはそうでもない。ただ、家はそんな全てを見続ける。
     死んでしまったことと、長く会えないことの違いはいったいどこにあるのだろう。ぽっかりとそこには穴が空いている。

    0
    2026年08月21日

    Posted by ブクログ

    衝撃的。
    最近いい小説にたくさん出会っているけど、この小説ほど心の琴線に触れたものはない。
    超おすすめ。
    特に生きる意味とか考えちゃう30代40代の方!

    物語としての起伏がほとんどないうえに、最初に詳しすぎるやろ!というレベルの家の細かい描写から始まるのでとっつきにくい感じがするけど、がんばって読み進めてほしい。

    家の物語。
    空き家となり取り壊される家に、かつて縁があった青年が忍び込みスケッチをする。
    スケッチするたびに四十年前、三十年前、二十年前に住んだ人の記憶がテクストに流れこむ。

    青年は家に住んだ人々のことを知らない。
    住んだ人々もお互いのことを知らない。
    だけど家の記憶を通して、そこで生きた人々の生の痕跡は確かに他者に伝わっていく。

    「浮かび上がる彼らの思考は、思い出すたびに揺れては変化し、膨らんだり見失ったり、そのせいでずれて、浮かぶたびに違う景色、一度も思い出さなかった時間や感情や言葉や表情が映る。」

    「彼らはここでただ暮らしていただけだった。時間の中で壁や柱や梁に触れていただけだった。染み付いた熱や湿気を追って、暮らしていた彼らの思い出すことを思い出していただけだった。ここにいた誰かの記憶をずっと思い出していた。」

    人は生きる。
    誰かと出会う。そして別れる。いつか必ず死んでしまう。それなら、
    生きる意味とはなんだろう?
    人生の価値とはなんだろう??

    この小説はその疑問に答えを与えてくれるものだと思う。
    たとえ二度と会えなくなっても、たとえ亡くなってしまっても、たとえ一度も会ったことがなくても、誰かの記憶の中で、人が生きたことは残っていく。

    生きることの美しさも悲しさも、全部この小説には詰まっていると、そう感じられる傑作だと思います。

    作者の鳥山まことさん、これが初の単行本なんだ。
    僕とほぼ同年代だけど、人の生の根源に触れる小説を書けるとは、正直信じられないくらいの衝撃。

    これからどんな作品を紡いでいくのか、本当に楽しみな作家さんです。

    0
    2026年08月04日

    Posted by ブクログ

    異常なまでの建築描写に息を呑む。
    徹底した写実的描写に特化した作風が、最後のシーンを効果的に演出している。建築家ならではの視点、観察力、描写力、そして、構成力。脱帽。

    0
    2026年07月28日

    Posted by ブクログ

    冒頭の熱を受けて家が膨張していく様子の書き込みは建築家ならではの解像度。そこに立つ家が見えてくるようだった。
    『このままの密度でいくつもりなのか…』と心配になったが、結局最後までその詰まり具合で書き切った感じだった。
    脳内では、勝手に吉村順三→中村好文さんの系譜を想像しながら読んだ。

    0
    2026年07月08日

    Posted by ブクログ

    結構良かったけどな、お家って見えない歴史があるよね。誰かが、大切に作った家でも、古くなったら壊されて更地にされてしまう切なさ

    0
    2026年06月29日

    Posted by ブクログ

    読書備忘録1025号。
    ★★★★。
    第174回芥川賞受賞作。

    読み始めて・・・。
    「なんじゃこりゃ?」
    「読み辛い構成やなぁ。」
    「ん?」
    「あれ?」
    「ふむふむ!」
    「オモロイやん。」
    ってなりました。

    だけど、芥川賞作品です。
    大衆的、俗物的オモシロ小説として期待してはダメです!

    とある青年が築後40年経ち、今まさに取り壊される予定の平屋住宅へ忍び込み、柱の傷や壁の突起などこの家に刻まれた傷のスケッチを始める。
    むかしむかし、この住宅を設計して住んだ藪さんは言った。
    「家は時の幹なんです」と。
    家は記憶している。歴代住人たちの営みを。思いを。

    でもね、読み難いんですよ。
    なんの前触れもなく、初代住人藪さん、2代目住人緑さん、3代目住人圭さんが入れ替わり立ち代るんです!

    でもね。慣れてくるんです。
    そして不思議と彼らの思いが心に染みてくるんです。
    そう。嫌いではない。

    以上

    0
    2026年10月01日

    Posted by ブクログ

    しみじみと良い作品。建築士だから描けた物語。他の職種の兼業作家の作品ももっと読みたいと思った。
    個人的には、解釈が難しいところもあったが、空き家を抱え、命や人生について考えるようになった自分には、共感できるところも多かった。

    0
    2026年08月28日

    Posted by ブクログ

    芥川賞受賞作
    最近の受賞作に多いものと違って、粗はあるけれど、正統な純文学という感想

    取り壊される運命にある家を背景に、10年ごとの居住者の人生が紡がれます
    著者は建築士と言うこともあって、家に対する視線が独特でした

    0
    2026年08月19日

時の家 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • タイトル
    :
    時の家
  • タイトルID
    :
    2039161
  • ページ数
    :
    144ページ
  • 電子版発売日
    :
    2025年10月22日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    3MB

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  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
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