鳥山まことのレビュー一覧

  • 時の家

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    作者の家に対する想いを感じました
    家の記憶と登場人物の記憶が混ざり靄の中にいるような感覚でお話が進んで行きます
    家の素材が凄く丁寧に描かれている本は初めてでした

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    2026年03月22日
  • 時の家

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    朽ちていく物への記憶を愛情 を静かに語り描く。新築から解体までの一軒の家を巡る住人たちの暮らしや思いをひとつひとつ家に刻まれた記憶を描いていく青年。建築物に命を吹き込み愛を綴る静謐で美しい文学、過ぎ去った日々の気配にそっと揺蕩う贅沢な読書の時間でした。

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    2026年03月14日
  • 時の家

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    丁寧に読んで良かったと思えるフィクションでした。できれば挿絵が欲しかったくらい。取っ手の形や、タイルの絵とか、建築の専門用語も知らないので。芥川賞受賞作として手に取っては見たけれど、きっかけとしてだけでいつかはこの小説に行き着いていた気がする。その家に住んだ家族の物語、決して交わらないけれど「家」を軸としての、そして震災も絡めての月日の流れに実際心惹かれる。
    解体される時の鋭さまで共感でき、スケッチブックを手にして傍観しかできなかった青年の痛い気持ちも。
    出版不況とやらで以前ほど報道は熱く感じられないこの頃だけど、こういったいい本はもっとたくさんの人に読んでいただきたいものだ。

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    2026年03月14日
  • 時の家

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    家の歴史を、キズを、ちょっとしたへこみを、スケッチしていく青年。

    青年は幼少期、この家で薮さんとスケッチをした。
    薮さんは棟上げ式の時に谷川俊太郎の詩を読んだ。大黒柱に籐を巻きあげ、左官には厳しかった。

    二代目の緑さんは、夫の東南アジアへの転勤について行ったが、現地の暮らしに慣れずに犬のマルタを連れて帰ってきて数学の塾を開いた。マルタは大黒柱の籐を齧った。緑さんは子供たちと話しながら丸つけをした。震災で亡くなった友人を想う。

    三代目の圭さんと脩さん。脩さんには背中にイボがあった。愛とは何かを圭さんはいつも考えていた。彼らは子供を持つことを諦めたのだった。
    「別れないために、できることって

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    2026年03月14日
  • 駅と旅

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    ネタバレ

    「そこに、私はいなかった。」が胸が張り裂けそうなくらい青春だった。
    「東京駅、残すべし」もファンタジー要素があって好きだった。
    遠くに行きたくなる短編集。

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    2025年06月21日
  • 時の家

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    時が交差しながらの住人たちのそれぞれ一部の物語。
    そう…一部。だからなお住人の心の底に興味がわきもっとそこを深くのぞいてみたいと思うのだが、最大の主人公は正に『家』なので家が自分の自叙伝を見せてくれてるかのようであった。家は静かに人と密接に歴史を刻んでゆく。日本人はとても簡単に建物を壊して新しくするがもっともっと長く大切にできたらいい。私は大工の家系なので、本家も分家もあちこちに仕掛けがある家だったことを思い出し懐かしい。
    仕掛けの一番好きだったのは奥行きのあるキッチンの下に一見わからない扉があり実はそこから外とトイレの脇へ2箇所にでられるという秘密の物置兼通路だ。子供の頃は良く遊んだものだ。

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    2026年04月30日
  • 時の家

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    青年は描く.建築家が自分のために建てた家のすみずみを.その注がれた想いとその後住み継がれた2世代の記憶が,売家となった家にそっと入ってきたかってその家で絵を描いた子供によって,スケッチの中から立ち昇ってくる.時代の流れの中にまぎれていた阪神大震災や東北の地震,コロナ感染などもそこにあるかのように現れている.時間の持つ奥行き,あるいは記憶の深さを感じました.

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    2026年04月14日
  • 時の家

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    家への想い、記憶。登場人物たち、作者の家へのこだわりを感じた。薮さんの建てた家を見てみたい。最後のシーンは切なかった。

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    2026年04月03日
  • 時の家

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    自分が住むための家を創る建築家の人生、
    その建てられた家に宿る生命。
    時を経てをまたそこに住む家族、人がまた
    家に生命を吹きかける。
    家へのこだわりや執着がまたその人の
    人生と重なる。そしてそれを1人の青年が
    関わる全てを絵にしてかきあげる
    もう無理だろうけど(笑)
    自分の家をこだわり尽くして
    建てたくなりました。

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    2026年04月02日
  • 時の家

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    第174回芥川賞、第47回野間文芸新人賞受賞作。
    ひとつの家を舞台に、そこを建て暮らした人、続く家主の人たちの暮らしと家の関係が紡がれる静謐な文章。俯瞰的で、時系列も折り重なって描写されていく文章に独特の味わいがあってよかった。ひとつの家とそこで暮らす人の歴史が描かれていくという点で、子どもの頃から大好きな絵本『ちいさいおうち』を想起した。あの絵本を純文学にした感じというか。いや、そういうと違うか。
    町を歩いていて空き家を眺めながら「ここにはかつてどんな人たちがどんな暮らしをしていたんだろう」とか、駅とかで無数の人とすれ違いながら「みんなそれぞれに帰る場所や暮らしがあるんだなぁ」などと、当たり

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    2026年03月25日
  • 時の家

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    ネタバレ

    1つ1つの細かなディテールから始まり、読み進めていくにつれて設計図書が完成、完成した空間に想いを馳せ、記憶として刻む。そしてあっけなく解体。
    この物語の構成自体が、設計から解体その後までの建築そのものの物語で、共感を覚えました。

    形や部材やキズ1つ1つに、家と一緒に過ごした人の物語がある。
    それを意図し、意図しない。
    美しく儚い建築の物語。


    細部にわたる空間の息遣いまでリアルに読み手に感じさせるためにはここまで必要だったのか、専門書以外でどんどん出てくる建築用語を読み進めたのは初めてだったので、著者の変態具合にわくわくが止まりませんでした。

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    2026年03月20日
  • 時の家

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    子供時代、薮さんの元に遊びに来たことがある青年が、空き家となった家に忍び込みスケッチをする。スケッチをするたびに、かつて住人だった薮さんや、圭さん、緑のドラマが描かれる。
    映像化しやすいかもしれないが、よほど上手に脚本を書かないと安っぽくなりそう。

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    2026年03月14日
  • 駅と旅

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    電車旅の相棒に。最後の鳥山まことさんのやつが良かった。旅の良さは、自分と向き合えることと新しいものと出会えることにある。
    「駅」の要素はあまり感じなかったが、旅の魅力が詰まった楽しい小説であった。

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    2026年03月12日
  • 時の家

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    こういう小説は初めてだったので興味深く読みました。
    同時に芥川賞を受賞した「叫び」よりこちらの方が好みでした。
    一軒の家にまつわる話が、その家を設計した人や建築に関わった大工たち、そして何代か入れ替わった住人たちの視点から重層的に語られます。
    最後は切なくなりました。
    でも、その最後こそ自然の摂理に従っていて、諸行無常を感じました。

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    2026年03月09日
  • 時の家

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    ネタバレ

    取り壊される住宅のディテールとそれにまつわる住人の記憶を、淡々とつづった小説。程よく凛とした文章が美しく、静かで豊かな時間が過ごせる本でした。あと装丁も好み。

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    2026年03月09日
  • 時の家

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    人物に対してよりも物体への情景描写が多く、その物体への多彩な表現が輝いている作品。
    特に、舞台である「家」の微細な音や見た目の表現は、私的に建築を勉強・仕事をしていたものからすれば、惹きつけるものを感じた。
    また、家の庭にある「木」にも終始焦点を当てており、これもまた細かな表現がされている。その中で「とりとめもなく、記憶の中を舞う言の葉」という表現が、作中に登場する人物ストーリーと、「木」の様子を交えている箇所がとてもお気に入り。

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    2026年02月22日
  • 駅と旅

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    どれもお初な作家さんで、楽しめた!こういうオムニバス作品て作風も違うから、気分も変えられて、楽しいよね。
    国内から海外まで幅広く。情景を思い描きながら読むのが、楽しいよね。自分でドラマ化してる気分。

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    2026年02月01日
  • 駅と旅

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    松崎有理さん目当てでしたが、他の方々の作品の駅・旅・旅人のどれもひかれるところがあり、思わぬ出会いがありました。
    旅モノの作品集として楽しめ、今度はここに行ってみようと旅ガイドになるのと同時に、こんな面白い作品を書いている作者の他の作品はどんなのだろう?と新しい作家と作品への旅立たせてくれる、そんな1冊です。

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    2025年04月16日
  • 時の家

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    ネタバレ

    第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作。

    空き家に忍び込んで細部をスケッチする青年とその細部にまつわる過去のその家の住人の話に展開する構成は面白いと思いました。
    ただ、全体の流れとなる物語が無いので読みづらいです。
    読み終われば、それぞれの住人の物語があった、と言えるのですが、むしろ震災やコロナ影の怖さや家が解体されるときの痛みを感じ取ることができました。
    読み手の力量が試される小説でした。

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    2026年04月28日
  • 時の家

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    最初読み慣れるまでに戸惑ったが、流れがわかると読める。
    一つの家のそれぞれの思い出と記憶のお話。

    想像はしやすいのだけど、家の描写が思っていたよりも細かい。ここまで執拗に描いているものはあまり読んだことがないな。
    住んでいれば、或いは通っているならば、そこに想いは募るのだろう。降り積もる心が青年の記録で少しでも伺えればいいな。

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    2026年04月26日