鳥山まことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
取り壊す予定の家に忍び込み、家の様子をひたすらにデッサンする青年。
その家で青年が視線を向けた先、触れたものから、今までこの家に住んできた3人はどんな想いで、それらを見つめ、触れたのかなどから、それぞれの生き方を辿っていくお話。
はじめに家の様子が至極丁寧に説明されていたが、私が無知なため、使われてる素材やどの箇所かなど理解しきれず、この説明でどんな雰囲気の家なの掴み切れないまま読み進めることになってしまった。
また途中で慣れてはくるものの何の前触れもなく視点が切り替わるので、現在のことなのか、誰かの思い出を辿っているのかがすぐにはわからないことが度々あった。
最初に住んでいた妻を亡くした薮さん、次に住んでいた算数塾をはじめた緑、その次に住んでいた夫との些細な価値観の違いに違和感を感じている圭さん。
同じ家で、同じ箇所に視線がいき、同じ物に触れていても、感想も、考えの広がり方も、思い出す出来事も違っていて、その個の違いがこの本の面白さのように思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「家って言うのは時の幹やから」
うるさがたの建築士が自分の終の棲家として建てた一軒家、建築士の後、主婦が住み塾の教室を営み、夫婦が住み、次の入居者が決まらない「売り家」の看板が立った状況下で、一人の青年が忍び込む。
この家に住んできた3代の記憶と青年のスケッチ描写が、延々と書き連ねられていく。時系列順ではなく家に沁み込んだ記憶を掘りだすかのような無作為な描写。初めは戸惑うが、記憶をたどる時の脳裏に浮かぶ光景ってこういう感じやな、と分かってからは文章にゆだねることができた。
凄いインパクトがあるとか、荒唐無稽に面白い小説ではないが、何かの折に脳みそのひだから、この本の断片がフワッとにじみ浮かんでくるんだろうな。