鳥山まことのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
そうだよな、芥川賞ってこういう感じのやつだった。自分は最近ポップなものばかり読んでいたかも…と思ってしまった。
例えば家についての造形を伝える時、動画や画像の方が隅々まで詳細を手っ取り早く伝えられるのに、それを長々と文字で情景描写するなんて…と序盤は読んでいて思った。ただそれだとやっぱりこぼれ落ちてしまうものがあって、場面をとめて文字で語らないと家にまつわる人々のあれこれは伝えられないかもしれない、とも思った。
大きく何かが起こるわけではないけれど、登場する人達はみな深い優しさみたいなものをたたえているような気がして、そんな雰囲気が最初から最後まで流れていて、本当になぜだか分からないけど涙腺に -
Posted by ブクログ
芥川賞&野間文芸新人賞のダブル受賞作。
芥川賞は何が良いのかよくわからない、と感じることが多く、村上龍「限りなく透明に近いブルー」、高瀬隼子「おいしいごはんが食べられますように」くらいだったが、これは素晴らしかった。
筆者が建築士ということもあり、冒頭の建物が日に当たる描写からすでに美しすぎる。
いつまでも売れない古い戸建てに侵入し、絵を描く青年。その家が建てられてから住んでいった3人とその家族や関わった人々の想いが、青年が目にし、触れ、嗅ぎ、感じるものとともに蘇っていく。
会話が極端に少なく(ほとんどなく)、地の文がひたすら続く。純文学は文章自体を楽しむというのはこういうことか -
Posted by ブクログ
ネタバレ「家って言うのは時の幹やから」
うるさがたの建築士が自分の終の棲家として建てた一軒家、建築士の後、主婦が住み塾の教室を営み、夫婦が住み、次の入居者が決まらない「売り家」の看板が立った状況下で、一人の青年が忍び込む。
この家に住んできた3代の記憶と青年のスケッチ描写が、延々と書き連ねられていく。時系列順ではなく家に沁み込んだ記憶を掘りだすかのような無作為な描写。初めは戸惑うが、記憶をたどる時の脳裏に浮かぶ光景ってこういう感じやな、と分かってからは文章にゆだねることができた。
凄いインパクトがあるとか、荒唐無稽に面白い小説ではないが、何かの折に脳みそのひだから、この本の断片がフワッとにじみ浮