鳥山まことの作品一覧

「鳥山まこと」の「時の家」「駅と旅」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 駅と旅
    3.3
    1巻850円 (税込)
    日々のなかで当たり前のように行き来する駅という場所は、なんでもない日も旅立ちの日も、変わらずそこで私たちを迎えてくれます。旅の始まりと終わりをいつも見届けてくれて、行く場所であり帰る場所となる、駅とは不思議な存在です。浜松、西宮、札幌、唐津、明洞、ポルト──六つの都市へ向かう列車で、あるいは辿り着いた先で、どのような景色が待っているでしょうか。新しい物語への切符は今、あなたの手のなかにあります。六人の作家、六つの駅が旅の非日常へと誘う、文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】砂村かいり「きみは湖」/朝倉宏景「そこに、私はいなかった。」/君嶋彼方「雪花の下」/松崎有理「東京駅、残すべし」/額賀澪「明洞発3時20分、僕は君に撃たれる」/鳥山まこと「辿る街の青い模様」
  • 時の家
    3.9
    1巻1,980円 (税込)
    第174回芥川賞&第47回野間文芸新人賞受賞作! ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。 三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が、傑出した完成度で紡いだあたらしい建築文学。 ********************** いしいしんじ氏&松永K三蔵氏、推薦! 「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」 ――いしいしんじ 「紐解かれていく「時の家」の記憶は、語られなかった想いに繋がる。物質(モノ)がこれほど繊細に語り得る小説を私は知らない。」 ――松永K三蔵 ********************** 青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。 目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。 幾層にも重なる存在の名残りを愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。 【装幀】水戸部 功

ユーザーレビュー

  • 時の家

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    住まい手がなく取り壊しを待つ家。
    その家もかつては住まい手があった。
    薮さん、圭さん、緑の歴代3人の住まい手たちの日常を見てきた家。それぞれの思いが詰まった家。
    薮さんは「意匠」を大事にし、自分の心に向き合うつもりで、細部にまで思い入れを持ち、この家を建てた。薮さん亡き後も、薮さんと懇意だった不動産屋が住まい手を選ぶほど、思い入れの強い家だった。
    緑は夫と距離を感じている専業主婦。この家で塾を開き、第二の人生を始める。圭さんは、夫とすれ違いを感じながらも、別れないための理由を探していたがいつしかしこりもなくなり、夫の転勤のため引っ越すことになる。

    最期は住まい手がなくなり、取り壊しになる家。

    0
    2026年02月03日
  • 時の家

    Posted by ブクログ

    P31
    人生の全体像を真面目に想像したことなどなかったが 1/3以上の時間を表示した時点でこんなに 無彩色で だらりとしたものになるとは思っていなかった。結婚でもしていれば子供でもできていれば違った色の時間を過ごしていたのだろうか。 一昔前なら誰かに急かされて誰かと結婚して家族を持ったりしていたのだろうか。 恋人を作らなくても子供を作らなくてもある程度 理解ある人に囲まれてしまった 今の自分は誰に咎められるでもなく 肯定をされるでもないが否定もされずに多様性社会に散らばっている 余白の穴にすっぽりとはまってしまったようだった。 はまってしまったことも否定されずにはしごのない 余白の穴の中で自分

    0
    2026年02月08日
  • 時の家

    Posted by ブクログ

    設定を理解するのに時間がかかり、最初は入り込めないかと思ったが、後半からどんどん引き込まれた。最後のシーンで思わずあっと口を開けた。建築という初めてのジャンルだったが、丁寧な描写に興味が湧いた。籐巻きの柱がわからなかったので、検索したら物凄く綺麗だけど物凄く手間がかかってて驚きだった。

    0
    2026年02月01日
  • 時の家

    Posted by ブクログ

    本を読んでいる最中の感覚としてこの上ないものをもたらしてくれる小説だった
    冒頭一文目から情景に惹き付けられ、その後は文体や、回想から現実(?)への滑らかな繋ぎなどに堪らない心地良さを覚えながら読むことができた
    記憶は不確かではあれど、不正確なものではない

    取り壊しが目前に迫っている家を見て、青年は家を描き残しておこうと思い立つ
    籐の巻かれた柱や白い漆喰の壁を写していくうちに、家に残る熱や湿気から「思い出される」過去の住人の記憶
    震災で亡くした友人、塾の教え子、離婚した両親に思いを馳せた先には何があるのか
    「家っていうのは時の幹やから」

    非常に感動した
    目が覚めるようなオチの強さを期待するの

    0
    2026年01月28日
  • 時の家

    Posted by ブクログ

    解体予定の家に忍び込み、時の流れを遡るかのように室内をスケッチする青年。この家の施主だった薮さん、この家で塾を開いた緑さん、そして圭さん脩さん夫婦の3代に渡る住人の記憶があたかもこの小説を一戸の家として建築するかのように緻密に構成されて描かれる。傑作です。

    0
    2026年01月26日

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