R・F・クァンの作品一覧
「R・F・クァン」の「バベル オックスフォード翻訳家革命秘史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「R・F・クァン」の「バベル オックスフォード翻訳家革命秘史」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
寝食を忘れて物語に没頭したのは何十年ぶりだろうか。
それほどまでにこの物語は、ここ十数年で読んだ本の中で特別に素晴らしい。
舞台は十九世紀のイギリス。銀と翻訳を支配する者が世界を制する時代。その中枢機関・オックスフォードのバベルで学ぶ一人の学生が主人公。
中国の広東の港で育ったことから複数の言語が得意という能力をもち少年の頃に教授に拾われる。その生い立ちがまさしくこの本の作者の人生そのものだ。
伝統と格式を重んじるイギリスにおいてアジア人はあざけられ不当な扱いを受ける。その様子が同じアジアの日本人である読者に共感を呼ぶ。
たいていの翻訳SFものはカタカナが多く人の名前は覚えられず世界に
Posted by ブクログ
二つの言語での単語の意味のずれから生じる翻訳魔法が支配する世界の中で、多数言語を学ぶ学生たちの物語という導入設定から、ハリポタを大人向けにしたブラックファンタジーと誤解して読み始めたが、開始とともに違和感満載(笑)。その裏には、アヘン戦争時の植民地政策末期での帝国主義のほころびを描いた骨太の展開があった。DEIと真反対の環境下で4人のオックスフォード大学生の視点から描かかれる反乱の萌芽は上巻を通じてゆっくり育っていき、一気にクライマックスへ。上巻と下巻の分量的バランスがこうなったのもよくわかる。嫌な予感がしつつ、これはすごく面白い。下巻へ。