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  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

    バベル オックスフォード翻訳家革命秘史

    小説・文芸

    3.8
    1~2巻2,750~3,199円 (税込)
    銀と、ふたつの言語における単語の意味のずれから生じる翻訳の魔法によって、大英帝国が世界の覇権を握る19世紀。英語とは大きく異なる言語を求めて広東から連れてこられた中国人少年ロビンは、オックスフォード大学の王立翻訳研究所、通称バベルの新入生となり、言語のエキスパートになるための厳しい訓練を受ける。だが一方で、学内には大英帝国に叛旗を翻す秘密結社があった。言語の力を巡る本格ファンタジー。ネビュラ賞、ローカス賞受賞作。

ユーザーレビュー

  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

    Posted by ブクログ

    「言語とは民族の象徴である」と言ったのは、十六世紀の機織り職人ヒマーワリ・メーロンですが、あるいは「民族を隔てる」ものとも言える

    傲慢なバベルの塔の計画は神の怒りに触れ、その裁きによって人々は分断を余儀なくされた
    「翻訳」とは分断された人々を再び繋げるための営みなのか
    しかし悲しいかな「翻訳」に”完全”はない、異なった言語では全ての単語に全く同じ意味を持つ対の言葉は存在しないからだ
    どんなに近しい言葉でも、住む場所が違えば全く同じニュアンスで使われることはない

    それでは人々は「完全に分かり合う」ことはできないのだろうか?

    フィクションの力を借りずとも、現実の世界はその答えを明確に示しているように思える

    人々に残されたのは、緩やかな諦めだけなのだろうか

    そんなことないと信じたい
    完全ではなくとも「翻訳」とは異なった背景を持つ人たちを少しでも理解し、手を取り合い、共に生きる世界を実現するための手段であるはずだ

    新たなる「バベルの塔」は分断ではなく、共生の象徴となるのだ

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    2026年06月20日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

    Posted by ブクログ

    ネビュラ賞にローカス賞、SFが読みたい2025年1位、そして星雲賞と国内外のSF小説の勲章を総ナメにしたR.F.クァンの『バベル』
    SFファンなら絶対読むべき一冊です

    ここでふと思ったんですけど、もうひとつのSFの世界的文学賞ヒューゴー賞は受賞してないのね
    こいつも受賞してたらSF三冠だったのにと思ったら、なにやらすごい不祥事が起きていたようなんよね

    ヒューゴー賞というのは毎年世界のどこかの都市で開催される世界SF大会ワールドコンにおいて参加者(読者)による投票で決められる賞なんだけど、2023年に中国の成都で開かれたワールドコンに、既にネビュラ賞とローカス賞を受賞していたにもかかわらず『バベル』はノミネートすらされなかったの

    そして後々内部告発などで明らかになったのは、「中国、台湾、チベットなど中国当局を刺激する恐れのあるトピックに焦点を当てている作品」を除外していたということなんよ
    しかも担当者は作品も読まずに中国のことが書いてあるだけで、批判的な内容を恐れて除外しちゃってるみたいなんよね

    しかもしかも皮肉なことに、本作は中国に批判めいた表現はほとんどなし
    それどころか上巻では中国(清)カッコよ!大英帝国このクソ野郎!という

    ほんともうなー
    どうにかならんかね〜

    ちなみに本作の『バベル』というタイトルはもちろん「バベルの塔」が由来なんよね

    「バベルの塔」はご存知旧約聖書の『創世記』に出てくる物語なんだけど、その内容は昔人々は同じ言葉を話していて、協力して天(神々の住むところ)に届く塔を建設しようとしてたんよ
    だけどそれを知った神様が「お前ら調子のってんじゃねー!」って怒って人々の言葉を互いに通じなくさせたという
    多言語が生まれた”分断”の物語なんよ

    そして図らずも、この騒動そのものが"分断"の象徴みたいになってしまったわけね

    実際にはその"分断"をなんとかせな!って物語なのに
    そんな作品が"分断"の象徴みたいな騒動に巻き込まれてしまったのよ

    なんだかな〜
    ほんともう残念だわ〜

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    2026年06月20日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

    Posted by ブクログ

    上巻の前半部、所謂日常パートのようなものに退屈を感じ、ここまでくるのにかなりの時間を要してしまった。上巻の後半部に差し掛かってからあっという間だった。およそ2週間で下巻まで読みきってしまった。そのくらい物語は急展開を迎え、のめり込んでしまう魅力が詰まっていた。

    あとがきの末尾に、バベルは何かを抽象化、あるいは比喩していると述べられている。個人的な想いではあるが、自分にとってそれは「社会」だと考えた。学生時代、自分が働いている姿を全く想像できなかったが、社会に出て働くことは当然だと考えていた。自分が与えられるもの、何らかの支払える対価も持ち合わせていないというのに、どうして社会から必要とされるのか、理解ができなかった。そして今思うに、それは社会が自分のような漠然とした将来像と優れた能力の持ち合わせがない者のために設計されていないということなのだと、改めて感じた。社会に出ることに必死で、時間に気持ちが追い付かない私は闇雲に就活を続け、気付いたら人生の半分以上を自分のためではなく、社会のために費やすという設計された社会に身を投じていた。彼らはバベルに所属しなければ人権などあり得なかった。そして私達も同様、仕事は人権のためであり、そのため勉学へ青春を捧げている。バベルのような結末を望んでいるわけではない。現代の「社会貢献をしなければならない」という常識は実は歴史の産物であり、人が負うべき当然のことではなく、私達が私達のために自由に選択できるものであると広く知れ渡ると良いなと考えている。

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    2026年04月19日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 下

    Posted by ブクログ

    翻訳は単なる言葉の置き換えではない。歴史的、文化的背景のもとに、似たような言葉でも別のニュアンスを持っていることがある。その差が具現化する銀工術、一種の魔法のような技術がある世界の話。この魔法を使えるのは複数の言語に習熟した専門家のみ。バイリンガルだとさらに良い。19世紀、三角貿易で栄えていた英国が舞台。ようやく奴隷制度は廃止されたけれど、アジア・アフリカ諸国からの搾取は続いている時代。オクスフォード大学で学ぶことになった留学生たちの物語なのだが、人種差別に苦しむところから始まり、多くの社会的矛盾に直面する。200年近く昔の話なのだが、現代にも通じるものがあるし、もしかすると世界情勢は逆行しているんじゃないかとまで思わせられる内容だった。

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    2026年04月09日
  • バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上

    Posted by ブクログ

    国が搾取され、そうした現実になんの疑念も抱いていない帝国主義に不信感を持ちつつ、置かれた環境に矛盾を抱えている主人公たちになんとも言えない気持ちになった。。言語がこの物語のキーになっていて、語源とか翻訳についての解説もまた面白かった。

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    2026年02月27日

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