【感想・ネタバレ】バベル オックスフォード翻訳家革命秘史 上のレビュー

あらすじ

銀と、ふたつの言語における単語の意味のずれから生じる翻訳の魔法によって、大英帝国が世界の覇権を握る19世紀。英語とは大きく異なる言語を求めて広東から連れてこられた中国人少年ロビンは、オックスフォード大学の王立翻訳研究所、通称バベルの新入生となり、言語のエキスパートになるための厳しい訓練を受ける。だが一方で、学内には大英帝国に叛旗を翻す秘密結社があった。言語の力を巡る本格ファンタジー。ネビュラ賞、ローカス賞受賞作。

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Posted by ブクログ

寝食を忘れて物語に没頭したのは何十年ぶりだろうか。
それほどまでにこの物語は、ここ十数年で読んだ本の中で特別に素晴らしい。

舞台は十九世紀のイギリス。銀と翻訳を支配する者が世界を制する時代。その中枢機関・オックスフォードのバベルで学ぶ一人の学生が主人公。

中国の広東の港で育ったことから複数の言語が得意という能力をもち少年の頃に教授に拾われる。その生い立ちがまさしくこの本の作者の人生そのものだ。

伝統と格式を重んじるイギリスにおいてアジア人はあざけられ不当な扱いを受ける。その様子が同じアジアの日本人である読者に共感を呼ぶ。

たいていの翻訳SFものはカタカナが多く人の名前は覚えられず世界にのめり込むのに苦労する。がこの物語は銀の棒以外に奇抜なSF装置は登場せず、古き良き古典SFに近い。
『三体』に挫折した者(自分)であってもスラスラと読めてしまう平易さがうれしい。

主人公ロビンはある信念に大いにゆらぐ場面がある。そのシーンで自分もロビンになりどっちが正しいのだと悩み逡巡した。こんなにも自分が主人公になりきってしまうとは!

ハードカバーは分厚く文字は小さくなかなかページはすすまないが苦にはならない。むしろ残りページが少なくなってしまうのが寂しいくらいだ。

大学に入ると3人の同期と一緒に過ごす時間が多くなる。その青春のまばゆさがまた美しい。

作者が実際に翻訳の研究をしていた先生だというから、そのうんちくがこれでもかと散りばめられている。それを訳者が日本語に見事に翻訳している。特に踊るような比喩表現が随所に出てきて感嘆させられる

SF好きでなくとも是非読んでもらいたい傑作である

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2025年05月26日

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ネタバレ

1830年代大英帝国は、言語間の意味の差異により魔法を生じさせることを力に植民地帝国を維持・建設する。言語間の隔たりのと意味の差異が銀を媒介に魔法の力となることから、混血のバイリンガルの少年がオックスフォード大学のバベルに呼ばれ教育を受ける。
大学生活の勉学と試験、友人との交流の穏やかな流れに、秘密結社との接触、さらにアヘン戦争直前の広州へ。

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2025年05月10日

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ネタバレ

二つの言語での単語の意味のずれから生じる翻訳魔法が支配する世界の中で、多数言語を学ぶ学生たちの物語という導入設定から、ハリポタを大人向けにしたブラックファンタジーと誤解して読み始めたが、開始とともに違和感満載(笑)。その裏には、アヘン戦争時の植民地政策末期での帝国主義のほころびを描いた骨太の展開があった。DEIと真反対の環境下で4人のオックスフォード大学生の視点から描かかれる反乱の萌芽は上巻を通じてゆっくり育っていき、一気にクライマックスへ。上巻と下巻の分量的バランスがこうなったのもよくわかる。嫌な予感がしつつ、これはすごく面白い。下巻へ。

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2025年04月14日

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こいつは久々ガツンときた。上巻約470頁弱、ここまで文字みっしりだとダラダラと無駄な装飾に飽き飽きしそうなもんだけど、全シーンまったく飽きが来ない。後半などは常に胃が痛むほどの緊張感を感じつつ読み耽ることになった。が、決して読むのが辛くない。敢えて言うならウンベルト・エーコ風味のハリーポッター。知的好奇心と友情をない混ぜにして楽しめる贅沢よ。いざ下巻へ続く。

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2025年03月09日

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本が出る前からSNS流れてきて気になっていた。帯の「言語の力」「ふたつの言語における単語の意味のずれから生じる翻訳の魔法」というのに惹かれてた。
単行本上下巻はなかなか勇気が必要で、まずは上巻だけを味見して失敗…上下で買うべき本でした。読んで良かった。

 翻訳の力が魔法として働く19世紀の大英帝国。大英帝国の植民地支配は広大で、日の沈まない国と言われた時代。
 翻訳の魔法は、銀の棒に同じ意味を含む対になる言葉…適合対…を刻み、それを唱えると発動する。
 扱えるのは言語に精通した者、外国語も英語もネイティブと同じくらい扱える者だけ。その銀工という技術の研究と製作を担うのがオックスフォード大学にあるバベルという機関。魔法に使う英語との適合対は英語から遠い言語であるほど強いという。発動させる側も、母国語で夢を見るくらいの外国人翻訳者であるほど強い力があるという。帝国は広い領土から翻訳者と銀を集め、銀の魔法を占有している。

 そういう舞台装置で描かれる架空歴史学園ファンタジー……いやいや、これは、革命史。そう、タイトルは「バベル オックスフォード翻訳家革命秘史」後書きによれば、英語タイトルでは「バベル、あるいは暴力の必要性 オックスフォード翻訳家革命秘史」だそうで、助長なので「あるいは暴力の必要性」は削られたそう。読後に知ったけれど、たいへん的を射たタイトルだと思った。

 物語全体を通してもっと魔法がばんばん出るのかと最初は思ったけど、銀工を使うシーンはここぞ!という時にだけ登場する。
 銀の魔法が何に使われているのかというと、水や空気をきれいにする、鉄道や船の蒸気機関を速く動かす、病気の快癒、遮音フィールド、建造物の補強などなど、あらゆる場所に様々に使われて、産業の効率化、都市部の快適な生活を支えているらしい。

 上巻はマイフェアレディのような雰囲気で始まり、ハリーポッターのような雰囲気の学園ものになり、イギリス料理にスコーンにボートに進級試験。丘でピクニックする男の子たちとかさぁ…本筋から離れてウキウキしてしまうじゃないですか。女の子たちや、影のある魅力的な男性、ステキな上級生らも登場し、大変だけど充実した学園生活。
 そして何より魅力的なのが、散りばめられる言語や翻訳についての様々な知識。わたしは語源学のくだりが楽しかった。日本になじみの台風の語感についてや、大好きなCoffeeがアラビアからどんな変化をしながら英国へもたらされたかとか。おもしろいけど語源学は「悪魔的にきつい」らしいね。
 楽しい、でも、ひたひたと変化が追ってくる緊張感を感じていた。

続きは下巻で。

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2025年03月02日

Posted by ブクログ

久しぶりに時間が過ぎるのを忘れるほど夢中になって読んだ。

基本はハリー・ポッターを思わせる魔法学園ものなのだけれど、帝国主義や階級社会の闇が色濃く描写されていて、現代性が強い。
主人公を含む同期4人組が男2女2で、1人だけが白人という設定も効果的。かけがえのない友情を育みつつも、互いのマイノリティ間ギャップに苦しみ、栄光と信念の間で悩む姿がリアル。

なにしろ、銀の棒に適合対となる言語を刻んで魔法を発現させる、というアイデアが発明すぎる!言語の盛衰が魔法に影響したり、英語から遠い言語を扱える者が重宝されたり、魔法によって産業や生活が豊かになっている、という設定がおもしろすぎるし、メタファーとしても優れている。

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2025年10月22日

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この本を手にする時も、読んでいる途中でも「SFファンタジー」という分類定義に何度も邪魔された。
SFならまだしもファンタジーは流石についていけないという思い込みに、「そんなのを何で今更読むんだ」と幾度となく引き止められた。
しかし純文学を頂点とする序列感覚や好き嫌いの決めつけがいかに読書の世界を狭めていたか思い知ることになる。そもそも文学や小説は仮構でありフィクションだ、作家は自由に創造力と構想力で表現を極め、読者がそれを受け止めて楽しめばよい。
それが自分の濫読のコンセプトであったはずだ。

この作品は傑作であることは間違いない。
ネビュラ賞・ローカス賞については知らなかったが、知れば受賞も宜なるかなである。

構想が奇抜である。
そして何よりも作者の「言語(言葉)」に対する思いや造詣の深さが尋常ではない。
言語については今自分も強く関心を持ち、文学、思想、哲学、宗教等すべての大元であり、時季をえた課題である。異なる言葉を繋ぎ調整する「翻訳」も重要で言語と翻訳はセットである。

これを手段か武器にして19世紀のイギリスが世界の植民地支配を強行するというのが物語の背景だ。
オックスフォード大学という知性と学術の中心がその侵略を支える。学内に九階建てのバベルの塔のような建物が象徴的に聳え、優秀な学生や研究者が集まる。マイノリティの男女4人がネイティブな翻訳者となることを目指して入学する。当初彼らの学生生活は夢と希望に満ちた素晴らしいものであった。

広東の貧民街で中国人少年は疫病で母親を失う。
彼はこの物語の主人公であり父かもしれないラヴェル教授に認められオックスフォードで学ぶことになる。そこで後に植民地侵略に抵抗する反政府組織ヘルメス結社と接触する。似た境遇育ちの先の仲間三人も同じ活動に関わる。

当時のイギリスは通貨としての銀を世界中から集めて繁栄する。「銀工術」という銀の棒の表裏に原語と翻訳語を彫り、「適号対」として霊力を発動させる魔術をバベルの研究者達が駆使していた。物語では最初からこの魔術が登場し活躍する。これがまさにファンタジー(幻想)であり銀本位制の寓話のようでもある。

大胆な構想で説得力あるストーリー、内面描写も丁寧で読者を引き込んでいく。
下巻の展開が早く知りたくなる。

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2025年08月03日

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19世紀のオクスフォードを舞台に、銀細工による魔法がイギリス中に行き渡っている、という設定の元に描かれる架空歴史モノ。主人公は清国で生まれ、イギリスで育った若者。
 翻訳のニュアンスのズレが魔法の源だが(魔法に呪文はつきものだ)、言語について深く踏み込んでいるのは興味深い。オクスフォードを舞台に、マルチリンガルである主人公は、翻訳の妙味を学びつつ、19世紀のイギリスということで、ブリカス全開の現実に向き合う。銀細工の魔法が産業革命の蒸気機関の代替となっていて、盛り沢山の作品だ。

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2025年07月16日

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同じ意味の単語を二か国語からそれぞれ選んでも、語源を辿ると完璧には一緒の意味を示すことにはならない。言葉は、単語一つ取り出しても歴史的・文化的背景によって本質的に多義的なのだ。この単語のペアに含まれた意味のズレに魔法が宿る、という設定が面白い。これは自分でも考えて作りたくなる。
例えば日本語と英語のペアでは、こんなのはどうだろう?
「間」と「gap」をGoogleで調べるとAIがこう回答してくれる。

「間(ま)」と「gap」は、どちらも「隔たり」や「隙間」を意味しますが、ニュアンスや使われ方が異なります。「間(ま)」は、時間や空間、または心理的な隔たりなど、幅広い意味で使われる抽象的な概念です。一方、「gap」は、物理的な隙間や、数値、能力、意見などの隔たりを指すより具体的な言葉として使われます。

「間」には、「隣の間で控えください」「間が悪い」といった「gap=隙間」には収まらない用法がある。「space」「timing」が相当するかな。
それでは、「間」/「gap」を銀棒に刻んで、いざ唱えると、「間」に含まれる意味の違いが発現するはず!

1.隣家との狭い壁の隙間が、急に広々となる。
2.会議と会議の間の貴重な隙間時間に、同僚からムダ話しされるのが回避できる。
こんなしょぼい魔法が作動するかは全く不明。残念ながら銀工術の試験は落第だろう。

「バベル」は、難解で混乱しない程度にアカデミックな翻訳を巡る考察と、男女4人のオックスフォードでの学園青春の雰囲気が、とても楽しい。特に翻訳とは原文に対してどうあるべきかの議論のくだりは、海外文学好きとしては興味深いところだ。

でももちろんそれだけはない。
原題は「バベル、あるいは暴力の必然性:オックスフォード翻訳者革命の秘められた歴史」なのだから。
魔法を発動するためには、英語とは成り立ちが異なる言語とネイティブな翻訳者が必要だ。
しかし、その貴重な言語と翻訳者たちは、“文明化されていない劣等人種の住む植民地”から、大英帝国の繁栄のために供される“資源”に過ぎないとしたら?

植民地主義とは何か、自由貿易や自由意志という名の下でどれだけ搾取され格差を受け入れてきたのか、富めるものはより栄えて貧しいものは更に奪われる現実を変えることはできるのか。
暴力と痛みでしか革命は成し遂げられないのか。

多くのテーマを抱えて物語は加速し、下巻へ進む。








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2025年07月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ラヴェルがヘルメス結社のメンバーという激アツ展開来たかと一瞬思ったが当たり前に違かった。冷静に考えればこれまでのラヴェルの行動や言動を踏まえればそうなるわけがなかった。

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2025年06月17日

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読み始めた時には、大学生版ハリーポッターみたいな流れでそのうえ話しが継ぎ接ぎな章ばかりだなと思いながら読んでいたら徐々に話の焦点にピントが合っていくようになってきて半分過ぎたところくらいから没頭して読むのが止まらなくなってしまいました。それでは下巻へ行ってきます→

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

作品の世界観が斬新で、「翻訳の差異が生む力」を利用するという設定が面白い!難しい内容の本かと思ったが、学園ものファンタジーな感じで、読んでいて楽しかった。特に上巻は読む手が止まらなかった。

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2025年05月27日

Posted by ブクログ

圧倒的な銀の保有量と覇権言語の英語を母国語とする英国帝国が世界支配を強める中、それに反旗を翻す革命家たちの物語。

現実の世界史を下敷きにする魔法ファンタジー。帝国vs抵抗軍という古典的な対立構造だけど今のグローバリゼイションや欲望の肥大化へのアンチテーゼとも読める。多様性や寛容性というのはなかなか育まれにくい。下巻での伏線回収が楽しみ。

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2025年04月20日

Posted by ブクログ

19世紀、大英帝国は世界中の銀を手中に収めることで空前の大繁栄を遂げていた。
そんな中、遥か彼方の中国・広東で死にかけていた少年ロビンが、非印欧語のネイティブかつ英語話者という資質を買われオックスフォード大学教授のラヴェルの元で言語を教え込まれ翻訳家への道を歩み出す。
だが一方で、帝国に反旗を翻そうとするヘルメス結社の存在があった。

寮生活で親友たちと一緒、魔法が出てくるということもあって、どこか『ハリー・ポッター』のような雰囲気もあった
前半・ロビンたちの順風満帆さと、後半・その順風満帆さの裏に隠れた世界の構造との対比がえげつなかった
時々入る注釈が、『バベル』世界そのものの注釈として(例えばロビンの家族の話だったり)機能しているのが、世界観に浸れて楽しかった
言語が好きな身として、しばしば入る単語の由来や言語そのものについての解釈は読んでて興味深かった

下巻でどういった結末にもっていくのか気になる

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2025年02月27日

Posted by ブクログ

タイトルだけ見るとなにやら小難しそうな印象だが、本作は19世紀イギリスを舞台にしたアカデミックなファンタジーだ。著者は前書きに相当する注釈で「スペキュレイティブ・フィクション」と呼んでいる。ネビュラ賞、ローカス賞受賞作だ。
銀の棒に刻まれた2つの言語による単語の意味の違いから生じる魔法が、イギリスに強大な力を与えていた。オックスフォード大学の敷地内にある研究所〈バベル〉の新入生となった男女4人が、世界中の言語とそれをめぐる陰謀に向かい合う姿を描く。
上巻だけで467ページもある。注釈も多く、読みやすいとはいえないがおもしろい。下巻へ。

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2025年02月23日

Posted by ブクログ

どれだけ理解できているのか自分でもちと怪しい。中国語の知識が少しあるおかげで、助けられている部分もある。難しいとも思える。さて、大きな転換点にやって来たけれども、この後どうなるのか。歴史通りであれば余り後味が良くない結果となるのだろうが……やはり読み進めるしかない。

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

これはSF?
なにやら難しい言語小説を読み始めてしまったなぁ。と読み始めの感想。
しかし、難しいことは難しいが、いくら考えても日本語以外はちょっとした英単語しか理解できないので、難しい言語の解説はさらっと読み飛ばし。
上巻で470ページ、文字びっちり、でも読むペースは落ちない、後半は、なにこれ続きが気になってしょうがない。

主人公のロビンは悪者なのか、弱いのか強いのかよくわからない。頭がいいってことだけはわかったが、物語の最後にはわかるだろうか・・・。

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2025年09月25日

Posted by ブクログ

銀の棒に刻まれた言葉について、2カ国の言語の微妙な意味の違いにより魔法が起きる。
というなんとも不思議な設定だけど、それが現実のアヘン戦争に繋がっていく。
語源に関する描写も詳しくて、好きな人にはハマりそう。
私は海外文学をあまり読まないのでなかなか進まなかったが、なぜか後半から急に読みやすくなった。とりあえず下も読む。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

思っていた【ファンタジー】とは違った
登場人物達も苦しんでいるけれど、読者も苦しい

植民地、アヘン、そんな現実にもあった事柄をなぞっているので、困惑してしまう
決して読みやすくはないけれど、それでも下巻も読もうと思う

「さぁ、どうする?」

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2025年06月23日

Posted by ブクログ

翻訳の可能と不可能性、とでも言えばいいのか。言葉を翻訳によって力を得ているけれど、ただ写し変えているだけで、本当の意味=その言葉の持つ力までは分からない、と言えばいいのか。
前半の学生生活の楽しそうな雰囲気は良かった。それぞれの苦しみはあっても、分かりあえているようにみえた。それでも、もう一度読みたいかといわれたらNOだろう。
全体を覆う、重い満たされない情念のようなものが絡みついてくる。私は読書にそういうものを求めてないので、もう読まないと思う。

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2025年08月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ファンタジーと思って読み、
めちゃ真面目な面もあるー現実も反映したような、お話でした。
こういうのが歴史小説、というのか…
そして、国際的でした。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

魔法!ファンタジー!わくわく!と思って読み始めたらめちゃめちゃダークファンタジーで、 苦しい…悲しい…と思う場面が多くありました。けれど学生らしいふふっとするようなシーンもあり、読んでいてほんとうに色々な感情が芽生えました。 言葉を訳すことによって生み出される魔法の力。たくさんの言葉の意味が作中に登場して、それがどのような効果を生み出すのか、読んでいてとても面白かったです。しかし後半に行くにつれて、その力は正しく使われているのか。 そう疑問に思う主人公たち。その結末はとても胸が苦しくなりました。 ラヴェル教授が序章では想像もつかないくらいひどい(グリフィンとロビンをバベルに連れてくるための経緯)人物だ…と気づいたり、グリフィンとロビンの切ない関係性だったり、 物語だけではなく、人間関係も細やかに描写されていて本当に読み応えがある作品でした。 ヴィクトワールとレティはその後どうなったのか、あれこれ考えてしまいます。 とても面白い作品を読ませていただいて、ありがとうございました!

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2025年10月13日

Posted by ブクログ

2025.4.5-2025.4.7
イギリスの帝国主義には唖然とさせられるけど、4人の大学での交流、友情、信頼、諍い、などなど。彼らは現代の若者のような気楽な身分ではないとしても、この年代特有の強い結びつきが眩しい。
下巻で物語がどう転がっていくのか。不安と期待。

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2025年04月07日

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