作品一覧

  • キャクストン私設図書館
    5.0
    イギリスの片田舎にたたずむ〈キャクストン私設図書館&書物保管庫〉では、シャーロック・ホームズやドラキュラ伯爵など、名作の登場人物たちが実体化して暮らしている。ひとりの登場人物との出会いをきっかけにこの図書館を訪れた読書好きのバージャー氏は、やがて物語の世界をゆるがすとんでもない事件を引き起こし……。エドガー賞最優秀短編賞を受賞した表題作ほか、同図書館で語り継がれるホームズの逸話、『失われたものたちの本』の世界から贈る短編、次々と怪現象を起こす奇書をめぐる中編の四作品を収録。本と物語がテーマの作品集!/【目次】キャクストン私設図書館/虚ろな王(『失われたものたちの本』の世界から)/裂かれた地図書──五つの断片/ホームズの活躍:キャクストン私設図書館での出来事/訳者あとがき/解説=牧眞司
  • 失われたものたちの国
    4.1
    邪悪な魔女や人間を襲う人狼。クロスボウを構えたラプンツェル。人間を憎む恐ろしい妖精(フェイ)。――「めでたしめでたし」なんて、無縁の世界。ロンドンに暮らすセレスは、ひとりで8歳の娘を育てていたが、ある日、娘が交通事故で昏睡状態となってしまった。医師の勧めで、セレスは田舎にあるケア施設に娘を移すことにする。その施設の敷地には、『失われたものたちの本』という物語を書いた作家の古い屋敷があった。娘の看病を続けるセレスが限界を迎えた日、彼女は何者かに呼び寄せられるようにして屋敷の屋根裏部屋に入り込み、さまざまな本が呼びかけてくる声を聴いた。そこに突然現れた怪物に襲われ、屋敷から逃げ出すが、気がつくと知らない場所に迷い込んでいた。そこは魔女や人狼、巨人たちが存在する、美しくも残酷な世界だった。セレスは元の世界に戻れるのか? 異世界冒険譚『失われたものたちの本』続編!
  • 失われたものたちの本
    4.1
    第二次世界大戦下のイギリス。本を愛する12歳のデイヴィッドは、母親を病気で亡くしてしまう。孤独に苛まれた彼はいつしか本の囁きを聞くようになったり、不思議な王国の幻を見たりしはじめる。ある日、死んだはずの母の声に導かれて、その王国に迷い込んでしまう。狼に恋した赤ずきんが産んだ人狼、醜い白雪姫、子どもをさらうねじくれ男……。そこはおとぎ話の登場人物や神話の怪物たちが蠢く、美しくも残酷な物語の世界だった。デイヴィッドは元の世界に戻るため、『失われたものたちの本』を探す旅に出るが……。本にまつわる異世界冒険譚!/【収録作】失われたものたちの本/シンデレラ(Aバージョン)

ユーザーレビュー

  • 失われたものたちの国

    Posted by ブクログ

    前作がかなりダークだったので覚悟して読み始めたが、前作にあった理不尽な怖さは感じなかった。前作が書かれて17年経っての続編。母を喪った子の話と、子を失ないかけている母。相似する部分もあれば対比されている部分もある。一方で、主人公を女性にすることで、現代の女性が抱える問題、例えばミソジニーについても取り上げられている。最後のドライアドの人称がwe/theyであることも、種族の代表であるという意味だけでなく、最近のLGBTQ的配慮なのかもしれないと感じた。前作と今作、それぞれに魅力のある本で、両方を読むことで面白さも増えるものだった。

    0
    2025年07月24日
  • 失われたものたちの本

    Posted by ブクログ




    色んな側面から考え、
    空想し、畏怖した。
    こりゃ人生の10冊に入る…

    人間のもつ勇敢さと醜さ、
    生と死、過去と未来、
    成長と衰弱、

    そういったものの蠢き、
    生命の持つエネルギー、
    対比のようで一直線上にあることを
    体感した一冊だった。と、思う。

    なかなかグロテスクな描写もあり、
    美しさは美しさだけで出来ている訳ではなく
    一筋縄ではいかない。
    どちらもあるから美しいとも言えそう。
    綺麗事や理想だけじゃないのが余計にリアルで心にくる。

    なんか、上手く言葉に出来ないんだよなぁ…
    なんだろうこの気持ちは。
    ただただ喰らっている。立ち尽くしている。
    自分にとってとても大切な部分が、この物語

    0
    2025年07月06日
  • 失われたものたちの本

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦直前のイギリスから、「赤ずきん」や「白雪姫」のような童話が邪悪な話に変化している世界に迷い込んだ主人公のデイヴィッド。元の世界に戻るために、王様に「失われたものたちの本」を見せてもらうために、木こりや騎士の助けを得て旅をする。不気味なねじくれ男につきまとわれるし、ともかく色々な物語が入っていて、それでもちゃんと冒険譚になっている。最初の部分は、なかなか読み進みにくかったのだけれど、途中からリズムが良くなった。ちょっと、グロテスクな部分もあるし、お伽噺を愛する人には勧められないかもしれない。

    0
    2025年07月02日
  • 失われたものたちの国

    Posted by ブクログ

    前作から15年の月日が経っていることを感じさせる一作だった。物語は作り手の変容や時代の変容と共にあるのだと同じ著者の本を読んでいくとつくづく感じさせられる。
    前作が母を失い、義母と馴染めない少年の成長譚で、今回は一人娘が事故で植物状態となったシングルマザーの心の回復の物語。主人公のセレスは失われたものたちの国で32歳の記憶も精神も保ったまま16の姿になって旅をする。前作がまだ幼く様々な事によって経験をつみ大人となっていくのと異なり、今回セレスはまず今までの経験を踏まえて様々な事に冷静に対処していく。ただ思春期の頃に戻ることでもう一度子供心も取り戻しつつ、大人としての生き方を再度見直していくこと

    0
    2025年06月28日
  • キャクストン私設図書館

    Posted by ブクログ

    この人の小説は独特のグロテクスな感じが好きだ。外れが無く面白い。
    ラブクラフトを彷彿させて楽しく読めた。

    0
    2025年03月04日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!